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“根っからの本好き”鈴木保奈美がMCを務めるBSテレ東「あの本、読みました?」がレギュラー化! 番組プロデューサーと意気込み語る2024/03/15

“根っからの本好き”鈴木保奈美がMCを務めるBSテレ東「あの本、読みました?」がレギュラー化! 番組プロデューサーと意気込み語る

 BSテレ東で4月4日からスタートする新番組「あの本、読みました?」。同番組は、本が好きな人のための情報番組として過去に6回パイロット版が放送され、“これだけ今の本に精通した番組は画期的”と書籍のベテラン編集者にも好評を得てレギュラー化が決定した、本好きに刺さる番組です。

 引き続き番組をMCとして支えていくのは、“根っからの本好き”として知られ、自らもエッセーを出版している鈴木保奈美さん。初回収録を目前に、BSテレ東の編成説明会に登壇した鈴木さんと林祐輔プロデューサーが、番組について語り合いました。

「たくさん本を読まなきゃいけないので大変です(笑)」

――あらためて「あの本、読みました?」は、どんな番組でしょうか。

 「この番組のターゲットは、ズバリ本好きの皆さんです。1カ月に1回は書店に行く方から毎日のように書店に行く方、そういった本好きの方にぐさっと刺さる番組を作ろうと思い、番組を始めました。その中で保奈美さんは、皆さんもご存じの通り本が大好きで知られていて、さまざまな媒体で発言されて、文章も書かれているのは目にしていました。それで、本好きに刺さるには絶対本好きの保奈美さんしかいないと思って(MCを)お願いしました。パイロット版の1回目の時に丸の内のMARUZENでロケをしたんですけど、保奈美さんは素の表情で、まるで好きなおもちゃに囲まれている子どものような感じで(笑)。その光景を見て“この番組は絶対にいける”と確信しました。ちなみに、保奈美さんはパイロット版の時に記憶に残るコーナーや楽しかったコーナー、こういう企画やりたかったというのはありました?」

鈴木 「私はもともと読書が好きで、大きな仕事が終わると自分へのご褒美に本屋に行くっていうのを楽しみにしていて、読みたい本を何冊か買うというのが趣味だとあちこちで話していたら、林さんから声をかけていただいて。とにかく書店で撮影ができるので楽しそうだなと思って(MCを)お受けしたので、あんまり番組としての硬いことは考えていないです(笑)。書店に行って、好きなだけ本を眺めることができるんだということだけで『はい、やります』と言っちゃいました(笑)。パイロット版で書店にロケに行って面白かったのは、書店のスタッフさんがとても個性的で、いろんな裏話も聞かせてくださって、それがとても楽しかったですね」

――番組のレギュラー化を聞いてどう思われましたか?

鈴木 「たくさん本を読まなきゃいけないので大変ですよ(笑)。番組を見ていただく方に楽しんでいただくのって簡単なことではないですし、楽しては面白い番組は作れないです。だから、番組が放送されるまでにとっても時間はかかって手が抜けないですが、そこを丁寧にしていくことで、ちゃんと内容のある番組が作っていけるのではないかと思いますので、そこは努力します」

林 「保奈美さんがおっしゃる一言がやっぱりすごく的確。この前の凪良ゆうさんとの対談の時もそうでしたし、そこはやはり保奈美さんの努力の結果だと思いましたので、これからの努力の方、よろしくお願いいたします(笑)」

鈴木 「頑張ります(笑)」

林 「そういえば、番組のタイトルロゴは保奈美さんの直筆です! これはいい感じで書けていると思うんです」

鈴木 「いい感じですかね? ありがとうございます。でも、たくさん書いていいのを選んでいただきました(笑)」

林 「番組タイトルの『あの本、読みました?』は、なんとなく本好きの間ではよくある会話かなって思って。最初は『あの本、読んだ?』にしようかなと思っていたんですけど、保奈美さんに見せると『読みました、だろう』という話になって。また、この番組の品みたいなところも必要かなと思って。それでタイトルの字も保奈美さんにお願いしました。あと、やっぱり書店のロケは面白いので、ロケに行きたいですね」

鈴木 「先日も西荻窪にある個性的な書店にお邪魔して、いろいろとお話を伺いました」

林 「また、書籍編集者の方の話も面白いですよね。トライアルで、本の中身は読まずに本の帯に注目するコーナーもやりましたけど、その時は編集の方に番組に出ていただいて、いかに帯に魂をかけているのかを伺ったりとか。そういった多少マニアックなことをこれからもやっていきたいですね」

鈴木 「多少というか、かなりマニアックな企画だと思います(笑)。私も書店で本を見て『帯、ついてるな』としか思っていなかったんですけど、実はいろんなアイデアを出して一生懸命に作っているんだという話を聞いて、とても面白かったです。数々のヒット作を手掛けてきた編集者の方に聞く作家さんとの関係性や、エピソードも面白かったです」

林 「(笑)。番組で吉本ばななさんや島本理生さん、そしてオンエアはこれからですが原田マハさん、あとは宇宙飛行士の野口聡一さんと対談してきましたね」

鈴木 「どういうわけか野口さんが番組に来てくださって『なんで野口さん来てくださったんだろう。林プロデューサーはどんな手を使ったんだろう』と正直思いました(笑)。しかも野口さんは、“宇宙に本を持っていく俺”というロマンがあって、実際に宇宙に持っていったという本も番組に持ってきてくださって、とても面白かったです」

――作家の皆さんと対談されて、印象に残る言葉や影響を受けた言葉はございますか?

