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<インタビュー&囲み取材全文掲載>羽生結弦選手が「JOCスポーツ賞 特別栄誉賞」を受賞!2018/06/11

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 平成29年度の日本オリンピック委員会(JOC)スポーツ賞表彰式が6月8日に都内で行われ、平昌冬季オリンピックでメダルを獲得した選手たちが出席。フィギュアスケート男子で66年ぶりに連覇を果たし、国民栄誉賞の授与も決まった羽生結弦選手も登壇しました。登場から表彰式、その後の囲み取材の一問一答まで、羽生選手の様子を余すことなくレポートします!

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 司会に名前を呼ばれ、ゆっくりと一礼し笑顔で登場した羽生選手。各方面に丁寧にお辞儀をしながらテーブルへ着きます。

 続いてJOCの竹田恒和会長があいさつ。「最優秀と同等の成績を上げた選手を表彰する特別栄誉賞に、オリンピック史上、男子シングルで66年ぶりの連覇を遂げたフィギュアスケートの羽生結弦選手を選考しました」と述べると、羽生選手はその場で深々と一礼し、降壇した竹田会長とがっちり握手を交わしました。

 来賓として出席した小池百合子東京都知事も、全選手たちの受賞を祝福。そして、「今日は小平奈緒選手、羽生結弦選手も来られています。あとでサインください、よろしくお願いします(笑)」と小池知事からの予期せぬお願いに、羽生選手は満面の笑みを見せました。

 乾杯の際には、オレンジジュースを選んだ羽生選手。同じテーブルだったレスリングの熊野ゆづる選手(「年度賞 新人賞」を受賞)と“ゆづる”同士で笑い合うなど楽しそう。スーツのまま足首を回すストレッチをしたり、来賓者たちと身振り手振りを交え談笑する様子も印象的でした。

 そしていよいよ、JOCスポーツ賞の表彰式。ほかの選手が表彰されている姿を、羽生選手は真剣なまなざしで見つめます。途中、首からかけていた金メダルを一旦スーツの後ろポケットに入れたり、胸ポケットに入れるしぐさを見せ、そわそわ落ち着かない様子。最後はテーブルに置いていましたが、その緊張が伝わってくるようでした。

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「年度賞 特別栄誉賞」の表彰で名前を呼ばれた羽生選手は、もう一人の受賞者であるスピードスケートの高木美帆選手(金・銀・銅メダル獲得)と一緒に、大きな拍手に包まれながら壇上へ上がると、深く一礼。竹田会長の「日頃のトレーニングで築き上げた華麗な技をいかんなく発揮し、オリンピック史上男子シングルで66年ぶりとなる連覇を達成。国民に大きな感動を届け、オリンピックムーブメントの推進に多大なる貢献をいたしました。ここに特別栄誉賞を贈り、その栄誉を称えます。どうもおめでとう」という祝福の言葉とともに差し出された賞状を、凛とした表情でしっかりと受け取りました。そのほかに、大きなトロフィーとメダル、目録も贈呈されました。

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 受賞コメントを求められ、まずは高木選手が「パシュートのこのメンバーで金メダルを獲りたいという気持ちがすごく強かったので…一番メラメラしていたかもしれません(笑)」と当時の熱い思いを明かしました。

 続いて、羽生選手のコメントをすべて紹介します。

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── 紆余曲折、波瀾(はらん)万丈の連覇、おめでとうございました!

羽生選手 「ありがとうございます!」

── あらためて“羽生結弦”という人が、いかなる時もチャレンジをする人だなということを感じましたが、そのへんはもう揺るがないということですか?

羽生選手 「そうですね! 実際に平昌オリンピックでは、自分の一番高い難易度の構成ではなかったんですけども、自分の中で言えることとしては、“あの時の自分の実力”の最高難易度のもの、そして最大限のことは出し切れたなと思っています」

── 羽生選手は日頃から“挑戦するから成長できる”というサイクルがあるとおっしゃいますが。

羽生選手 「そうですね。挑戦にはやはりけがというリスクもつきものですし、また、失敗も確実に経験しなくてはいけないと思います。でも、それが成長につながると僕は思っていますし、技術的な面だけではなくて、メンタル面であったり、人間としての成長にもつながるのかなと思っています」

── 今や万人が認める王者ですが、同時に永遠のチャレンジャーでもあり続けるのかな、と。

羽生選手 「ははっ、そうですね(笑)。結果として、目標であるオリンピック2連覇を実際に達成することはできましたし、達成感もすごくあります。ただ自分自身、挑戦したいことがまだまだフィギュアスケートでは残っていますし、まだ磨き続けないといけないなとあらためて思っています」

── 今あらためて見据えるチャレンジはなんですか?

