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井桁弘恵、主演を務める「自由な女神-バックステージ・イン・ニューヨーク-」は、転機になるだろう作品。吉沢亮の言葉で芝居への向き合い方に変化も2023/03/03

井桁弘恵、主演を務める「自由な女神-バックステージ・イン・ニューヨーク-」は、転機になるだろう作品。吉沢亮の言葉で芝居への向き合い方に変化も

 井桁弘恵さんがフジテレビ系ドラマで初主演を務める土ドラ「自由な女神-バックステージ・イン・ニューヨーク-」は、ファッションあり、三角関係ありのちょっとディープなシンデレラストーリー。

 服作りが好きな田舎女子が、ドラァグクイーンと出会ったことで人生が一変し、ファッションデザイナーとして評価されるまでの成長を描く。井桁さんは、無意識のうちにありたい自分を封印し、趣味の服作りを仕事にするほどの才能はないと思い込むサチこと渡辺幸を丁寧に演じていく。

井桁弘恵、主演を務める「自由な女神-バックステージ・イン・ニューヨーク-」は、転機になるだろう作品。吉沢亮の言葉で芝居への向き合い方に変化も

――まず、本作への出演が決まった際の率直なお気持ちを教えてください。

「1年ぶりに主演をさせていただくことになりました。純粋にお芝居ができるということがすごくうれしかったです。そして、前回主演をさせていただいたドラマ『メンタル強め美女白川さん』(2022年/テレビ東京系)の時と同じ池田千尋監督とまたお仕事できることも、すごくうれしかったです! 原作も読ませていただいて、(サチの)雰囲気が自分に似ているところもありましたし、お話の内容としてもすごく面白かったので、撮影が楽しみでした。昨年主演をさせていただいた時は、立ち位置というか、自分がどう振る舞ったらいいかも分からなかったんです。変に意気込みすぎて自分で自分の期待値を上げすぎちゃって、その期待に応えられない自分に対してすごく落ち込んだり…勝手に1人で浮き沈みを繰り返していました。そこがすごく悔しかったので、今回の作品に関しては、とにかく元気で最後まで明るくいることと、周りのスタッフさんを信じて全力でついていくということを心掛けました。心境の変化があったことで、最後まで元気に楽しくできました。結果的にそれがチームの雰囲気にもつながったのかなと。自分の中で成長できたのかなっていうふうに感じました」

井桁弘恵、主演を務める「自由な女神-バックステージ・イン・ニューヨーク-」は、転機になるだろう作品。吉沢亮の言葉で芝居への向き合い方に変化も
井桁弘恵、主演を務める「自由な女神-バックステージ・イン・ニューヨーク-」は、転機になるだろう作品。吉沢亮の言葉で芝居への向き合い方に変化も

――初共演の武田真治さんの印象を伺えますでしょうか。

「武田さんとは初めましてでした。以前から私もテレビで拝見していた方だったので緊張したんですけど、そんな緊張が一瞬で吹き飛ぶくらい本当に優しくて、温かくて。印象的だったのは、(武田演じる)クールミントのステージで、エキストラの方がお客さん役で15名くらいいらしたんですけど、ドラァグメークをした武田さんが皆さんの前に立って前説を自らやっていたんです! それがすごく衝撃的で。もしかしたら武田さんにとっては普通のことだったのかもしれないんですけど、今までそういうのを見たことがなくて。結構ハードなスケジュールの中で、率先して全力で場を盛り上げる姿が本当に印象的でした。武田さんってベテランの域に達している方じゃないですか。その武田さんが盛り上げている姿を見て、弱音を吐けないなって思いましたし、私もこんな大人になろうって思いました」

――ドラァグメークをした武田さんはやはりお奇麗でしたか。

「ドラァグメークをした武田さんは本当に奇麗なんです。もちろん普通のメークの時も顔立ちもはっきりされていて奇麗なんですけど、また見違えるというか! 本当に別人になったかのような感じで、うっとりしちゃう…(笑)。すごい、ほれぼれ見とれちゃうような美しさがありました。そこに肉体美もプラスされて! 美術館に来たみたいな、アートを見ているような感じ(笑)。お芝居していない時も、ドラァグメークで立っているだけでつい目線がいっちゃうくらい美しかったので、そこにも注目してほしいですね。皆さんほれちゃうんじゃないかなと思います!」

井桁弘恵、主演を務める「自由な女神-バックステージ・イン・ニューヨーク-」は、転機になるだろう作品。吉沢亮の言葉で芝居への向き合い方に変化も

――そんな武田さんが演じるクールミントと出会って夢に突き進むサチですが、役の印象はいかがでしたか。

「サチは自分の人生を客観的に見て諦めちゃっているというか…考え方が大人すぎるが故に、いろんなことを早々に諦めてしまった、自分にあまり期待をしていないような女の子です。そのサチが、自分の夢や信念に真っすぐ突き進むクールミントに出会うことで、どう心情が変化していくのかというところが、この作品のメインの軸になっています」

