Feature 特集

岸井ゆきの&高橋一生W主演「恋せぬふたり」がスタート! 作品を通して気付いた新たな発見とは?2022/01/09

 岸井ゆきのさんと高橋一生さんがダブル主演を務めるよるドラ「恋せぬふたり」(NHK総合)が1月10日にスタート。岸井さんは、恋愛を前提としたコミュニケーションになじめない兒玉咲子を、高橋さんは恋愛もセックスもしたくない高橋羽を演じます。そんな他者に恋愛感情を抱かず、性的にもひかれないアロマンティック・アセクシュアルの2人が同居生活を開始。両親や上司、元カレ、ご近所さんたちに波紋を広げていく物語です。

 今回は、岸井さんと高橋さんに役づくりの方法やお互いの印象などをお伺いしました。

――本作は“アロマンティック・アセクシュアル”が大きなテーマでもありますが、お二人はもともとこの言葉をご存知でしたか?

高橋 「僕は存じ上げていなかったです。意識したことがなかったですし、直接お話を伺ったこともなくて。まずは考証に入ってくださっている方々と、お話する場を設けてもらいました。お芝居として表現する前に、知識などを入力することが先だろうと思っていたので、台本を読んで『この時はどういった感覚なんだろう』と思ったことを考証の方々にお伺いして、自分なりにすり寄せていく感じでした」

岸井 「私は、アロマンティックは知らなかったんです。アセクシュアルという言葉は知っていましたが、調べたこともなかったです。このお話をいただいてから、一生さんと同じように考証の方とお話する機会を設けてもらいました。台本や役についての疑問をお聞きして、『こういう時はこういう感じですよ』とアドバイスをいただきました。撮影現場にいてくださる時もあるので、その都度お聞きして役づくりをしている感じです」

――実際に演じてみていかがですか?

高橋 「例えば、僕が演じる羽は“人との距離”が近いことに抵抗を感じるのですが、岸井さん演じる咲子は大丈夫なんです。“アロマンティック・アセクシュアル”の中にも、もっと細分化された多様性があるわけです。実際にお芝居をしている中で気になるところが出てくると、その都度ご相談させていただいています」

岸井 「一生さんがおっしゃったように、すごく多様性があります。アセクシュアルのみを自認している方もいれば、アロマンティックのみの方もいて、接触が大丈夫な人もいれば、だめな人もいる。一つではないので『この人ってこうだよね』と表現するのがとても難しくて、その都度お話させていただいています」

――共演されての感想や、お互いの印象を教えてください。

高橋 「岸井さんは、お芝居を柔軟に受け取って、柔軟に返してくれます。とても繊細に扱わなければいけない題材なので、少しずつニュアンスを調整しながら演じていますが、あまり深くお伝えしなくてもお芝居で会話ができる。非常に助かった部分ではあります」

岸井 「うれしいです(笑)。台本に書いてある言葉をそのまま投げ掛けてしまうと、私たちも視聴者の方もうまく受け取れないのでは…と思うことがあって。そういう時に、一生さんが気持ちの面も含めてニュアンスを変えてくださるので、私も『もしかしたら、こういうふうに返すかもしれないですね』とご相談しながらできていて、とても頼りにしています」

高橋 「うれしいです」

――では、咲子と羽の関係をどのように感じていますか?

高橋 「羽はうどんを手打ちすることが趣味なのですが、『咲子さんがいると、おいしいうどんが食べられる』というセリフは、とても重要な意味を持っていると思いました。1人で生活をしていると、自分のためだけに手間を割けないことが多くあると思うんですが、他者がいるからその手間がかけられるという感覚は、とても人を人たらしめている部分ではないかなと。他者の存在は必要だなと、羽を通して思いました」

岸井 「咲子にとって羽は、自分がずっともやもやして生きてきたことを解消してくれた存在。恋愛的要素がなくても、一緒に生活をして話すことによって、いろんなことが解決したり、自分の心がすっきりしたり。私も1人でいることが多いので、頭の中で自分とずっと話をしているんですよ。でも堂々巡りというか、なかなか解決しなくて。だから咲子と羽のような存在は、とても大事だなと役を通して感じました」

――劇中では、特に咲子が価値観の違う人に囲まれて悩んでいくと思いますが、お二人は価値観が違う人の中に入った時、どのように対処されますか?

