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女性の悩みに寄り添う! テレ東・工藤里紗プロデューサーの思い 「違和感を可視化することが大切であり、逃げずに見せたい」2021/01/23

女性の悩みに寄り添う! テレ東・工藤里紗プロデューサーの思い 「違和感を可視化することが大切であり、逃げずに見せたい」

 テレビ東京にて1月23日午後4時から放送されるバラエティー「ついていけない子さんを愛でる~フェムテック戦隊!問題提起型ドラマバラエティ~」。「SDGs」や「PMS」、「フェムテック」や「サウナー」など、聞いたことはあるけど実はよく分からない言葉(ワード)をテーマに、興味がない人でも楽しめるドラマ形式で紹介しつつ、スタジオではゲスト陣のぶっちゃけトークも繰り広げられます。

 今回は、番組のプロデューサーである工藤里紗さんを直撃。今までにもドラマ「アラサーちゃん 無修正」(テレビ東京ほか)や昨年放送された話題沸騰のバラエティー「生理CAMP2020」を手掛け、女性ならではの悩みと向き合ってきた工藤プロデューサーに、番組で取り上げられるさまざまなテーマへの思いや企画を生み出すための秘訣(ひけつ)、本番組で男性ゲストとして出演した超特急の草川拓弥さんや我が家の坪倉由幸さんへの印象などをお伺いしました!

――今回の「ついていけない子さんを愛でる」では、視聴者の皆さんが番組を見るとちょっと楽になり、ちょっと時代についていけるというコンセプトになっていますが、本番組の企画のきっかけはどのようなものだったのでしょうか?

「昨年8月にテレビ東京で放送した『生理CAMP2020』という番組で、森三中の黒沢かずこさんの生きづらい生理ライフを伺い、また、そんな黒沢さんへの反響が大きかったのがきっかけになっています。コロナ禍で、リアルでの出会いやコミュニケーションが減る中、ネット中心の生活になり、自分に都合のいいものばかり無意識に見る“情報バイアス”にかかっていたのもそうですね。もっと表に出てこない黒沢さんのような声を大切にしながら、エンタメで楽しむ番組ができないかなと考えていました」

女性の悩みに寄り添う! テレ東・工藤里紗プロデューサーの思い 「違和感を可視化することが大切であり、逃げずに見せたい」

――表に出てきづらい声を大切にするという点に、“テレビ東京らしさ”を感じますね。

「『SDGs(持続可能な開発目標)』という言葉も意外と知らない人が多かったり、『PMS(月経前症候群)』に関しても、生理前の不調は知らなかった!という人がいたり…。そういったことも、知っていると、イライラしたり落ち込んで自分を責めることも減りますし、前もって予定を調整したりなど何かできることがあったりするんじゃないかなと。サウナに関しては、個人的に好きなのですが、サウナ好きの人が集まって話しているのはどんな会話なのかな?と思いピックアップしました。大変な世の中ですが、何か少しでも興味を持ち、気持ちよさを知ってもらえるとうれしいです」

女性の悩みに寄り添う! テレ東・工藤里紗プロデューサーの思い 「違和感を可視化することが大切であり、逃げずに見せたい」

――各企画への思いが伝わってきました。このような番組の企画を生み出すために、工藤プロデューサーが日常生活の中で意識していることはあるのでしょうか?

「知らないことをシャットダウンしないことです。あと、“面白がりポイント”を見つけること。必ずしも、笑えることではないかもしれませんが、楽しいことや悲しいこと、経済や人生ドラマ、キャラがないと思われる人にも、絶対に興味深いところはあるので、そこを楽しむようにしています。企画会議を開いて企画を考えるタイプの人もいますが、私の場合は『考えよう!』と思っていい企画を考えられたためしがありません(笑)。お風呂の中や通勤途中、ドラマや映画を見ている時だったり、息子とのやりとりや、居酒屋で後ろにいるお客さんの様子など…ふとした時に“面白ポイント”を発見して、気になるテーマが浮かび上がります。それを忘れないようにメモして、肉付けをしていき企画を考えています」

――あらゆる場面でアンテナを張られているんですね。では、実際に番組収録を終えてどのような部分が印象に残っていますか?

