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「国民的弟系」山田涼介×「破天荒で色気のある」田中圭の化学反応、男同士の強い絆――「キワドい2人」は「ブロマンス」というジャンル【プロデューサーインタビュー】2020/10/14

「国民的弟系」山田涼介×「破天荒で色気のある」田中圭の化学反応、男同士の強い絆――「キワドい2人」は「ブロマンス」というジャンル【プロデューサーインタビュー】

 10月16日に最終回を迎える連続ドラマ「キワドい2人-K2-池袋署刑事課神崎・黒木」(TBS系)。Hey! Say! JUMPの山田涼介さん演じる人情派の生真面目キャリア刑事・神崎隆一と、田中圭さん演じる超破天荒なキレ者刑事・黒木賢司の凸凹バディが、東京・池袋の街で起こる凶悪事件に挑む痛快刑事ドラマです。

「国民的弟系」山田涼介×「破天荒で色気のある」田中圭の化学反応、男同士の強い絆――「キワドい2人」は「ブロマンス」というジャンル【プロデューサーインタビュー】

 神崎と黒木は、実は異母兄弟。周囲にはその“キワドい”秘密を隠し、捜査方針や考え方の違いから衝突を繰り返しながらも、懸命に捜査に立ち向かってきた2人。しかし22年前のある事件の真相を追ううちに、神崎は自分が犯罪者の息子だという衝撃の真実を突き付けられ…。

 このたび最終回を目前に、本作を手掛ける中島啓介プロデューサーと塩村香里プロデューサーに、撮影の裏話や現場でのエピソードを伺いました。

「国民的弟系」山田涼介さんと「破天荒で色気のある」田中圭さんの化学反応

「国民的弟系」山田涼介×「破天荒で色気のある」田中圭の化学反応、男同士の強い絆――「キワドい2人」は「ブロマンス」というジャンル【プロデューサーインタビュー】

――主人公の神崎役に、山田涼介さんを起用された理由を教えてください。

中島 「神崎という役には、国民を代表する、真面目で、誠実で、弟的な空気を出せる山田さんしかいないなと思いました。“国民的弟系”というか(笑)。一生懸命なんだけどなぜかいつも振り回されている、神崎のキャラクターのイメージとばっちりでした。コミカルな演技もできる山田さんにピッタリはまっていると思います」

――神崎とバディを組む、黒木役の田中圭さんについてはいかがですか?

中島 「真面目な神崎に対して、型破りな兄の黒木ということで、2人の掛け合いを面白くするにはどういうカップリングがいいかを考えていた時、田中さんの顔が浮かびました。田中さんって意外とアニキ感のある役ってやっていないというか、どちらかというと振り回されているイメージが強いと思うんです。そこで『かっこいい田中圭さんを見てみたい』という思いから出演をお願いしました。破天荒で色気のある男として、今までにない“とにかくかっこいい田中圭さん”が映し出されているんじゃないかなと思います」

「国民的弟系」山田涼介×「破天荒で色気のある」田中圭の化学反応、男同士の強い絆――「キワドい2人」は「ブロマンス」というジャンル【プロデューサーインタビュー】

――撮影も終盤を迎えて、お二人の相性はどのように感じていますか?

中島 「田中さんは非常にアニキ感があって、強行犯係のメンバーを引っ張ってくれる存在。田中さんのすごいところは、それでいて弟っぽい部分もすごくあるんです。そこから“どうしようもない兄を正す真面目な弟”として、山田さんの存在も生きていますね。一方で、山田さんが一生懸命、真面目にやればやるほど、神崎のおバカな一面が強調されていると思います(笑)。“生真面目な弟と破天荒な兄”と謳っていますが、ドラマを見ていると“おバカな弟と真面目な兄”というふうに見えているかも(笑)。うまく2人の化学反応が成立した結果、お互い二面性を持ったキャラクターとして面白い作品になったなと思います」

「マドンナ的存在」の江口のりこさん!

