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「おちょやん」出演・西川忠志が、口上を述べるシーンでボロボロ泣いた裏側を語る!2020/12/26

「おちょやん」出演・西川忠志が、口上を述べるシーンでボロボロ泣いた裏側を語る!

 年内の放送を終えた連続テレビ小説「おちょやん」(NHK総合ほか)。第4週(12月21~25日)は、竹井千代(杉咲花)が8年ぶりにトラブルメーカーの父・テルヲ(トータス松本)と会い、大波乱の1週間でした。テルヲは相変わらず借金を作っているし、娘を売り飛ばそうとするし、“ひどい”の一言に尽きます。ところで、弟のヨシヲは元気かな…きちんとご飯食べているかな…大きくなったかな…と気になって仕方がありません。

 さて、借金取りに追われた芝居茶屋「岡安」でしたが、おかみ・岡田シズ(篠原涼子)の機転により、道頓堀を脱出した千代。第5週(1月4~8日放送)からは京都編が始まります。手ぶらで飛び出した千代は、まず仕事探しからスタート。紹介してもらったのは、住み込みで働けるカフェ「キネマ」です。店長の宮元潔(西村和彦)は映画好きで、この店には、女優を目指しながら働く女給たちがたくさん! 芝居に魅了される日々が続きます。

 ところで、千代が初めて芝居を見たのは道頓堀の芝居小屋。興味がなかったはずなのに、1回見た途端気になってしまって、「岡安」で働くお茶子を困らす始末でしたね。そんな千代に芝居の台本を渡したのが劇場支配人・熊田(西川忠志)です。

「おちょやん」出演・西川忠志が、口上を述べるシーンでボロボロ泣いた裏側を語る!

 そんな熊田を演じる西川さんは、今回で“朝ドラ”6作品目。お話をいただくと「うれしい」の一言に尽きるそうです。「日本全国はもとより、外国でも見ていただけるワールドワイドな作品なので、やはり他の番組とは違いますね。局に足を踏み入れるたびに、ありがたいなと思いながら仕事をさせていただいております。また、視聴者の皆さんは本当に細部までよくご覧になってくださいます」と言う西川さんは、平成25年度後期連続テレビ小説「ごちそうさん」で演じた魚店店主を振り返ります。

 「事前に何度も料理指導の方に、刃物のさばき方を教えていただいてから、自分で骨切りするシーンを撮影したんですね。それが放送された時に『あんた、手さばきがうまいなー。ビックリしたわー』とお声を掛けていただいて(笑)。本当によく見てくださっているので、怖くもあり、うれしいことでもありますね」と懐かしいエピソードを教えてくれました。

 本作では、劇場の支配人も務める鶴亀株式会社の社員です。役柄は「役者と会社との間で板挟みになる、いわば中間管理職のような立場」だそうで、「近くの鶴亀座がにぎわったらヒヤヒヤしますし、社長の大山鶴蔵(中村鴈次郎)にも『なんとしても初興行を成功させ! もしわしの期待を裏切るようなことになったら、全員二度と道頓堀で芝居させへん! 無論、お前にも責任取ってもらう』と言われますので、何としてでも売り上げを上げようと悪戦苦闘しています。これまで僕自身も劇場でお芝居をやらせていただいて、劇場支配人の方にもお会いしています。“あそこの支配人はこういう感じだった”“緊急事態発生の時はこうだった”と、お一人お一人の支配人の後ろ姿や、奮闘されていた姿を思い浮かべながら演じています。熊田も芝居が好きではあるんでしょうが、ただ役者に優しくするだけでは駄目で、時にはビジネスライクに劇場の売り上げのために、厳しいことも言ったのではないかと想像しています。でも最初は、役者さん寄りなのか、会社よりなのか、台本を読んでもなかなかつかめませんでした。しかし、天海天海(茂山宗彦)が亡くなって、芝居を途中で辞めて去らなければいけなくなった時に、観客の前で口上を述べる場面があるのですが、その時に、演出の方から指示されたのは『花道の奥で、“いつか頑張って帰って来いよ”と、ボロボロ泣いてください』だったんですよ。そこまで役者を思って感情移入していいんだと、熊田という人物の理解度が増しました。今は、割合で言うと3が会社で7が役者寄りの気持ちで演じています」と役作りの秘話も吐露。

「おちょやん」出演・西川忠志が、口上を述べるシーンでボロボロ泣いた裏側を語る!

 さらに、道頓堀のオープンセットについて、「えびす座のセットに足を踏み入れて、劇場を見た瞬間、あらためてこの役を心してやらないといけないなと感動しました。鶴亀株式会社社長役の中村鴈次郎さんも『この芝居小屋を持ち帰って、この舞台で芝居やりたいわ』と、ほれぼれなさっていたぐらいです。歌舞伎俳優の方にも、そう言わしめる素晴らしいセットの中でお芝居をさせていただけるという喜びと、劇場が『頑張れよ』と言ってくれたような気がしています。美術さん、ヘアメークさん、衣装さん、小道具さんなど、たくさんのスタッフのおかげで、その役の人物を生かしていただいていると常に思います」と感謝しているそうです。

第5週あらすじ(1月4日~8日放送)

「おちょやん」出演・西川忠志が、口上を述べるシーンでボロボロ泣いた裏側を語る!

 道頓堀を飛び出し、京都にたどり着いた千代(杉咲)。そこで、住み込みで働けるカフェ「キネマ」を紹介してもらいます。店長の宮元(西村)は、自分のことを「監督」と呼ぶほど映画好き。同部屋になった宇野真理(吉川愛)をはじめ、この店には女優を目指している女給がたくさんいます。“女優になりたい”という自分の思いに気付いた千代は、真理の紹介で劇団の試験を受け、合格しますが…。

【番組情報】

連続テレビ小説「おちょやん」
NHK総合 月~土曜 午前8:00~8:15ほか
NHK BSプレミアム・BS4K 月~土曜 午前7:30~7:45ほか
※土曜は一週間の振り返り。

NHK担当 M・I



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