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北海道発ドラマ「チャンネルはそのまま!」現場密着&嬉野雅道プロデューサーを直撃!「このドラマは『水曜どうでしょう』と同じ“幸福感”がある」2018/11/17

 11月6日、人気番組「水曜どうでしょう」などを生み出した北海道のテレビ局・HTB北海道テレビの開局50周年を記念したドラマ「チャンネルはそのまま!」が、札幌市豊平区のHTB旧社屋でクランクアップを迎えました。

 本作は、札幌市在住の漫画家・佐々木倫子氏の漫画が原作。この漫画の舞台である北海道のローカルテレビ局「HHTV(北海道★テレビ)」はHTBがモデルとなっていて、取材にも全面協力していますが、今回、それがまさかの“実写化”。漫画にも描かれている旧社屋を実際に使って、ドラマが撮影されたのです。総監督は「踊る大捜査線」シリーズなどを手掛けた本広克行氏。さらに、「水曜どうでしょう」の名物ディレクター・藤村忠寿氏と嬉野雅道氏がそれぞれ監督、プロデューサーを務めています。

 HHTVに、謎の採用枠“バカ枠”として入社した主人公の新人記者・雪丸花子を演じるのは、芳根京子さん。一見、原作の花子とイメージがピッタリ!という印象ではないように思える芳根さんですが、収録現場に密着して、大いに納得。心から撮影を楽しんでいる芳根さんの姿は、おバカだけどついつい彼女から目が離せなくなってしまい、相手の心を自然と開かせてしまう花子そのものに見えました。そして、原作にはないオリジナルキャラクター、NPO法人代表の蒲原正義役を演じるのは、大泉洋さん。全5話となるドラマの縦軸になるストーリーに関わってくる“キーパーソン”です。

 TVガイドが密着したのは、HHTVのスタジオで花子の同期・山根一(飯島寛騎)からインタビューを受けている蒲原のところへ、花子がやって来るというシーン。真摯な言葉でインタビューに答える蒲原の緊張が伝わるようなシーンでしたが、撮影中、花子の上司役の石田剛太さんの演技を見ていた大泉さんは、ふと「あの上司、感じ悪いなぁ(笑)。上司に腹を立てる蒲原、っていう演技はいらない?」などと提案し、キャスト・スタッフからは大きな笑いが。何げない瞬間でしたが、そんなちょっとした発言で現場の空気をほぐしていく大泉さんの姿が印象的でした。

 オールアップ後には、芳根京子さん、飯島寛騎さん、大泉洋さん、本広総監督、嬉野プロデューサーが出席し、記者会見が行われました。キャスト・スタッフの皆さんの作品への思いが伝わってくる、涙あり笑いありの記者会見の模様は、現在発売中の週刊TVガイド11月23日号にたっぷり掲載しています! ぜひそちらをチェックしてみてください。

 さらに今回、嬉野プロデューサーがインタビューに応えてくださいました。

──今回嬉野さんは、脚本にはどのくらい関わられたのでしょうか?

「そもそも佐々木倫子先生の漫画が原作なので関わる必要もないんですけど(^^)、一つだけ脚本で最後まで気になったところがあって、それが今回大泉くんが演じてくれたドラマオリジナルのキャラクター・蒲原だったんです。この人物設定がもっとリアリティーを持つ自然な流れになるように、という点は少し口を出させてもらいました。ですから蒲原のキャラクター設定がリアリティーを持った時点で、すっかり安心して後は現場にお任せです。今回、脚本家の森ハヤシさんに加えて、5人の監督のうちの1人でもある山本透さんが脚本協力してくださり、本当に面白い脚本に仕上がったと思います」

──クランクアップを迎えて、今、感じている手応えは?

「私だけでなく、ドラマに関わった全員が大きな手応えを感じています。とにかく全編を通して、芳根京子さんが花子のキャラクターを見事に演じてくれているので、どこを切ってもおかしいんです。コメディエンヌとしての天性の素質があるんでしょうね、原作の花子に自分を“寄せよう”としているわけではなく、似ちゃってる、いや、花子そのものになっている。ものすごい女優ですよね。漫画のテイストそのままを立体化させているんです。これはもう原作ファンの方にも、そして佐々木先生ご自身にも必ず満足してもらえる作品になったぞと確信しています」

──大泉さんは「ヒゲに騙された」とボヤいていましたが(笑)、藤村監督の演出はいかがでしたか?

「藤村はHTBで過去にもドラマを何本も撮っていますが、なぜかいつも文芸路線だったんですよ(笑)。でも今回、初のコメディーなので、現場はもう彼の独壇場でした(笑)。さらに、小倉部長という本人役としか思えない役で出演もしているので、演じる自分に自分でOKを出して、まるでジャッキー・チェンでした(笑)。でも、彼は間違いなく傑作を作りましたね。そして役者としても良かった。クライマックスに向けて思わずテレビマンとして見ているわれわれがグッとくる芝居をしてくれました。最初は『どうなるんだろう…』と誰もがいぶかしく思っていましたが(笑)、最終的に全てがうまくいきました」

──HTBの旧社屋を使って、最後にこういった作品を撮影されて感じたことはございますか?

「このドラマを作らなければ、社屋移転後、旧社屋は廃屋になるだけでした。『水曜どうでしょう』を生み出し、大泉洋という天才を世に送り出すきっかけにもなった場所だけに…。でもね、もし今回の移転がなければ、南平岸の旧社屋は空っぽにはならず、ドラマのセットとしてここまで縦横無尽に使うことはできなかったんです。廃屋になったからこそ薄暗い廊下とか、超狭いスタジオとか、立て付けの悪い裏口とか多くの人に愛された懐かしい場所の全てがドラマの背景として永遠にこの作品の中に残ったのです。多くの人に愛されたHTB旧社屋にとってこれは最高の花道です。ぼくは今、ドラマ『チャンネルはそのまま!』に、『水曜どうでしょう』と同じものを感じるんです。それは幸福感です。ずっと見ていたいと思わせる幸福感です。このドラマはきっとわれわれの“未来”がここにあると思わせてくれるくらいのものすごい作品になっていますよ」

 HTB開局50周年ドラマとなる本作には、エキストラとして実際のHTB社員の方々も撮影に参加しているそう。「水曜どうでしょう」もそうですが、「チャンネルはそのまま!」は、“ローカルテレビ局が制作するからこその面白さ”が随所に盛り込まれた作品になっています。また、コメディーとしてたくさん笑えるだけでなく、全5話を通して見ると、「テレビで“伝える”とはどういうことなのか」ということを考えるきっかけになるような、ドラマチックな展開も待ち受けています。北海道でのローカル放送に加えて、Netflixでの先行配信も予定されていますので、2019年3月の放送をお楽しみに!

【番組情報】

HTB開局50周年ドラマ「チャンネルはそのまま!」

HTB 
2019年3月放送予定 
※Netflix先行独占配信あり。

北海道在住の漫画家・佐々木倫子の人気コミックが原作。舞台は、北海道のローカルテレビ局「HHTV(北海道★テレビ)」。謎の採用枠「バカ枠」で入社し、報道部に配属された雪丸花子(芳根京子)が、新人記者として周囲を巻き込みながら奮闘する姿をコミカルに描いていく。鈴井貴之やTEAM NACSをはじめとした、クリエイティブオフィスキューの所属タレントも総出演する。

取材・文/週刊TVガイド編集部 
撮影/笠井義郎

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