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デヴィッド・テナントの「リトビネンコ暗殺」制作に懸ける熱い思い2023/01/24

デヴィッド・テナント「リトビネンコ暗殺」/海外ドラTVガイドWATCH

 2006年にロンドンで毒殺されたロシアの元スパイ、アレクサンドル・リトビネンコ。この暗殺事件の10年間におよぶ苦難の捜査の全貌を、徹底的なリサーチに基づき再現した衝撃のノンフィクションドラマが登場。デヴィッド・テナントが、死にひんしたリトビネンコを迫真の演技で演じている。

──なぜこの役を演じようと思ったのですか?

「この物語の重要性です。個人的にも地政学的にも、私たち全員にとってこの事件が何を意味するのか、語り継がれる必要があると思いました。そして、ジョージ・ケイの脚本が、この物語を鮮やかに、はっきりと浮かび上がらせてくれたことです。私もみんなと同じように、病院のベッドにいるアレクサンドル・リトビネンコの映像を見て、衝撃を受けたことを覚えています。最初は、まるでジェームズ・ボンドの映画のような、あり得ない話だと思いました。でも、彼の肉体的な粘り強さと、適切な人に適切な検査結果を見せることができた運命のいたずらによって、恐怖の全貌を明らかにすることができたのです。この物語には、現実と思えない、あり得ないような驚くべきことがたくさんある。そしてもちろん、それはサーシャ(アレクサンドルの愛称)と妻のマリーナ、息子のアナトーリの個人的な物語と結びついている。それが、このドラマを悲劇的なものにしているのです」

──リトビネンコはなぜ毒殺されたのでしょう?

「彼はロシアの腐敗について真実を語らなければならない人物であり、そうすることで自分が狙われることを自覚していました。でも、権力に屈して真実を語ることをやめようとはしなかった。自分が愛してやまない祖国に何が起きているのか、がく然とし、恐怖を覚えていた。そこから目をそらすことができず、そのために暗殺されたのです。彼の並外れた道徳心ゆえでした」

──病床のリトビネンコをどう演じたのですか?

「あの世界中に知られている、病床の彼の姿を再現することが最初の課題でした。これはある意味、技術的なプロセスでした。熟練のスタッフたちがあのイメージを正しく理解し、努力を重ね、再現しようとしたのです。私はただ椅子に座り、プロたちの手にゆだねました。数時間後、自分の変身した姿を見た時は、一瞬、オリジナルを見ているのかと驚き、“これは作る価値がある”と感じました。あのイメージを正しく伝えることができれば、観客は物語の細部にまで入り込むことができると思いました」

デヴィッド・テナント「リトビネンコ暗殺」/海外ドラTVガイドWATCH

──リトビネンコはイギリスの警察に絶大な信頼を寄せていたのですね?

「私が読んだ本、会った人、話した人すべてから、これはこの事件に取り組んだ警官の正真正銘の姿だと思いました。役人が腐敗し、誰も信用できない世界から来たサーシャにとっては、公共サービスの一部に制約があっても、彼がいた国とは全く違う。英国の制度が自分のケースに対応してくれると信じ、それをやり遂げるという彼の信念は、非常に感動的でした。彼は、ロシアからの多くの障害を克服し、並外れた捜査活動を行った警察官たちによって、見事に助けられたからです」

──現場の雰囲気はいかがでしたか?

「制作に携わるすべての人が、自分たちは重要なストーリーを語っている、いい仕事をしているんだという熱意を持っている現場でした。それは作品全体を通してあり、すべてのスタッフたちが、この作品に関わっていることを誇りに思っているように感じられました。誰もが、セリフを覚えて現場に出るだけではない、撮影に至るまでの道のりを歩んできたのです。みんな、人に会い、人と話し、本を読んできた。この作品にはたくさんの資料があり、その中から真実を見つける必要がある。この物語をきちんと伝えなければならないという責任を、スタッフ全員が感じていたからです」

──本作を振り返ってみての感想を聞かせてください。

「この作品がどのように受け取られるか、どのような影響を与えるか、推測することはできません。でも私自身は、とても誇りに思っています。ベストを尽くしたつもりだし、サーシャの思い出とその妻・マリーナのライフワークを称えることができればと思っています。それが、私たちの目指したものです」

【プロフィール】

デヴィッド・テナント「リトビネンコ暗殺」/海外ドラTVガイドWATCH

デヴィッド・テナント David Tennant  
1971年4月18日生まれ。英・スコットランド出身。ドラマシリーズ「ドクター・フー」(2005年~)の10代目ドクター役として人気を集める。近作に「ステージド」シリーズ、「80日間世界一周」(21年)など。

【番組情報】

「リトビネンコ暗殺」/海外ドラTVガイドWATCH

「リトビネンコ暗殺」(全4話)
スターチャンネル1 
2月6日スタート 
月曜 午後11:00~深夜0:15ほか(字幕) 
※2月5日に吹き替え版 第1話先行無料放送 
※2月8日よりスターチャンネル3でも放送

2006年11月1日、ロンドン。ロシアからの亡命者、アレクサンドル・リトビネンコ(デヴィッド・テナント)はイギリス国籍を取得したことを家族と共に喜んだのもつかの間、吐血。病院で彼は「暗殺者に毒を盛られた」と主張。そして死の床で、ロンドン警視庁の警部補らに自分が元FSB(ロシア連邦保安局)職員であることを明かす。



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