羽生選手 「やっぱり4回転アクセルに向けて少しずつ挑戦していきたいなという気持ちはあります。ただ、体の状態、心の状態等含めて、ゆっくりと進めていかないといけないなとも思っています」

── まさにおっしゃるように、健康第一ですから!

羽生選手 「そうですね!(笑)」

── それは大前提の上で、われわれが見たことないものをぜひ見せてください!

羽生選手 「はい、頑張ります! メラメラと頑張ります!!(笑)」

── おめでとうございます!

羽生選手 「ありがとうございました!」

 今後の目標などを熱く語りつつも、高木選手にかぶせたコメントで、会場を笑わせました。

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 式のラストは出席した全選手で記念撮影。最後まで笑顔満載の表彰式となりました。

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 その後、行われた羽生選手の囲み取材の内容を全掲載します!

── JOCスポーツ賞の「年度賞 特別栄誉賞」を受賞して、あらためて今の気持ちをお願いします。

羽生選手 「こうやってJOCから表彰されるということは、それだけ自分がオリンピックで頑張って活躍できた証だと思っています。さらに新しい世代も含めてこれからオリンピックを目指す選手が増えていきますが、しっかりと自分も身を引き締めてこれからも頑張りたいです」

── 現在、国際スケート連盟の総会が開かれていて、ルールが変更になります。フリーで繰り返し跳べる4回転ジャンプや、演技後半のジャンプの加点に制限が出てきますが、その事を受けてどう思いますか?

羽生選手 「フリーの構成は既に練っていたので、もう一回練り直して、自分の能力を最大限引き出せる状態で試合に臨みたいなと思っています」

──(フリーで跳ぶ)4回転の数は決めていましたか?

羽生選手 「そうですね。だいたいの目標的な構成は決めてはいたんですけれども、少し手を加えなくてはいけないかなと思っています」

── GOE(技の出来栄え点)の段階が7段階から11段階になることについてはいかがですか?

羽生選手 「それはGOE自体をどういうふうに評価してくださるか、ということになってくると思うので。これから先、実際に公式の試合に出ないと分からないところは多々あります。ただ、自分はやはりジャンプの質だとか、そういったことにこれからもずっとこだわり続けたいなと思います。これから、さらに良い質のもの、そして奇麗なジャンプというものを目指してしっかりと練習していきたいです」

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── 国民栄誉賞の受賞が決定したことへの思いと、受賞後にオリンピックで金メダルを再び獲得した選手はまだいないのですが、そこに向けての意欲について教えてください。

羽生選手 「まず国民栄誉賞を授与していただけるということは、やはり国民として誇りに思いますし、これからも身を引き締めて生活しなくてはいけないなという思いでいます。また、この賞を受賞する際の覚悟としては、やはり自分一人で受賞するのではなく、いろんな方々が僕を支えてくださり、僕はその方々の代表だと思っているので。皆様に感謝の気持ちを伝えたいですし、僕経由でその方々の努力が少しでも評されればいいなと思っています。また、国民栄誉賞からのオリンピックということに関しては、特に大きな道筋としては考えていないです。ただ、やはりこれから国民栄誉賞を背負いながら日本代表として世界の舞台で戦うにあたり、日本の文化を大事にして日本人らしい、そしてアスリートらしい人間でいたいなと思っています」

── 現段階で新しいプログラムについては、どこまで準備が進んでいますか?

羽生選手 「曲は決まっています。構成も何となく自分の中で決めています。まだ曲についてコメントすることはできませんし、新しいプログラムについてお話することは難しいんですけれども、自分の中で、ある意味新しい自分を新しいプログラムで出したいと思っています。また新たな決意を胸に、これからその新しいプログラムを新しい曲で滑っていくことになるので。皆さんにも本当に楽しみにしていただきたいなという気持ちもありますが、自分自身が一番、楽しんで滑りたいなと思っています」

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 柔らかい口調で受賞の喜びを語りながらも、時折、引き締まった表情で来シーズンへの新たな思いも明かしてくれた羽生選手。「楽しみにしていただきたい」という言葉に今から期待が高まります。皆さん、全身全霊で応援していきましょう!

「KISS&CRY」とは?

「KISS&CRY」シリーズは、日本のフィギュアスケーターのみなさんをフィーチャーし、その「戦う」姿、「演じる」姿を合計50ページ超のグラビアでお届けしています。つま先から指先・その表情まで、彼らの魅力を存分に伝えます。また、関連番組TVオンエアスケジュールも掲載。TVの前で、そして現地で応援するフィギュアスケートファン必携のビジュアルブックです。
Twitterアカウント:@TeamKISSandCry



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