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生田俊平、「泥くささや自信のなさは強豪校に行っていたからこそ、出しやすい一面」――「下剋上球児」インタビュー2023/12/03

生田俊平、「泥くささや自信のなさは強豪校に行っていたからこそ、出しやすい一面」――「下剋上球児」インタビュー

 TBS系では連続ドラマ「下剋上球児」が放送中。鈴木亮平さんが「日曜劇場」枠で約2年ぶり2度目の主演を務め、高校野球を通して、現代社会の教育や地域、家族が抱える問題やさまざまな愛を描くドリームヒューマンエンターテインメントです。

 ここでは、野球の実力はあるが、マイペースで自由奔放な楡伸次郎を演じる生田俊平さんにインタビュー。出演にあたっての思いや役作りについてはもちろん、地元や現役時代のチームメートからの反響についても語っていただきました。

――初めに、ここまで演じてこられた感想をお聞かせください。

「最初に台本を読んだ時は、口数が少なくてちょっと怖いキャラクターだなと思っていたのですが、予想よりもかわいく映っていてよかったなと思っています。クランクイン当初はどのように演じるか迷っていたのですが、(監督の)塚原(あゆ子)さんがいい感じに演出してくださいました」

――塚原監督からは具体的にどのような演出がありましたか?

「序盤はあまりしゃべらないキャラクターなのですが、口数が少なすぎるのもどうだろうということで、台本から少しだけセリフを増やしていただいています。自由にお芝居させていただいて、アドリブも使っていただいています」

――以前、塚原監督が生田さんのお芝居について、“おなかから湧き出るようなお芝居をされる方”とおっしゃっていましたが、演じるにあたりどんなことを意識されていますか?

「その記事を読んだ時は飛び跳ねて喜びました! これまでのお芝居ではカメラに緊張していた部分もあるのですが、本作では楡の緊張しないマイペースな役柄に助けられたことが多いです。自分のやりたいことをやるとか、人とずれていてもいいという意識を持てたので、普段の自分に近い部分を出しやすくて。以前よりもカメラの前でも自然体なお芝居ができていると思います」

――楡の愛嬌(あいきょう)がすごく伝わってきていますし、第3話の「ultra soul」も最高でした!

「ありがとうございます! 実はあれも演出が決まったのは撮影の直前でした。最初は音楽を聴いてノリノリな様子を演じるだけだったのですが、動きだけだと何をしているか分からないので歌ってみようという流れに。塚原さんから『ultra soulとかどう?』と聞かれて、『いきます!』と言ってやってみたら一発OKで、スタッフさんも爆笑してくださっていました」

生田俊平、「泥くささや自信のなさは強豪校に行っていたからこそ、出しやすい一面」――「下剋上球児」インタビュー

――ちなみに、楡は鼻テープをつけていますが、どういった設定があるのでしょうか?

「あれは(小林)虎之介が考えたアイデアなんです。鈴木敦也さんが演じる藤本(大牙)先輩とビジュアルが似ているので、どこかで違いをつけようかという話し合いを進めていた時に、まさかの“細眉、金髪案”が出て…! それに決まりかけて個人的にはちょっとたじろいでいたのですが、そこで虎之介が鼻テープを提案してくれたんです。スタッフの皆さんも賛同してくださって、“細眉金髪”ビジュアルを回避しました。もちろん役作りのためならやりましたが、虎之介に唯一感謝していることです(笑)」

「ビデオ通話で祖母の友人10人くらいが『楡〜!』と手を振ってくれました」

生田俊平、「泥くささや自信のなさは強豪校に行っていたからこそ、出しやすい一面」――「下剋上球児」インタビュー

――ご自身が「日曜劇場」に出演している映像を見ていかがですが?

「実はまだあまり実感がないんです。両親や祖父母から電話が来て初めて本当に地上波連続ドラマに出ていると気付かされるというか。話数を重ねるごとに徐々に実感が湧くので、そのたびにうれしく思います」

――周りの方からの反響はいかがですか?

