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堀田真由主演でドラマ化!「ヤングシナリオ大賞」受賞、的場友見さんが語る 「フィクションの力」で伝えたいものとは?2021/02/27

 坂元裕二、野島伸司、橋部敦子、浅野妙子、黒岩勉といった数々の人気脚本家を輩出してきた「フジテレビヤングシナリオ大賞」。受賞作品は特典としてフジテレビにてドラマ化されることでも知られるコンクールで、第32回となる今回、全1567作品の中から大賞に選ばれたのが、的場友見さんの「サロガシー」だ。

 主人公の女性・江島環(堀田真由)がゲイである兄・聡(細田善彦)のために、代理母として妊娠出産すること(=サロガシー)を決意するというストーリーで、その両親や周囲の人々の心境、環の生き方が描かれていく。代理母出産やLGBTといったセンシティブな題材だが、登場人物を丁寧につづり、その人間的魅力を描き出していく巧みな構成とともに、医療制度や法律、社会通念、倫理観などに関するさまざまな現代社会の問題に真摯(しんし)に向き合っている点が高く評価された。果たしてどのような思いから生まれた作品なのだろうか。的場さんに話を聞いた。

――まず、「フジテレビヤングシナリオ大賞」に応募したのはなぜでしょうか?

「坂元裕二先生や野木亜紀子先生など、第一線で活躍されている私の好きな脚本家の方々が受賞されているコンクールだと知ったからです。私はシナリオライターとしての実績はありませんが、コピーライターとして10年以上文章を書いてきました。応募したのは昨年に続いて今回で2回目です」

――サロガシーというテーマを書くに至った経緯を教えてください。

「同性愛者の友人と世間話をしていた時に、海外だとサロガシーで代理人に子どもを産んでもらうことがあると知ったのがきっかけです。実際に彼の友人はそういう形でお子さんがいるそうで、“そういうこともあるんだ!”と知り、書いてみたいと思いました。また、別の友人との会話では『“セクシャルマイノリティーの人はかわいそう”とか“つらい思いをしている”という決めつけがある』という話も聞いて。 “セクシャルマイノリティーはかわいそうで、ストレートは幸せだ”という区切り方って、本当にそうなのかなと疑問を持ちました。そういう固定概念を崩し、違う視点を持っていただくきっかけになるような話を書きたいと思ったんですよね」

――そんな本作の中で、的場さんが最もこだわったところはありますか?

「ゲイのカップルを特殊に描かないよう注意しました。ゲイのカップルが出ているだけで“LGBTもの”みたいな印象にはなってほしくなかったので、男女のカップルと変わりないように…。また、環の出産のシーンは自分に経験がないので、リアリティーがないと思われないように気をつけました」

――実際に出産を経験した方にお話を聞いたりしたのですか?

「“出産って不思議だなあ”と以前から興味があったので、(知人に子どもが)生まれるたびに聞いていたんです(笑)。なので、日常的に聞いていたものを落とし込んだ感じです。そして、できればコメディーにしたくて…。出産のシーンが重いと、全体的にも重いドラマになると思ったので、キャラクターの個性を生かしてコミカルに仕上げました」

――キャラクターの魅力は選考理由にも挙げられていましたよね。

「環は、“サバサバしている”とか一言では表せない人物です。内に深いものを抱えているけれど、それがネガティブな感じではなく人としての魅力につながっているといいなとイメージして書いていました」

――演じられるのは堀田真由さんです。

「誰かキャストをイメージして書いていたわけではないので、(役に)合う・合わないというよりも、“へえ〜”と(笑)。複雑な役なので、演じるのは難しいだろうなと思っていたのですが、実際に撮影現場を見せていただいたら、想像をはるかに超えて“完全に環”でした! ベストマッチだなと思いましたね。母親に言い返すシーンや、ちょっとバカにして笑うしぐさなど全てが嫌みじゃなくて、“この人は何か思いがあってこういう態度を取っているのだな”と伝わってきました」

――堀田さんとは何かお話をされましたか?

「『台本を読んで、この役は他の人ではなく絶対に自分がやりたいと思いました』と言われたのがうれしかったです。兄役の細田(善彦)さんと、そのパートナー役の猪塚(健太)さんとも話をする機会があったのですが、ずっとペアリングを付けたままお話されていて本当のカップルのように見えて、いい空気感だなと(笑)」

――初めての映像化は、いかがでしたか?

「自分の頭の中をそのまま再現していただけて感動しました。映像化するにあたり尺の問題で内容を少し削ったのですが、大変なことは全くなかったです。監督やプロデューサーが作品を深く理解しようとして真摯に向き合ってくださったので、“こんなに大切に思ってくれるんだ…!”と。私が削るのをためらわなくても監督が思い入れを持ってくださったシーンなどもあり、自分が書いたものの価値を客観的に教えていただけたので、日々のやりとりの中で小さな感動を覚えていました」

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