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安田顕&白石聖が初タッグ! 全くしゃべらないおじさん「しもべえ」に対して、お互いが心掛けたこととは?2022/01/06

安田顕&白石聖が初タッグ! 全くしゃべらないおじさん「しもべえ」に対して、お互いが心掛けたこととは?

 安田顕さんが謎のおじさん・しもべえを演じるドラマ10「しもべえ」(NHK総合)が1月7日にスタートします! 村田ひろゆきさん原作の同名コミックをドラマ化した本作は、女子高校生・鴨志田ユリナ(白石聖)が謎のアプリ「しもべのしもべえ」を何げなくダウンロードして以来、ピンチになるとしもべえ(安田顕)が無言で現れ、助けてくれるようになるというストーリー。

 ユリナを救うしもべえが一体何者なのか…。謎に包まれたまま、平凡だったユリナの日常が動きだします。そんなしもべえを演じた安田さんとユリナ役の白石さんから、お互いの印象や撮影エピソードに加え、お薦めアプリも伺いました!

――まずは、台本を読んだ印象を教えてください!

安田 「率直な印象は青春です! あとは白石さんが言うからね(笑)」

白石 「第1話の台本を初めて読んだ時に、学生時代を思い出しました。あの頃は学校で起きたことがすべてで、今考えると小さな悩みだけど、当時は大きな問題として悩んでいたことがあったなと。この作品では、そこに不思議なおじさんが現れるという、今まで見たことのない物語で面白いです」

――お二人から「青春」というワードが出ましたが、もう少し詳しく聞かせていただけますか?

安田 「僕が19歳から21歳くらいの学生の時に、留守番電話にさだまさしさんの『案山子』という歌をおやじが酔っぱらって歌っているのが入っていたんです。『♪元気でいるか~、お金はあるか~今度いつ帰る~』って。僕にとっては、そういう留守電を入れる側になってきているんだと思わせてくれる作品です。もう二度とない青春を俯瞰で見ることができる役柄のドラマでもあるかな」

白石 「青春時代は、学校やバイトなど限られた世界がすべてになっていて、ちょっとした事件も自分にとっては大事件。そんな時にしもべえと出会って助けてもらったユリナが、何を感じて成長していくのかを見てほしいです」

安田顕&白石聖が初タッグ! 全くしゃべらないおじさん「しもべえ」に対して、お互いが心掛けたこととは?

――今回、初共演となりますが、お互いどんな印象を持たれましたか?

安田 「白石さんは、空間把握能力に長けていますね。そして、べたついていない。佇まいがさらっとしているというか。現場での白石さんしか知らないですが、さらっとしている感じは、今後お仕事をする上で大事なことだと思います」

白石 「現場でそんなにお話できていないので、安田さんご自身についてはまだ分からないんですが、現場でしもべえのキャラクターをよりチャーミングにみせる提案を監督にたくさんされている印象があります。安田さんだからこそ、しもべえが魅力的でかわいらしいおじさんになっていると思います」

安田 「ありがとうございます。若い方と共演することも多くなってきて、ある方にはくせ者のおじさんと言われ、またある方には変なおじさんと言われました。魅力的なおじさんは今までの中で一番うれしい言葉ですね。白石さんはみこしを担ぎたくなるというか、力のない僕でも支えたいと思わせてくれる役者さんです」

安田顕&白石聖が初タッグ! 全くしゃべらないおじさん「しもべえ」に対して、お互いが心掛けたこととは?

――今どきの女子高生・ユリナを演じる上で、白石さんはどんな工夫をされましたか?

白石 「いろいろな声を出すことにチャレンジしています。物語の序盤は叫ぶことが多く、コメディーなので大きい反応や声を求められたのですが、単に大きいだけだと物足りないのではという思いがあったので、ポイントになるセリフについては、声を変えて出すようにしています」

――一方、謎のおじさん・しもべえを演じる安田さんは、しもべえに対してどんな印象を持っていますか?