「国民的弟系」山田涼介×「破天荒で色気のある」田中圭の化学反応、男同士の強い絆――「キワドい2人」は「ブロマンス」というジャンル【プロデューサーインタビュー】

――強行犯係の個性派刑事たちを演じる、SixTONES・ジェシーさん、八嶋智人さん、江口のりこさん、奥山かずささんとのチームワークも見どころですね。

塩村 「係長(末長光一)の八嶋さんが弾けてくださるので、強行犯係全体がすごく明るく、台本以上に楽しいシーンになっていると思います。八嶋さんがいい意味でやりすぎてしまうのですが(笑)、山田さんは愉快な先輩たちに振り回されながらも、ビシッと捜査に対して真摯に向き合うという姿勢を貫いてくれています。一方、田中さんは八嶋さんに乗っかって弾けてしまうことも(笑)。ジェシーさんも最初は緊張していたのですが、先輩たちのアグレッシブなお芝居に感化されて、だんだん自分らしさを出していましたね」

中島 「強行犯係はみんな、ちょっと不真面目というか、ふざけている人たちの集まり。だけど実際、そういう人が頼もしかったりするじゃないですか。普段は力の抜けた、だけどやる時はやるというメリハリのあるチームになっていると思います。だんだん2人の過去に気付き始める係長の“シリアス八嶋”な表情はさすがでした。たまに“シリアス八嶋”の時もふざけそうになってしまうこともあるんですけどね(笑)」

「国民的弟系」山田涼介×「破天荒で色気のある」田中圭の化学反応、男同士の強い絆――「キワドい2人」は「ブロマンス」というジャンル【プロデューサーインタビュー】

塩村 「控室からも楽しそうな声が聞こえてきますよ。待ち時間の間にも、チームの一体感を作ってくださっているんだなと感じます」

中島 「その中心にいるのが江口のりこさん。マドンナ的存在で、みんなが江口さんを笑わせるために頑張っている感じ(笑)。いろいろやって『笑ってくれるかな…』ってチラッと江口さんの方を確認しているのを、よく見かけます。たまに笑ってくれた時は、みんなすごくホッとした顔をしています(笑)」

学ランで潜入捜査…「僕はブレザーがよかった」!?

「国民的弟系」山田涼介×「破天荒で色気のある」田中圭の化学反応、男同士の強い絆――「キワドい2人」は「ブロマンス」というジャンル【プロデューサーインタビュー】

――事務所の先輩・後輩でもある山田さんとジェシーさんはどのような雰囲気ですか?

中島 「山田さんは最初『ジェシー、苦手…』と言っていたんです(笑)。ジェシーさんがバラエティーで見せる“ノリのいい若者”な一面に、そういう反応を示していたようなのですが、一緒に撮影に入っていくうちにそれは表に見せる顔で、非常に誠実で礼儀正しい人だということが分かってから、打ち解けていったように感じますね。事務所としても、強行犯係としてもいい先輩・後輩の関係を築いていて、ハートウォーミングな2人だと思います」

――第3話(9月25日放送)では社交ダンスを、第4話(10月2日放送)では学生に扮して捜査を行うなど、賑やかなシーンもありました。

中島 「神崎が学ランを着て潜入捜査に踏み込むシーンですね。山田さんはずっと『僕はブレザーがよかった』と言っていました(笑)。社交ダンスは山田さんは少し経験があったそうですが、ほかの皆さんは初めてだったそうです。中でも江口さんはすごく練習されていました」

塩村 「『自信がない』と言いながらずっと練習されていたんですが、いざ撮影に入ると役に入り切って、一つ一つのポーズもかっこよく、それでいて面白く決めてくださって。ついさっきまで『絶対踊られへんわ』と言っていた江口さんが、胸を張って踊っている姿がかっこよかったです。あらためて、達者な方だなと感じました」

男同士の強い絆「ブロマンス」というジャンルは「元気になる」

「国民的弟系」山田涼介×「破天荒で色気のある」田中圭の化学反応、男同士の強い絆――「キワドい2人」は「ブロマンス」というジャンル【プロデューサーインタビュー】

――第3話では神崎が「レ・ミゼラブル」の主人公、ジャン・バルジャンの例えを、第4話では黒木が「三国志」の諸葛亮孔明の名前を挙げるといったシーンがありました。ドラマ本編では描かれていないような2人の裏設定があれば教えてください。

