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「おちょやん」高城百合子は井川遥と対極の人物!? スター女優の役作りを明かす2020/12/19

「おちょやん」高城百合子は井川遥と対極の人物!? スター女優の役作りを明かす

 奉公が終わる年季明けが近づき、ヒロイン・竹井千代(杉咲花)が生まれて初めて自分のやりたいことを考えた第3週(12月14~18日放送)の連続テレビ小説「おちょやん」(NHK総合ほか)。この週の見どころは、何と言っても千代が憧れ続けてきた女優・高城百合子(井川遥)との再会でした。かぶっていた布をバサッと脱いで現れた姿は、まさにスター女優!

 実は、百合子は所属している鶴亀株式会社の方針で、舞台役者から映画へ転向するように命じられていたのです。それが嫌で逃げ回り、物乞いに紛れていたんですね。そんなことは知らない千代でしたが、百合子を励ましたい一心でもてなすことに。百合子が千代に「そんなにお芝居が好きなら、自分でやってみたら?」「一生一回、自分が本当にやりたいこと、やるべきよ!」と深い言葉を掛けたシーンは、印象的でした。

 そんな美貌と情熱的な演技で観客を魅了する女優・百合子を演じている井川遥さん。“朝ドラ”に出演するのは特別なことのようで、「勇気やひたむきさ、主人公の生き方に、私たちが背中を押される魅力がありますよね。そして、出演した時は必ず役名で呼ばれるのも、うれしいんです」と喜びを明かします。平成18年度前期連続テレビ小説「純情きらり」では“杏姉ちゃん”、平成30年度前期連続テレビ小説「半分、青い。」では“ひしもっちゃん”と親しまれてきました。「今回は、濃い人生を歩んだ女性を演じるので、私自身がタフでエネルギッシュでなければと思います」と意気込みます。本作では、どのような愛称が生まれるのか楽しみですね。

「おちょやん」高城百合子は井川遥と対極の人物!? スター女優の役作りを明かす

 さて、百合子と言えば、芸術のために自由な人生を突き進みますが、そんな姿に千代は大きな影響を受けます。井川さんは「大正時代に女性が社会進出をして、芝居の道に進むのは、いばらの道だったと思いますが、力強く切り開いていく新しい女性です。百合子は自分のやり方に全く迷いがない。私自身は、いつも“これでいいんだろうか…”と考えてしまうので、対極にあるような気がしますね」とご自身と役柄を比較。

 「時代の変化や弾圧など、さまざまな時代背景の中で気後れすることなく突き進み、命懸けで生きる姿は本当に驚くばかりです。千代も雷に打たれたように、百合子のすさまじいエネルギーや舞台の高揚感、臨場感に魅了されたんですよね。浮世離れしていて周囲になじまないところは、台本を読んでいてもクスッと笑ってしまいます。本気なのか冗談なのか分からない…百合子ってつかみどころがないんです。偉そうな振る舞いに反して、天然でボケているところもあるんです。そのおかしみを演じたいです」と魅力を語ります。

 梛川善郎監督から助言もあったようで「『百合子は芝居をしている時の口調と、普段の口調が変わらない根っからの女優だ』とアドバイスをいただいています。なので、誇り高さや優雅さを醸し出せたらと思います。また、往年の女優さんのインタビューも拝見しました。気さくにお話しされていても、気高く堂々としているたたずまい、その風格を出せたらと思っています」と役作りについても教えてくれました。

「おちょやん」高城百合子は井川遥と対極の人物!? スター女優の役作りを明かす

 また、撮影現場について「NHKのドラマに出演させていただくたび、美術さんや照明さんたちのこだわりや美意識に、いつも驚かされています。道頓堀のオープンセットでは、その時代の匂いまで感じさせるほど素晴らしくて感動しました。精巧に再現された町並みに身を置くだけで、ワクワクします。現場に入る前は、台本を読んで考えたり、文献に目を通したりしましたが、現場で監督や役者さんとお話する中で感じることが多いです。道頓堀のオープンセットは真夏に撮影したんですけど、冬物のコートや帽子、巻物を身に付けていたので溶けてしまいそうでした(笑)。今となっては、あの高い空と空間が良い思い出になりつつあります」と振り返ります。

 最後に、視聴者の方へ「今年はさまざまな困難なことがありましたが、千代が前向きに立ち向かっている姿は、きっとエールになると思います。笑いと涙、人情味あふれるすてきな作品です。この時代に毅然(きぜん)と道を切り開いた1人の女優の生き方と、ちょっと天然で、つかみどころのない百合子の魅力を楽しんでもらいたいです」とメッセージを送りました。

第4週あらすじ(12月21日~25日放送)

「おちょやん」高城百合子は井川遥と対極の人物!? スター女優の役作りを明かす

 千代(杉咲)が奉公に出て8年がたったある日、突然、父・テルヲ(トータス松本)が現れます。その頃、天海一平(成田凌)と須賀廼屋千之助(星田英利)の天海一座が道頓堀に戻って来て、千代と一平は再会。しかし一平は芸子遊びばかりで、真剣に芝居に取り組んでいませんでした。客の入りが悪く、中日で打ち切られることになりますが、千秋楽当日、千之助が失踪! さらに公演直前、劇団員がぎっくり腰になってしまい…。

【番組情報】

連続テレビ小説「おちょやん」
NHK総合 月~土曜 午前8:00~8:15ほか
NHK BSプレミアム・BS4K 月~土曜 午前7:30~7:45ほか
※土曜は一週間の振り返り。

NHK担当 M・I



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