「出身地のつがる市の反響は特にすさまじくて、祖母がとても喜んでくれています! 誕生日にビデオ通話をしたら、祖母の友人が10人くらい映っていて『楡〜!』と手を振りながら言ってくれて。じーんとしました! 野球部のメンバーからもたくさん連絡が来て、学生寮で同じ部屋だった子が『マジでお前じゃん!』って。個人的には意外な反響だったのですが、どうやら何もかも現役の頃から変わっていないらしく、僕って楡なんだ…と思いました」

――そんな野球シーンの撮影で大変だったことはありますか?

「第4話でファーストライナーを実際に打たないといけないシーンがあったのですが、その試合の撮影が順調に進んでいたこともあって、すごくハードルが上がっていて大変でした。そのシーンはなんとか成功しましたが、みんなからの“楡なら打てるぞ!”というプレッシャーが掛かる中で、期待されるプレーで応えるのは難しいなと感じたシーンです」

――生田さんは野球の強豪校出身で甲子園出場の経験もありますが、そこで培ったことがお芝居に生きている実感はありますか?

「強豪校に所属はしていましたが、プロ野球選手になった同級生にはかなわなくて、ずっと自信がない高校生活をおくっていました。僕はプレーよりもチームの雰囲気をよくするために盛り上げることで、役に立っていた部分が大きかったなと。越山高校野球部とは境遇が違うところもありますが、泥くささやどこか自分に自信がない部分は強豪校に行っていたからこそ、出しやすい一面だと思います」

「もう俺たちはこれが終わったら会えないのかな」って…

――これまでも野球を題材にしたドラマに出演されているかと思いますが、越山高校野球部ならではのエピソードを教えてください。

「本作の共演者の皆さんの野球の成長具合も素晴らしくて、短期間でこんなにもうまくなるのかと尊敬しています。野球経験者として少しだけ教えることもあったので『できるようになってる!』と、つい親目線で思うことも。周りの成長が見られるのは今までと違うところですね。特に奥野(壮)くんは休み時間もずっとキャッチボールの腕の振りを練習していて、すごく頑張っています」

――球児キャストの皆さんから刺激を受けていることはありますか?

「日々刺激しかありません。同世代の方が多いですし、仮面ライダーや戦隊ドラマに出演経験がある奥野くん、伊藤あさひくん、兵頭功海くんの3人は芸歴も僕より長いですし、スタッフさんに対しての礼儀もしっかりしているなと思いながら見ています。アドリブ部分も自由にお芝居していて、それに僕たちが引っ張っていってもらっている感覚があります」

――同期となる球児たちとのエピソードを教えてください。

「正直、半年以上一緒にいるので、どこかで仲が悪くなるタイミングがあるのではないかと思っていました。俳優にはそれぞれ色や個性がありますし、僕はちょっと卑屈なところがあるので、イケメンは少しくらい性格悪くあれと思ってしまうんです。でも兵頭くんや(中沢)元紀の性格の良さを見ていると、そこくらいは譲ってくれよ…と思ってしまうくらい優しい人たちで。神は二物も三物も与えているようで悔しいです(笑)」

――その6人で3年間の月日をお芝居で描いていますが、仲が深まった感覚はありますか?

「1年生6人で一緒に帰るシーンの撮影では現実と重なって『もう俺たちはこれが終わったら会えないのかな』と、作品が終わってしまう寂しさと、負けたら終わりという高校野球ならではの感情がリンクして、寂しい気持ちになりました。そのシーンは6人ともすごくいい表情をしていると思うので、期待していてほしいです」

――南雲脩司を演じる鈴木さんと共演されて印象に残っているシーンを教えてください。

「第6話以降、楡のセリフが増えてきます。亮平さんとの2人きりのシーンで、塚原さんから『もっと自分に寄せていいよ』と言っていただけたのですが、少しやりすぎてしまって楡ではなくなってしまった瞬間がありました。その時に亮平さんが『セリフが面白いから、もう少し引いてお芝居するだけで大丈夫だよ』と言ってくださって、OKをもらえた際には肩をポンポンたたいてくださいました。ちょっとしたことかもしれませんがうれしかったですし、もっと頑張ろうとモチベーションが上がりました」

――山住香南子役の黒木華さんはいかがですか?