安田 「主役で呼んでくださっているのですが、毎日『主役で呼ばれたはずだよな』と思います。今日なんて、午前中に15分だけ撮って、移動1時間、スタンバイ1時間、実働5分で帰りましたから(笑)。ゴジラ、ガメラ、ウルトラマン、エヴァンゲリオン、ガンダムって自分に言い聞かせるんです。ウルトラマンなんて30分に3分しか出ませんからね(笑)」

安田顕&白石聖が初タッグ! 全くしゃべらないおじさん「しもべえ」に対して、お互いが心掛けたこととは?

――しもべえは、全くしゃべらないキャラクターですが、安田さんはどのようなことを心掛けたのでしょうか? そして、白石さんはしゃべらないしもべえにどのような対応を心掛けていましたか?

安田 「今も試行錯誤ではあるんですが、表現として手は大事なものだと思っているので、とにかく手先に感覚を持つようにしています。人と話している時、その人が何を考えているのか、どう思っているのかは顔だけじゃなくて、結構手先に出たりするんですよね。おしぼりをひっくり返している人もいれば、持っている人もいる。その辺に感情が表れるように気を付けているけど、なかなかできない。難しいですね。そして、しゃべらないというのは、とにかくストレスがたまるんです。だけど、白石さんは勘がいいのでありがたいです。しもべえがしゃべらないのに、ちゃんとリアクションを待ってくれるんです」

白石 「今、安田さんにくみ取ってもらえていたことが分かって、うれしかったです。私はしもべえがしゃべらないことに、そこまで重きを置いていなかったです。確かにセリフはありませんが、存在するだけで伝えたいことや言葉のようなものが聞こえる気がして、言葉はなくとも安田さんの目から感情が伝わってくるので、気にしていなかったのかもしれません」

安田顕&白石聖が初タッグ! 全くしゃべらないおじさん「しもべえ」に対して、お互いが心掛けたこととは?

――安田さんは話さない分、体全体で表現するシーンが多いと思いますが、大変だったことはありますか?

安田 「物語の中で、特殊な早送りやコマ送りをするので、えらい距離を走るんです。『大丈夫ですから』と言われていたのに走り続けたりして、それなりにあるなと。とにかく現場では悔しいから言わないけど、筋肉痛がひどいです(笑)」

――そんな安田さんをご覧になって、白石さんはどう思われましたか?

白石 「アクションは割とありますよね。第1話の冒頭から安田さんがアクションをされている印象が強いですが、しっかりとしたアクションというよりも、腕を伸ばしただけで相手がくるんと回ったり、少しの力で相手が倒されていくアクションが多いです」

安田 「設定としてはあり得ないくらい強いというばかばかしさでやっていますので…(笑)。この間、バスタオル1枚で携帯電話を構えながら部屋を歩き回るシーンを撮ったのですが、白石さんから『いい構えですね』って褒めてもらいました!」

白石 「曲線もすばらしいです(笑)」

安田 「20代の女性が40代のおじさんの半裸のフォルムを褒めてくれた時にはうれしかったけど、ふとわれに返って、『これ確かNHKでやるんだよな』と(笑)」

安田顕&白石聖が初タッグ! 全くしゃべらないおじさん「しもべえ」に対して、お互いが心掛けたこととは?

――原作では、しもべえがちょっとコワモテで、ユリナはギャルっぽい感じですが、ドラマはどのような風貌になったのでしょうか?

安田 「原作のビジュアルも拝見しながら、ちょっと違和感を心掛けました。僕はきゃしゃでもガタイがいいわけでもないので、フォルムとしてちょっと面白い感じに仕上げたかったんです。衣装合わせの時には昭和の香り、1980年代の一世風靡セピアさんのような雰囲気を意識しましたね。マイケル・ジャクソンは寸足らずのパンツを履くと格好いいけど、まねをするとちょっと面白くなっちゃう感じや、ハイソックスの靴下、あの当時の人たちってなんで肩パッド入れていたの?とか、そういうちょっとした違和感が出せたらいいなと。なさそうだけど、ありそうというラインで見た目は考えた気がします」

白石 「ユリナは話数ごとにピン止めの色が変わっています」

安田 「へー!」

白石 「三つ付けていますが、監督が毎話変えたいとおっしゃっていて、メークさんが毎話変えてくださっています。ほかには、靴下の長さもこだわりました。私が女子高生の時もそうでしたが、ふくらはぎまであるソックスはあまり履いていなかったので、足丈っていうのかな? ちょっと短めの靴下を衣装合わせの時に選びました。そっちの方が今っぽいかなと」

安田 「僕は逆に靴下を伸ばしたいと思って、47年間で生まれて初めてソックタッチを使っています」

白石 「あははは(笑)」

――しもべえの靴下はそんなに見えるんですか? 

