「きのう何食べた？ season2」西島秀俊＆内野聖陽が演じる上で意識していることとは――「僕ら表現する側が深く捉えながら、さらりと表現できたら」2023/12/15

　テレ東系で毎週金曜に放送中のドラマ24「きのう何食べた？ season2」。西島秀俊さん演じる筧史朗（通称・シロさん）と、内野聖陽さん演じる矢吹賢二（通称・ケンジ）がお互いを思いやりながら暮らすさまに、見ていて癒やされる方も多いのではないでしょうか？

　12月8日放送の第10話では、ケンジの母・矢吹峰子（鷲尾真知子）から会いたいと言われ、東京・上野の老舗鰻店で会食をしたシロさん＆ケンジ。なぜ急にそのような展開になったのか理由が分からず、2人ともガチガチに緊張していましたが、実は、もしケンジが亡くなってしまった時に、事前にシロさんと面識があれば、家族として一緒にケンジを見送れると考えていることを明かした峰子でした。シロさんも、ケンジのことを身内同然だと思っていると答えつつ、「私の立場は、ご家族とは…」と口にすると、「他人でも、身内ってことはあると思うのよ」と返す峰子の深い愛に記者も号泣してしまいました。シロさんの母・筧久栄（梶芽衣子）とはまた違った愛の形で、どちらもすてきですよね。個人的に、2人の両親が絡んでくる回は神回になる可能性が高いように感じています（笑）。（シロさんの元カレ・伸彦〈及川光博〉が登場した第5話〈11月3日放送〉も泣けましたが…）。

　2019年4月放送のseason1のドラマから長年愛されている本シリーズですが、今回はダブル主演の西島さんと内野さんに、当時から変えないように意識している点についてお伺いしました。

――お二人が演じる上で、season1から続いて「これは変えないようにしよう」と考えられている部分はございますか？

内野　「本シリーズについて、視聴者の皆さんに世界観などを含め少しずつ認知してきていただいているので、これからも皆さんの心にすっと入っていくようなナチュラルな世界観で作れたらなと意識している部分は変わらないところですね。LGBTQというテーマを扱っていますけど、素直に普遍的なものを感じ取っていただけるようにするためには、僕ら表現する側が深く捉えながら、さらりと表現できたらという思いを変えたくないなと感じています」

西島　「内野さんや筧久栄役の梶芽衣子さんもお話されていて、season1からずっと皆でも確認していたことなのですが、どんなシーンでも“真剣にやる”ということを意識していましたね。真剣にやった結果、面白いコメディーなシーンになるのは構わないんですけど…っていう割に、めっちゃコメディーになっていたらどうしようって（笑）」

内野　「そうだよね（笑）。そういった思いとは別にすごくあざとくなっていたりしたら嫌なので」

西島　「盛り上がった場合はコメディーになりがちなんですよね（笑）。『このシーンは自由にやってください』と言われて、コメディーになっちゃう時もありますけど、基本的にはすごく真剣に、何かを狙うわけでもなく、自然な演技を…」

内野　「心掛けていましたね」

西島　「そう！　志しましょうって。で、結果的にそれがちょっと面白かったり、物悲しかったりということをやれたらというのは、時々確認していました」

内野　「そうでしたね」

　とてもすてきなこだわりを明かしてくれたお二人でした。作品を見ていて、LGBTQというテーマを扱っていても、そういったものを超えた相手への思いやりという普遍的な愛を感じられる理由が分かりましたね。また、西島さんたちが真剣に自然に演じられているからこその、クスッと笑えるシーンもとても魅力的です！

　本日放送の第11話では、シロさんと井上航（磯村勇斗）が、小日向大策（山本耕史）や富永（矢柴俊博）が所属するテニスサークルの試合を観戦。本当は富永家で食事会をする予定でしたが、富永のギックリ腰で中止となり、楽しみにしていた航はすねてしまいます。結局シロさんたちの家でパンケーキパーティーをすることになり…。また、ついに富永佳代子（田中美佐子）がずっと会いたかったケンジと、思いがけない場面で初対面を果たし!?　ジルベール（航）たちとのパンケーキパーティーも楽しみですが、佳代子さんとケンジの対面もどうなるのか、気になりますね。写真の時点でめちゃくちゃ面白そうですが…（笑）、第11話も乞うご期待です！