「華さんにはちょっとまだ緊張してしまいます。目が合うとほほ笑んでくれるのですが、キュンとしてニヤけてしまって…(笑)。お芝居ではどんなアドリブも拾ってくれます。セリフとアドリブの境目がなくて、ずっと山住先生として現場にいらっしゃるのがすごいなと思います」

――お二人のお芝居を見て、ご自身の演技に取り入れたいと思ったことはありますか?

「お芝居を固めすぎないことは大切だなと思いました。お芝居も究極は人と人のコミュニーケーションなので、相手の言動から自然と出る反応であるべきだなと。今まではどこか考えて演じていた部分もあったのですが、亮平さんと華さんは考えながらも、現場では臨機応変に対応していらっしゃったので、それを間近で見ることができたのは、これからの作品にも生きていくことなのではないかなと思います」

――特にアドリブですごいと思ったシーンはありますか?

「小林虎之介くんが演じる(日沖)壮磨とのけんかシーンの撮影では、華さんが毎回違うお芝居で仲裁しにきてくださって、テークを重ねるごとにお芝居が盛り上がりました。球児たちもどんどん声が大きくなり、最終的に虎之介には『デブ!』って言われて、華さんが『そんなこと言わないの!』って(笑)。けんかシーンなのに笑いが絶えない撮影でしたし、黒木さんの球児たちへの愛を感じるシーンとなりました」

球児たちの活躍が、新井プロデューサーや塚原監督への恩返しになる

生田俊平、「泥くささや自信のなさは強豪校に行っていたからこそ、出しやすい一面」――「下剋上球児」インタビュー

――本作の撮影を経て成長したと思えていることはありますか?

「お芝居は大きく成長させてもらっていると思います。オーディションでも野球実技はそこまで心配していなくて、経験の浅いお芝居についてたくさん考える時間が多かったです。楡の一見マイナスに見える一面をどう演じようか迷っていたのですが、塚原さんも球児のみんなも『めちゃくちゃいいよ!』と言ってくれるので、少しだけ自信が持てました。現場を楽しめているのは今までになかった感情ですし、これからも俳優として頑張っていきたいとあらためて思えました」

――本作がご自身の俳優人生にとってどうなってほしいという期待を込めていますか?

「本作の球児たちが僕も含めてみんな活躍できたら『あの作品はすごいメンバーがそろっていたんだ!』と思ってもらえるでしょうし、それが新井順子プロデューサーや塚原さんへの恩返しになると思っています。ここで止まらずに頑張っていきたいです!」

――では、最後に第8話の見どころをお願いいたします。

「終盤に近づくにつれて、視聴者の皆さんもそれぞれのキャラクターを分かってくださると思います。チームの輪や個人の成長をお芝居の変化で見せられるようにみんながこだわっていますし、最終話に向けて感情移入できるように仕上がっていると思うので、南雲監督や山住先生と一緒に、球児たちがどのように下剋上していくのか注目していただきたいです。楡は、第7話でコンタクトつけてから“覚醒・楡”になり、今まで閉じこもっていた楡がプレーも含めて和むような協調性が出てきます。そういった変化も楽しんでいただけたらうれしいです」

【プロフィール】

生田俊平(いくた しゅんぺい)
1998年4月3日生まれ。青森県出身。青森山田高校の野球部に所属し、現役時代には甲子園出場も経験。主な出演作品は、「ドラフトキング」(WOWWOW)で桂木康生役、「ふたりの背番号4」(朝日放送テレビ)で佐々木俊役などを務めた。

【番組情報】

「下剋上球児」
TBS系
日曜 午後9:00〜9:54

文/TBS担当 松村有咲



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