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西垣匠、森生は“武骨にダサく”がモットー! デビューから2年、怒濤の日々を振り返る――「私がヒモを飼うなんて」インタビュー2023/04/25

西垣匠、森生は“武骨にダサく”がモットー! デビューから2年、怒濤の日々を振り返る――「私がヒモを飼うなんて」インタビュー

 TBSとマンガボックスが共同制作している完全オリジナル漫画「私がヒモを飼うなんて」、通称「わたヒモ」を実写化した「私がヒモを飼うなんて」が、同局の深夜ドラマ枠「ドラマストリーム」で放送中。ドラマでは原作のエッセンスを生かしながら、オリジナルのストーリーを紡いでいます。

 今回は、主人公・蒼井スミレ(井桁弘恵)に思いを寄せる幼なじみ・桐谷森生を演じる西垣匠さんにインタビュー。本作への意気込みや初めての胸キュンシーン撮影で心掛けたことを明かしてくれました。実は、「ドラゴン桜」(2021年/同系)の取材でTVガイドwebに登場してくださった西垣さん。2年ぶりにTBS作品への出演を果たした西垣さんが、これまでの活動についても振り返ってくださいました。

西垣匠、森生は“武骨にダサく”がモットー! デビューから2年、怒濤の日々を振り返る――「私がヒモを飼うなんて」インタビュー

――はじめに、本作に出演が決まった時の思いや役柄への印象を教えてください。

「初めて女性との恋愛作品に出演させていただけることになり、新しいチャレンジだなと思いました。森生は主人公に思いを寄せる幼なじみという設定で、世の中の女性が好きな属性をたくさん詰め込んだ役柄になっています。そこを生かしつつ魅力的な男に仕上げたいなと思っていたので、あえて格好つけるのをやめようと思っていました。自然体の森生の方が愛されると思ったので、監督にも『武骨にダサくやらせてください!』とお願いしました」

――“武骨にダサく”するために気をつけている部分はどこでしょうか?

「カメラに撮られているからこの顔の角度を見せようとか、奇麗に映る動きや声のトーンなどを考えすぎずに演じようと心掛けています」

――カメラがあると自分がよく写る角度を見せたいと思うものですよね。

「そうなんです。でも、森生に関してはダサければダサいほど格好よくなるので」

――演じてみてあらためて感じた役柄の魅力はありますか?

「森生のすごいところは、“スミレが幸せだったらそれでいい”という気持ちを持っているところ。普通はある程度、相手に見返りを求めてしまうと思うのですが、森生の場合はそれがありません。スミレが幸せであることが最優先で、自分が幸せにするかどうかは関係ないんです。自分より幸せにしてくれる人がいるのであればその人でいいという考えだから、恋心は隠しておこうと思える人。そんな無償の愛を持っているところはやはり魅力的です」

――役柄とご自身の共通点はありますか?

「性格が犬か猫かと言われれば、犬派かなというところかな(笑)。料理ができるところも少し似ているかもしれません。森生はオムライスが得意料理なので、僕も最近はずっとオムライスを練習しています」

――そうなんですね!

「そういえば、僕はまた10年以上片思いをしている役柄を演じているんです(笑)。『みなと商事コインランドリー』(テレビ東京系)では真っすぐ気持ちを伝える若さあふれる役柄でしたが、森生はこれまで築いてきた関係を壊したくないという、よりリアルな感情を持っている人。理性で踏みとどまれる森生の人間くさい一面は、視聴者の皆さんにもより共感してもらえるのではないかな」

――ちなみに、西垣さんはヒモを飼う気質があると思いますか? それともヒモになる気質の方があると思いますか?

「えー! 難しいですね。(笑いながら少し考えて)もちろんこの仕事は大好きなのですが、もし『月いくらでこの家に住んでいいよ』と言われたら住みたいと思うかも。男女どちらが働くべきなどの固定観念は全くないので、そこに対してのプライドも一切ありません。多少はヒモの気質もあると思います(笑)」

――さっきも犬派とおっしゃっていたので、甘え上手なのかなと思いました。

「それで言うと、逆に家のことは全部してあげたいので面倒は見たいタイプです。料理もしますし、掃除・洗濯や買い出しも全部します。だって住まわせてもらうんですから! 割と家政夫に向いているかもしれません」

西垣匠、森生は“武骨にダサく”がモットー! デビューから2年、怒濤の日々を振り返る――「私がヒモを飼うなんて」インタビュー
西垣匠、森生は“武骨にダサく”がモットー! デビューから2年、怒濤の日々を振り返る――「私がヒモを飼うなんて」インタビュー

胸キュンシーンは「不細工に映った方がラッキー」!?

