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東芝レグザ“TimeOn”録画視聴データを深掘り! ~夏ドラマ編~2017/10/26

コード・ブルー~ドクターヘリ緊急救命~THE THIRD SEASON」
(フジテレビ)

 インターネットTVガイドでは、東芝映像ソリューション株式会社からデータを提供され、「レグザ」ブランドのテレビより関東約20万台の視聴データを集計した番組のランキングを毎週更新している(地上波BS)。データの中には、ランキングには惜しくも反映されないものも多い。そこで、今年1年間にわたって、その録画視聴データをいろいろな角度から眺めて分析し、視聴率だけでは分からない番組の人気のツボに迫っていきたい。

 今回は夏クール(7月~9月)のドラマに焦点を当てる。ドラマは5月にも取り上げたが、その時はクール途中だった。一つのクールを丸ごと振り返ることができるので、一歩進んだ 分析をしてみたい。

 まずは夏クール全体を、純粋な放送回を単位として振り返ってみる。期間内の録画視聴状況のトップ20をまとめたのが、以下の表だ(ポイントは1位を100とした場合の比率。以下同様)。

 一目瞭然。山下智久主演「コード・ブルー」(フジテレビ)の第3シーズンの強さが圧倒的。それを追いかけた形の高畑充希主演「過保護のカホコ」(日テレ)の2作品しかトップ20にランクインしていないという完全な2強の状況だ。10月6日更新の録画視聴コラムにもあったように、今クール中、「コード・ブルー」は初回から一度も録画視聴ランキングの1位を譲らなかった。作品の力ももちろんだが、月9の面目躍如だ。「過保護のカホコ」も、オンエアされた全10回がすべてランクイン。物語が進むにつれてファンを獲得していったといえるだろう。

 さて、この2作品があまりにも強いので、全体的な傾向は分かりづらい。そこで夏ドラマを番組(シリーズ)単位で束ねた上でのトップ20を見てみる。ここで言う「夏ドラマ」とは、7月以降にスタートし、9月いっぱいまでに最終回を迎えた週1回放送の連続ドラマを指す。よって朝ドラなどの帯ドラマや、それ以前から放送が続く大河ドラマなどは含めていない(ポイントは期間中の各放送回を合算し、放送回数で割っている)。

 「コード・ブルー」と「過保護のカホコ」の2強を「カンナさーん!」「ごめん、愛してる」(共にTBS)以下の作品が追いかけていったという構図だ。とはいえ、「過保護のカホコ」と「カンナさーん!」は20ポイント近い開きがあり、やはり上位2作品が抜きん出ていたことがこの切り口でも明らかになったと思う。

 放送局別に見ると、フジ・日テレ・TBSにテレビ朝日とテレビ東京が食い込んでいくという図式。集計ルールの関係もあり、NHKのドラマはランクインしなかった。大河ドラマ「おんな城主 直虎」は21.0ポイントで、この表に当てはめると11位と12位の間に位置する。リアルタイム(世帯)視聴率が高く、BSでの放送もあるため一概には判断しづらいが、録画で見る層もそれなりの厚みに及ぶとはいえそうだ。

 ここで、別の切り口での分析データを紹介したい。最終回の録画視聴ポイントを、初回のポイントで割ったものだ。この数値を仮に「最終回継続率」と呼ぶことにする。実際には途中から見始めた人、あるいは途中で離脱した人など、いろいろなパターンがあるのでかなり大ざっぱなデータではあるが、それぞれのドラマがどのような見られ方をしていたのかを示す参考値にはなるだろう。

 1位に輝いたのが武井咲主演「黒革の手帖」(テレビ朝日)。放送期間中に武井本人の結婚の報道もあり、作品以外のところでも話題になった本作だが、160%に迫る驚異的なポイントを記録している。これは初回を録画で視聴した人の約1.6倍が、最終回を録画視聴したということを示す。単純集計(一つ目の表)では、初回の録画視聴ポイントが29と低かったが、2話以降盛り返し、8月17日放送の5話では最終回に次ぐ40.5をマーク。武井の結婚発表は9月1日だから、単なる話題性ではなく作品自体が評判を呼んで録画視聴を増やしてきたと考えていいだろう。そして最終回のポイントは45.6まで上昇。右肩上がりのカーブを描いた。

 同様の動きをしていたのが2位の福士蒼汰主演「愛してたって、秘密はある。」(日テレ)。秋元康が約12年ぶりに企画・原案を手掛けたAKBグループ関連以外のドラマとしても注目されたが、初回ポイントは36.9とやや低調だった。前半はポイントにあまり動きがなかったが、物語が折り返した6話から毎回上昇していき、最終回では53.3を記録。結果的に「最終回継続率」が136.6%と、録画視聴を約1.3倍に増やしたことになる。謎が複雑に絡み合うストーリー展開が、録画視聴の増加を呼び寄せたのだろうか。3位には「コード・ブルー」、4位には「過保護のカホコ」と録画視聴の2強が高い水準の数字で続いている。そのツートップを「黒革の手帖」「愛してたって、秘密はある。」はさらに凌いでいるので、非常に価値がある記録だ。

 総じて、この「最終回継続率」が高い作品は、安定したファン層を持っているということができる。ユースケ・サンタマリア主演「土曜時代ドラマ 悦ちゃん~昭和駄目パパ恋物語~」(NHK総合)は録画視聴数自体は目立ったものではなかったが、100%を超えるこの数値は特筆するに値する。

 その半面、100%を割る作品は、初回から最終回にかけて録画視聴を減らしてしまったということになる。100%を超えているのは7作品しかないので、離脱させず終わりまで見続けてもらうことのハードルの高さを感じる。録画視聴からリアルタイム視聴に移った可能性もあるので、「最終回継続率」が95%を超えていればかなり健闘している部類と評価したい。

 最後に、単発・特番ドラマの録画視聴トップ10を紹介したい。

 過去にレギュラーで放送されたドラマの特別編が多くを占めた。1位「地味にスゴイ!DX 校閲ガール・河野悦子」(日テレ)は、単純集計でも21位に位置付く高ポイント。第2シーズンの制作も現実的になっただろう。20年ぶりに復活したKinKi Kids主演「ぼくらの勇気 未満都市2017」(日テレ)は、連ドラ時代の再放送などの関連番組もよく見られていた。10位のミステリースペシャル「森村誠一の棟居刑事」(テレビ朝日)は、「土曜ワイド劇場」から続く東山紀之主演の第10作目。“2時間ドラマ”の固いファン層の存在を感じさせる。

 このように夏ドラマの録画視聴分析をしたが、皆さんが見ていた番組はどのような傾向だっただろうか。一つのクールのデータを扱うことによって、クール内での視聴状況の変化を発見することができたのが非常に興味深かった。多角的な分析をすることにより、多面的なドラマの評価につなげられればと思う。


 東芝「TimeOn」のブログFacebookページでも、さまざまな視聴データ分析を見ることができる。今クールのおすすめドラマも紹介されているので、インターネットTVガイドのドラマ特集と合わせて、秋の夜長のお供となる作品を選んでほしい。

【ご注意】

・ランキングデータは、関東1都6県の東芝製テレビから、許諾を頂いた約20万台の視聴情報を集計し、ランキング形式でまとめたものです。

・ランキング集計期間には、集計日当日の翌日AM5:00までの番組を含みます。

・ポイント数は1位を100とした場合の比率となります。

文/武内朗
提供/東芝映像ソリューション株式会社

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