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RHYMESTER・Mummy-Dが「最高の時間の無駄遣い」だった20代を語る「回り道してよかった」「死にたい夜にかぎって」インタビュー【後編】

 HIP HOPグループ・RHYMESTERのラッパー、サウンドプロデューサーであり、グループのトータルディレクションも担いながら、俳優としても活躍中のMummy-Dさん。インタビュー後編では、出演中のドラマ「死にたい夜にかぎって」(MBS/TBSドラマイズム)のエピソードや、RHYMESTERの2020年の展望などをお聞きしました。(【前編】はこちら)

■日本のHIP HOPシーンを開拓牽引してきたRHYMESTER・Mummy-Dの「回り道」

──「死にたい夜にかぎって」の原作本の帯には「その恋、最高の時間の無駄遣い。」というキャッチコピーが書かれています。これは小野浩史(賀来賢人)が最愛の女性・橋本アスカ(山本舞香)と過ごした6年間の同棲生活を思い返した時の言葉ですが、Mummy-Dさんが振り返って「最高の時間の無駄遣い」だったなと感じる瞬間はありますか?

「最高の時間の無駄遣い…(しばらく沈黙して)。やっぱ、失恋とかもそうだよね。男はね、いっぱいフラれた方がいいと思いますよ。20代前半とかからイケてるヤツはね、ろくなもんにならないと思う。そう思わない? 賢人くんなんかはまったくそんなことないけどさ、ちやほやされて、こう(天狗に)なっちゃうヤツとかいるじゃん。それが当たり前だと思ってる態度をとるヤツとかね、いるんだよ」

──後輩でそういう態度をとるラッパーがいたり…?

「そうだねー。早いうちからちやほやされると態度がデカくなるし、やっぱりね、恋愛もそうだけど、仕事の面でも、若いうちに悔しい思いをしておいた方が深みが出ると思うな。女性もそうかもしれないけどね。でもそれは『無駄なことなどない』とも言えるけど、無駄遣いとも言えるかな。若い時は回り道すればするほど、なんか最終的に得るものはデカいかなって、俺はそんな感じがするかな」

──Mummy-Dさんが一番「回り道だったな」と思うのは、何歳くらいの時ですか?

「(即答で)20代だね。僕らの場合はまだ日本に“HIP HOPシーン”みたいなのがなかったから、ライブをするために、最初は会場の設営から始めたんだよね。会場を設営して、フライヤーを配って、お客さんに『こうやって(手を挙げて盛り上がる様子)ノるんですよー』『こうやってやると、ほら、楽しいでしょー』って、そういうところからやってたから、メジャーデビューが31歳とかになっちゃってね。その分、20代の頃にした悔しい思いとか、教えてくれる人が誰もいなくて自分なりのノウハウみたいなものを積めたことで、付け焼き刃じゃないものになれたなって。だから回り道してよかったなって、今は思ってる」

■50歳を迎える2020年は、初チャレンジの多い1年に

──ドラマのエンディング主題歌を担当するのは、原作の大ファンであるBiSHのアイナ・ジ・エンドさんですね。BiSHは“楽器を持たないパンクバンド”として幅広い層を魅了しているアイドルグループですが、Mummy-Dさんから見て、今のアイドルシーンはどのように映っていますか?

「アンダーグラウンド含めていろんなグループがあって、すごくトップレベルのところで活躍する人たちから、地下アイドルと呼ばれる人たちまで、ごっちゃごちゃの戦国時代みたいな感じなのかなぁって。それが俺らが20代の頃のHIP HOPシーンにすごく似てるなって思う。玉石混交な感じとか、みんな自分たちのカラーを出そうと必死なんだろうなって。ラップが好きな子もすごい増えたしね。みんなうまいし。『フリースタイルダンジョン』(テレビ朝日系)やフリースタイルの流行も含めて、若い子にラップとかHIP HOPの文化みたいなものが届いてるっていう意味では、すごくありがたいなって思います」

──春にはたくさんのフェスへの出演が決まっていますが、ほかのアーティストのライブを見る中で、刺激を受けることはありますか?