――情報が解禁された際、サチに共感するところがたくさんあるとおっしゃっていましたよね。

「私も自信がすごくあるタイプでもないですし、サチも自分にむちゃくちゃ自信があるタイプでもなくて。なんとなく自分の社会を知っているつもりというか、“どうせこれくらいだろう”っていう基準を決めてしまうところとか、良くも悪くも大人びてしまう…分かっているふうになってしまうところとかは、ちょっと似ているなって思いました。あとは、妙に冷静なところや、東京に出てきた後に、いろんな人のいろんなところを吸収しようとしているところも似ているなって思いました」

――演じる上で意識したことがあれば教えてください。

「最初は自分の人生に対して悲観しているというか、期待していないというマイナスの状況から始まります。 そこからミントさんやいろんな人に会うことで、スタートラインに立って前に進んでいきます。いろんな人の言葉や行動に影響を受けるシーンが多かったので、こういうふうに演じようとかあんまり決めすぎずに、周りの方がどうサチにアプローチしていくかをちゃんとキャッチしようと思いながら演じました。アクションするというよりは、リアクションをすることの方が多かったので、柔軟に何でも吸収しようっていう気持ちで挑んでいました」

井桁弘恵、主演を務める「自由な女神-バックステージ・イン・ニューヨーク-」は、転機になるだろう作品。吉沢亮の言葉で芝居への向き合い方に変化も

――サチを演じるにあたり、デザイン画を描く練習などもされたと聞きました。

「絵心がないので、最初はとても難しかったです。ただ人の体を描くだけじゃなくて、お洋服のどこを見せたいか…例えば、胸元のボリュームのある洋服を作りたいと思ったら、そこをちょっと誇張して描いたり。見たまんま描けばいいわけじゃないのが、やっぱり難しくて。お洋服の特徴をどう表現するかに苦戦して、何回も練習しました。せっかく練習したし、すごく頑張ったから(ドラマで登場するデザイン画が)誰かが描いたやつだったら嫌だなと思ったんです。そしたら、手元が見えていないシーンでも自分で描いたものを使ってもらえたんです! だから、そこもぜひ楽しみにしていただけたらうれしいです! あと、お洋服を作る工程としていえば、トルソー(店頭で商品を着せてディスプレーする人型のツール)に布を当ててピンを指していくシーンがあるんですけど、そういう工程って普通の人は見ないところじゃないですか。布を当てるだけじゃ想像できないなと素人目には思うんですけど、やっぱりプロの方は頭の中に(作りたいものの画が)出来上がっているからこそ、布を当てるだけで作っていける…お洋服が出来上がるまでの過程に計り知れない大変さがあるんだなと思ったと同時に、ゼロからものを作る楽しさってこういうことなんだ!というのを体感できた撮影だったなって思います」

――実際に作ってみたいなと思いましたか。

「思いましたね。実際、撮影で日暮里の『トマト』っていう生地屋さんにロケに行かせていただいたんですけど、本当にいろんな生地があって! 自分が着ているスカートそのままの生地じゃん!みたいなものとかあったりして。いろんな生地を見ていると、『あ、ここからこういうワンピース作ったらかわいいかも!』みたいなイメージが湧きました。作る人の気持ちを知れた気がします」

井桁弘恵、主演を務める「自由な女神-バックステージ・イン・ニューヨーク-」は、転機になるだろう作品。吉沢亮の言葉で芝居への向き合い方に変化も

――雑誌「MORE」のモデルも務められていますが、着る時の気持ちにも変化があったりするのでしょうか。

「シンプルだけど、ちょっとデザインが凝っているお洋服が好きでよく選ぶんですけど、そういうちょっとしたデザインも、すごく繊細に計算されて体が奇麗に見えるように作られているんだなって思うようになりました。いろんな人のいろんな努力がちょっとしたデザインにも込められているんだって思うと、縫い目とかも気になってきちゃったりして(笑)。だからこそ、お洋服を着るモデルとしては、そういうところを伝えられるようにしたいなっていうふうに思いましたね」

井桁弘恵、主演を務める「自由な女神-バックステージ・イン・ニューヨーク-」は、転機になるだろう作品。吉沢亮の言葉で芝居への向き合い方に変化も

――サチ同様、井桁さんも上京してお仕事にまい進されていますが、上京前後で地元・福岡への思いに変化はありましたか。

「福岡が周りの県からどう思われているか、どんな魅力があるかもよく知らないまま上京してきました。でも、東京で福岡出身っていうだけで、すごくうらやましがられたり、同郷の人がいたら急に親近感が湧いて仲良くなったり。自分が福岡にいた時には分からなかったけれど、他県からも福岡県民からも愛されている地元だったんだなっていうのを知りました。より愛が増しましたし、福岡に貢献できる仕事をしたいなと思いました」