中島 「神崎は真面目で勉強ができるので、いろんなことを知っている教養のある人です。『レ・ミゼラブル』は1本のパンを盗んだことをきっかけに、長い間監獄生活を送ることになったジャン・バルジャンの生涯を描いた作品ですが、万引き犯とそれを見つけた万引きGメンのやりとりをテレビで見ていた神崎が『レ・ミゼラブル』を引き合いに出しましたよね。神崎という真面目でルール通りに社会を見る人が見たらどう捉えるか、というのが表れているシーンになったと思います。要するに、神崎は頭が固いんです(笑)」

塩村 「神崎には『動物好き』という設定もあります。家ではハジメちゃんというネコや金魚を大事に飼っていますし、映っていないかもしれないのですが、セットの本棚には生き物大百科がずらっと並んでいます。子どもの頃から動物好きという裏設定です。山田さんも動物好きですよね」

中島 「一方、黒木は勝負師というか、マージャンなどギャンブルが強い男。そこで勘の鋭さや洞察力を鍛えてきたという設定です。諸葛亮孔明の話を出したのも、歴史上のかっこいい男のことを研究してきた分、戦略にも詳しいからなんです。戦略をしっかり練って、ある程度自分の中で勝ち筋を見つけながら行動しているという人物です」

「国民的弟系」山田涼介×「破天荒で色気のある」田中圭の化学反応、男同士の強い絆――「キワドい2人」は「ブロマンス」というジャンル【プロデューサーインタビュー】

――これまで黒木に「断定するには早すぎませんか?」「誰かを信じたいって気持ちがないんですか!」「家族なのによく疑えますね」と意見をぶつけていた神崎が、最終回を前に本当は自分が凶悪犯の息子だと知るという、切ない展開を迎えています。あらためて、本作に込めたメッセージをお聞かせください。

中島 「正反対の性格の神崎と黒木ですが、最初の頃はただぶつかり合うだけだったと思うんです。それが何度も衝突するうちに、縦の糸と横の糸が一回交わり出すとどんどん強い糸になっていくように、2人の絆がいつの間にか強くなっていて。何事も、同じ方向にスムーズに進むだけだと信頼関係も太くならないじゃないですか。ぶつかり合って、理解し合いながら事件を解決していく2人の、強い絆を描けたらと思っています」

塩村 「“バディ”を超えた、もう一歩深い絆になっていますよね」

中島 「まだ日本ではなじみのない言葉ですが、『ブロマンス』という言葉があって。『ブラザー』と『ロマンス』をミックスさせた言葉なのですが、男同士の強い絆――友情、家族、愛を超越した、喜びも悲しみも共にする信頼関係を描いた作品が『ブロマンス』というジャンルと言われています。今の日本では“バディもの”と言うことが多いですが、これからの時代、『ブロマンス』という言葉が広まっていくといいなと考えています。ブロマンスものって、元気になるんですよ。映画だと『最強のふたり』という作品が有名なんですが、『キワドい2人』も2人がチャーミングだし、男同士でわちゃわちゃしている2人の関係性がかわいく見えてくるんですよね。そんなところも楽しんでいただけたらと思います」

「国民的弟系」山田涼介×「破天荒で色気のある」田中圭の化学反応、男同士の強い絆――「キワドい2人」は「ブロマンス」というジャンル【プロデューサーインタビュー】
「国民的弟系」山田涼介×「破天荒で色気のある」田中圭の化学反応、男同士の強い絆――「キワドい2人」は「ブロマンス」というジャンル【プロデューサーインタビュー】
「国民的弟系」山田涼介×「破天荒で色気のある」田中圭の化学反応、男同士の強い絆――「キワドい2人」は「ブロマンス」というジャンル【プロデューサーインタビュー】

【プロフィール】

中島啓介(なかじま けいすけ)
2009年、TBSテレビ入社。「キワドい2人-K2-池袋署刑事課神崎・黒木」プロデューサー。

塩村香里(しおむら かおり)
2004年、ドリマックス・テレビジョン(現・TBSスパークル)入社。「キワドい2人-K2-池袋署刑事課神崎・黒木」プロデューサー。

【番組情報】

「キワドい2人-K2-池袋署刑事課神崎・黒木」(最終回) 
TBS系 
金曜 午後10:00~10:54

TBS担当 宮下毬菜



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