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鈴鹿央士が「silent」で“主成分優しさ”の戸川湊斗を好演 「この先も湊斗は優しいままです、ずっと。見守って」2022/10/26

鈴鹿央士が「silent」で“主成分優しさ”の戸川湊斗を好演 「この先も湊斗は優しいままです、ずっと。見守って」

 川口春奈さん主演でおくる本格ラブストーリー「silent」(フジテレビ系)。10月20日の第3話放送後に公式Twitterのフォロワー数が40万人を超え、さらに見逃し配信再生回数も同局の記録を塗り替えるほどの話題作。韓国での配信も決定し、日本国内のみならず海外の人気も高くなりそうだ。

 第2話、3話放送後、またもTwitterのトレンドを席巻した本作だが、その中でもあるハッシュタグが話題を呼んだ。それが、「#鈴鹿央士くんを幸せにしたい」だ。主題歌を担当するOfficial 髭男 dismの小笹大輔さんが投稿したものだが、そのツイートがまたたく間にお茶の間へと広がり「分かる…!」「幸せになってほしい」など、視聴者の声が飛び交っていた。

 木曜日の夜に行われている鈴鹿央士さんのインスタライブも好評で、前話の振り返りや「あの時こうしようか迷った…」など、裏話が聞ける貴重な機会にもなっている。明日10月27日の第4話放送前にも開催されるかも!?  ドラマの放送と合わせてぜひキャスト陣、公式SNSの更新も楽しみにしてほしい。

鈴鹿央士が「silent」で“主成分優しさ”の戸川湊斗を好演 「この先も湊斗は優しいままです、ずっと。見守って」

 そんな“主成分優しさ”でできている戸川湊斗を熱演する鈴鹿さんの元にも「#鈴鹿央士くんを幸せにしたい」というハッシュタグの思いは届いているそう。第3話までの湊斗の姿に複雑な思いを抱く視聴者も多いと思うが、鈴鹿さんいわく「本人は幸せです!」とにっこり。

「青羽紬(川口)と佐倉想(目黒蓮)と向き合って、最初から複雑だなと思ってたんですけど…やっぱ複雑で。湊斗として一つのシーンの中で考えていることとか、持っている感情とかは一つではなくて。いろんなことを考えながらその場にいるし、紬といれて幸せとか想と話してうれしいとか…プラスもマイナスもいろんな感情を持ちながら、(湊斗は)ずっといるんだなって。さっきもスタッフさんと『湊斗が普通の顔してる時ってなかったよね』っていう話になり、確かになって。ずっと何か考えながら…人のことを考えながら生きてるなって思いますし、第3話まで放送されて、“コンポタ”や“パンダ、スペース、落ちる”とか、湊斗の持つ優しさがすごく皆さんに伝わってるんだなと思うとすごくうれしいです。応援してもらえて、湊斗の思いを(ドラマを)見ながら考えてくださって幸せです。『#鈴鹿央士くんを幸せにしたい』ってハッシュタグができたっていう話も聞きましたが、本人は幸せです(笑)」。

鈴鹿央士が「silent」で“主成分優しさ”の戸川湊斗を好演 「この先も湊斗は優しいままです、ずっと。見守って」

 ストーリーの先が読めないことでも視聴者をくぎ付けにしている本作。鈴鹿さんはオリジナル脚本を演じることに「面白さ」を見いだしている。

「原作がある作品だと話の流れが分かっていたり、 見てくださる方がなんとなく予想できたりとかもあるんですけど、オリジナル脚本で言葉とか表情とか創られた画とか細かく考えられていて、いろんなところに意味があって。原作だと次のストーリーが決まっているので、ここではこれくらいの気持ちでとか、なんとなく決めなきゃいけないんですけど、(本作は)撮りながらも変わったりしていて。そういうのって、やっぱ生ものというか…面白いなって思います。ただ、結末が見えてない分、ここまでにはこういう気持ちでっていう、台本の行間を詰めていく作業は難しいなと思いながら撮影しています。でも、それも面白くて。いろんなこと考えながらできるので楽しいです。ラブストーリーだけど、皆さんが考察をしてくださったりするのは初めてなので、 新鮮な気持ちもあるし、楽しみにしてくださっているんだなっていう実感にもなっています」。

