Feature 特集

赤楚衛二に“心洗われる”? 「石子と羽男―そんなコトで訴えます?―」プロデューサー&監督インタビュー【後編】2022/07/15

 TBS系では、7月15日から「石子と羽男―そんなコトで訴えます?―」がスタート。「カフェで充電していたら訴えられた!」「コンビニでお釣りを多く受け取ったら訴えられた!」 など、一見ささいに思えるが、どんな小さなトラブルでもその裏に存在する誰かの“大切な暮らし”。そんなトラブルに向き合うのは、4回司法試験に落ちた崖っぷち東大卒のパラリーガル・石田硝子(有村架純)と司法試験に1回で合格した高卒の弁護士・羽根岡佳男(中村倫也)。正反対のようでどこか似た者同士の2人が、さまざまなトラブルに挑む中で自らのコンプレックスに向き合い、成長していく姿をオリジナル脚本でコミカルに描きます。  

 本作は、「アンナチュラル」「MIU404」「最愛」など数々のヒットドラマを生み出す新井順子プロデューサーと塚原あゆ子監督のタッグ作品ともあり、放送前から注目を集めています。今回は、初回放送を前に、新井さんと塚原監督のツーショットインタビューを前・後編でお届け。後編では、有村さんと中村さんを囲む個性豊かなキャストの皆さんのお話を伺いました。(前編はこちら:https://www.tvguide.or.jp/feature/feature-1637858/

――まずは、赤楚衛二さんの現場の様子や、印象に残っているエピソードがあれば教えてください。 

塚原 「赤楚さんは、一言で表すと“天然素材”。こんなに天然素材っていう言葉が合う人、初めて会ったってくらいリアクションも面白いし、話していると心が洗われるような感覚を覚えます」 

新井 「それって褒めてるの?」 

塚原 「もちろん褒めてます! だって、“心が洗われるな”って思わされるリアクションを見せてくれるんです。例えば、何度も何年もドラマを作っていると、『これって出会いのシーンじゃん?』って当たり前のように役者さんに切り出してしまうのですが、赤楚さんは、それに対してまるで人生初めてのドラマの現場のようなリアクションを返してくれるんです。芸歴も経験もある中で、まだそういう反応ができるというのが素晴らしいですし、尊敬する一面です。もっと紳士な言い方した方がよかったなと思わされます。赤楚さんにはこのまま汚れないでほしいです(笑)」 

――先日の制作発表会見でも、赤楚さんのピュアな一面が披露されていましたね。では、おいでやす小田さんはいかがでしょうか? 

新井 「小田さんは、芸人さんだからか、撮影でスタッフが笑うとすごい気にするんです。『今の違いましたか?』って。どうやらお芝居の現場では笑いがあると不安になるようです(笑)」 

塚原 「小田さんは何を求められていると思っていらっしゃるのか、気になりますね。台本で、『あとは勝手にやってください』とか『分かってますね?』みたいなシーンがあるじゃないですか。それに対して、“キタキタ!”って思ってるのか、“やめてくれ!”って思ってるのか、もうちょっと仲良くなったら聞いてみたいな」 

――現場で笑いを取りにきているわけではないんですよね? 

新井 「そうなんです。真剣にやっているのにめっちゃ笑われるから、不思議そうな顔をしてます」 

塚原 「YouTubeで公開しているインタビューでは、『キレ芸あるんですか』っていう質問に対して、『俺が1人でやっていいことじゃないですよね?』っておっしゃっていたので、そういう部分も考えてくださっているのかなと思います」 

――キレ芸が出てくるのをちょっと期待してしまっています…!(笑)。そんな小田さんとの掛け合いも多い、さだまさしさんの現場での様子はいかがでしょうか? 

塚原 「さださんはお芝居もお上手ですし、すてきな方です。ご本人がお疲れになっていないといいなと思いながら撮影しています。自然に現場に入っていかれて、撮影して、ニコニコしながら帰っていかれるので、皆さん“さださんに会えてうれしい!”くらいの勢いで現場に行っていますが、実はすごく緊張されてた、なんてことがあったら申し訳ないな」 

新井 「『どうしてさださんをキャスティングしたの?』っていろいろな人からよく聞かれます。さださんをキャスティングする発想がすごいと言っていただけるのですが、個人的にはそんなに違和感のある選択ではなかったと思っています」 

――その気になる理由もぜひ教えていただきたいです! 

