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「らんまん」制作統括に聞く、万太郎と寿恵子の不幸と今後の展開とは!? 「現状一番つらいシーンになっています」2023/08/03

「らんまん」制作統括に聞く、万太郎と寿恵子の不幸と今後の展開とは!? 「現状一番つらいシーンになっています」

 NHK総合ほかで放送中の連続テレビ小説「らんまん」。本作は植物学者・牧野富太郎をモデルに、神木隆之介さん演じる槙野万太郎が、幕末から明治、大正、昭和と四つの激動の時代を植物学者としていちずに突き進んでいく、波瀾(はらん)万丈の人生を描いた物語です。

 万太郎(神木)の書いたムジナモ発見の論文に激怒した田邊彰久教授(要潤)は、万太郎の東京大学への出入りを禁じ、さらには土佐植物目録と標本500点の寄贈を命じる。万太郎は論文を急いで書き直したが、田邊教授の考えは変わらなかった。そんな中、ロシアのマキシモヴィッチ博士から、ムジナモの研究を高く評価する手紙が届く。その手紙を読んだ万太郎は自分を認めてくれる人の元で研究をしようと、寿恵子(浜辺美波)と娘の園子を連れてロシアへ行くことを決める。その渡航費の相談を峰屋へしようかと考えていた頃、峰屋の槙野綾(佐久間由衣)と井上竹雄(志尊淳)は窮地に立たされていた。そして、さらなる苦難が万太郎と寿恵子に降りかかる。

「らんまん」制作統括に聞く、万太郎と寿恵子の不幸と今後の展開とは!? 「現状一番つらいシーンになっています」

 「らんまん」の物語が佳境に差し掛かる中で行われた取材会で、制作統括の松川博敬さんが今後の見どころや物語について語ってくれました。

 まず、視聴者からも反響が多かった万太郎と寿恵子が結婚を約束するシーンについて「ドレスで長屋にやって来るシーンは脚本の長田育恵さんのアイデアです。長屋セットのみで展開する見応えのあるシーンで、出演者の皆さんの演技が素晴らしかったです。神木さんも浜辺さんも志尊さんも山脇辰哉さんもすごくいい仕事をしていました。台本も面白く、皆さんが役者冥利(みょうり)に尽きると語っていました。第7週の東大の植物学教室だけで展開されるシーンなども、演劇畑の長田さんならではだと思いますので、視聴者としても見ていてとても良かったと感じます」と満足感をにじませます。

 一方で今までの放送で不安だったシーンは「万太郎くんが野田基善さん(田辺誠一)と博物館の中で繰り広げるシーンは理科の実験の教科書みたいな内容になっていて、面白くなるかなと思っていました」と吐露し、「でも、神木さんと田辺さんが目をキラキラ輝かせながら会話しているシーンを見て、内容は分からなくても好きなものに向かって楽しそうにしている人を見ていれば楽しめるというのが分かって安心しました」と安堵(あんど)した様子。

 また、「東京編の第11週までは万太郎くんたちの青春をとても明るいムードの中で、恋愛成就までを描いていきました」とこれまでを振り返り、「その後の第14週は万太郎くんが新種を発見して世界的な偉業と業績ラッシュから始まり、子どもが生まれ、家庭もハッピーになります。でもその裏では田邊教授がどんどん落ちていき、万太郎くんと溝が深まり東大を出禁にされます。そこが万太郎くんの不幸の始まりで、長女の園子が亡くなったり、そこに峰屋が倒産したりと容赦なく深い悲しみを描いています」と万太郎たちの困難を語ります。今後の万太郎たちの行く先については「万太郎と寿恵子の悲しみと綾と竹雄の悲しみが同じ場所に重なり、現状の中で一番つらいシーンになっています。でも、不幸の後にまた再生していく物語になっていくと思います」と期待感を抱かせました。

