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桐山漣、人気漫画の実写化に挑む決意――賛否両論の声も否定せず「その役を責任持って育てて、カメラの前に立つだけ」2021/04/30

桐山漣、人気漫画の実写化に挑む決意――賛否両論の声も否定せず「その役を責任持って育てて、カメラの前に立つだけ」

 5月13日にスタートする連続ドラマ「ラブファントム」(MBSほか)。みつきかこさんの大人気コミックを原作とする、容姿端麗で完璧なエリートホテルマンと、不器用ながらもピュアなホテルカフェ店員の、キスから始まる“秘密の恋”を描いた極甘ラブストーリーです。

桐山漣、人気漫画の実写化に挑む決意――賛否両論の声も否定せず「その役を責任持って育てて、カメラの前に立つだけ」

 「怪人」(=ファントム)と呼ばれるほど優秀なホテルマン・長谷慧を演じるのは、「俺のスカートどこ行った?」(日本テレビ系)や「これは経費で落ちません!」(NHK総合)、続編も決定した「いいね!光源氏くん」(NHK総合)、「おじさんはカワイイものがお好き。」(日本テレビ系)、「青きヴァンパイアの悩み」(TOKYO MX)、放送中の「カラフラブル~ジェンダーレス男子に愛されています。~」(日本テレビ系)など、絶え間なくドラマに出演し、独特の存在感で作品に色を放つ俳優・桐山漣さん(※漣はさんずいに連が正式表記)。

桐山漣、人気漫画の実写化に挑む決意――賛否両論の声も否定せず「その役を責任持って育てて、カメラの前に立つだけ」

 数々の作品に出演し、振り幅のある演技で印象を残すも、極上に甘いラブストーリーで主演を務めるにあたって「30代半ばに入って、王道のラブストーリーの主人公はもうないだろうなと思っていました」と告白。職場でのクールな一面と、小西桜子さん演じる純粋なカフェ店員・平沢百々子にだけ見せる甘く熱い一面のギャップが刺激的な本作に挑んだ桐山さんに、心境を伺いました。

完璧な“怪人”を演じ「僕は隙ありまくりですし、真逆な役をいただいたなと」

桐山漣、人気漫画の実写化に挑む決意――賛否両論の声も否定せず「その役を責任持って育てて、カメラの前に立つだけ」

――「青きヴァンパイアの悩み」「ラブファントム」と主演作のオンエアが続きますね。これまでも絶えずドラマに出演されていましたが、ご自身としては、2021年は“幸先の良いスタートを切れている”というような手応えはありますか?(取材は2月に実施)

「主演作が立て続けに放送というのは、やっぱりとてもありがたいなと思います。ただ僕自身としては、主演であろうと脇を固める役であろうと、僕のやることは同じで。あまり“主演だから”“脇を固める役だから”というのは考えていないです。いつもやるべきことは一緒ですし、自分の大切にしたいものも同じなので、たまたまタイミングが重なったと言いますか」

――主演が続いても、普段通り向き合ったという感じでしょうか。

「そうですね。『青きヴァンパイア』も『ラブファントム』も人間離れした役なんですけど、どういう役を演じたとしても、“人間”を演じたいという思いはずっとあります。『ラブファントム』で言うと、平面的なお芝居になってしまうのがすごく嫌で。怪人とはいえ一人の人間だから、彼の持つ孤独な部分や完璧でない側面を、もも(百々子)の前だけでは見せていきたいという話を監督とさせてもらいました。現実離れした役やセリフって、平面的になりがちなんです。どんな役をいただいたとしても、自分がやらせていただくからには、立体的にしたいというのはいつも心掛けています」

――台本を拝見して、長谷は所作が美しい、色気のある役だと感じました。長谷役を演じるにあたって、準備した点はありますか?