 以前、村瀬健プロデューサーや脚本を担当する生方美久さんから、鈴鹿さんが出ているさまざまな映像をチェックし“鈴鹿央士仕様の戸川湊斗”を作り上げたという話を聞いた(https://www.tvguide.or.jp/feature/feature-1811449/2/)。生方さんが鈴鹿さんの映像を見ていく中で「うん」や「ん?」と言うのが印象に残ったといい、湊斗にも「うん」というセリフが増えていったという。鈴鹿さん自身、湊斗を演じる上で自分っぽいなと思った部分はあるのだろうか。

「確かに台本上に『うん』っていうセリフはたくさんあって、4連続くらいで『うん』があったりもして(笑)。『うん』とか『ん?』とかは確かに使うし、村瀬さんにも『そこがなんかすごくいい』って言われたんですけど、同じ『うん』じゃダメだよなって。でも、言われるとちょっと気にしちゃって…(笑)。工夫しなきゃいけないのかな…とか思ったんですけど、最近はあんまり気にせずできるようになってきてるかなと。『うん』は大事なセリフでもあるので、大事に演じてます。『うん』以外だと、第5話で出てくるんですけど、物を音で表すというか。今さっきそういうシーンを撮ってたんですけど、僕も時々、物を音とかで例えたりするなって、今ふと思いました(笑)」。

鈴鹿央士が「silent」で“主成分優しさ”の戸川湊斗を好演 「この先も湊斗は優しいままです、ずっと。見守って」

 大好きな紬のために“コンポタ”を隠し持っていたり好きそうな映像をチェックしていたり、真新しいスカートに気づいたり…そういう優しさの塊でできている湊斗だが、割合で示すと「優しさ95%、自分のこと5%」だという。

「優しさっていうところで言ったら、100なのかもしれないですけど。紬と想は、高校生の時に自分がキューピッドでつながって。2人が好き同士…大好きな人と大好きな友達がくっつくってすごくいいことだし、自分としてはそれがいいって思ってて。自分の中では紬と付き合いたいっていう気持ちもあるけど、でも、その2人がくっつくことが一番いい。くっつけば自分も満足、というか…別にそこでネガティブなことにはならなくて。その2人がくっつくことっていうのは、自分からしてもいいことなので…100って言ったら100なんですけどね(笑)」。

 残り5%について聞くと、“自分のこと”と言いながらもやはり湊斗の優しさがうかがえた。

「(湊斗は)その場その場の優しさではなくて、『よーい、スタート!』ってなる前も、紬だったり、想のことを考えていて。紬の好きなものが“コンポタ”とか、紬の好きな動物がパンダだから、パンダが落ちる動画を調べてたっていう。それを紬のために調べたりとか、知ってたっていうのは、その場その場で出てくるものではなくて、常日頃から考えてることだから。日々暮らしてる中でも、『あ、ここは紬が喜ぶかな』とか、『あ、ここ想とこういうことあったな』とか考えながらやってます。紬から受け取った言葉っていうのは紬との会話でもあるんですけど、その中でちょっと想のことが浮かんだりとか。誰かからもらった言葉が、その人と1対1じゃなくて、誰か他の人への思いをはせたりとか。ずっと周りの人のことを考えてるっていうのが湊斗の優しさかなって思います」。