鈴木 「私はインタビュアーとしての技量がございませんので、対談の時は、作家さんに『私はここが面白かったです!』と思いの丈を話しているだけなんです(笑)。作家の皆さんは話し上手で、なおかつ独特の感性を持っていらっしゃるので、話していると相手に何かを伝えたいという思いが伝わってくるんです。今まで作家さんは“私は1人で書けばいいから”というタイプの方が多いと思ったんですけれども、意外と読者や世間と関わりたい、そして社会に対する思いを(作品で)表現して、また世の中に出していきたいと思う方がとても多くてとても驚きましたし、感激しました」

林 「今後も万城目学さんら芥川賞や直木賞の受賞者や平野啓一郎さん、朝井リョウさんとも番組でお会いする予定ですけど、期待しているところってあります?」

鈴木 「いや、たくさんの作家さんにお会いするから、ちゃんと勉強しておかないといけないから大変です(笑)」

林 「そういえば、1月放送のパイロット版で凪良ゆうさんに出てもらった時、保奈美さんにはサプライズとして、ゲストが凪良さんだってギリギリまでお伝えしなかったんですよ。それで、前日に凪良さんのことを伝えたら、その後『星を編む』を全部読まれて、“さすが、鈴木保奈美”と思いました」

鈴木 「本を読むのが本当に好きなだけです(笑)」

「本を買う時は、最初のページの3行で決めます」

“根っからの本好き”鈴木保奈美がMCを務めるBSテレ東「あの本、読みました?」がレギュラー化! 番組プロデューサーと意気込み語る

――番組のレギュラー化にあたり、今後チャレンジしてみたいこと、やってみたいことはありますか?

林 「打ち合わせで、お着物を着て番組に出るというアイデアもありましたね」

鈴木 「日本家屋で和服を着て本を読む女性っていうのは、なかなか風情があるのではないかと思って。女性に限らず男性もね。和装をして、ジャズが流れる空間でコーヒーを飲みながら本を読むというのは格好いいですよ!(笑)」

林 「もう絵が浮かびます。ただのドラマなんじゃないかなってね(笑)。今、なぜか個性的な書店が増えていて、そういうところを巡るロケも面白いかなと思います。この番組を企画していろいろ調べたら、今の出版業界はいろいろ工夫なさっていて、例えば本が読めるシェアラウンジとか、宿泊と本をあわせたブックホテルとか、本に出合える場所が結構あるので、そういうのも紹介していきたいです」

鈴木 「私も機会があれば、全国いろんなところの書店を訪ねるという企画をやってみたいです。きっと、その土地その土地の特色があると思いますし、本に携わる方たちはとても個性的で、そしてとても独特の主張がある方が本当に多いので、お話を聞くだけでも面白いですし、私自身の世界も広がるので、なるべくいろんなところに出ていって、いろんな方にお会いできればいいなと思います」

――子どもの頃に読んだ本で印象に残っている本と、これまでで一番衝撃を受けた本があれば教えてください。

鈴木 「幼い頃に読んだ本で一番印象に残っているのは、獅子文六さんの『悦ちゃん』という本です。小学校1年生か2年生の時に、祖父の本棚から勝手に取り出してきて読んで大好きになって、古い文庫本なんですが、その本はいまだに持っています。逆に衝撃を受けたのは、高校生の時に読んだ村上龍さんの『コインロッカー・ベイビーズ』。それは衝撃で、物語のものすごいパンチ力と、いろいろ入り交じったすさまじいエネルギーに“こんな世界があるんだ”と驚いて、大人の小説ってすごいなと思いました」

林 「ちなみに僕は、番組にも来ていただいた凪良さんの本が衝撃で、久々に『今の恋愛小説はこうなってるんだ』と思いました」

――鈴木さん流の読書の仕方やこだわりはありますか?

鈴木 「私はお風呂で読むか、あとは乗り物で読むのが好きなので、仕事で飛行機に乗ったり新幹線に乗ったりする時は『あ、本が読める!』ってなってうれしいです(笑)。本を買う時のこだわりではないんですけど、昔から本を買う時のヒントとして、まずは雑誌や新聞の書評を見て、実際書店に行って1ページ目の最初の3行を読んで『この本は好きそうだな』って思うと買って帰るということが多いです。本は実物を見て買うのが好きなので、書店に行って買うようにしています」

――買うつもりじゃなかったのに表紙を見て買ってしまうことってありますか?

鈴木 「よくありますね。でも表紙だけじゃなくて、本を開けてみて3行読んで好みが合うなと思ったら買います(笑)」

林 「だいぶ大人の年齢になってくると、自分の好きな作家さんの範囲を超えていくことが非常に大変なんです。ネット書店のお薦めも同じ作家さんの作品ばかり出てきますし。先ほど保奈美さんがおっしゃったように、書店で知らない本に偶然出合うのもいいですが、この番組を通じて知らない作家さんに出合える機会をたくさん作りたいです!」

――最後に、番組のレギュラー化にあたっての意気込みをお聞かせください!

鈴木 「この番組に携わって、実は読んだこともないようなたくさんの作品に出合い、そこから新しい人間関係も広まっていって、自分自身の世界観がどんどん変わりつつあります。番組を見てくださる視聴者の皆さまにも、本をきっかけにご自身の世界観がどんどん広がっていくような体験をしていただける番組にできるよう頑張ってまいりますので、よろしくお願いします」

――ありがとうございました!

【番組情報】

「あの本、読みました?」
4月4日スタート
BSテレ東
木曜 午後10:00〜10:55



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