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いよいよその日が近づいてきた──嵐とテレビの20年2020/11/30

<月刊TVガイド 2021年1月号/東京ニュース通信社刊>

 2020年末をもってが活動を停止すると発表されてから約2年。予想もつかない出来事が世界に訪れたが、嵐の5人は笑顔で私たちに寄り添ってくれた。限られた日々に悔いが残らないように、これまで通りいつも全力で。

 そしていよいよその時が近づいてきた。今回は、そんな嵐の5人がテレビに残した足跡をたどり、彼らがテレビ界に果たした大きな功績を振り返ってみようと思う。

 まずはドラマ。

 嵐としてデビューする前から、メンバーはドラマで活躍していたが、グループデビュー作ともいえる「Vの嵐」(フジテレビ)を皮切りに、さらにコンスタントにドラマ出演が続く。中でも、松本潤が2代目金田一一として初主演した2001年の「金田一少年の事件簿(第3シリーズ)」(日本テレビ)や櫻井翔が出演した02年宮藤官九郎作品「木更津キャッツアイ」(TBS)などは、強い印象を残した。05年には、二宮和也出演の「優しい時間」(フジテレビ)、松本出演の「花より男子」(TBS)と、その後のキャリアにつながる重要な2作が放送。そして07年以降は、各局でメンバーの主演作が競うように放送される(ドラマからは脱線するが、二宮がクリント・イーストウッド監督の映画「硫黄島からの手紙」に出演し、高い評価を得たことも大きい)。「拝啓、父上様」(フジテレビ)、「花より男子2(リターンズ)」(TBS)、「バンビーノ!」(日本テレビ)、「山田太郎ものがたり」(TBS)と続く07年の怒濤のラインアップは、見ているだけで本当に心が躍る。その後も大野智主演の「魔王」(TBS)、「流星の絆」(TBS)、「ザ・クイズショウ」(日本テレビ)など、話題作、意欲作が続々送り出されることになる。

 10年代に入ると、フジテレビドラマが多くなる。「フリーター、家を買う。」「鍵のかかった部屋」「ラストホープ」「家族ゲーム」「失恋ショコラティエ」と、おのおのの代表作といえる作品がズラリと並んで壮観だ。この頃はほとんどの作品が1月クールと4月クールに集中しているのが特徴である。

 15年以降は現在56万台超のレグザ録画視聴データがあるので、録画再生の平均値でランキングにしてみた。

 トップに立ったのは18年の「99.9-刑事専門弁護士-SeasonⅡ」。TBS日曜午後9時の「日曜劇場」枠の3作が上位を占めているが、中でも「99.9-刑事専門弁護士-SeasonⅡ」の数字は群を抜いていた。まさに同枠を代表する人気ドラマ「半沢直樹」や「下町ロケット」などと肩を並べる成績で、この記録は特筆に値する。松本もこのドラマで新境地を見せ、俳優としての可能性を大きく広げている。

 メンバーが出演するドラマでは、ほとんどの作品で嵐の楽曲が主題歌に起用されているのも、もう一つの大きな特徴だ。「Love So Sweet」「Truth」「Monster」など、彼らのヒット曲にはそれぞれにドラマの記憶が焼き付いている。ファンには一つ一つが忘れられない大切な思い出だろう。

<TVガイドAlpha EPISODE W/東京ニュース通信社刊>

 続いてドラマ以外のバラエティー番組などについても振り返ってみよう。グループ5人でのレギュラー番組としておなじみなのが、「VS嵐」(フジテレビ)と「嵐にしやがれ」(日本テレビ)だ。時間帯や内容はさまざまに変化していきながらも、継続して嵐のグループとしてのレギュラー番組を放送してきた両局だけに、今ではファン以外にもすっかり定着している人気長寿番組で、メンバーも番組を非常に大切にしているのが分かる。「VS嵐」は、嵐とゲストチームがゲームで対決する番組で、メンバーの体を張った活躍が見ることができ、広い年代に支持されている。対して「嵐にしやがれ」は、トークやクイズ、ロケ企画など多彩な内容で、各メンバーの素顔がのぞけると好評だ。番組は活動休止によっていったん休止となるが、後継番組もメンバーが引き継いでいくと報じられている。

 そのほか、メンバーそれぞれがレギュラー出演する番組も多数あり、人気番組も多い。相葉雅紀「天才!志村どうぶつ園」(日本テレビ)を「I Love みんなのどうぶつ園」として引き継ぐなど、ゴールデン帯での活躍も目立つが、ひときわ注目されるのが、櫻井がレギュラー出演している「news zero」(当初は「NEWS ZERO」。日本テレビ)であろう。

 日本テレビが夜のニュースを大きく改編した、まさに局の威信を懸けた新番組「NEWS ZERO」に2006年10月の第1回から登場し、週に1度のレギュラーを現在まで14年以上続けている。今や番組最古参のレギュラーキャスターとして堂々たる番組の顔である。当時、トップアイドルグループの一員である櫻井がニュースキャスターに起用されたのは大きな驚きであった。しかしその一方で、彼ならできるんだろうと思えたのもまた確かであった。実際そのキャスターぶりは、他に比べて遜色がないだけでなくインタビューなどで、櫻井にしかできない手腕を発揮するなど、大きな成果を生んだ。以降、ジャニーズメンバーやお笑いタレントなど、さまざまな顔ぶれが報道・情報番組に起用されているが、彼の域に達している出演者はなかなかいないと思う。

 ここで15年以降のレグザの録画視聴データを見てみよう。

 ニュース番組なので、録画視聴する人はあまりいないのだが、極端にグラフが上がっている回がいくつかある。1位の19年1月28日の放送は、前日の嵐の活動休止会見を受けて櫻井の発言が注目された回。2位はラグビーワールドカップの日本代表の大金星を櫻井がリポートした回。3位は、かつてのレギュラーキャスター・小林麻央の死去翌日の放送(櫻井は出演していない)。4位は有働由美子新キャスターの初日、櫻井の出演回であった。これだけ見ても、本来のニュースユーザー以外にも視聴者層を広げ、ニュース番組の底辺拡大に大きく寄与していることが分かる。

 そのほか大きな特別番組での活躍も忘れられない。特に「24時間テレビ」(日本テレビ)では、グループとして歴代最多5回のメインパーソナリティーを務めているし、「NHK紅白歌合戦」でもグループとして5回、メンバー個人で4回の白組司会を務めている。まさに、テレビに欠かせない顔だった嵐。そんな彼らが嵐として5人そろった姿が見られるのも、今年いっぱいでしばしのお別れとなる。残された日々の彼らの姿を、悔いの残らないよう目を凝らして見つめていこう。

文/武内朗
提供/東芝映像ソリューション株式会社

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