「見守ってくれるし支えてくださる川口さんと目黒さんにちょっと甘えがちだけどいい現場だなって」

 本作で初共演となる川口さん、目黒さんだが「初めてお会いした時から印象が変わらない」と話す。

「川口さんと目黒さんは初めてお会いした時と印象変わらないんです。本当に表裏なく接してくださる2人です。川口さんも本当に明るい方ですし、壁とか隔たりとかなくフラットに接してくださるし、目黒さんともちょっとずついろんなことを話せるようになりました。(撮影前と後で)特に何が印象が変わったかって言われるとそうでもなく。本当に最初にお会いした時の優しいまんまで。より気を使ってくださるというか…僕が使わなきゃいけないんですけど(笑)、目黒さんの方がよく(僕を)見てくださるというか。とても優しく接してくださる2人だなって思います」。

 第3話では、そんな目黒さん演じる想と湊斗が再会し対峙(たいじ)する姿が描かれた。

「あのシーンは、すごく時間がかかってしまって…僕がうまく感情を出せなくて『どうしようかな』って思ってる時に、目黒さんが『2人で話そうか』って言ってくれて、少し2人で話す時間を作ってもらったんです。その時に、湊斗と想の高校時代からのいろんな思いとか。 今、再会して2人で会ってどういう思いが込み上げてくるかとか、何を考えてるかとか…2人で話してから本番を撮ったっていうエピソードがありまして。本当に、川口さんもそうですし、目黒さんもすごく優しくて。ずっと見守ってくれるし、支えてくださるし。設定としては同級生なんですけど、先輩なんだなって。寛大な心を持った2人なので、ちょっと甘えがちですけど、川口さんも朝あいさつする時から『元気?』とか一言声をかけてくださるし、目黒さんもシーンの中で悩んだ時に、2人で話す時間とかを作ってくださるので。本当にいい現場だなって日々思ってます」。

 特に、耳が聞こえない想を受け入れられない湊斗を演じる上で、目黒さんとの2人の時間は重要なポイントになっている。

「湊斗と想が高校時代は普通にしゃべってたけど、今はその声が届かないっていうところで。目黒さんが想として、『やっぱり湊斗が何かしゃべりかけてる言葉を、声を、受け取ることができないのはすごく悲しいし、またもう1回しゃべりたいっていう気持ちにはなってる』っていうふうに言ってくれて。湊斗としても、(想は)耳が聞こえない、(想に)自分の声が届かない、声で何かを伝えるっていうことができない…っていうところは、すごく大きなところで。湊斗は友達として、耳が聞こえなくなった想を受け入れられなくて。紬は(受け入れて)手話とかを覚えることができてるけど、自分は受け入れられないって。その受け入れられないっていう思いの強さが、目黒さんと2人で話した時により強くなった気がしました」。

 さらに本作では「ホリミヤ」(2021年/TBS)で共演した板垣李光人さんとも再共演を果たすが、がっつり芝居をするのは今回が初めてだという。

「板垣くんは、『ホリミヤ』っていう作品で一緒だったんですけど、同じシーンはなくてあいさつしたくらいだったんです。でも、今回は紬の家だったりで一緒のシーンも多くて、『あの時はあいさつしたぐらいだったね』みたいな話をして(笑)。板垣くんおしゃれなので『服どこで買ってるの?』とかも聞いたりしました(笑)。個人的に気になったところを邪魔しない程度に聞いてます!」。

「この先も湊斗は優しいままです、ずっと。見守って」

 先週放送の第3話は「想のこと悪く思えれば楽だった」「名前呼んで、振り返ってほしかっただけだったのに」と、湊斗の悲痛な思いを吐露するシーンでエンディングを迎えた。

「湊斗は完璧な人間ではなくて、本当に人間くさいというか。第3話で、僕と想が再会して。いろんなことを考えてた中で、潜っていって溜め込んでたものとか、考えていたことっていうのがたくさんあって苦しんでたんだねっていうのが分かった回だと思います。第4話から紬にその思いをぶつけるというか、紬と共有できて、また紬と想と湊斗の3人がやっと出会えて。ここから3人の関係がどうなるのか…楽しみにしててほしいです。湊斗は優しいままです、ずっと。見守ってください」。

【番組情報】

「silent」
フジテレビ系
木曜 午後10:00~10:54

取材・文/フジテレビ担当 Y・O



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