安田 「いや、そんなに見えないと思います。気分の問題ですね」

安田顕&白石聖が初タッグ! 全くしゃべらないおじさん「しもべえ」に対して、お互いが心掛けたこととは?

――お二方には、しもべえのようにピンチを救ってくれた人はいらっしゃいますか?

白石 「今考えてみましたが、私はピンチになったことがあまりなくって…まだピンチになっていないですね(笑)。いつも支えてくれているという意味では母ですね」

安田 「仕事を辞めて、バイトをしていた時に家賃が払えなくなって『悪いんだけど、お金貸してくれないか』と友達に頼んだんです。そしたら『ごめん、そういうことをしたら君と友人として付き合っていけなくなるかもしれないから、つらいのは分かるけど、貸すことはできない』と言ってくれた人と、『分かった』と言って、家まで来て会わずにポストにお金を入れてくれた人がいて。その2人とは出会ってからは30年、その日からは20何年たっていますが、いまだに親交があります」

――いいお話ですね。では最後に、しもべえがアプリから出てくることにちなんで、ご自身が使っているお気に入りのアプリがあれば教えてください。

安田 「アプリ? なんだろうな? 白石さん思い浮かんだ?」

白石 「私はアプリをすぐインストールしちゃう派です。だから携帯の中に『いつダウンロードしたんだっけ?』というアプリがたまっちゃいますが、最近、いいなと思って使っているのは『ニャントーク』というアプリで、飼っているネコの声を録音すると翻訳してくれます」

安田 「へー!」

白石 「はい(笑)。それが結構楽しくって今、実用的に使っています」

安田 「ちゃんと『ニャー』というネコの声で今なんて言っているかが出てくるの?」

白石 「出てきます」

安田 「実用的に使っているの?」

白石 「はい。今そんなかわいいことを言っているのかって」

安田 「昨日は何て言っていた?」

白石 「昨日は『私を見て』って言っていました」

安田 「あははは(笑)」

白石 「『ここに来て』とか、結構愛が重ためなことを言います(笑)。そういう言葉もあれば『げきおこ!』ってすごく怒っているぞという言葉も出てきたり、喜怒哀楽に反応してくれます」

安田 「シチュエーションに合っているんだ」

白石 「合っていますね。ネコ本人に聞いたら『いや、違うよ』って言うかもしれませんが、喜怒哀楽に関しては割と当てはまっています」

安田 「『ニャントーク』があるということはたぶん『ワントーク』もあるよね?」

白石 「『ワントーク』もあると思います」

安田 「僕はイヌを飼っているので、今度そのアプリを手に入れてみたいなと思います!」

――ありがとうございました!

安田顕&白石聖が初タッグ! 全くしゃべらないおじさん「しもべえ」に対して、お互いが心掛けたこととは?

【プロフィール】

安田顕(やすだ けん)
1973年12月8日、北海道生まれ。いて座。A型。演劇ユニット「TEAM NACS」メンバー。舞台、映画、ドラマを中心に幅広く活躍。2022年は1月15日スタートのドラマ「逃亡医F」(日本テレビ系)に出演するほか、映画「リング・ワンダリング」「ハザードランプ」「とんび」の公開が控えている。


白石聖(しらいし せい)
1998年8月10日、神奈川生まれ。しし座。A型。2016年にデビュー。19年、「福岡恋愛白書14 天神ラブソング」(九州朝日放送)で主演を務める。以降、オトナの土ドラ「恐怖新聞」(フジテレビ系)や「やっぱりおしい刑事」(NHK BSプレミアム)、「推しの王子様」(フジテレビ系)など多くのTVドラマに出演。

【番組情報】

ドラマ10「しもべえ」
1月7日スタート
NHK総合 金曜 午後10:00~10:44

NHK担当/K・H



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