西垣匠、森生は“武骨にダサく”がモットー! デビューから2年、怒濤の日々を振り返る――「私がヒモを飼うなんて」インタビュー

――共演者の皆さんとの印象的なエピソードはありますか?

「竹之内宗一役の颯くん(一ノ瀬颯)とはもともと知り合いだったのですが、今回お仕事で初めてご一緒することになりました。宗一は演じるのがとても難しい役で、台本を読んでいても『この人は何がしたいのだろう』と思ってしまうキャラクター。全く本心が見えないのもダメだし、見えすぎるのもダメという難しい設定の中で、さらに甘いセリフもささやかなきゃいけない宗一の役どころを、見事に演じ切っている颯くんはやっぱりすごいなと驚かされました」

――宗一をはじめ、本作ではキャラクターそれぞれに葛藤がありますよね。

「スミレも叶百合(トリンドル玲奈)もそれぞれ葛藤を抱えているのですが、森生だけは複雑な過去がないんです(笑)。僕が出てくるシーンは基本明るくなるような場面ばかりなので、悩みやトラウマを抱えつつも普段は明るく見えるように演じている井桁さん、颯くん、トリンドルさんの表現の素晴らしさをより一層感じています」

――共演者の皆さんに助けられたシーンやエピソードはありますか?

「相乗効果で助け合いながら演じられていると思います。特に井桁さんとは、幼なじみであるスミレと森生の距離感について話し合っていました。どうやったら仲がいいように見えるのかとか、小さい頃から知っていて何でも言い合えるような関係性とはどういうものなのだろうかと、話し合いながら関係性を作り上げることができています」

――話し合いではどのような方向性に決まったのでしょうか?

「実は、その話し合い自体が仲良くなるきっかけになったんです。井桁さんと僕が仲良くなれば、スミレと森生も勝手に仲良くなるので。その都度いろいろな話をしながら関係性を築くことができました」

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――第5話では、森生からハグをするような胸キュンシーンもありますよね。演じてみていかがでしたか?

「実は、本作で初めて女性との胸キュンシーンに挑戦させていただきました。たとえ胸キュンシーンだとしても森生が格好よく見えないように意識していたので、感情を抑えきれずに動いてしまった感じを出そうと思っていました。森生のバックハグは、ある意味、一番醜い愛の伝え方だと思います。幼なじみにいきなり恋心をむき出しにしていますし、バックハグは特に“引き止めてやる!”という強引な気持ちも強いと思うんです。胸キュンシーンと呼ばれる場面なのかもしれないですが、人間的な醜さもあるシーンだからこそ余計に格好よくしようとは思いませんでした」

――そんなお考えがあったんですね!

「森生は、醜くて人間くさくあればあるほど魅力的な人になるので、その時の顔が盛れているかどうかは考えずに演じました。不細工に映った方がラッキーだなと思っていたくらいです!」

――ハグシーンの撮影は緊張されましたか?

「森生がハグをするということはそれなりにスミレに何かがあった時なので、現場も少し重く張り詰めた空気でした。そういう意味では緊張しましたね。常に気合と緊張感を持って撮影に臨んでいますが、ここは山場だなと思って、さらにスイッチを一つ入れました」

――ストーリーを通しての見どころシーンでもあるんですね。

「そうですね。この先にもたまらない展開が待っているので、楽しみにしていてほしいです。視聴者の皆さんも、きっと『森生…!』と盛り上がりながら見てもらえるのではないかと思います」

西垣匠、森生は“武骨にダサく”がモットー! デビューから2年、怒濤の日々を振り返る――「私がヒモを飼うなんて」インタビュー

「浮ついていた気持ちがなくなった瞬間に、自分のアラが見えるように」

西垣匠、森生は“武骨にダサく”がモットー! デビューから2年、怒濤の日々を振り返る――「私がヒモを飼うなんて」インタビュー

――「ドラゴン桜」の取材から2年ほどたちますが、俳優活動を振り返ってみてどんな2年間でしたか?

「怒濤(どとう)の日々でした。今振り返っても、1年目は正直訳が分からなかったですし、それこそ『ドラゴン桜』の時はふわふわしていたと思います。事務所に入ってから3カ月であのようなすてきな現場に恵まれて、素晴らしい俳優さんたちに囲まれながら仕事ができた本当のすごさやありがたみまでは、当時はちゃんと理解できていなかったんじゃないかな。目の前の現場に一生懸命でしたし、『俺、今ドラゴン桜に出ているんだ!』という気持ちも多少あったと思います。そこからありがたいことに仕事が続いて、新しいセリフを覚えて、次はどう演じようかとずっと1年中考えていました」

――2年目はいかがでしたか?

