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中川大志「賭ケグルイ2」インタビュー 「同世代がいい仕事をしてると、ムカつくなぁって(笑)」【前編】2019/03/26

 「駆け引きは得意じゃないと思います」。そう答えるのは、ドラマ「賭ケグルイ」(MBS/TBS)で冷酷さと計算高さを併せ持ち、誰に対しても高圧的な態度を取る豆生田楓(まにゅうだかえで)役を演じる、中川大志さん。

 2018年に放送されたドラマが話題となり、19年の春にはドラマのseason2、さらに5月3日には映画版の全国ロードショーを控えた「賭ケグルイ」。舞台は、政財界の子女が通う名門学園。ギャンブルの強さのみで階級が決まるという弱肉強食の世界に転校生として現れた、浜辺美波さん演じる最強ギャンブラー・蛇喰夢子(じゃばみゆめこ)が、学園を支配する“生徒会”とバトルを展開していく様子がスリリングに描かれる、息もつかせぬ心理戦を醍醐味(だいごみ)とした作品です。

 そんなギャンブル狂いの夢子つぶしをもくろむ“生徒会”に属する楓を演じる中川さんに、役への印象や撮影時のエピソードなどをお聞きしたインタビューを、前編・後編にわたってお届けします。

張り詰めた緊張感の中で感情を爆発──「アドレナリンが出て気持ちが良かったです」

──ドラマのseason1から楓役で続投されていますが、今回ドラマのseason2と映画の撮影を終えた今の、楓という役への印象をお聞かせください。

「楓はすごくダークな役というか、ヒーローではなくその敵というポジションで。夢子ちゃんもダークヒーローですけど、さらにその敵というポジションはやってみたかったので、その役割を与えていただけて新鮮でした。season1を見てくださった方から『あんまり見たことのないキャラクターだった』と言ってもらえたことがあって、楓を演じたことは自分にとって大きかったなって思います」

──楓と似ている部分はありますか?

「やると決めたことや欲しいと思ったものは、なんとしてでも手に入れたい、かなえたいっていう人間ではあるので、楓の気持ちはすごく分かります。あそこまで手段を選ばない冷徹な行動に出るということはないですけど。あと、すごく負けず嫌いなところも通ずる部分かなと思います」

──楓という役を演じる中で、刺激を受けた部分はありますか?

「普通の日常生活を送る中で、なかなかあそこまでの“ゾーン”に入ることがないというか…。あんなにバーンって感情が爆発することって、めったにないじゃないですか。やっぱり役を通して、作品の中でそういう感情をぶつけられるっていうのは演じていてすごく気持ちがいいです。自分の“ゾーン”に入るという感覚が、その時、その瞬間にしかないものなので、さらにあの緊張感、あの空気感で、本当に張りつめた状態で演じることで、演じている最中も終わった後も、アドレナリンが出てすごく気持ちが良かったです」

──楓は高圧的なセリフも多く、また繊細な表情の作り方が難しそうな役だと感じました。役作りはどのように行いましたか?

「台本に情報として書いていない部分をどう作っていくか、というのを考えながら台本を読んでいるんですけど、今回は、楓はどういうものを背負ってあの席に座っているのだろう、ということを一番考えました。どういう生い立ちがあって、なぜそこまでトップになることに執着しているのだろう。例えば親からのプレッシャーだったり、子どもの頃のトラウマだったり…。人は追い詰められた時――この作品ではギャンブルをする時、背負っているものが出てくると思うんです。あと声の出し方も難しくて、楓は僕の普段の話し方より太めの声で話すんですけど、その声を常に出さないといけないので喉がやられました」

いい仕事をしている同世代は「ムカつく存在」

──「賭ケグルイ」の現場で刺激になったことや印象的だったことはありますか?

「英(勉)監督の頭の中のキャパシティーは一体どうなってるんだろう、って思ってます(笑)。撮り方も本も面白いですし、何より自分たちには想像つかない編集をされるので。『賭ケグルイ』にしかできないことをやってるなーって思いますし、何でもありなんだけど、世界観が確立しているからこそ成立しているのが不思議でした。完成したものを見ると毎回裏切られるので、すごく楽しみです。あとは同世代が多い現場だったんですけど、みんな自分が演じているキャラクターを誰よりも自分が愛情をもって作っているのがすごく伝わってくるんですよ。個性的なキャラクターばかりなんですけど、それぞれが楽しみながら役を育てている感じがあって、それが刺激になりました」

──中川さんがライバルだと意識している方はいますか?

「(即答で)います。年齢の近い男の役者さんは全員気にして見ています。先輩方はもう確立しているものがあるので、そこにジェラシーを感じるということはないんですけど、年の近い人はみんな…。仲も良いんだけど、すごくムカつく存在です。いい仕事してると、ムカつくなぁって(笑)。でも、ムカつける相手がいることってすごく大事だと思っていて、みんなむちゃくちゃ仲はいいんですけど、常に意識しています」

──先ほどのお話の中で「台本に書いていない部分をどう作っていくかを考える」とおっしゃっていましたが、お芝居で表現することがアウトプットだとすると、インプットするために何かしていることはありますか?

「全てにおいてなんですけど、人生そのものがインプットだと思っています。結局、自分が見たもの、聞いたもの、食べたもの、感じたものからしか芝居ができないと思っていて。割と何でもやりたがりな性格なので、人と会ってみたりとか、行ったことのないところに行ってみたりとか、気になったことはいろいろやってみるタイプです。もちろん作品を見るというのも一つのインプットなんですけど、でもそれを日頃から『インプットだ!』と思ってはいないですね。まずは“自分の人生を生きる”ということが芝居にも影響してくるのかなと思うんですけど、その人生を生きる生活がこういう特殊な仕事なので…。なるべくそれを踏まえての生活にならないようになればいいなと思うんですけど、なかなかそうはいかないので(笑)。やっぱり常に見られている仕事をしていると思っているので、そういう生活の中でも、なるべく純粋に、フィルターなく生きることができたらいいなって思います」

【プロフィール】

中川大志(なかがわ たいし)
1998年6月14日生まれ。東京都出身。ふたご座。B型。2009年に俳優デビュー。主な出演作は、映画「四月は君の嘘」「きょうのキラ君」「ReLIFE リライフ」「坂道のアポロン」「虹色デイズ」「覚悟はいいかそこの女子。」、ドラマ「GTO」(フジテレビ系)、「南くんの恋人~my little lover」(フジテレビほか)、NHK大河ドラマ「真田丸」、「花のち晴れ~花男 Next Season~」(TBS系)など。4月1日からスタートするNHK連続テレビ小説「なつぞら」への出演が決定している。

【番組情報】

「賭ケグルイ season2」
3月31日スタート MBS 日曜 深夜0:50~1:20 
4月2日スタート TBS 火曜 深夜1:28~1:58

取材・文/宮下毬菜 撮影/蓮尾美智子

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