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「unknown」で話題の“チャーミングすぎる吸血鬼夫婦”、麻生久美子＆吉田鋼太郎がその魅力を語る！ さらに、高畑充希＆田中圭への思いも明らかに2023/05/09

――今回、「おっさんずラブ」チームが制作を手掛けていますが、このチームの魅力を教えてください。

吉田　「『おっさんずラブ』が皆さんに受け入れられたのは、根底に“人に対する優しさ”みたいなものが絶対にあるからなんですね。『差別してはいけない』『人を見かけで決めてはいけない』というのは、生きる上でとても大事なテーマじゃないですか。プロデューサーの貴島彩理さんは、今の世の中がどういう問題を抱えているのかを考えてらっしゃる方なんです。『ただ面白おかしいものを作ればいい』と考える人ではないので、そんな方が作ったドラマで集まれるのは光栄だし、うれしいです。実際に台本を読んでみても、やっぱり人に対する思いやりみたいなものが根底にちゃんと描かれている。それをいかに僕たちが真剣に取り組んで、感動してもらえるドラマにするか。努力のしがいのある現場です」

――麻生さんは、貴島プロデューサーとは「あのときキスしておけば」（同系）以来、「おっさんずラブ」チームとしては初めてになりますね。

麻生　「『おっさんずラブ』がすごく面白かったので、そのチームの方とお仕事できるのは楽しみにしていたんですけど、今回もやっぱり優しい作品だなとすごく感じるんです。コメディーの撮り方のセンスがいいんだなと思うんです。『ここはこういうふうに見せたいんだ。なるほど』と現場で感じることがすごく多くて。さすが『おっさんずラブ』のチームだなと思います」

吉田　「でも麻生さんもそういう人になっていますから。見てもらうと分かると思うんですけど、いるだけで面白くなっています」

麻生　「いやいや、そんなことないですよ（笑）」

――それこそ、麻生さんが演じる伊織は表の顔が国民的ニュースキャスターと、華がある印象を受けました。

吉田　「華があるし、ぽわーっとしているんです。そういうお母さんっているじゃないですか。『いいわよ、なんでも好きなことしなさい』『ちょっとパパ！　ダメよ！』みたいに言いながら、ちゃんと家庭の中心にいるお母さん。それが麻生さんにぴったりです」

――ちなみに、本作のタイトルは「unknown」＝“秘密”という意味を含んでいますが、撮影を通してお互いにこれから知っていきたい“気になる一面”はありますか？

吉田　「そうだな…現場でしかお会いしたことがないので、私生活レベルのところでどういう会話をなさるのか、フランクな話をする時にどんな話題が出て、どんな表情をするのか、そういった“役者ではない、素の麻生さん”が見てみたいです」

麻生　「私も、お子さんの会話をしたりするんですけど、鋼太郎さんが好きなものだったり、どんな趣味をお持ちなのか、今も少しずつ聞いたりしているのですが、もっといろいろな質問をしてみたいです」

――吉田さんから「『おっさんずラブ』は人を見かけで決めてはいけないというメッセージがある」というお話がありましたが、この「unknown」に込められているメッセージをお二人がどのように捉えているか、最後に教えてください。

麻生　「とにかく愛のドラマだなと思っていますが、自分と違う人間をどう受け入れるのか、相手を知ろうとしたり理解しようとする気持ちの部分もすごく大事なのだろうなと台本を読んでいて最初に感じました。私はどちらかというといろいろな人を受け入れてきたタイプなので、台本を読んでいても『分かるな』と思っています。吸血鬼とか存在自体がどうなのかというのはあるけれど（笑）、やっぱり“自分と違う考えの人を排除しない”、そういうところはメッセージとして伝わっていくといいなと思います」

吉田　「やっぱり、自分の尺度で人を測ってはいけないということですよね。それにはお互いが心を開かなきゃいけないし、自分がまず心を開かなきゃ相手も開いてくれない。その相手が今までどういう人生を送ってきたのか、それを受け入れられない可能性もあるのに好きになってしまう。その時に葛藤したり、苦しんだりするじゃないですか。そこでいさかいが生まれたりして、結局うまくいかずに別れてしまって、心に傷を負ってしまう。それがもっと大きい規模になれば戦争になったりするわけで。『相手の言っていることを理解できないからといって、暴力や武力によって解決してはいけない』と、今世界中が学ぼうとしていてもちっとも良くならない。今回のドラマでは、吸血鬼はあくまで象徴であって、普通の日常の中にも『人と人が争ってはいけない、お互いに分かり合おうとしなければいけない』というメッセージが絶対に込められていると思います」

【取材後記】

　インタビュー中は、吉田さんからの愛あるコメントに照れ笑いを浮かべながらもうれしそうなリアクションを見せていた麻生さん。充実した撮影の様子が伺えるお話が次々と飛び出し、笑いの絶えない、あっという間のインタビューとなりました。写真撮影時には、伊織と海造の関係が見えてくるラブラブな様子に、スタッフからも「かわいい！」という声が。吉田さんも、麻生さんとの撮影にニコニコしながら、時にはハートポーズを作ったりと楽しそうな様子でした。

取材・文／平川秋胡（テレビ朝日担当）　撮影／尾崎篤志

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