上坂樹里が父親とけんかする等身大の高校生を熱演。「コミカルな部分を通してさまざまな思いを見ている方に伝えられたらいいな」――「生理のおじさんとその娘」インタビュー2023/03/23

　原田泰造さんが主演を務める「生理のおじさんとその娘」（NHK総合）が3月24日に放送されます。“生理に詳し過ぎるおじさん”と“生理を語りたくない娘”。「生理」の現状を通して「違う人同士が分かり合う事」を描きます。

　“生理のおじさん”として有名人になってしまった生理用品メーカーの広報マン・光橋幸男（原田）は、生放送の番組に出演した際の「僕は娘の生理周期も把握している！」という発言をきっかけに炎上。学校でもうわさになってしまった娘の花（上坂樹里）は家出をしてしまいます。激しく落ち込む幸男は、果たして娘との擦れ違いと炎上を乗り切り、まな娘と仲直りができるのでしょうか。

　放送に先駆け、主人公・光橋幸男の娘・花役の上坂樹里さんに撮影中のエピソードや出演の感想をお聞きしました。

――ドラマへの出演が決まった時の気持ちを教えてください。

「オーディションで出演が決まった時は、NHKのドラマに出演できるということがすごくうれしかっです。今回、生理というテーマですが、本を読ませていただいた時に、明るくそしてコミカルに描かれていたので、とてもびっくりしたのを覚えています。そのコミカルな部分を通して、さまざまな思いを見ている方に伝えられたらいいなと思っていました」

――演じる花との共通点はありましたか？

「花は周りに素直になれない頑固なところがあるんですけど、私自身も家族に対して、自分の意志を曲げない頑固なところがあるので、家族に対しての接し方は重なる部分がありました。私と同じ年齢というのもあり、どんどん自分と重ね合わせながらお芝居をすることができたと思っています」

――花を演じる上で苦労した点や意識した部分を教えてください。

「花は思ったことは口に出さず、表情に出てしまう子。怒っている時でも表情のみで怒っていることを伝えなきゃならなかったので、難しかったです。特に、お父さん（原田）と弟の嵐（齋藤潤）とのシーンは2人のやりとりがとても面白かったので、笑わないように苦労しました。私と花とでは怒りを感じる部分が違ったので、台本を読むだけでは花のどこに怒りの沸点があったのか分からず、気になった場所は細かく監督やプロデューサーさんに相談しながら、花の心情を理解して演じるよう心掛けました」

――お父さん役の原田さんとの共演はいかがでしたか？

「原田さんは本当に優しく穏やかな方で、いつも現場の雰囲気を明るくしていただきました。私自身も最初は緊張で固まってしまっていたんですけど、撮影の合間などに積極的に話しかけてくださって、どんどん緊張を和らげてくださって、撮影に挑むことができました。お芝居中も周りを気にかけていただいて、リハーサルの時も『これで大丈夫だった？』など声をかけてくださったので、本当に今回一緒に出演することができてうれしかったです」

――実際に家族とけんかした際はどんな形で仲直りしていますか？

「私は家族とけんかした時はなかなか自分から謝れず、言い合いになってしまうことが多いです。でも翌日、1人で冷静になった時に考えると自分が悪かったと思ってしまって、もう1回しっかり話します。その後は自然といつもの関係に戻っていきます（笑）」

――撮影での印象に残っているエピソードを教えてください。

「弟・嵐役の齋藤潤くんを含めた光橋家のシーンが特に印象に残っていて、とにかく演じていて楽しかったです。嵐はいつも下手なラップ口調でしゃべるという役でしたが、撮影外では本当にしっかりしていて、大人っぽい雰囲気なんです。ただ、役に入ると一気にラップでしゃべっていて、その切り替え方が『すごいな！』っていう尊敬もありました。花を演じている時はラップで笑わないようにするのが大変でした。原田さんを含めた光橋家の3人でいる時は、最近のはやりや学校の話、これからの進路の話などをしていて、撮影外でもあんまり変わらず親子のような感じでした」

――最後に視聴者へ一言お願いいたします。

「このドラマは“生理”がテーマですが、とてもコミカルな演出が多くて、誰でも気軽に見やすいし、なおかつ性についても分かりやすく学べる作品です。だからこそ、年齢世代問わずたくさんの方に見ていただきたいです。終わった後には感想を共有して、さらに理解を深めていただけたらなと思っています。ぜひご覧ください！」

――ありがとうございます。

あらすじ

　生理用品メーカーの情熱的な広報マン・幸男は高校生の娘と中学生の息子を育てるシングルファーザー。半年前、「生理についてよく知ろう！」と幸男が呼びかける動画が「バズ」ったことをきっかけに、「生理のおじさん」として活動している。一躍SNSとお茶の間の人気者となった父親に、思春期の娘・花は、複雑な思いを抱いていた。生放送の情報バラエティーに出演した幸男のことが気に食わないコメンテーターの北城うらら（菊地凛子）から幸男への「あなたは女性のことを全然分かってない」という挑発に興奮し、幸男は「僕は娘の生理周期も把握している！」と反発して発言してしまう。しかし、その発言をきっかけに幸男の会社にはクレームが殺到、学校でもうわさになった花は家出してしまう。激しく落ち込む幸男は炎上を乗り切り、まな娘と仲直りできるのか。