新井 「とにかく意外性のあるキャスティングにしたかったんです。この番組では遊び心を出したいなと。お芝居もやりながら、多方面にも才能がある人はいないかなと探していたところ、さださんが思い浮かびました。ちょこちょこお芝居もされている印象だったのですが、まさか連ドラ初だったとは。初めて本人に直接お願いした時は、第一声で『なんで俺?』って言われました(笑)。その後、『(芝居)できないよ?』とも言われたけど、とてもお上手で自然です。芝居なのか、素なのか分からない時もあるくらい」 

塚原 「本当ですね。セリフもきちんと入れらています。小田さんとの掛け合いでは、2人ともアドリブに長けているのですごく自然なんです。さださんが言うから良くなるセリフもあるし、想像以上に染みます! 俳優部さんがガチガチに固めてお芝居するよりも胸にくるものがあると感じています」 

――なるほど。では、赤楚さんの起用理由も教えていただきたいです。 

新井 「赤楚さんは、『30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい』(テレビ東京)を見ていた時期にお会いする機会があって。これまでの役は新入社員とかが多いと思うのですが、本人の性格とは全く違うんです。赤楚さんの良さを出すには、大庭蒼生ってぴったりな役なのではないかと思い、お願いすることになりました」 

――実際にお芝居を見てみていかがでしたか? 

塚原 「赤楚さんは、ハッとさせられるような、染まっていないお芝居をされるんです。言葉を選ばずにいうと、子役のお芝居を見ているとびっくりする時と同じ感覚。思ったより反応が薄いなって思う時もあれば、そんなに大きいんだっていう時もあって、いつも想像以上のお芝居を見せてくれます。本人の素がすれていないのも大きいですが、考えてお芝居するのではなく、気持ちで動いているんだろうなと。ピュアな心でお芝居してくださるところに魅力を感じています」 

――小田さんの起用は何がきっかけだったんでしょうか? 

新井 「小田さんは、『最愛』の撮影中に考えた、“おいでやす小田さんにツッコまれたい”っていう、かなわぬ企画があったのが名前があがったきっかけかな。ドラマの流れに対して『なんで記憶なくなるねん!』みたいに、サスペンスならではの設定にツッコんでほしくて」 

塚原 「そうそう。番組で小田さんがむちゃぶりでツッコミ続けるという企画をやっていて、それを見て『最愛』に対してもやってもらいたいなって思っていました。『弟って分かってないなんてことあるかーっ!』(と、小田さんのまねをしながら)ってやってほしかったな(笑)」 

新井 「サスペンスだけどそういうのもありかなって思って、案を出したんですけど、さすがにドラマの世界観が崩れるんじゃないかって却下されちゃいました(笑)。だったらいっそ俳優として出演してもらおうという…公私混同です!(と、冗談めかす新井さん)」 

――そのツッコミ企画見てみたかったです(笑)。では最後に、本作で扱う事案のテーマの基準と見どころを教えてください! 

塚原 「最初の段階で、全話を通してどういう事案を扱うのかを話し合ったのですが、基本的には“もしかして自分もやっちゃいそう?”とか、普通に過ごしているだけで自分も加害者になってしまうかもしれないような、ギリギリのラインの事案を扱う予定です」 

新井 「私たちも日々勉強しながらタイムリーな事案に挑戦しているので、皆さんにも本作で発見や気づきをお届けできたらなと思います。あ、“ときどき恋”もありますのでそちらの展開もぜひ楽しみにしていてください!」 

 その後、本作で扱う事案に絡めながら、身近な行為で何が犯罪になり得るのか新井さんと塚原監督から教えてもらう談笑タイムへ。小田さんも顔負けの掛け合いを見せてくれたお二人に、集まった記者たちは大爆笑の嵐で、筆者も涙が出るほど大笑いしてしまいました。息のあったコンビネーションから、ヒット作が生まれ続ける理由を垣間見るインタビューとなりました。 

【プロフィール】 

新井順子(あらい じゅんこ) 
TBSスパークル所属。ドラマプロデューサーとして活躍。主な担当作に「最愛」「着飾る恋には理由があって」「MIU404」「わたし、定時で帰ります。」「中学聖日記」「アンナチュラル」「リバース」「私結婚できないんじゃなくて、しないんです」「Nのために」「夜行観覧車」などがある。 


塚原あゆ子(つかはら あゆこ)
TBSスパークル所属。プロデューサー、ディレクター。主な担当作に「最愛」「着飾る恋には理由があって」「MIU404」「アンナチュラル」、日曜劇場「グランメゾン東京」「グッド・ワイフ」ほか多数。2018年「コーヒーが冷めないうちに」で映画監督デビュー。23年にはSnow Man・目黒蓮が主演を務める「わたしの幸せな結婚」の公開が控えている。  

【番組情報】 

「石子と羽男ーそんなコトで訴えます?ー」 
7月15日スタート
TBS系 
金曜 午後10:00〜10:54 初回は午後10:00〜11:09

取材・文/TBS担当 A・M



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