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「阿佐ヶ谷姉妹の のほほんふたり暮らし」原作はこうして生まれた! 担当編集者に聞く、ドラマ&原作の魅力《原作本プレゼント》2021/11/25

「阿佐ヶ谷姉妹の のほほんふたり暮らし」原作はこうして生まれた! 担当編集者に聞く、ドラマ&原作の魅力《原作本プレゼント》

これまで多くの小説や漫画がドラマ化され、文字や絵、映像それぞれの表現手法で、ストーリーや登場人物、世界観が描かれてきました。なかには、ドラマに合わせて原作も楽しみたい!というドラマファンの皆さんもいるのでは? そこで現在放送中の「阿佐ヶ谷姉妹の のほほんふたり暮らし」(NHK総合)の原作を担当された編集者・羽賀千恵さん(幻冬舎・編集本部第三編集局)に、原作の誕生秘話や阿佐ヶ谷姉妹のお二人の魅力などについてお聞きしました!

「阿佐ヶ谷姉妹の のほほんふたり暮らし」原作はこうして生まれた! 担当編集者に聞く、ドラマ&原作の魅力《原作本プレゼント》

 「阿佐ヶ谷姉妹の のほほんふたり暮らし」は、所属事務所にエッセー本の執筆をご相談したのが始まりです。もともと、忙しくて連日お二人の映像だけが楽しみという時期があったのですが、自分がこれだけ魅了されているのだから、編集者として何か企画したいと思ったのがきっかけでした。

 そして、お二人にエッセーを書いていただきたいと思ったものの、何らかの軸が必要だと思って調べ始めました。
 まず、実際の姉妹ではないけれど同居している、しかもそれなりの年齢の女性同士……という生活ぶりは、同じような年齢層の、特に女性読者に、姉妹をそこまで知らなくても興味を持っていただけるのではないか、と考えました。一方で、お二人の佇まいには上品さやなつかしさもある。このギャップがエッセーにも出たらいいな、と考えたんです。

 当初は書き下ろしの書籍としてご相談していたのですが、お二人もお忙しく、なかなかコンスタントな執筆というのが難しかったので、途中で連載(「幻冬舎plus」https://www.gentosha.jp/article/7928/)という形にさせていただきました。

「阿佐ヶ谷姉妹の のほほんふたり暮らし」原作はこうして生まれた! 担当編集者に聞く、ドラマ&原作の魅力《原作本プレゼント》

 姉役の渡辺江里子さんは、感情を丁寧に行きつ戻りつしながら表現するタイプ。一方、妹役の木村美穂さんは割とあっさりした、箇条書きも織り交ぜながら…という書き方だと思います。

 企画スタートが2016年7月で、連載スタートが2017年3月。なので、連載開始まで半年ちょっとでしょうか。その間、お二人と打ち合わせしながら、「日々の暮らし」と「仕事」の2本柱で項目を出していただき、書き進めていただきました。

 タイトルは、企画段階からなんとなく今のタイトルにしていたような記憶があります。あいまいで、すみません(笑)。書籍化して発売する時に、ほかのタイトル案も考えましたが、最終的に元のタイトルがいいかなと思い、そのままにすることに決めました。

 連載が始まると、読者の皆さんからの評判は上々でした。特に(ネタバレになりますが)、お二人がお引っ越しを検討し始めてから、それぞれの暮らしに落ち着くに至るまでは、毎週多くの方に読んでいただきました。

 お二人が書かれる内容は、大それたオチがあったりするわけではなく、なんでもない日常のお話です。でも、それを面白く書ける方というのは、なかなかいらっしゃらないと思います。

 エッセーを書くということは普段のお仕事とは全然タイプの違うものになるので、特に江里子さんはすごくプレッシャーを感じていらっしゃったと思います。ですので担当編集としては、できるだけ重々しくならないように、と思っていました。とはいえ、お二人は皆さんがテレビでご覧になっているそのままで、お人柄も素晴らしいので、そこまで心がけることはなかったですね。頻繁にではないですが、お二人とお会いしていろいろとおしゃべりをしながら、「あ、それ面白いですね」「ぜひ書いてください」というような合いの手を入れつつ、やりとりをさせていただきました。

「阿佐ヶ谷姉妹の のほほんふたり暮らし」原作はこうして生まれた! 担当編集者に聞く、ドラマ&原作の魅力《原作本プレゼント》

 ドラマ化が決まった時は、狂喜乱舞でした。主演のお二人(木村多江、安藤玉恵)の出られた作品は折に触れて拝見しており、素晴らしく芸達者な俳優さんたちだと認識していたので、お引き受けいただけて、とてもうれしかったです。ほかの出演者の皆さんも個性豊かで、これは面白いドラマにしていただけること間違いなし、と感じましたね。

 さらに、阿佐ヶ谷姉妹のお二人が挿入歌を歌うと聞き、いい意味でこれはヤバい!と思いました。私もレコーディングに立ち合わせてもらったのですが、ドラマの音楽を担当されている高城晶平さんと王舟さんのアドバイスで、お二人の歌い方が変幻自在になっていくさまに、ものすごく感動しました。

 実際の放送を見て、月曜日の夜にふさわしい、心落ち着くドラマだと感じました。とはいえ、さりげないだけじゃない、ちょっとした人生のあれこれにも思いをはせていただける内容だと思いますので、ぜひ秋の夜長、お楽しみいただきたいです。

 一方、原作の書籍では、お二人に書き下ろし小説を書いていただきました。もともと「ゴッドタン」(テレビ東京ほか)の人気企画「私の落し方発表会」で“江里子先生”が書かれる脚本の大ファンだったので、ぜひ新作を江里子さんに書いてほしい、そして美穂さんバージョンもぜひ拝読したいと思い、「ゴッドタン」さんに許諾をいただきました。エッセーと同じく、お二人となんとなくおしゃべりしながらイメージを固めていただき、執筆いただいた感じでしょうか。

 原作も、きっとドラマ同様のほほんと、ゆるやかな気持ちになっていただける1冊だと思います。どうぞよろしくお願いいたします!

【番組情報】

よるドラ「阿佐ヶ谷姉妹の のほほんふたり暮らし」
NHK総合
月曜 午後10:45~11:15

原作情報】

「阿佐ヶ谷姉妹の のほほんふたり暮らし」原作はこうして生まれた! 担当編集者に聞く、ドラマ&原作の魅力《原作本プレゼント》

「阿佐ヶ谷姉妹の のほほんふたり暮らし」(幻冬舎刊)

40代・独身・女芸人の同居生活はちょっとした小競合いと人情味あふれるご近所付き合いが満載。エアコンの設定温度や布団の陣地で揉める一方、ご近所からの手作りギョーザのおすそわけに舌鼓。白髪染めや運動不足などの加齢事情を抱えつつもマイペースな日々が続くと思いきや――。地味な暮らしと不思議な家族愛漂う往復エッセー。「その後の姉妹」対談も収録。

幻冬舎公式サイト「阿佐ヶ谷姉妹の のほほんふたり暮らし」 
https://www.gentosha.co.jp/book/b11797.html

原作本をプレゼント!

「阿佐ヶ谷姉妹の のほほんふたり暮らし」(幻冬舎文庫刊)を、抽選で5名様にプレゼント! 応募方法は、TVガイドみんなドラマをチェック(https://mindra.jp/navigators/post/110)!!

取材・文/TVガイドみんなドラマ編集部



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