Feature 特集

「京杭大運河」に魅了された旅のプロ・田辺誠一の熱い思い。「旅は自分になれる場所。最も好きなことかもしれない」2019/01/30

 BSテレ東で2月4日放送の「日中共同制作 中国大紀行 “京杭大運河(けいこうだいうんが)” ~王宮に繋がる水の路 1794キロを行く~」。中国の首都・北京と浙江省の杭州をつなぎ、世界遺産にして世界最長の運河である「京杭大運河」は、なぜ作られたのか? 番組ではその謎を解き明かすべく、俳優の田辺誠一さんが全長1794kmもの距離を実際に旅していきます。さまざまな歴史や人との出会いはもちろん、ドローンなどを使い4Kで撮影された迫力の絶景はこの番組でしか見られません。

 今回、そんな田辺さんを直撃取材! 番組のこぼれ話をはじめ、旅が大好きな田辺さんの家族旅行でのすてきなルールや、あの大人気キャラクター“かっこいい犬。”の意外な誕生秘話まで明かしてくれました。

──京杭大運河とともに生まれた「揚州」の街では、運河に浮かぶ船上で仕事仲間と生活する水上運送業者の方が出てきましたが、田辺さんは運河の上での生活って想像できますか?

「1回くらいは大丈夫そうですね。ただ、長期間というのは同じメンバーで煮詰まって大変そう(笑)。でも、皆さん本当に楽しそうにされていましたよね。他の船では、家自体が船にくっついていて、室内で植物まで育てたりして。ちょっとでもいい環境にしようとされていて、その様子が優雅にも見えましたね」

──日本ではなかなか考えられないですよね。

「そうですね。でも、昔は一度運河に出てしまうと連絡も取りづらかったみたいだけど、今は携帯電話もあるから、たまに上陸して買い物したりしてそんなに不便ではなさそうでした。皆さんも『地上でせかせかやるよりは、のんびりしてストレスもない』と言われてました(笑)」

──番組では途中7時間もの移動時間があった時に、電車からずっと外の景色を見られていましたが、通常旅行に行く時の移動時間も同じように過ごされるんですか?

「そうですね! 景色や周りの人を見ています。子どもにも同じように過ごさせたいので、小学生の時に海外に連れていった時には、ゲームを禁止して持っていかせませんでした。だって画面を見ていたら、日本にいてもアラスカにいてもパリにいても同じじゃないですか? 空港で3~4時間くらいの待ち時間がある時には、ゲーム機があると親としては助かる部分もあるんですけど、でも、その時間は絶対現地で何かしらを感じられる時間になるから、そうさせていますね。なるべく現地の景色を見たり、そこにいる人がどんな服装で何をしゃべっているのか、どんな目的でどこに行くのか、どんな生き方をしてきたのか…というのを勝手に想像して感じられることが、その場にいる醍醐味だと思うので。それがリアルの力で、僕らはリアルに生きていますから、ネットで写真を見るのとは、伝わってくる量が全然違いますよね」

──旅行を楽しむための田辺家のすてきなルールですね。田辺さんご自身も、移動時間に考え事をしたりするのですか?

「ずーっとしますね!」

──その時に、“かっこいい犬”のアイディアが降ってきたりするんですか?

「そういうこともありますね(笑)。あれは、車を運転していた時に『こういうの描いてみようかな』と思いつきました」

──タイミングがすごいですね!(笑)。いつも車を運転されてる時に思いつくんですか?

「そうかもしれないですね。原辰徳監督やスティーブ・ジョブズも、考え事をする時は歩きながらやるという話が有名じゃないですか? 僕もじーっとしてたり、寝ながら考えても意外とアイデアは出てこなくて、移動中の方がふっと思いつくような気がします」

──今回の旅を通して感じたことで、何か俳優業に生かせそうなことはありましたか?

「全部ですね! 見たもの、感じたものが全部蓄積されてそれが役を通してどこかで使えるので。あとは、中国の方ってパワフルだから(笑)、そういう主張なども自分にとって必要なのかなと思いましたね。例えば、こっちが『これがやりたい、これが好き』と周りに言っていれば、『あの人はあれが好きだったから、お土産で買っていってあげよう』となることもあるじゃないですか? でも、その人が何を好きか分からなかったら、何もしてあげられない。だったら、彼らみたいにもっと『こうしたい!』と主張した方がいいんじゃないかなと感じました。僕なんか特に『何を考えているか分からない』と言われちゃうタイプなので(笑)」

──主張が強めな田辺さんの姿、楽しみにしています(笑)。最後に、旅好きで旅行のプロである田辺さんにとって、ずばり、旅行とはどういったものか、教えてください!

「自分になれる場所ですかね。生活していると、皆さんそれぞれ与えられた役割を果たさないといけないじゃないですか? 僕の場合は俳優で、いろんな役を演じさせてもらっています。あと、仕事柄、顔を知っていただいているからこそ行動に制限がかかったり、外出してもお店で好き勝手なことをしゃべれなかったり(笑)。それが、海外に行くと役割も制限もない。日常から解放されて、自分が本来の自分らしくいられるような気がします。さらに、今までの固定概念や常識が通用しないところもいいですね。文化が違うので『あ、それが全てじゃないんだな』と思わされたり、いつの間にか凝り固まっちゃっている部分を『違う、違う!』と気付かせてくれる。それも、自分の価値観をほぐしてくれるという意味では、自分を見つけられて、素でいられるということになるんじゃないかな? 日本だと生活に追われて、やらないといけないことも多いですからね(笑)。もちろんそういったものがベースなんですけど、たまにそこから解き放たれると、その経験がさらに普段の生活にフィードバックされて、絶対何かしらに生きると思うので。旅は、最も好きなことかもしれないですね」

 おっとりした雰囲気を醸し出しつつ、内に秘められた旅への熱い思いを明かしてくれた田辺さん。そんな田辺さんがいろんなことを経験した「京杭大運河」は、視聴者の皆さんにも何か感じさせてくれるはずです。ぜひ一緒にこの壮大な1794kmの旅を楽しんでみませんか?

【プロフィール】

田辺誠一(たなべ せいいち)
1969年4月3日生まれ。東京都出身。ドラマ「捜査会議はリビングで!」(NHK BSプレミアム)、「刑事7人」(第4シリーズ/テレビ朝日系)、「やけに弁の立つ弁護士が学校でほえる」(NHK総合)、映画「BLEACH」、「斉木楠雄のΨ難」などの話題作に出演し、多方面で活躍。現在、ドラマ「3年A組―今から皆さんは、人質ですー」(日本テレビ系)、「私のおじさん~WATAOJI~」(テレビ朝日系)に出演中。映画「雪の華」が2月1日公開。

【番組情報】

「日中共同制作 中国大紀行 “京杭大運河” ~王宮に繋がる水の路 1794キロを行く~」
BSテレ東 
BSテレ東4K
2月4日 午後6:55~8:55

取材・文/鬼木優華(テレビ東京担当) 

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