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おぎやはぎ、細部に及ぶネタのこだわりに感服。「俺には思いつかない。芸人ってすごいなあ(笑)」2022/01/03

――(2021年7月から12月に放送されていた)「#っぽいウタ」の取材の時に、2人のネタっぽい芸人としてオズワルドを挙げていましたが、「M-1グランプリ2021」でも活躍されていましたね?

矢作 「最初は“っぽく”始まったと思うんですけど、準々決勝のネタを見て、もうね…全然っぽくないです」

小木 「っぽくないようにしないと、やっぱ優勝できないと思ったんでしょ?」

矢作 「そうそう。俺らっぽいうちは絶対にできない。あいつらは優勝を狙っていますから、巣立っていった感じですね」

小木 「あっという間に気付いちゃったと思いますよ。声もすごく出てるし、本当良いですよ」

矢作 「でも、気付くだけ偉いですよね。だって、俺らっぽかったら優勝なんて無理なんですもん」

――事務所の後輩である真空ジェシカも決勝に進出しています。

小木 「すごいですね、人力舎で『M-1』の決勝に出られるなんて。俺らの時代とはレベルが全く違うんですよ」

矢作 「今、決勝に残るって、本当にすごいことですからね。俺らはエントリーすればいけたから(笑)」

小木 「(『そんなことないですよ』という声に)そんな感じだったんですよ。今は準々決勝に行くのがすごいことだから。準決勝にいったらそれだけで箔(はく)が付くし」

矢作 「(俺らが出ていた時とは)もう違う大会ですからね。俺たちはすごい大会だと思っていなかったから、本番の10分前にネタ変えちゃうくらいのリラックス感があった。10分前に『このネタやめてあれにしようぜ』って、コントでしかやったこともないネタを急に漫才でやっちゃうくらいのノリでやっていましたからね。今の時代に決勝に行くってすごい。すごく尊敬してる、真空ジェシカも(笑)」

小木 「本物の漫才師ですよ」

おぎやはぎ、細部に及ぶネタのこだわりに感服。「俺には思いつかない。芸人ってすごいなあ(笑)」

――「M-1」に触発されて、っぽいネタを作ったりはしませんか?

矢作 「1回思ったことはあるよね? 見てたら『M-1』っぽいネタを作ってみたくなって。ちょっと速く、ボケを詰め込んでね。でも無理だね。速くしゃべれない」

小木 「あのテンポ感ね。それが難しかったんだよね、1回やってみたら」

矢作 「恥ずかしいし」

小木 「速いテンポって恥ずかしいよね」

矢作 「リズムが気持ちいいテンポってあるじゃないですか? あれ恥ずかしくないですか?(笑)」

小木 「やってても下向いちゃうよね、そんなテンポのいいやつやったら」

矢作 「『すごくテンポよくやってる』って思われるじゃないですか」

小木 「テンポよくやると、完全に『これに合わせてやってきた』と思われるし」

矢作 「『一生懸命練習したんだな』って思われるのが恥ずかしいですよね」

小木 「練習(の痕跡)が見えるのが嫌なんですよね」

矢作 「むしろ、練習すればするほど照れくさくて下手なテンポでやっちゃうな。練習を人前でしないとか、『勉強してねえよ』みたいな美学をずっと持っていますから。でも最近のネタ番組は、カメラが追ってくるの。こっちはあんまり練習してないから、本番直前にしたいんだよ?」

小木 「本当はすごくしたいんですよ」

矢作 「カメラが袖のところまでくるのね。そうすると、練習しているところを見られたくないからふざけちゃったりとかして。全然(練習)させてくれないの。もう本当にあれやめてほしいんですよ」

小木 「だから、本番うまくいかないんだよ。練習させてくれないから」

――「#っぽいネタ」の前には「#っぽいウタ」という、取り上げるアーティストの“っぽさ”とは何かに迫る番組もありましたが、どんな番組でしたか?

矢作 「いい番組だったよね。終わったけど、まだやりたいですよね」

小木 「今まで大した歌手じゃないと思っていた人でも、コアなファンから話を聞くと『ここまで緻密に作っていたんだ』とか、あの番組に出てくる人は全員尊敬しちゃうんですよね。『すげえ!』ってなる」

矢作 「俺、必ず帰りに車で聴いて帰っていたからね。ヒゲダン(Official髭男dism)とか、マジで全然好きじゃなかったのに」

小木 「それもひどいけどね。ヒゲダンはいいと思うよ」

矢作 「いや、ヒゲダンが売れているのは分かるけど、俺の好みに引っかかってこなかったんだよね。だけど、あの番組の後でちゃんと聴くといいんだよね。売れる人には理由があるんだねえって」

小木 「そういうのをいろんな人に広めたいよね。歌をなめてるやつとかにね。まあ俺らもなめてたんだけど(笑)」

矢作 「あの番組の芸人バージョンだって面白いんじゃない? みんな芸人のことなめてるじゃん? 大したことないとか『俺の地元にいるあいつの方が面白いから』とか、芸人ってそういうこと言われがちなんですけど、『#っぽいウタ』みたいな感じでネタを分析したら、『バカにしていたけど、芸人って結構ちゃんとネタを作ってるじゃん』とか」

小木 「何にでもいけますよね。役者でもいけるし。『あそこでのあの芝居はすごかった』とか」

矢作 「取り上げられた人が見直されるかもしれないですよ。ヒゲダン見直したっていうのも失礼な話ですけど(笑)。誰にでもできそうなネタをやって芸人にスポットを当てたら、『おお!』って意外と見直す可能性があるね。みんな適当には作ってはいないですからね。永野のあのネタだってちゃんと作ってるんだから(笑)」

小木 「あいつはすごいんだから」

 永野さん…一体どんなネタを披露したのか。そして、「あいつには無理」だと断言されてしまった岡野さんも…。そんな“っぽくない”ネタを交えながらも、日常でありそうなネタを「っぽいな~」ってゆる~く楽しむことができる1月3日の夕方っぽい番組は、見逃してはいけないっぽいですよ!

【番組情報】

「どこかで見たことある雰囲気バラエティー #っぽいネタ」
日本テレビ系 
1月3日 午後4:30~5:30

日本テレビ担当 K・T

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