「2年目も怒濤だったのですが(笑)、『みなと商事コインランドリー』の後に、舞台『薔薇とサムライ2-海賊女王の帰還-』などに出演させていただく中で、1年目のふわふわした気持ちが一切なくなりました。浮ついていた気持ちがなくなった瞬間に、自分のアラが見えるようにもなりましたね。特に前出の2作では『全然できていないな』という悔しさを感じて、ものすごく勉強になりました。ホップ&ステップなのだろうと思うのですが、それぞれ違う方向性で頭を回し続けた2年間でした」

――2年目は少し自分を俯瞰(ふかん)できるようになった感じもあったのでしょうか?

「そうですね。いい意味で一つのことで一喜一憂しなくなったと思います。作品が決まると今もとてもうれしいですし、ありがたいことだと感じていますが、今はそれよりも『もっと頑張らないといけない!』という思いや、喜ぶよりも先に目を向けなきゃいけないところがたくさんあるんです」

――そんな中で、ご自身で成長を実感している部分などはありますか?

「(ほほ笑み謙遜しながら)そんなものないですよ。マネジャーさんにも『この世界はやればやるだけ自分の嫌なところが目につくようになる』と言われたのですが、本当にその通りだと実感しています。デビュー当初は目の前のことに一生懸命だったのでほかのことは一切目につかなかったのですが、ある程度、現場に慣れてくると自分がダメだったところが分かるようになってくるんです。やればやるほど自分が下手くそに感じるタイプなので、成長しているところは正直、自分では分からなくて…。久しぶりに現場で再会した方に『上手になったね!』と言っていただけることもあるのですが、ありがたいと思うと同時にどこがなんだろうと不思議に感じています」

――では、今後どういうふうに成長していきたいですか?

「以前から目標として掲げているのですが、幼少期から映画を見て育ってきたこともあり、たくさんある映像作品の中でも、特に映画の世界で活躍していきたいなと思っています。まずは、日本アカデミー賞の新人賞を取るのが一つ目の目標。目標達成のために次はどういうことができるようになればいいのかなど、たくさん考えながら日々頑張っているので、引き続き応援してもらえたらうれしいです!」

 写真撮影では、カメラマンからのリクエストに「どういうポーズしたらいいか分からないです(笑)」と照れ笑いしながら、サービス精神旺盛にいろいろなポーズにチャレンジしてくれた西垣さん。2年前に行ったインタビューでは緊張や戸惑いも見え隠れし、芸歴が先輩である西山潤さんにリードしてもらっている様子もありましたが、今回のインタビューではご自身の言葉でお芝居や自分の経験について深く語ってくださり、2年間での成長を垣間見ることができました。冷静に熱くご自身を省みる姿に、今後の活躍も大いに期待させるインタビューとなりました。

西垣匠、森生は“武骨にダサく”がモットー! デビューから2年、怒濤の日々を振り返る――「私がヒモを飼うなんて」インタビュー
西垣匠、森生は“武骨にダサく”がモットー! デビューから2年、怒濤の日々を振り返る――「私がヒモを飼うなんて」インタビュー
西垣匠、森生は“武骨にダサく”がモットー! デビューから2年、怒濤の日々を振り返る――「私がヒモを飼うなんて」インタビュー

【プロフィール】

西垣匠、森生は“武骨にダサく”がモットー! デビューから2年、怒濤の日々を振り返る――「私がヒモを飼うなんて」インタビュー

西垣匠(にしがき しょう)
1999年5月26日生まれ。ふたご座。B型。2021年に「夢中さ、きみに。」(MBS)でドラマデビュー。その後、「ドラゴン桜」(TBS系)、「消えた初恋」(テレビ朝日系)、「みなと商事コインランドリー」(テレビ東京系)など話題作に出演。主な映画出演作品には、「アキラとあきら」「今夜、世界からこの恋が消えても」「わたしの幸せな結婚」などがある。

【番組情報】

「私がヒモを飼うなんて」
TBSほか
火曜 深夜0:58〜1:28
※Paravi、U-NEXTにて各話地上波放送の1週間前の毎週火曜正午に先行有料配信
※地上波放送後、TVer、TBS FREE、GYAO!、Yahoo!にて1週間無料見逃し配信

【プレゼント】

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【締切】2023年5月22日(月)正午

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取材・文/松村有咲(TBS担当) 撮影/蓮尾美智子



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