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最終回まで残り4週に迫った「舞いあがれ!」の今後の展開は? 制作統括に見どころインタビュー2023/03/03

最終回まで残り4週に迫った「舞いあがれ!」の今後の展開は? 制作統括に見どころインタビュー

 NHK総合ほかで放送中の連続テレビ小説「舞いあがれ!」。本作は、福原遥さん演じるヒロイン・岩倉舞が、ものづくりの町・大阪の東大阪と自然豊かな長崎・五島列島を舞台に、さまざまな人たちと絆を育みながら、困難に翻弄(ほんろう)されつつも空への夢に向かっていく物語です。

 舞は御園純(山口紗弥加)と共に東大阪の町工場の技術を生かした新会社「こんねくと」を立ち上げ、東大阪の工場と技術を守るため、その技術で新製品を作り消費者に届ける仕事に取り組みます。最初の仕事は仙波(森下じんせい)が持つパンチングメタルの技術を生かしたデザインパンチングの製品化でしたが、仙波は舞たちを信用できないという態度を取り…。

最終回まで残り4週に迫った「舞いあがれ!」の今後の展開は? 制作統括に見どころインタビュー

 放送も残り4週に迫り、目が離せない「舞いあがれ!」の今後の展開について制作統括・熊野律時さんに見どころを聞きました。

――最終話に向けて舞はどのようなことをしていくのでしょうか。

「舞が東大阪の町工場で、いろいろな技術を持った町工場をつないでいく仕事に取り組む中で、いろいろな人たちとさまざまな物を作ることを仕事として確立していく過程を描いています。そこになにわバードマンの刈谷博文(高杉真宙)や玉本淳(細川岳)が再び登場し、“空飛ぶクルマ”という電動小型飛行機の開発に取り組む刈谷たちと合流することで、舞はもう一度空に向かって舞い上がっていきます」

――クライマックスに向けて、注目の登場人物を教えてください。

「なにわバードマンの刈谷です。ロマンチストであり、なにわの天才だったあの雰囲気を残しつつ、今度は『社会に向けて新しい交通手段を送り出していくんだ』という気概で電動小型飛行機の開発に取り組んでいます。その空への思いをより熱い形で持ち続けて、具体的に実現しようとしている刈谷と舞が再会してあらためて空へ向かうものを一緒に作っていく中で、舞が今まで培ってきたことのすべてが生きる形で結実していきます。刈谷の再会は終盤、最も重要な出来事になっていきますので、ぜひ注目してください」

――久しぶりのなにわバードマンのメンバーとの撮影はどんな感じだったのでしょうか?

「それぞれ社会人となって、大学時代時とは変わっているところもありますが、同窓会に集まった昔の仲間という感じで、すんなりとかつての空気感がよみがえり、撮影は仲良く穏やかに進んでいました。本当に作中のように『また一緒に何かやろう』っていう雰囲気があり、なにわバードマンの時間が戻ってきたかのような感じで、福原さんを含め皆さんとても楽しく演じていただいていました」

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――舞と貴司(赤楚衛二)が結婚して幸せがあふれていますが、望月久留美(山下美月)や舞の兄・悠人(横山裕)といった周りの人はどうなっていきますか。

「結婚式のシーンで悠人は遅れて入ってきますけど、そこのシーンは大きな失敗から立ち直っていく兆しになっています。久留美にしても結婚が破談になりいろいろなことがありますが、舞と貴司が一緒に幸せになっていく中、新たな幸せが徐々に進んでいきます。舞と貴司の結婚というのはいろんな人があらためて前に進んでいく節目になっているんだと思います」

――舞がパイロットになる話だと思っていた方も多かったと思いますが、パイロットではなく町工場を続けるというのはどのような思いで描いていたのでしょうか。

「最初にパイロットになるという夢が出てきて、最終的には別の形で空を飛びたいという夢をかなえる。それはドラマ全体の中で大切なポイントになっています。夢が最初に描いた通り実現することもあれば、そうじゃないこともあるでしょう。でも、最終的には違った形ではあるけど、舞が空へ向かって舞い上がっていく。このドラマでは紆余(うよ)曲折があって、ちょっと違う方向に行くかもしれないんですが、何一つ無駄にならず、振り返ってみれば今につながっていて、夢の実現の仕方は一つじゃないというのを描いています。最初のシーンを思い返していただくのも、楽しんでいただけるかなというふうに思っています」

――高畑淳子さん演じる“ばんば”こと才津祥子の言葉が、舞や貴司の人生を大きく変える作品の重要な場面につながっていることについては、どう思っていますか。

「本当にばんばの一言一言が味わい深く、いろいろなことを経験してきたが故の地に足の着いたセリフの数々を桑原亮子さんに書いていただいていて、本当に素晴らしいと思っています。『どげん向かい風にも負けんでたくましく生きろ』というセリフもありますけど、その向かい風というのが、人生のいろいろな形で起きてくる。ばんばはそういう人生を歩んできたんでしょう。旦那さんが亡くなったり、娘のめぐみ(永作博美)とうまくいかず出て行っちゃったり、そういう経験をしてきたばんばの言葉が寄り添うことで、つらいことがあっても一所懸命生きていれば明るい未来があるかもしれないと思わせてくれる説得力が、高畑さんのお芝居と合わさり出ているんだと思います。最初に舞が五島に行った時の『失敗は悪かことじゃなか』という言葉は物語に響き続けているので、この作品の大事なシーンにもなっていると思います」

――朝ドラには珍しく現代から近未来を描いていますが、どのようなメッセージがあるのでしょうか。

「最後にもう一度飛ぶという希望と、明るい未来を感じさせて終わらせたいなという思いがあり、『舞いあがれ!』では少し先の出来事を描いています。空を見上げるということと未来を見るというイメージにもつながっているので、このご時世ですので、明るい未来へ信じて進んでいく姿を最後まで見ていただけたらなというふうに思っています」

――ありがとうございました。

第107話あらすじ

最終回まで残り4週に迫った「舞いあがれ!」の今後の展開は? 制作統括に見どころインタビュー

 舞と御園は「こんねくと」を設立する。東大阪の工場と技術を守るため、その技術で新製品を作り消費者に届ける仕事に取り組む。その最初の仕事となったのが、仙波が持つパンチングメタルの技術を生かしたデザインパンチングの製品化。だが、仙波は「こんねくと」を信用できないという態度を取り、まだ舞たちと仕事をすると決めたわけではないと言う。

【番組情報】

連続テレビ小説「舞いあがれ!」
NHK総合
月曜~土曜 午前8:00~8:15ほか ※土曜は一週間の振り返り
NHK BSプレミアム・BS4K
月曜~金曜 午前7:30~7:45

NHK担当 S・A



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