高橋 「精神的鎖国でしょうか」

岸井 「(笑)。分かります!」

高橋 「こちらの考える正しさを押し付けても仕方がありませんし、ある程度放っておける距離を見つけることが大事なのではないかと思います」

岸井 「私は…聞くかもしれない…。価値観の違う人に対して『なんでなんで』って言っちゃうかもしれないです(笑)。自分の価値観を押し付けるのではなく『あなたって、そういう価値観を持ってるんですね! 私と全然違う!』みたいな。すっきりとした諦めはあるんですが、なんでそうなったのか興味はあるかもしれないです」

――咲子は「普通って何?」と家族にぶつけますが、お二人も生きている中で「普通って何だろう」と考えることはありますか?

岸井 「普通ってなんだろうって、よく思いますよね?」

高橋 「常々思います。多くの人たちの普通には、どうしても賛同できないことがよくあるので、僕はマイノリティーだなと思います」

岸井 「会話の中で『普通じゃないよ』と言われることもあるんですよね。自分の中では普通だけど反論はしないです。普通ってよく分からないですよね。“みんな違って、みんないい”じゃないですか」

――そうですよね。では最後に、作品の見どころをお願いします。

高橋 「美術スタッフの方々による2人が暮らす家のセットのつくり込みがとても素晴らしいので、それぞれが生活している感覚がきっと画面にあふれていると思います。家庭の温かさなど、(ドラマの)『時間ですよ』のような雰囲気を感じていただけるのではないかと。2人の人間っぽさが各場面に詰まっていると思うので、そこを見ていただきたいです」

岸井 「そうですね。本当に美術には愛がいっぱい詰まっていると思います。食事がすごくおいしいんですよ! カットがかかっても、ずっと食べちゃうくらいおいしくて。あと、咲子は自分のセクシュアリティーに対して『もやもやしているんです! 自分語りしていいですか?』って勢いよくしゃべるんですけど、それを羽が聞いてくれて、間に大事なことをポンと言ってくれる。それがすごくいいなと思いました。精神的に重要なことなのかなと思うので、ぜひ見ていただきたいです」

――放送楽しみにしています。ありがとうございました。

第1回あらすじ(1月10日放送)

 「スーパーまるまる」本社営業戦略課で働いている咲子(岸井)は、会社の後輩が企画した“恋する〇〇”キャンペーン商品を見に店舗を訪問。すると店員の高橋(高橋)から「恋しない人間もいる」と言われてハッとします。そして、母・さくら(西田尚美)から結婚を急かされている咲子は、居づらい実家を出て親友の門脇千鶴(小島藤子)とのルームシェアを計画。しかし、千鶴が元カレとヨリを戻したことでドタキャンされてしまいます。心が折れそうになった咲子は、インターネットで“アロマンティック・アセクシュアル”という言葉と出合い…。

【番組情報】

よるドラ「恋せぬふたり」
1月10日スタート
NHK総合 月曜 午後10:45~11:15

NHK担当 M・I
衣装協力/ジャケット¥96,800・パンツ¥46,200(ともにユーゲン)イデアス、ニット¥22,000 バトナー、その他 スタイリスト私物(高橋)
<問い合わせ先>
イデアス TEL:03-6869-4279 〒151-0053 東京都渋谷区代々木1-37-4 長谷川ビル2FB号室
バトナー TEL:03-6434-7007 〒107-0062 東京都港区南青山1-15-2 南青山スタジオフラット302



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