「印象に残っているのは、『PMS』の話の際に“生理”というワードがたくさん出てくる中で、ゲストの国生さゆりさんが『ちょっとついていけない…』『もっとオブラートに包んだ言い方ができないの?』とお話になったところです。ある意味、普通の反応で、そうですよね…と痛感しました。対する、同じくゲストの和田彩花さんや黒沢さんは、普通にダイレクトに話されていて。あらためて“生理”という言葉すら発する壁や世代の差、価値観の違いを感じました。どちらが良い悪いではなく、大変なことも口にせず戦ってきた人の言葉の重みというか。もちろん、異議を唱えたり、疑問を口にすると、スタジオの空気はガラッと変わることもあるのですが、予定調和でただワイワイするだけの番組よりも、このような違和感を可視化することが大切であり、逃げずに見せたいと思いました。また、そんな国生さんが番組後半で更年期についてお話になったところも、学びが多かったです。更年期から考えさせられた人生についても、ぜひ視聴者の皆さんに見ていただきたいです」

女性の悩みに寄り添う! テレ東・工藤里紗プロデューサーの思い 「違和感を可視化することが大切であり、逃げずに見せたい」

――男性ゲストとして、超特急の草川拓弥さん、我が家の坪倉由幸さんも出演されますが、お二人をキャスティングされた理由を教えていただけますか? また、収録を終えてみて、お二人の印象はいかがでしたか?

「草川さんとお仕事をさせていただくのは初めてで、素直で自然体な方だという印象でした。女性と身体が入れ替わり『PMS』を体験するという役も、『全然知りませんでした』と率直な感想を話してくれたり、月の女性の変化を知ると、『この業界だと自分でスケジュールをコントロールできない中、女性の皆さんはどうしているのですか?』と質問してくれたり、いい視点を持っているなと感じました。坪倉さんは、以前お仕事をさせていただいたことがあるのですが、最近は役者としての活躍も多く、お芝居、スタジオ両面で頼れる人としてキャスティングをお願いしました。国生さんが戸惑われていた『生理』や『PMS』などのダイレクトなワードにも、『はっきり言ってくれた方が男性としては分かるし、話せるので助かる』と言われていたのが印象的でした。ちなみに、坪倉さんは昨年からサウナにハマられているらしく、同じくサウナが大好きな原田修佑アナウンサーと収録の合間にサウナートークをされていましたね」

女性の悩みに寄り添う! テレ東・工藤里紗プロデューサーの思い 「違和感を可視化することが大切であり、逃げずに見せたい」

――貴重なお話をありがとうございます。女性ならではの悩みと向き合い、数々の番組で問題提起を行ってきた工藤プロデューサーから、女性・男性ともに視聴者の皆さんに伝えたい思いを、番組の見どころとあわせて教えてください!

「コロナ禍で気持ちがギュ~っとなりがちですが、真面目なことも楽しいことも、ユーモアを持って面白がってみる気持ちが伝われば幸いです。ドラマパートでゲスト出演しているクワバタオハラ・くわばたりえさんと、たんぽぽ・川村エミコさんのやりとりや、『テクノロジー戦隊フェムテック』、そしてドラマ『サ道』(テレビ東京ほか)の五箇公貴プロデューサーにアドバイスをもらったサウナートークなど見どころ満載です。そして、最後は少しだけ人生についての話も聞いていただいて、視聴者の皆さんがちょっとでもポジティブに変化するきっかけになればと思います。また、自分と直接関係することも、しないことも、知ることで自分の生活や悩みが少し楽になったり、選択肢が広がったり、誰かのことを少し思いやれるようになれると思うので…ぜひ、ご覧ください!」

女性の悩みに寄り添う! テレ東・工藤里紗プロデューサーの思い 「違和感を可視化することが大切であり、逃げずに見せたい」

【番組情報】

「ついていけない子さんを愛でる~フェムテック戦隊!問題提起型ドラマバラエティ~」
テレビ東京のみ
1月23日 午後4:00~4:55

テレビ東京担当 Y・O



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