――地元への貢献として、どんなことに挑戦してみたいですか。

「観光大使とかしたいです! 私がどうこうしなくても盛り上がっているので、もはや私が便乗する形になっちゃいそうですけど(笑)。でも、福岡県民のための番組でもいいから、盛り上げられるようなバラエティーとか、そういうのもやりたいなって思います! 夢は観光大使です!」

――いいですね! どんなことをアピールしたいですか。

「観光としては福岡タワーもあるし、住むのにもすごくいい場所なんです。観光だけじゃなくて日常までもアピールしたいというか、もっとコアなところを知ってほしいです(笑)。長谷川町子さんゆかりの場所でもある“サザエさん通り”っていう通りがあるんですけど、そういうコアなところまでいろいろと発信したいです!」

井桁弘恵、主演を務める「自由な女神-バックステージ・イン・ニューヨーク-」は、転機になるだろう作品。吉沢亮の言葉で芝居への向き合い方に変化も

――サチはクールミントと出会って人生が変わりますが、井桁さんにとって転機となった作品があれば教えてください。

「お仕事の出会いとしては、ゼクシィのCMをやらせていただいたのが転機になった瞬間だなと思いますね。ちょうど就活のタイミングでのお仕事だったんです。いろいろ考えたけど、この仕事にシフトしよう!って思えた転機だったなって思います。それから、お世辞なく、この作品は新たな自分の転機になるだろうなっていうふうに感じていて。こんなにお芝居楽しいんだって、あらためて知れた作品でした。あんまり自信もないし、私が求められているのかな…っていう不安もあって、ずっとお邪魔している感覚だったというか。お芝居の現場を自分の主戦場だって、なかなか自信を持って思えなくて。だけど、今回、周りからどう思われようと自分の後悔ないようにしようと思って撮影したんです。それは、吉沢亮さんが『おしゃれクリップ』(日本テレビ系)に来てくださった時に、『主役として参加する時に意識していることは何ですか?』と聞いたら、『背中で見せるとか、みんなを引っ張るとかそういうことはできなくても、誰よりも作品を愛することはできるから、そこを自分なりに意識している』とおっしゃっていて。それってすごく大事だし、それなら私にもできるし、その心掛けってすごく大切だなって。だから、今回、誰にも負けない愛をもって作品に参加したら、今まで以上に愛情が強くなったし、その愛情が、自分の自信のなさを超えてくれたというか…不安を払拭するくらい楽しめたので、転機になるなと思っています」

――お話している表情から「楽しかった」ということが伝わってきます!

「本当に楽しい撮影でした。プロデューサーの後藤(勝利)さんにも伝えたんですけど、原作もニューヨークが舞台ですし、次があるとしたら絶対にニューヨークで撮影したいですね。本場に連れて行ってほしいです(笑)」

―――いつかニューヨーク帰りの井桁さんに取材ができる日を楽しみにしております…! 最後に、視聴者の方へメッセージをお願いします。

「一言では表せないくらい、いろんな魅力が詰まっています。登場人物それぞれがクールミントと出会うことで、少しずつ前に進んでいく様子であったり、三角関係…恋愛の要素、クールミントのドラァグクイーンのショーだったり、メーク、衣装…全部! 本当に、見ていて1分1秒も飽きない作品だなって思いますので、スピード感も含めて楽しんでいただきたいです。見てくださる方もクールミントの発言や行動に背中を押される瞬間がきっとあると思うので、ぜひこの世界に皆さんも入っていただいて、楽しんでいただけたらと思います!」

【プロフィール】

井桁弘恵(いげた ひろえ)
1997年2月3日生まれ。福岡県出身。雑誌「MORE」専属モデル。2018年、ゼクシィのCMオーディションに合格し、11代目CMガールに抜てきされ話題に。「仮面ライダーゼロワン」では、シリーズ初となる物語開始から登場する女性ライダーとしてレギュラー出演し、さらに飛躍。これまで、ドラマ「僕らが殺した、最愛のキミ」(TELASA)、「お耳に合いましたら。」「メンタル強め美女白川さん」(ともにテレビ東京系)、映画「イソップの思うツボ」「グッドバイ」などさまざまな作品に出演。現在、「おしゃれクリップ」(日本テレビ系)にて司会を務めるほか、「ヒルナンデス!」(同系)の水曜レギュラーとして出演中。また、23年夏に主演を務める映画「喜劇 釜石ラーメン物語」が公開予定。

【番組情報】

土ドラ「自由な女神-バックステージ・イン・ニューヨーク-」
3月4日スタート
フジテレビ系
土曜 午後11:40~深夜0:35

取材・文/Y・O(フジテレビ担当) 撮影/中山雅文 衣装/オールインワン(BELPER) スタイリスト/中野雅世 ヘア&メーク/田鍋知佳



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