 牧野富太郎と万太郎の違いについては「富太郎さんと万太郎くんの性格の違いをずっと意識していて、われわれの万太郎くんは周りに迷惑をかけてまで莫大(ばくだい)な借金をする人ではないなって思いまして。どうしてもってところでは借金を背負わざるを得ないのですが、金額の単位が違ったりするのかなと。その後は寿恵子さんが待合茶屋を開いてお金を稼ぐんですけど、借金を返すために犠牲になった女性というより、夫の夢を一緒にかなえるためにお金を稼ぐ前向きな女性に見えるよう描いています」と大事にしている部分を教えてくれました。

「らんまん」制作統括に聞く、万太郎と寿恵子の不幸と今後の展開とは!? 「現状一番つらいシーンになっています」

 そして万太郎と田邊教授の今後の関係についても言及し、「田邊教授に関してはモデルとしている人物が、牧野富太郎さんの伝記では悪役みたいに描かれています。最初はかわいがってくれたのに、ある時、急に出禁にするというだけ。でも、調べていくとどうやら違って、富太郎さんがやりたい放題で、むしろモデルの方がまっとうだったんじゃないかとも言われています。なので、要さん演じる田邊教授にも彼なりの事情がある、そこを描いていきます。今、悪役だと思われている方がいるとしたら、そこを名誉挽回していくつもりです。われわれも田邊教授のキャラクターが大好きなので、大事に描いています。演出のあんばいが難しいところで、万太郎くんも田邊教授も魅力的で誰も悪い人じゃないんだけれど、出会ってしまって不幸になってしまった複雑な人間関係が広がっています」とモデルとなった人物との違いを示します。

 物語が進み、万太郎と寿恵子には娘が誕生。「赤ちゃんとの撮影は大変」だそうで、「寝ているシーンでは寝かせてからスタジオ入りするんですが、小さな声で進行していても起きてしまって、撮影できるかなという状況でした。でも、神木さんと浜辺さんの2人が寝かしつけていたら寝てしまって、本当のお父さん、お母さんのようでした」とほほ笑ましい裏話を披露。

「らんまん」制作統括に聞く、万太郎と寿恵子の不幸と今後の展開とは!? 「現状一番つらいシーンになっています」

 最後に今後の展開について「すでに最後までの構想ができておりまして、万太郎くんと寿恵子さんの物語は『日本中の植物を図鑑にするがじゃ』というところから始まっているので、納得のいく植物学図鑑を発刊するというのがゴールになると思います。しかし、史実では寿惠子さんのモデルになった壽衛さんが先に亡くなってしまいますけど、その部分がどうなるのかはまだ分かりません。寿恵子さんとしては、万太郎さんの図鑑作りの冒険へ一緒に出たいというモチベーションでやってはいますが、寿恵子さんにも野望はあって、その夢に向かって2人でどのように進んでいくかというのが最後のストーリーになります」と明かし、「後半も前半とは違った雰囲気で見応えのあるドラマになっています。私も毎週試写をワクワクしながら見ておりますので、今後も期待を裏切らず目が離せない内容になっていますので、応援をお願いいたします」と締めくくりました。

第90話あらすじ

「らんまん」制作統括に聞く、万太郎と寿恵子の不幸と今後の展開とは!? 「現状一番つらいシーンになっています」

 春、ヒメスミレが咲く頃。長女・園子が天国へと旅立った。悲しみに暮れる万太郎と寿恵子の元へ西村まつ(牧瀬里穂)がやって来る。一方の綾も、峰屋を畳むことに心を痛めていた。そこへ豊治(菅原大吉)らがやって来て、竹雄と綾にねぎらいの言葉をかける。2人は峰屋の土地を売り、再出発することを誓う。そして、万太郎と寿恵子も園子の幸せを空に祈る。

【番組情報】

連続テレビ小説「らんまん」
NHK総合
月曜~土曜 午前8:00~8:15ほか ※土曜は一週間の振り返り
NHK BSプレミアム・NHK BS4K
月曜~金曜 午前7:30~7:45ほか

NHK担当 S・A



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