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「下剋上球児」球児キャストの中沢元紀、兵頭功海、菅生新樹、奥野壮を直撃! 主演・鈴木亮平“先生”とのエピソードも2023/10/13

「下剋上球児」球児キャストの中沢元紀、兵頭功海、菅生新樹、奥野壮を直撃! 主演・鈴木亮平“先生”とのエピソードも

 TBS系では、10月15日から連続ドラマ「下剋上球児」がスタート。鈴木亮平が約2年ぶり2度目の「日曜劇場」で主演を務め、高校野球を通して、現代社会の教育や地域、家族が抱える問題やさまざまな愛を描くドリームヒューマンエンターテインメントです。

 ここでは、半年間におよぶオーディションで見事選ばれた球児キャストの、中沢元紀さん、兵頭功海さん、菅生新樹さん、奥野壮さんのインタビューをお届け。オーディションの裏話や、“忘れられない夏”となった試合シーンのエピソードについて語っていただきました。

――初めに、皆さんの役柄について教えてください。

中沢 「僕が演じる犬塚翔は、小日向さんが演じる地元の大地主の孫。小さい頃からピッチャーをやっていた役柄で野球はとてもうまいのですが、勉強ができないという一面があります。翔は繊細な心を持っていて、割と感情が左右するタイプ。内に秘めている熱さは越山高校の中で一番なのではないかと思っています」

兵頭 「僕は1年生の根室知廣を演じます。根室は引っ込み思案な性格で、緊張しておなかが痛くなってしまい受験に失敗してしまうほど気弱な少年。監督の塚原(あゆ子)さんには、『根室は何かを頑張りたくても、お金や人との出会いなど、何かが一つだけ恵まれてこなかった男の子。そんな彼が南雲脩司(鈴木亮平)と出会ったことによって変わっていく様子を見せたい』と言っていただきました。僕にも思い当たる経験がありますし、視聴者の皆さんにも共感してもらいやすい役柄だと思います」

菅生 「僕が演じる3年生キャプテン・日沖誠は愛にあふれている人です。野球に対しても人に対しても同じで、いつもみんなと一緒に野球をしたいという気持ちで行動しています。キャプテンを務めていますが、野球は上手ではないのでスター選手とは言えないのですが、どこかついていきたいと思ってもらえるキャプテンだと思います」

奥野 「僕が演じるのは2年生の野原舜。先生にもタメ口を使ってしまうような役柄で、新しく入ってきた1年生にいちゃもんをつけるやんちゃなところがあります。野球も本当に真面目に取り組んでいるのか分からない一面もあるので、そんな野原がどのように成長していくかも楽しんでいただけたらうれしいです」

「下剋上球児」球児キャストの中沢元紀、兵頭功海、菅生新樹、奥野壮を直撃! 主演・鈴木亮平“先生”とのエピソードも

――オーディションで印象に残っていることをお聞かせください。

中沢 「こういった大規模なオーディションに参加したのは初めてでした。演技の審査に加えて野球の実技審査のための練習もあり、同世代の俳優さんともたくさん交流することができました。中学時代は野球部だったので、大人数で野球をやること自体が久しぶりで印象に残っています」

兵頭 「僕は最後の合格発表が一番印象に残っています。今いるメンバー全員が最後の審査に呼ばれていて、この中で誰が落ちるか…みたいな発表の仕方の中だったのですが、僕は最後まで取り残されていたので一度は落ちた感覚になっていました。その後『実は全員合格です』と言われて、感情が追いつかなくて…。その時に見た景色は鮮明に覚えています」

菅生 「僕は野球経験がない上に実技のオーディションをやったことがなかったのですが、ある意味審査とは思わずに楽しみながら臨めたと思います。今までのオーディションとは違って、とにかく男たちと戯れていた感覚。もちろん緊張はあったのですが、純粋に野球を楽しめました」

奥野 「僕も野球経験はないのですが、父は野球が好きなので『野球をやれ』と言われて続けてきました。これまでずっと避けてきたのですが、今回のオーディションにあたって、初めて父に『野球を教えてください』とお願いしたら、『よし、やってやるよ!』と、とてもうれしそうな笑顔で言ってくれたのが印象的でした。少し親孝行ができたかなと思っています」

「下剋上球児」球児キャストの中沢元紀、兵頭功海、菅生新樹、奥野壮を直撃! 主演・鈴木亮平“先生”とのエピソードも

――高校球児を演じるにあたり、準備したことはありますか?

