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森川葵、「大奥」で務める母親役の苦しさを吐露「自分が想定する感情だけでは済まないようなつらい部分がたくさんありました」2024/03/07

森川葵、「大奥」で務める母親役の苦しさを吐露「自分が想定する感情だけでは済まないようなつらい部分がたくさんありました」

 小芝風花さんが主演を務める木曜劇場「大奥」(フジテレビ系)。約20年ぶりに復活した令和版「大奥」は、これまでの「大奥」史上、最も切なくて美しいラブストーリーとなっています。

 先週放送の第7話では、長らく五十宮倫子(小芝)に子ができなかった原因が判明。驚きの黒幕も明らかとなりました。ここでは、これまで倫子をいじめ続け、側室まで成り上がったお知保役の森川葵さんにインタビュー。お知保を演じる上での大変さや役に対する思い、撮影現場でのエピソードなどを伺いました。

──倫子をいじめ続け、嫌われ役だったお知保でしたが、物語が終盤に近付いてくるにつれて心情の変化も見られます。ご自身ではその変化をどう捉えて演じていらっしゃいますか?

「上の立場に上り詰めたいという思いと、上様(徳川家治=亀梨和也)を慕う気持ちから倫子に嫌がらせをしていたのですが、もともとはお知保も悪い人間ではないんですよね。自分に子どもができたからこそ、倫子にも毒を盛ることなんてできなかったですし、少なからず倫子という存在に影響されて、完全に悪い人にはなりきれなかったのだと思います」

──お知保として、特に印象に残っているシーンはどこですか?

「自分の家族の元に帰るシーンです。素のお知保を表現する部分でしたし、なぜ松島の局(栗山千明)の指示に従って大奥で嫌がらせを行うのか理由が分かるシーンだったので、お知保を演じる上では絶対に必要なシーンでした」

森川葵、「大奥」で務める母親役の苦しさを吐露「自分が想定する感情だけでは済まないようなつらい部分がたくさんありました」

──では、これまでで一番難しかったシーンはどこでしょうか?

「ずっと倫子のことをいじめていたのに、それでもお知保のことを嫌いにならず、いつも真っすぐに向き合ってくれる倫子と少しずつだけど距離が近付いていきます。その距離の近づけ方がすごく難しくて。特に、第6話~9話あたりのお知保の感情と、倫子との距離感は丁寧に描かないといけないと思ったので、演じ方も難しかったです」

──小芝さんとのシーンは、2人で相談することもあるのでしょうか?

「基本的には相談せずに本番でぶつかり合うのですが、セリフの掛け合いでやりづらさがあったりすると、話し合って2人で監督にお願いをすることはありました。そういった作業的な話し合いはするのですが、感情的な細かいことは話さず進めています」

森川葵、「大奥」で務める母親役の苦しさを吐露「自分が想定する感情だけでは済まないようなつらい部分がたくさんありました」

──母親役を務めることについての心境はいかがでしょうか。“大奥”内での母親の立場は、現代とは違った印象になると思いますが…。

「そうですね。自分が腹を痛めて産んだ子を取り上げられてしまうような、現代にはない独特な環境での母親役というのは難しかったです。正直、自分が想定する感情だけでは済まないような気がしていて。本当に、想像できないようなつらい部分がたくさんありました」

──ずっと慕ってきた家治の側室となり、子ももうけたお知保ですが、報われないと感じる部分も多いような気がします。

「家族を養いたいという一心で大奥に来たお知保は、“成り上がりたいのに倫子がいると邪魔”という感情で動いていましたが、側室になっても、結局は大奥での立場が上になったという確証もないですし、満足していない部分もたくさんあります。側室になったとはいえ、上様に愛されている実感が全然ないのもつらいです。成り上がりたい気持ちと、上様のことが好きだから近くにいたいという気持ちの両方あるので、きっと今の環境には全く満足していないと思います」

森川葵、「大奥」で務める母親役の苦しさを吐露「自分が想定する感情だけでは済まないようなつらい部分がたくさんありました」
森川葵、「大奥」で務める母親役の苦しさを吐露「自分が想定する感情だけでは済まないようなつらい部分がたくさんありました」

──演じていて苦しい部分も多いですか?

「誰もこちらを向いていないと感じる瞬間がたくさんあるので、つらいことが多いです。倫子とお品(西野七瀬)の関係性とは違って、私と松島の局との間には深い絆もないですし、他の人たちとの関わりも薄いので…。ずっと寂しい思いを抱えつつ、それでも耐えてやっていかなければ…という気持ちが強いですね」

──撮影中はお知保の感情に左右されることも…?

