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今までにない立ち位置で「おちょやん」を語る桂吉弥。杉咲花との会話でドギマギしたこととは?2021/01/03

今までにない立ち位置で「おちょやん」を語る桂吉弥。杉咲花との会話でドギマギしたこととは?

 1月4日から第5週が始まる連続テレビ小説「おちょやん」(NHK総合ほか)。本作は、“大阪のお母さん”として親しまれてきた女優・浪花千栄子さんの人生をモデルに、ヒロイン・竹井千代(杉咲花)が喜劇女優として、少しずつ成長する姿を描くドラマです。

 明治の末、大阪・南河内の貧しい家に生まれた千代。9歳で道頓堀の芝居茶屋「岡安」に奉公に出されてしまいました。しかし、そこで芝居の素晴らしさに魅了され、女優を志すように。新年最初の放送では、道頓堀を飛び出した千代が京都にたどり着き、新たな道へ進みます。

 “朝ドラ”は時代や場所、登場人物の移り変わりが大きいですが、ヒロインの他に最初から最後まで変わらない存在もいます。それは、劇中で重要な役割を担っている語り。本作では、歌舞伎や人形浄瑠璃で、観客からは見えないという約束事のもとに舞台上に現われ、芝居を助ける“黒衣(くろご)”を桂吉弥さんが演じ、語りも兼任されています。もちろん物語の解説をしていますが、喜劇ということもあり、登場人物に対する容赦ないツッコミも楽しみの一つです。

 吉弥さんの“朝ドラ”初出演は、平成19年度後期連続テレビ小説「ちりとてちん」。その後も数々の作品に登場しているので、顔なじみのスタッフも多いそうです。新しい作品が決まるたびに「ちょっと出してくれへん? なんでもやりますから!」と言っているとか…。今回の出演が決まった時は、「インパクトが大きいですよね。そんな役を自分がするのか!」と驚いたそうです。そして「浪花千栄子さんの新喜劇にまつわる作品で、劇や芝居に必要な黒衣役で出してもらえるのが、すごくうれしいし、今までにないナレーションの立ち位置なのもうれしかったです」と明かします。

 また、第1回(11月30日放送)と第6回(12月7日放送)の冒頭シーンでは、実際に黒衣として登場。「お芝居の冒頭の言葉『とざい、とーざい』と、口上で述べるんですけど、とても光栄でした。すごいプレッシャーやなとも思いましたけど、腹をくくって、“ここは楽しく!”と思って演じました。“今からお芝居が始まります”というだけではなく、“『おちょやん』という世界が今から始まります。皆さん半年間お付き合いくださいねー!”という気持ちを込めました。“朝ドラ”を幕開けできるなんて、こんなうれしいことはないですね。“みんな見てくださーい!”という気持ちが思いっきり出ていたと思います。視聴者の方々に、劇中での年号や場所を説明するだけではなく、いかに楽しく見てもらえるか、お客さんに伝わるかという役割があります。本当に舞台での黒衣の仕事のまんまです」と実際に出演した時の感想と、声の出演に込める思いを語ります。

今までにない立ち位置で「おちょやん」を語る桂吉弥。杉咲花との会話でドギマギしたこととは?

 ヒロイン・杉咲さんの印象を聞くと「杉咲さんが出演した作品をいろいろ見させてもらっていますが、映画『湯を沸かすほどの熱い愛』(2016年)は、もう衝撃的でした。“すごいお芝居しはるなー”とゾワゾワっとしました。あの頃、杉咲さんは、まだ10代でしょうか? うれしい、悲しい、楽しい…とかだけでなく、いろんなことを表現できる人なんやろうなと思いました。映画の印象が“恐ろしいほどの女優さんやな”と感じたから、最初にごあいさつをする時は、大女優さんにあいさつするみたいにしましたね。そやけど、撮影が終わったら『吉弥さん、これからもよろしくお願いしまーす! 今度会える日はあるんですかねー?』と、かわいらしい感じで言われたので、ドギマギいたしました(笑)。ギャップがすごいですね。『わたくしナレーションなんで、しばらく会えないと思います』と、お返事しました」と教えてくれました。杉咲さんのかわいいエピソード、そして吉弥さんの切ない裏話、ありがとうございます(笑)。

 最後に「ドラマを見ていただいたら、本当に面白いと思います。皆さんに楽しんでもらいたいです。ドラマだけど舞台の芝居みたいな感覚がすごくあるので、ぜひご覧になってみてください」とアピール。

 第5週(1月4~8日放送)は、道頓堀を飛び出した千代が京都にたどり着くところから、物語は再始動します。そして、カフェ「キネマ」を紹介してもらい、住み込みで働くことに。店主の宮元潔(西村和彦)は映画好きで、この店には女優を目指している女給がたくさんいます。ある日、同部屋の宇野真理(吉川愛)から劇団の試験を紹介してもらい、合格。しかし役者ではなく、座長・山村千鳥(若村麻由美)の世話役でした。そこで、千代は劇団の存続が危機にあることを知りますが…。

今までにない立ち位置で「おちょやん」を語る桂吉弥。杉咲花との会話でドギマギしたこととは?

 新たな物語の幕開けとなる第5週。舞台が移り、ヒロイン・千代を取り巻く登場人物も大きく変わりますので、まだご覧になっていない方も楽しめるのではないでしょうか。

【番組情報】

連続テレビ小説「おちょやん」
NHK総合 月~土曜 午前8:00~8:15ほか
NHK BSプレミアム・BS4K 月~土曜 午前7:30~7:45ほか
※土曜は一週間の振り返り。

NHK担当 M・I



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