中沢 「僕はピッチャー役なので、マウンドに立つ姿に説得力が出るように、クランクイン前に野球の映像資料をいただき、マウンドでのしぐさを参考にさせていただきました。また、高校生という思春期で感受性が豊かな年頃なので、現場でほかのキャストの皆さんと話す中で感じたものを大事にしながら、素直さを大切に演じています」

兵頭 「高校球児役を演じるとなると、普通は鍛えて体を大きくしなきゃと考えると思うのですが、根室は逆に細いままの方がいいと思って準備していました。最初の根室は球速があまり速くない設定なので、野球経験が前面に出ないようにセーブしてプレーしています」

菅生 「野球に情熱的な日沖を表現するために、みんなより少しでも黒くなっていたいなと思って、外で練習をする時に日焼け止めを塗らずに積極的に肌を焼いていました。純粋に楽しく野球をやっている姿は意識して、泥臭い一面などは意識し過ぎないように演じています。クランクイン前には高校球児のことを知ろうと思い、今年の甲子園も含めたくさんの動画を見ました」

奥野 「僕は父の鬼ノックを受けながら練習してきました。それが一番オーディションの役に立ったと思います。もちろん最初はついていくことができず、エラーしまくってめちゃくちゃ怒られましたね(笑)」

――鈴木さんや黒木華さんら先輩方との共演で勉強になったことはありますか?

菅生 「鈴木さんが『このシーン、球児たちはこういう感じでいいのでしょうか?』と、僕らが気付いていないことを目の前で代わりに監督に聞いてくださることがあって、それを聞いてみんなで認識を統一して撮影に挑むことができました。自分のお芝居だけでなく、僕たちのまとまりまで考えてくださっていて、本当に先生のようでいろいろ教えていただいています」

兵頭 「鈴木さんは撮影前に、『今日俺が会いに来ているのはこういうことがあったから。根室にこういうことを伝えたかったんだと思う』と、台本に書かれていない部分のイメージを話してくださいます。背景の出来事まで細かく考えていらっしゃることに感動しましたし、一つ一つこだわった上で、あのナチュラルなお芝居をされているのかと驚きました」

奥野 「鈴木さんに限らず、皆さんのお芝居の説得力がすごいです。こちらが納得させられるようなセリフの出し方を目の当たりにして、僕たちはいつになったらこうなれるんだろうと、遠い存在に感じることもあります」

中沢 「本作ではテスト中もカメラを回していることもあって、この前はテストだけでOKになったシーンがありました。その時にスタッフさんが『黒木さんは大丈夫ですか?』と聞くと、『私はいつも100%でやっているので大丈夫です!』と何げなく答えていらっしゃって」

一同 「めちゃくちゃかっこいい!」

中沢 「役者として当たり前の心掛けではありますが、経験値をたくさん積んでいる方からあらためて聞くその言葉の力が大きくて、とても印象に残っています」

「下剋上球児」球児キャストの中沢元紀、兵頭功海、菅生新樹、奥野壮を直撃! 主演・鈴木亮平“先生”とのエピソードも

――本作の監督を務める塚原さんとの印象的なやりとりがあれば教えてください。

奥野 「球児役の全員が塚原さんのことが大好きです! 塚原さんは、なるべく自由にお芝居してくださいというスタンスなので、演出の際も『こう思うんだけどどうですか?』と投げ掛けて、僕たちに選択肢を与えてくださいます。塚原さんが現場で僕たちの方に話し掛けに来てくださるたびに、何を話してくれるんだろうとワクワクしますね」

兵頭 「塚原さんは全体を見ながらそれぞれの役のことを考えていているのに、僕らよりも役について分かっているのではないかなと思うほど、自分では考えてもいなかったようなことについてヒントをくださいます。また、本作はセットの細部までこだわられているのですが、それが実際に映像として映った時に塚原さんが担当スタッフさんの名前を呼んで、『このセットのここ素晴らしい!』と絶賛することもしばしば。とてもリスペクトフルな現場になっています」

菅生 「僕たちなんていろいろ考えているつもりでも、まだまだ自分で考えられることも少ない中で、塚原さんはそんな僕らのいいところを少しでも引き出そうとしてくださるんです。僕たちが想像しやすいように演出してくださるし、一緒にキャラクターを模索してくださるのがうれしいです。本作の撮影を通して成長させていただいている実感があります」

