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川口春奈&目黒蓮は「イメージ通り」 本格ラブストーリー「silent」村瀬健プロデューサー&脚本・生方美久が2人の印象を明かす【前編】2022/10/06

 作品には、ろう者のキャストが出演することが発表されている。また、夏帆さんがろう者役に挑戦。村瀬さんは音のない世界を経験したことがない夏帆さんの演技を絶賛していた。

村瀬 「『Coda コーダ あいのうた』という映画の公開以降、ろうの演技をするにあたって、ろう者の方が演じるべきというような意見もすごくあって。もちろん僕もその意見に賛同しています。一方で、これも全世界的にそうですけど、目の見えない役、耳の聞こえない役を目の見える方、聞こえる方が演じてきた歴史もあり、そうして生まれた世界的な名作もたくさんある。このドラマではそのどちらの良さも生かせればと思っています。夏帆さんが、生まれつき耳が聞こえない桃野奈々という役を演じてくださるんですけど、すごく早い段階から手話指導を受けていただきました。ろう者の方とお会いして、その役と同じような経験をしてきた同年代のろう者の方のお話を聞きながら、手話の動きはもちろん、耳が聞こえない動きを学んだ上で撮影に臨んでくださっています。本当に見事な演技をしてくれています」

「大丈夫。責任は俺が取る」

 本作で脚本家デビューを果たす生方さんだが、村瀬さんはいつからタッグを組みたいと思っていたのだろうか。

村瀬 「ヤンシナ(ヤングシナリオ大賞)の応募作があまりにも面白かったので、受賞してすぐに『一緒にやりませんか』と声をかけました。この人は絶対オリジナルで連ドラを書ける力を持っていると思ったので、とにかくオリジナルの物語を一緒に作ろうよって。そしたら、2022年10月期の木10を僕が担当することになったので、生方さんに『この枠をやるつもりでゼロから作らない?』と言って。そこからこの企画がスタートしました。今年の1月くらいだったかな。どんなことをやろうかとあれこれ2人で話し始めたんですけど、最初に思い浮かんだ企画を生方さんに話したら、『silent』の基となる設定が送られてきて。それがすごくよかったので『これでいこう!』と決めました。連ドラ脚本未経験の生方さんでやることに対して会社への説得はもちろん必要でしたけど、『大丈夫です! 責任は僕が取りますから!」と説得してスタートさせた感じです」

生方 「正直、最初は信じてなかったです。私はコンクールがきっかけなんですけど、コンクールに(脚本を)出しているような人、(脚本家を)目指している人たちと話していても今回みたいなデビューってありえない形で。どうせだまされてるんだろうなって思いながら書き始めました。今でもちょっと信じてない…です(笑)。でも、本当にしがみつくしかないなと。キャストが決まったり、本ができていく段階でうれしいという気持ちはあるんですけど、(ドラマが)完成しきらないと本当に書いたなって思えないんだろうなと思ってます」

村瀬 「過去に類を見ないくらいの才能だと思っていて。とにかくセリフがいい。リアリティーのある言葉で、すっと耳に、心に入ってくるんです。セリフっぽいセリフ、狙って作ったセリフみたいなものではないのに、すごく心に残る。なんでもない日常の言葉で語られたセリフがものすごく心にしみるんです。これは役者さん、みんな言ってますね。キャストのみんなと脚本について話すんですけど、みんなが『素晴らしい本ですね』『セリフが素晴らしい』って。 圧倒的なセリフの良さっていうのが生方さんの脚本にはあると思っています。ドラマって限られた時間、話数の中で『こういう展開をさせるために、この登場人物にはこういう動きをさせたい』って考えながら作ってしまいがちなんですけど、生方さんは『この登場人物だったらこういう気持ちになって、こう動くんじゃないかな』という視点で考えて、その上で物語を進めている。なのに面白い。気持ちで動く展開だから、読んでいて説得力があるんです。連続ドラマの醍醐味(だいごみ)は『この先どうなるんだろう!?』と興味を持たせるところだと思ってるんですけど、その引きつけ方もしっかりできていて、正直びっくりしています。(生方さんは)新人だって言ってますけど、本当は20年くらいどこかでやってた手練なんじゃないの?って思うくらいの力があります。でも一方で、すごくみずみずしい感じもあって。若さゆえの粗さと言いますか、経験がないからこそのルールを守らない感じが、いい方向に働いているところもすごくある。この、玄人っぽい感じと素人っぽい感じが混ざっているところが、今の彼女にしかない圧倒的な強さであり、圧倒的な才能だと思っています」

生方 「(村瀬さんは)天才と言ってくれますけど、言わないでほしいなと思います(笑)。これまでコンクールで好き勝手書けるものしか経験がないので、連続ドラマにするならこうしなきゃいけないという部分を教えてもらいながら作っています」

 脚本を作る上で大事にしていることを聞くと、先ほどの謙虚さとは違う一面、大胆さも見えた。

生方 「さっきも言ったんですけど、ドラマだったらこうしなきゃいけない!みたいなものが正直分かんない状態で始めてるんで、そこをいい意味で無視します。このキャラクターを使わなきゃいけないとか、このぐらい出さなきゃいけないとか、(事前に)言われてるものを1回無視して、自分が面白いと思う脚本を書いています。それでちょっとうまくいった回もあったので、これからもそれで突き通そうと思ってます(笑)」

村瀬 「ちなみに、目黒さんと生方さんが初めて会った時、目黒さんに『脚本の生方さんです』と紹介したら、あいさつよりも先に『わ! これ最初から書いたんですか? 続きはどうなるんですか? 早く読みたいです!』って言ってました。後で聞いたら、脚本があまりにも面白かったそうで、思わず聞いてしまったそうです(笑)」

 第1話は紬(川口)目線で物語が進む。今の幸せに向き合おうとしていた紬の目の前に現れた、過去の恋人・想(目黒)。過去の思いと現実に揺れ動く紬の思いをそっと受け取ってほしい。ドラマ「silent」は、本日10月6日午後10:00からスタート。

【番組情報】

「silent」
10月6日スタート 
フジテレビ系
木曜 午後10:00~10:54 ※初回は午後10:00~11:09

取材・文/フジテレビ担当 Y・O 撮影/尾崎篤志

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