「気持ちの切り替えはできていますが、全然報われないので、いつも『かわいそうだな』と思いながら演じています」

──感情だけではなく、着物やかつらを身に着けての撮影も大変ではないでしょうか?

「着物もかつらもすごく重いです! 以前、町娘を演じた時とは圧倒的に重さが違います。ゴージャスにするがゆえに毛量も多いし、飾りも多くて。重いものを身に着けながら、その上お作法もあるので大変です。いつもお作法の先生に『奇麗に立って』と言われるので、内心『重いからぐらついてしまうんです…!(涙)』と思いながら頑張って立っています(笑)。立ったり座ったりを繰り返す時は、重りをかぶったままスクワットをしている状態なので、撮影の後半になってくると体力を削られすぎて何も考えられなくなっています(笑)」

森川葵、「大奥」で務める母親役の苦しさを吐露「自分が想定する感情だけでは済まないようなつらい部分がたくさんありました」

──側室になってからの方が身に着ける物も豪華になり、より大変さが増したのでは…?

「そうなんです。側室になれるのはありがたいことだしうれしいけど、めちゃくちゃ大変です。何をするにも、行動が一手二手増えるんですよね。素早く動けないもどかしさがあります」

──そんな大変な撮影の中で、現場の雰囲気はいかがでしょうか?

「楽しい雰囲気でやっていますが、皆さんの疲労が溜まってきているのも事実です(笑)」

──主演の小芝さんの印象についてお伺いしたいです。

「風花ちゃんの、“私は信念を曲げません”という純粋に真っすぐ前を見つめるような芝居を目の前で見た時に鳥肌が立ちました。倫子は風花ちゃんにしか演じることはできないと思いましたし、つらいことがあっても前に進んでいくような強い芝居に、本当に圧倒されました」

森川葵、「大奥」で務める母親役の苦しさを吐露「自分が想定する感情だけでは済まないようなつらい部分がたくさんありました」

──では、亀梨さんの印象はいかがでしょうか?

「一見クールな方かと思いきや、話すとすごく優しくていろんなことを教えてくださる先輩です。実は、側室になってからは一緒のシーンがほとんどないのでお会いする機会が少ないのですが、以前『寒いから手袋を買いたい』という話を何げなくしたら、『側室記念に』って手袋をプレゼントしてくださったんです! なんてスマートな方なんだ!と思いました(笑)」

──SNSでは「お知保には幸せになってほしい」という声もたくさんありますが、そういった反響の声についてどう受け取られていらっしゃいますか?

「本当ですか!?(涙)。私の元には『嫌い』とか『調子に乗るな』という声ばかりが届いていたので、少しでも応援してくださる声があると思うとすごくうれしいです! お知保がつらい立場にいるということは私自身が一番よく知っているので、そういった皆さんの声を聞くことで励みになります」

──残すところあと4話となりましたが、今後の見どころについて教えてください。

「お知保としては今後“ある事件”が起こるので、その姿に1人でも寄り添っていただければうれしいです。終盤に向けて、これまで同じ場所にとらわれて自分の目の前のことだけしか見えていなかった大奥の人たちが、どう生きていくのか? また、それぞれがどういった選択肢を選ぶのかに注目していただきたいです。最後までみんなの人生を見届けてください!」

森川葵、「大奥」で務める母親役の苦しさを吐露「自分が想定する感情だけでは済まないようなつらい部分がたくさんありました」

第8話(3月7日放送)あらすじ

森川葵、「大奥」で務める母親役の苦しさを吐露「自分が想定する感情だけでは済まないようなつらい部分がたくさんありました」

 急に産気づいた倫子を心配し、家治が駆けつける。家治は倫子に手を伸ばすも、その手を倫子に退けられてしまう。倫子は子を出産するが、悲しいものとなってしまった。お知保に薬を渡して倫子に飲ませようとした松島の局だったが、お知保から薬を飲ませなかったと聞き、お知保の本心がどこにあるのか疑う。その頃、松平定信(宮舘涼太)は隠密を相手に将棋を指し「最初にあらゆるものを奪ったのは、あの男だ」と漏らす。その思いが定信を突き動かし、家治の血を根絶やしにして、自らが幕府の中枢に就くことへと向いていた。一方、竹千代を愛でるお知保は、傷心の倫子を気にしていた。家治も倫子に会いに行くが、今は一人にしておいてほしいと深い悲しみに暮れていた。そんな倫子に、定信から贈り物が届く。その贈り物には文が隠されており、倫子を元気づけんとする内容だったが、定信は新たな企てを仕掛けようとしていて――。

【番組情報】

「大奥」
フジテレビ系
木曜 午後10:00~10:54

フジテレビ担当/M



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