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「SPEC」シリーズの新作が配信!冷泉俊明の過去を描く物語2021/01/25

「SPEC」シリーズの新作が配信!冷泉俊明の過去を描く物語

 Paraviでは2月18日から、人気ドラマシリーズの新作「SPECサーガ黎明篇『Knockin’on 冷泉’s SPEC Door』~絶対預言者 冷泉俊明が守りたかった幸福の欠片~」(深夜0:00)を独占配信。主人公・冷泉俊明役で田中哲司が主演を務める、田中の若き日を佐藤隆太が演じる。

 2010年の10月期にTBS系の「金曜ドラマ」枠で放送された「SPEC~警視庁公安部公安第五課 未詳事件特別対策係事件簿~」。その独特な世界観と巧妙かつコミカルな演出は多くの人をとりこにし、18年には続編の「SICK’S」が制作されるなど、その世界は今なお色あせることなく広がり続けている。そして「SPEC」放送から10周年となる今年に向けて、「SPEC」のキーマンであった田中演じる、冷泉俊明の物語を制作するプロジェクトが進行していた。

 冷泉は、奇抜な衣装とセリフ、物語の鍵となる預言の数々で抜群の存在感を放っていたキャラクター。本作では、冷泉と侍従の豊福真己が過去を回想する形で物語が進んでいく。若かりし頃の冷泉は、本名である鈴木俊明の名で、健康食品の訪問販売営業マンとして働いていた。田中演じる冷泉の若かりし頃を佐藤が演じるという、似ても似つかない2人のキャスティングについては、劇中のセリフでも触れられている。

 撮影前に衣装を合わせる際、「連続ドラマの時は真夏でこの衣装なので地獄でした。今回は春先だし快適に撮影できるから気持ちが楽です」と10年前を振り返っていた田中。そして、20年3月26日にクランクインしたものの、新型コロナウイルス感染拡大の影響で4月1日に撮影が一時見合わせ。キャスト・スタッフのスケジュールが合致し、撮影が再開されたのは8月19日だった。冷泉の衣装を着ての撮影は、またも真夏となってしまったのだ。予定していたスケジュールとは大幅にずれてしまったが、メインビジュアルにも使用している過酷な護摩行の撮影も乗り越え、撮影は無事に終了した。

 SPECサーガは「ケイゾク」「SPEC」「SICK’S」の3部作からなるもの。本作には「ケイゾク」に登場した木戸彩の妹・木戸晶役で鈴木紗理奈が出演。また、「SPEC」に登場した病を処方する医師・海野亮太(安田顕)も物語の鍵を握る場面で登場する。さらに、鈴木がひかれる女性・赤木美里役を大政絢が演じる。3部作の世界が交錯する部分をひもといていくのも、この作品の楽しみの一つだ。

 「何年か前にある若手俳優と話していて、僕と初めて会った時、『うわ~冷泉がいる!』と思ったそうです。気恥ずかしいと同時に、この作品の影響力を感じました」と作品にまつわるエピソードを明かす田中は、「『SPEC』の冷泉役は、初めての堤(幸彦)監督だったので、独特な撮影のやり方に面食らい、必死で現場に通ったのを覚えています」と過去の撮影を回顧。

 そして「あれから10年。また冷泉をやれる喜びもつかの間、なぜか撮影は真夏。あのカツラと衣装は、もはや着ぐるみです。久しぶりに地獄の撮影を体験しました。いや~痺れました」と苦労した様子。自身の若き日を演じる佐藤が演じたことについては「もう、心強さしかありません」と信頼を寄せている。

 「『SPEC』という人気シリーズに参加できることを光栄に思うと同時に、初めての連ドラ出演作『池袋ウエストゲートパーク』(TBS系)からちょうど20年がたったタイミングで、また堤監督とご一緒させていただけたことが僕にとってはとても感慨深く、最高にうれしかったです」と出演を喜ぶ佐藤だが、役柄には疑問を抱いた様子で「とはいえ、オファーをいただいた時は『なんじゃコレはっ!?』と思い切りツッコミましたが。(ちなみに顔はめっちゃ笑顔)設定が斬新過ぎて。冷泉さんの若かりし頃…って、俺もう40だし。俺がやるくらいなら哲司さんがそのままやった方が、すんなり見られるんじゃないですか…とか」と複雑な思いがあったそう。それでも「そんなこんなでハナからツッコみどころは満載なのですが、この現場に入る前段階からの遊び心のお陰で、僕も『SPEC』の世界に仲間入りさせていただけたので感謝しています」と語る。

