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「赤毛のアン」をドラマ化! 全世代に刺さる今の時代にピッタリな「アンという名の少女」2020/09/06

「赤毛のアン」をドラマ化! 全世代に刺さる今の時代にピッタリな「アンという名の少女」

 世界中で愛されている不朽の名作「赤毛のアン」をドラマ化した「アンという名の少女」が、9月13日からNHK総合でスタート! 2017年にカナダで放送され、現地ではとても好評だったそう。今回、地上波では初めての放送となります。この作品を見た原田由香里チーフプロデューサーは、アンの成長を感じるとともに、「人ってこんなに年老いてからも変われるんだ!」と、日々暮らしていく上で、ヒントになると刺激を受けたそうです。そんな原田さんが本作の魅力をたっぷり教えてくれました。

①日本の現代社会につながるテーマ

「原作『赤毛のアン』は児童文学のジャンルにされがちですが、今回のドラマは世代を超えて十分に楽しめます。舞台は19世紀のカナダですが、日本が今抱えている現代社会の問題にすごく通ずる舞台設定が多いと思います。主人公のアンを迎え入れる新しい家族は、未婚の兄と妹。最近は独身の人や、きょうだいで一緒に住んでいる人、血のつながっていない親子関係、未婚や再婚が増えていますよね。また、アンは学校でいじめや不登校を経験します。フェミニズムの動きやジェンダー、マイノリティーに対するさまざまな偏見を感じさせるテーマが毎回出てくるので、個々を認め合おう、多様性を認め合おうというメッセージをすごく感じました」

②登場人物の設定

「人はそれぞれ長所と短所があって、すごく多面性がありますよね。ドラマでは、そんな見え隠れする部分がうまく表現されています。どこか自分自身に似ていたり、周りの誰かにそっくりだったり…。そういう意味で、どのキャラクターにも親しみを持ちやすいのではないかと思います」

◆主人公・アン(エイミーベス・マクナルティ)

「赤毛のアン」をドラマ化! 全世代に刺さる今の時代にピッタリな「アンという名の少女」

「赤毛でそばかす、やせっぽちなアンは小説通りで、本当に物語から抜け出してきたかのような容姿。さらに想像力豊かで、とっても元気で、向こう見ずなところもあります。しかし一方で、10代の少女なりの不安や心細さ、葛藤もあり…。そんなアン役を女優のエイミーベス・マクナルティさんが表情豊かに演じられていて、とても引き込まれます」

◆兄・マシュー(R・H・トムソン)&妹・マリラ(ジェラルディン・ジェームズ)

「赤毛のアン」をドラマ化! 全世代に刺さる今の時代にピッタリな「アンという名の少女」

「アンと一緒に暮らすマシューは、とても内気で内向的です。だけどすごく観察力が鋭くて、包容力もあります。一方でマリラは、一見堅物で保守的に見えるけど、実は母性愛が眠っていて…。柔軟性も併せ持っているなと思います。一人一人が持っているいろんな側面が見え隠れするので、物語の中だけでなく、自分が暮らしている現実社会や世界とのつながりを感じます」

③原作とドラマの比較

「原作でも触れられていますが、決して幸せとはいえないアンの過去の生い立ちが、ドラマではフラッシュバック的に出てきます。孤児院でのいじめの様子や、前の家族から乱暴に扱われるシーンなど…。そのあたりがきちんと映像化されるのは、原作とドラマの大きな違いだと思います」

「また子どもの頃に原作を読んでいたり、アニメを見ていたりする方は、当時、アンの目線で見ていたりしますよね? 大人になって振り返ると、マシューやマリラの立ち位置も分かるかなと思います。誰もがタイトルは聞いたことのある小説だけど、実は知っているようで知らない…そんな人も多いのではないでしょうか。原作を読んだことがなくても分かる内容になっていて、大人も楽しめるドラマです」

④美しい自然の風景にも注目

「赤毛のアン」をドラマ化! 全世代に刺さる今の時代にピッタリな「アンという名の少女」

「原作の舞台でもあるカナダのプリンス・エドワード島での撮影も含まれています。カナダ東部の自然豊かな景色はビジュアル的にも注目です! 旅行だとひと時の季節しか味わうことができませんが、ドラマでは夏から冬へと変化するので、季節の移り変わりも感じてもらいたいです。そしてなんと言っても映像がとても奇麗です! なかなか外に行けない今、美しい景色も楽しんでもらえると思います」

第1回あらすじ(9月13日放送)

「赤毛のアン」をドラマ化! 全世代に刺さる今の時代にピッタリな「アンという名の少女」

 プリンス・エドワード島で農場を営むマシューとマリラ。2人は農場仕事の手伝いができる男の子の養子を迎えることに。マシューが駅まで迎えに行くと、そこには赤毛の女の子・アンが。想像力豊かでおしゃべりなアンは、家族ができる喜びでいっぱい。楽しそうにマシューに話しかけながら家へ向かうが、到着するとマリラから「頼んでいたのは男の子」と言われ…。

 記者は一足早く第1回を見させていただきました。「思い出より想像することが好き」というアンの言葉通り、過去のつらい経験を思い出すより、今、目の前にある楽しいことを探す姿勢がとても印象的でした。喜んだり、怒ったり、悲しんだり、感情のままに発言できるアンは、たくさんの人に勇気を与えてくれるような気がします。また、原田さんもおっしゃっていたように、自然の風景がとても美しいです。牧場で見る朝日は壮観でした! 孤児院でのいじめや、前の家族から乱暴に扱われるシーンなど、シリアスな部分もありますが、“どんなにつらいことがあってもくじけない”アンの成長が楽しみです。

【番組情報】

「アンという名の少女」
9月13日スタート
NHK総合
日曜 午後11:30~11:47(終了時間は日によって異なります)

NHK担当 M・I



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