「ホテルマンの所作もそうですが、ホテルマンとしての心得も大事にしました。長谷も仕事人間な部分があるので、やっぱりそこから作っていくのが早いんじゃないかなと。あと、原作の長谷はタバコを吸ってるんですけど、ドラマではタバコを吸うシーンはないんです。タバコのシーンがないならないで、じゃあどうしようかなと考えたり。『そういえば(原作では)吸ってる役だったね』となるくらい、ドラマならではの長谷像を作り出せたらなと思いながら」

桐山漣、人気漫画の実写化に挑む決意――賛否両論の声も否定せず「その役を責任持って育てて、カメラの前に立つだけ」

――本作のドラマ化が発表された際、桐山さんは「長谷は自分とは真逆な印象」とコメントされていましたね。

「長谷は隙がなくて、完璧なホテルマン。怪人と呼ばれ、周りからもすごいと思われている人物です。僕は長谷と近いところって、正直、自分で思う限りでは全然ないんです。僕は隙ありまくりですし、真逆な役をいただいたなと。とは言え、たくさん原作のファンの方がいらっしゃる作品に出させていただくので、できる限りの努力はして現場に臨もうという思いでした。身なりや身のこなしも含めて、役柄に取り入れていった感じです」

――ここまで甘いラブストーリーを桐山さんが演じるのが、新鮮でした。

「こういう王道系のラブストーリーの主人公というのも、30代半ばに入ってもうないだろうなと思っていました。開始早々すぐキスシーンがあって、1話につき2、3回(キスを)していたので、こんな作品は後にも先にもないだろうなって。今の時代、すごく攻めた作品になるんじゃないかなと」

――キュンキュンするシーンが満載ですよね。

「過去にもキスシーンが多い作品に出演させていただいたことはあったんですけど、それをはるかに上回るキスシーンの回数だったので、一つの軸みたいなものが崩れたような感覚で(笑)。『ラブファントム』は『ラブファントム』というか…。ほかと比べようにも、僕の中ではもはや突き抜けているという感じ(笑)。監督や制作チームの皆さんがとにかく美しく見せることにこだわっていて、すごく奇麗な世界観の中で演じることができたので感謝しています」

人気漫画の実写化への思い

桐山漣、人気漫画の実写化に挑む決意――賛否両論の声も否定せず「その役を責任持って育てて、カメラの前に立つだけ」

――撮影で印象に残っているシーンはありますか?

「ドラマの中盤で、冷蔵庫の前で百々子を“冷蔵庫ドン”するシーンがあって(笑)。3、4話くらいかな? 百々子がのんきにカヌレを作っている時、冷蔵庫ドンするという。それは結構印象に残っています。監督からは『少女漫画だからこその撮り方やお芝居のメリハリを意識してほしい』と言われていたので、気になったところはその都度、ディスカッションしながら進めていきましたね」

――先ほど「長谷と近いところは全然ない」とおっしゃっていましたが、役作りに苦戦する部分はありましたか?

「長谷とは真逆なんですよ、本当に。僕はすごくのんびりしてますし。でも仕事人間というか、仕事に対する熱量は、長谷と通ずるものがあるんじゃないかなと思っています。僕もオフってそんなになくてよくて、ずっと仕事してたいタイプなので。ただ、こういう長谷みたいな完成度の高い役柄というのは、やっぱり賛否両論あると思うんですけど…。なんて言うんだろうな、賛否両論あるからどうということでもなくて、演じさせていただくからには、その役を責任持って育てて、カメラの前に立つだけなので」

――撮影は昨年の夏に行われたとお聞きしました。桐山さんは日常的に鍛えている印象がありますが、本作に向けて外見を作り込むこともありましたか?

「仕事の合間をみて鍛えてます!(笑)。長谷はスーツ姿が多いんですが、スーツって結構、筋肉量で格好よく見えるかどうかが決まるんです。自分の年齢のこともあるし、あと割と着やせしてしまうタイプなのもあって、トレーニングは続けていますね。続けてないと筋肉がどんどん落ちていくんですよ、悔しいですけど。しっかり筋肉を付けておかないと役柄の幅も狭まってしまうので、意識して取り組むようにしています」

桐山漣、人気漫画の実写化に挑む決意――賛否両論の声も否定せず「その役を責任持って育てて、カメラの前に立つだけ」
桐山漣、人気漫画の実写化に挑む決意――賛否両論の声も否定せず「その役を責任持って育てて、カメラの前に立つだけ」

――人と人の心がつながるシーン、ホッとするシーンなど、本作では大事なシーンに“コーヒー”が登場します。ストイックな桐山さんにとって、本作におけるコーヒーのような、ホッとできるものはありますか?

