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原田泰造と上坂樹里共演の「生理のおじさんとその娘」。脚本は向田邦子賞受賞の吉田恵里香2023/01/19

原田泰造と上坂樹里共演の「生理のおじさんとその娘」。脚本は向田邦子賞受賞の吉田恵里香

 NHK総合では3月24日に、特集ドラマ「生理のおじさんとその娘」(午後10:00)を放送。原田泰造が主演を務め、その娘役を上坂樹里が演じる。また、麻生久美子が語りを担当する。

 よるドラ「恋せぬふたり」で向田邦子賞を受賞した吉田恵里香氏が、2023年の生理の現状を通して「違う人同士が分かり合うこと」をオリジナル脚本で描く「生理おじさんとその娘」。“生理のおじさん”として有名人になってしまった男・光橋幸男(原田)とその娘・花(上坂)の、ある炎上事件をきっかけとした親子げんかと仲直りの記録がつづられる。

 制作は、「いだてん」「鎌倉殿の13人」「腐女子、うっかりゲイに告る。」「こもりびと」などのNHKドラマを放ってきたスタッフ陣が担当。花の弟・光橋嵐役を齋藤潤、幸男の部下・橘正樹役を三山凌輝、伝説の婚活アドバイザーで「生理をオープンに語ろう」とする幸男と真っ向からぶつかる・北城うらら役を菊地凛子が務める。堀部圭亮、山本未來、黒田大輔、まりあ、MANON、鷲尾真知子も出演する。

 生理用品メーカーの情熱的な広報マンである幸男は、高校生の娘と中学生の息子を育てるシングルファーザー。半年前、「生理についてよく知ろう!」と幸男が呼び掛ける動画がバズったことをきっかけに、「生理のおじさん」として活動している。一躍SNSとお茶の間の人気者となった父親に、思春期の娘・花は、複雑な思いを抱いていた。

 生放送の情報バラエティーで幸男と共演するコメンテーターのうららもまた、幸男の言動が気に食わない。ある日、うららの「あなたは女性のことを全然分かってない」という挑発に興奮した幸男は、思わず「僕は娘の生理周期も把握している!」と発言。幸男の会社にはクレームが殺到する。学校でもうわさになった花は家出してしまう。激しく落ち込む幸男は炎上を乗り切り、愛娘と仲直りできるのか。生理を巡る親子のすれ違いを、2人はどう乗り越えるのか?

 脚本の吉田氏は「私は生理が近づくと、とにかく眠くて食欲が増します。気が沈み、仕事の効率も悪くなります。でも症状は比較的軽い方だと思います。思いますと言ったのは、生理について周りと深く話したことがないからです。最近は随分変わりましたが『生理について大っぴらに話してはいけない』というルールが、世の中にはまだあります。語られないことで奪われる健康・知識・配慮や優しさが絶対あるのに…」と生理に対する思いを伝える。

 続けて、「本作の主人公・光橋幸男は“生理のおじさん”として活動することで、そのルールをぶち破ろうとする男です。幸男は生理の当事者ではありません。幸男を含めて、この世界には生理が来ない人たちがたくさんいます。でも生理に関係のない人は誰一人いません。生理が来ても来なくても、すべての人がきちんと知識を得て、自分事にすることで変わる世界が確かにある。そんな思いを込めたドラマです」と語っている。

 そして、原田は「今回演じる幸男という役は、娘と息子を男手一つで育てるサラリーマン。子どもを愛する親としてのあり方と、生理にまつわる正しい知識を広める活動に力を入れていく間で生まれる葛藤は、たくさんの方々にも共感いただけると思います。僕はこれまで、生理についてそこまで深く考えたことがなかったのですが、今回この作品を通して、なぜもっと早く向き合ってこなかったのか、いろいろと反省することだらけでした。ぜひ、たくさんの男性にも見てもらいたいドラマです! ご期待ください!」と力を込めてアピールしている。

原田泰造と上坂樹里共演の「生理のおじさんとその娘」。脚本は向田邦子賞受賞の吉田恵里香

 上坂は「“生理のおじさんの娘”という役があると初めて知った時、どれだけ変わった家族で、どんな子なんだろうと想像もつきませんでした。ですが、台本を読んだり、監督やプロデューサーの方々と話したりする中で、光橋家の日常や言動に私自身もたくさんのことを学び、勇気をもらいました」と心境を明かし、「私が演じる花は、素直になれず、頑固なところもありますが、本当は家族思いな女の子だと思います。花と同い年なので共感できるところもあり、自分と重ねながら演じたいと思っています。きっと、このドラマを見終わった時、思うことや感じることは人それぞれだと思います。だからこそ年齢、性別、世代関係なく、いろいろな方に見ていただきたいです」とメッセージを寄せている。

 演出を務める橋本万葉氏は「『生理』をテーマにドラマを作っていく過程の中で、自分の人生で起きた生理にまつわる出来事を書き出してみたことがあります。初潮を迎えた日、夕食に赤飯が出てきて恥ずかしかったこと。中学生の頃、生理用品の処理がうまくできず、母を通して父から注意されたこと。これは最近ですが、旅行中に白いズボンを汚してしまい、「この年になって…」とがっかりしたこともありました。でも同時に、高校時代、生理用品が飛び交う教室の風景を『女子校だなぁ(笑)』としみじみ眺めたことや、歩いている時に突然生理が来たかどうかを確かめようとした友人の動作が面白くて笑い合ったことなど、楽しい思い出の中にも生理があるということに気が付きました」と自身の経験を振り返る。

 加えて、「私たちは、生理と共に生きています。現代の人が生涯で経験する生理の数は約450回。その450回がいつも恥ずかしくて、痛くて、憂鬱な時間になってしまうなんて、いくらなんでもつらすぎる。生理でつらいと思う時や困っている時、それを話したければ話せるし、話した相手がちゃんとそれを理解してくれる。そんな日常が、近い将来当たり前になることを願って、このドラマを作ります。楽しんでご覧いただけたらうれしいです」と話している。


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