 そして「哲司さんが作り上げた冷泉さんは多くのファンの方から愛されているキャラクターなので、演じることにかなりのプレッシャーがありましたが、堤監督とプロデューサーの植田さんから『気にせず楽しんで演じてください』と言っていただけたので、その言葉をありがたく頂戴し(笑)、ほかでは味わえない世界観を思い切り堪能させてもらいましたっ! いや〜、楽しかったなぁ!!! あとは、この興奮を視聴者の方々と共有できればと願うばかりです」と、「SPEC」ワールドを存分に楽しんだことを伝え、視聴を呼びかけた。

 「ケイゾク」で自身が演じた木戸彩の妹・木戸晶として本作に出演した鈴木。コロナ禍での撮影に、「世界中がこんな状況の中、ドラマや映画、たくさんの作品に触れる機会が多くなっていることが希望と光になっています。そんな時期にこの作品に関わらせていただいたことが、私自身の生きるエネルギーともなりました」と、自身の力になったことを打ち明け、「ぜひ、『SPEC』ワールドを思う存分堪能していただき、充実したステイホームを過ごしてください」とメッセージを寄せている。

 大政は「『SPEC』に参加できる!!! 『SPEC』ファンでもあった私は、初めてお話しをいただいた時、驚きと喜び、両方の感情がわきました!」とオファーを受けた際の率直な心境を明かし、役柄については「私が演じる美里は純粋さ、真っすぐさを持ちながら、鈴木俊明に出会い運命が変わっていきます。あまり性格をお話するとネタバレになってしまいそうなので…」と含みを持たせたコメント。

 そして、「撮影でレモンをかじるシーンがあったんですが、田中哲司さんと佐藤隆太さんをただただ尊敬しました! かじった後は酸っぱいだけではなく、苦い? 痛い? そのシーンを何度も演じていたことにも驚きながら、私もそのレモンの苦味を感じ、より一層堤組に参加できている…! といううれしさも込み上げてきて、さまざまな感情が出てくる撮影期間でした!! ぜひ、期待して待っていただけるとうれしいです!」と大好きな作品への出演に、一言では語り尽くせない思いを抱いたことを伝えた。

 詐欺まがいの高齢者向け健康食品を訪問販売している鈴木は、生来の生真面目さと皮肉屋根性が災いして、悪徳セールスマンとしては成績も残せず大きな壁にぶつかっていた。営業の途中で車にひかれそうな老人を見つけた鈴木は、持ち前の生真面目さで助けるも、そこで頭を強打。さらに別の営業先で後頭部を強打し、鈴木の脳に異変が起こり始める。そしてボランティア活動をしていた美里に心を奪われてしまうと同時に暴漢に襲われ、三度目の頭部強打。ついにそのSPECが目覚めてしまう。未来が見えるようになった鈴木は、その能力を乱用し競馬・富くじ・違法カジノと金を荒稼ぎ。そうして大金を手にした鈴木だが、美里に迫りくる不幸な未来を見てしまい、美里を守ろうとなりふり構わずその金を使っていく。しかし、美里にも秘密があった――。

 一方で、SPECを利用しようとする勢力がうごめいていた。SPECの存在に気付いた国家をも動かす謎の存在が、鈴木をはじめとするSPECを持つ者を利用しようと動き始めたのだ。その中の1人が、捜査一課の庶務担当・彩の妹で公安の特殊工作隊・SWEEPに所属する晶だった。鈴木の生真面目さとSPEC。それを利用しようとする者たちが交錯し、「ケイゾク」「SPEC」の作品の枠を超えたクライマックスを迎える。


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