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風間太樹監督が魅せる“映像美”。「過去と現代、どちらも“今”として描きたかった」――「silent」インタビュー2022/11/19

風間太樹監督が魅せる“映像美”。「過去と現代、どちらも“今”として描きたかった」――「silent」インタビュー

 村瀬健プロデューサーの「川口春奈さんと目黒蓮さんでクリスマスの時季にラブストーリーを!」という、熱烈な思いでスタートした本作。風間監督は脚本作りの段階で村瀬プロデューサーと入念に打ち合わせをし、大切に描きたい部分をすり合わせながら撮影に挑んでいるという。

「脚本作りの過程で生方(美久)さんも交えて、“この話で大切にしたいこと”の共通認識を持った上で撮影に入っています。現場に関して言えば、僕は脚本を信頼しているし、(村瀬さんは)僕らの撮影するものに信頼を持ってくれて見守る姿勢でいてくれています。だから、必要なことは脚本作りの時点である程度語りきっている感じですかね。現場はあまり打ち合わせしないです。いい意味で預けてもらっている。本来、監督はそういう役回りだと思うので。だから、信頼関係の中で作品作りができているのも、現場を豊かにしている要因の一つなのかなと思っています」。

風間太樹監督が魅せる“映像美”。「過去と現代、どちらも“今”として描きたかった」――「silent」インタビュー
風間太樹監督が魅せる“映像美”。「過去と現代、どちらも“今”として描きたかった」――「silent」インタビュー

 第1話が放送されると「映像が奇麗!」と絶賛の嵐。そんな第1話を撮影した風間監督にとって、過去と現代が掛け合ったシーンを“今”として“均等”に描くことにこだわったという。

「第1話は現代と過去が重なっていくというか、掛け合うように描かれていく話だったと思うのですが、どちらの時間軸も優劣のない平等な価値感覚で、というか…どちらも“今”としてしっかり描きたかったのはあるかもしれないですね。回想という呼び方をすると、どうしてもあせたものだったり、昔は、今は…という断絶があると思うんですけど、それを取っ払って二つの軸をしっかりと今として捉えることで、どちらも鮮やかに描きたかったというのは、一つのこだわりでした。それ(過去)は、言い方を変えれば記憶かもしれないけど、特別な記憶であったり、大切なものであったり…。その特別な時間を過ごした高校時代のキラキラしたムードは、やはり同列の描き方をするという意識で表現をした方が、見ている人たちにもその心情や揺らぎがダイレクトに届くのではないかなと思って。だから、過去と現代を均等に描いていくことにはこだわっていましたね」。

風間太樹監督が魅せる“映像美”。「過去と現代、どちらも“今”として描きたかった」――「silent」インタビュー

 過去と現代が折り重なるシーンは第5話でも描かれる。

「第5話の湊斗が回想する紬との時間。眠った後に朝になって目の前に紬が眠っていて…というシーンがあったと思うのですが、あのシーンも、お別れをした後、紬を大切に思う気持ちを湊斗が抱えたまま、湊斗にとって、あるいは紬にとっても、大事な記憶の中に視聴者の皆さんも一緒に没入してほしいという思いがあったんです。挑戦的なギミックでしたが、キャスト・スタッフがかなえてくれました。ぜひ、見返してみてほしいですね」。

風間太樹監督が魅せる“映像美”。「過去と現代、どちらも“今”として描きたかった」――「silent」インタビュー

 本作はラブストーリーでありながらも視聴者の考察が絶えないドラマ。監督の耳にも届いているというが、予想以上の反響に照れ笑いも。

「もちろん、細やかなところまで見てほしい、届いたらいいなと思いながら描いているのですが、それ以上に考えが深いというか…。さりげなく撮っている道だったり小物に対する思いを、自分たちなりに解釈・そしゃくして、『こういうことなんじゃないか』と考察してくださっている方が非常に多くて。僕らが考えていること以上の深みを皆さんが与えてくださっているんじゃないかと。ありがたいことだなと思いながら見てますね。切り取っている画角だったり、捉えている被写体の角度であったりとか、意図的に反復させているようなシチュエーションも多かったりするので、その表現が届けばいいなと思っているところもありつつ…もう予想以上にというか(笑)。なんだろうな…とにかくうれしいですね(笑)」。

【プロフィール】

風間太樹(かざま ひろき)
1991年7月22日生まれ。山形県出身。ドラマ「帝一の國~学生街の喫茶店~」(フジテレビ系)で商業作品デビュー後、映画「チア男子!!」、ドラマ「30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい」(テレビ東京)などの作品で監督を務めた。

【番組情報】

「silent」
フジテレビ系
木曜 午後10:00~10:54 ※12月1日は午後10:00~11:09

取材・文/フジテレビ担当 Y・O 撮影/蓮尾美智子

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