「僕もコーヒーは好きです。現場でもよく飲んでいましたし、今日もメークをしてもらっている時に飲んでました。仕事の前は必ず飲みたいくらい、好きですね。撮影の時にホッとした話で言うと、長谷邸のシーンは地方の古民家で撮影してたんです。古民家の2階が控え室だったんですけど、向かいの家にネコがいて、そのネコがかわいくて…! 2階から小西さんと『にゃーにゃー』って言ったら出てきてくれて、会話してました(笑)。ずっと長谷邸にこもりっぱなしだったので、休憩時間にネコに会う時間はほっこりしてましたね。なかなか触らせてはくれなかったんだけど(笑)」

――かわいいエピソード、ありがとうございます! では最後に、本作のタイトルが「ラブファントム」ということで、桐山さんが「ラブ〇〇」なものを一つ教えていただけますでしょうか。

「新しい角度の質問が来たな~(笑)」

――すみません、たくさん取材を受けていらっしゃると思うので…。

「ずっとカワウソが好きなんですけど、結構いろんな媒体さんで言っちゃってるから…。変えようかな~」

――お気遣いいただきありがとうございます!

「そうだなー…。あっ、最近タン塩がすごく好きです(笑)」

――ご自宅で焼いて、ですか?

「家です! 煙が上がらない、家焼き肉のセットがあるんです。煙が出ないから部屋に匂いも残らないし、下に油が落ちていく作りになっていて汚れないから、めちゃくちゃいいんですよ。一人で食べる時は『わざわざ自分のために用意するのも…』って思っちゃうから、フライパンで焼いたりもするんですけど。あと、ネギだれを自分で作ってます。よく焼き肉店で出てくるネギタン塩みたいに、ネギ刻んで、鶏ガラの素を入れて…。あの工程を家でするのにハマってます。“ラブタン塩”!(笑)」

――よく作っているのですか?

「そのネギだれを発見してしまってからは、気付いたら作ってます。油も少ないし、タン塩だけでもいいなってくらい。それくらい、最近好きかもしれないです(笑)」

桐山漣、人気漫画の実写化に挑む決意――賛否両論の声も否定せず「その役を責任持って育てて、カメラの前に立つだけ」
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桐山漣、人気漫画の実写化に挑む決意――賛否両論の声も否定せず「その役を責任持って育てて、カメラの前に立つだけ」

【プロフィール】

桐山漣(きりやま れん)
1985年2月2日生まれ。神奈川県出身。O型。2009年、ドラマ「仮面ライダーW」(テレビ朝日系)で連続ドラマ初主演。主な出演作は、映画「新宿スワンⅡ」「曇天に笑う」「貞子」「海の底からモナムール」、ドラマ「花ざかりの君たちへ~イケメン☆パラダイス2011」「ロストデイズ」(ともにフジテレビ系)、「デイジー・ラック」(NHK総合)、「俺のスカート、どこ行った?」(日本テレビ系)、「これは経費で落ちません!」(NHK総合)、「チート~詐欺師の皆さん、ご注意ください~」「おじさんはカワイイものがお好き。」(ともに日本テレビ系)、「青きヴァンパイアの悩み」(TOKYO MX)など。放送中のドラマ「カラフラブル~ジェンダーレス男子に愛されています。~」(日本テレビ系)に出演中。21年6月7日より「いいね!光源氏くん し~ずん2」(NHK総合)、8月22日より「白い濁流」(NHK BSプレミアム)が放送予定。

【番組情報】

ドラマ特区「ラブファントム」
MBS 5月13日スタート 木曜 深夜0:59~1:29
tvk 5月13日スタート 木曜 午後11:00~11:30
チバテレ 5月14日スタート 金曜 午後11:00~11:30
テレ玉 5月19日スタート 水曜 深夜0:00~0:30
とちテレ 5月20日スタート 木曜 午後10:30~11:00
群馬テレビ 5月20日スタート 木曜 午後11:30~深夜0:00

<配信情報>
見逃し配信:TVer、MBS動画イズム
独占配信:MBS放送後、Huluにて定額見放題

【プレゼント】

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【締切】2021年5月27日(木)正午

取材・文/宮下毬菜 撮影/尾崎篤志
スタイリスト/吉田ナオキ ヘア&メーク/江夏智也
衣装協力/LANVIN en Bleu(ジョイックスコーポレーション 03-5213-2510)、AUI NITE
050-1564-2462、wjk 03-6418-6314



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