「昨年、ゆらゆら帝国の坂本慎太郎さんのライブを見に行けたの。その坂本さんとの出会いが、すごい俺の中ではデカい出会いだったというか。曽我部恵一さんとかもそうなんだけど、HIP HOPじゃない音楽の中に“HIP HOPっぽさ”みたいなものを感じた時に刺激を受けて。ただただ『スゲーーー!!』って」

──“HIP HOPっぽさ”というのは、自分の生きざまを曲に落とし込む、何かと闘っている姿勢を見せる、といったことでしょうか…? それとも、もっと音楽的な部分になるのでしょうか。

「んー…、なんだろうね。分かりやすい言葉では言えないんだけど、でもやっぱり、歌詞はすごく聴くかな。『どんなふうに詞を面白くしてるんだろう?』っていうところが気になって、HIP HOP以外の人の作品を聴いたりするので。そうするとハッとさせられることが多いかな。それを自分の音楽にフィードバックしたいなって思ったり」

──2020年は結成31年に突入し、15年から毎年開催しているRHYMESTER主催のフェス「人間交差点」が今年は行われなかったりと、例年とはまた違った1年になるのではないかと思うのですが、俳優としての仕事も含めて、どんな1年にしたいですか?

「今年はね、ちょっとまだ言えないことばっかりなんだけど(笑)。ちょうど50歳になる中ででっかいチャレンジをしないといけないことがいっぱいあって、大変な年になることは決まっているので(笑)。なんとか乗り切りたいなーって」

──それは1年かけて、というイメージですか?

「うん、1年かけてっていう感じになるかな~。初チャレンジが多いです。本当、言えないことばっかりなの(笑)。まぁでもね、2020年っぽいことをやりますよ!」

──楽しみにしています! ドラマ「カルテット」(TBS系)に出演された際はMummy-Dさんが登場するたびSNSで大きな反響があるなど、俳優としてのお仕事を楽しみにされている方も多いのではないかと思います。最後にドラマの見どころをお聞かせください。

「この物語は、原作でもすごくいろんな音楽が出てくるんだよね。Jポップからロックまで、いろんな音のする作品なの。今回は俺が入ることによってHIP HOP色が強くなってるんだけど、すごく音楽を感じられるドラマだと思う。自分が実際にラップするシーンもこれから撮るので、そういうところも楽しみにしてもらえたらなと思います」

 早朝からの撮影後にもかかわらず、快く取材に応じてくださったMummy-Dさん。この日は短いセリフでありながらも存在感を発揮するシーンの撮影で、監督からの指示に「こうした方がいいですか?」と丁寧に動きを確認する姿が印象的でした。この取材の数日後にライブシーンの撮影を控えているとのことで「緊張しますか?」とお聞きすると、「一番簡単なシーンだよ~! いつもやってることやればいいんだもん(笑)」と余裕(?)の表情に。Mummy-Dさんの登場シーンは決して長くはないので、貴重な瞬間をお見逃しなく!


【プロフィール】 
Mummy-D(マミーディー)
1970年4月14日生まれ。神奈川県出身。おひつじ座。宇多丸、Mummy-D、DJ JINからなるHIP HOPグループ・RHYMESTERのラッパー。SUPER BUTTER DOGのギタリスト・竹内朋康とのユニット・マボロシとしても活動。89年、大学在学中にRHYMESTERを結成し、93年にアルバム「俺に言わせりゃ」でインディーズデビュー。19年には結成30年を迎え、30周年記念シングル「待ってろ今から本気出す」「予定は未定で。」、岡村靖幸との共作「マクガフィン」、12年ぶりの「裏」ベスト「ベストバウト2 RHYMESTER Featuring Works 2006–2018」などさまざまな記念リリースや、47都道府県48公演の記念ツアー「KING OF STAGE VOL. 14」などの企画を成功させた。RHYMESTERとして意欲的に活動する一方、映画、ドラマ、CM、ナレーションなど、多方面で活躍中。
【番組情報】 
MBS/TBSドラマイズム「死にたい夜にかぎって」
MBS 日曜 深夜0:50~1:20
TBS 火曜 深夜1:28~1:58
※放送時間は変更の場合あり

<配信情報>TBS放送終了後からTSUTAYAプレミアムで見放題独占配信。TVer、MBS動画イズムで見逃し配信予定。
【プレゼント】
Mummy-Dのサイン入りポラを2名様にプレゼント!

●応募方法:インターネットTVガイドのTwitter公式アカウント(@internetTVG)をフォローし、下記の投稿をリツイート。
https://twitter.com/internettvg/status/1233947674912514050?s=21
さらに、ツイート内のリンクをクリックし、必要事項を入力してください。

●締め切り:2020年3月23日(月)正午

●発表方法:当選者の発表は、賞品の発送をもって代えさせていただきます。あらかじめご了承ください。

取材・文・撮影/宮下毬菜(TBS・MBS担当)





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