中沢 「撮影中、自分では意識しているつもりがなくてもどこか撮られているという意識が働いてしまうことがあり、表情や動きが硬くなることがあります。塚原さんはそんな時にもダッシュで僕のところまで来てくださって、『こうやって話している時の表情の方がすてきだよ!』と声を掛けてくれます。そういった緊張のほぐし方や、的確な声掛けで1回リセットして撮影に臨めるので、とても助けられています」

「下剋上球児」球児キャストの中沢元紀、兵頭功海、菅生新樹、奥野壮を直撃! 主演・鈴木亮平“先生”とのエピソードも

――では最後に、本作ならではだと思う撮影でのエピソードを教えてください。

菅生 「学校でのロケということもあり、鈴木さん、黒木さんをはじめとした大先輩方が僕たちと同じ空間でご飯を食べていらっしゃるのが不思議な感覚です。鈴木さんとは外のベンチで一緒に座りながらご飯を食べることもあり、そういった瞬間は本当に先生と生徒そのものになっています。いい意味で距離が近くなっているのが、この現場ならではだなと」

奥野 「そうだよね。鈴木さんが控室でノックの練習をされることがあるのですが、たまに僕たちのところに来て『今ノックやっているけど、打ってみる?』と誘ってくださって、一緒に練習することもあります。『このノックであの的に当てたら景品渡します!』とゲーム形式にしながら現場を温めてくださっています」

中沢 「撮影方法も特殊で、長回しが多い作品です。僕らが自由に考えてアドリブでお芝居させてもらうのが大半で、カメラもテストから回っています。もちろん本番撮影もあるのですが、どこが放送で使われるかは僕たちも分からない状態。準備中からカメラを回すこともあり、その時の方がいい表情をしていることもあります」

兵頭 「本当に僕らがただ一生懸命野球をやっているところを撮っていただいている感覚なので、ドラマの撮影という感じがしないくらいです。実際の部活みたいに、朝、グラウンドに集まって準備運動をして、野球をやって。ロケ先の学校のプールにシャワーがあるので、撮影が終わるとそのままシャワーに直行して着替えて帰るという毎日。この年になって学生のような無邪気な時間を過ごすことはなかなかないことなので、この夏は一生忘れないだろうなと思っています!」

「下剋上球児」球児キャストの中沢元紀、兵頭功海、菅生新樹、奥野壮を直撃! 主演・鈴木亮平“先生”とのエピソードも

【プロフィール】

中沢元紀(なかざわ もとき) 
2000年2月20日生まれ。茨城県出身。主な出演作は、連続ドラマ「ナンバMG5」(フジテレビ系)、「埼玉のホスト」(TBSほか)、Netflixオリジナルシリーズ「First Live 初恋」、「早朝始発の殺風景」(WOWOW)。映画「沈黙の艦隊」と「さよならモノトーン」が公開中。

兵頭功海(ひょうどう かつみ) 
1998年4月15日生まれ。福岡県出身。主な出演作は、「CODEー願いの代償ー」(日本テレビ系)、「騎士竜戦隊リュウソウジャー」(テレビ朝日系)、「ドラフトキング」「ドロップ」(WOWOW)。映画「消せない記憶」(2023年)では映画初主演を務めた。

菅生新樹(すごう あらき) 
1999年8月26日生まれ。大阪府出身。主な出演作は、「初恋の悪魔」(日本テレビ系)、「トップギフト」(LINE NEWS VISION)、初主演ドラマ「凋落ゲーム」(フジテレビ系)、「褒めるひと褒められるひと」(NHK総合)、「なれの果ての僕ら」(テレビ東京系)。秦基博の楽曲から着想を得て制作された映画「イカロス 片羽の街」の「豚知気人生」でも主演を務めた。

奥野壮(おくの そう) 
2000年8月21日生まれ。大阪府出身。「仮面ライダージオウ」(テレビ朝日系)で俳優デビュー。主な出演作は、映画「私がモテてどうすんだ」(20年)、Huluオリジナル配信ドラマ「悪魔とラブソング」、「風の向こうへ駆け抜けろ」(NHK総合)、「恋に無駄口」(ABC/テレビ朝日)、「女子高生、僧になる。」(MBS)。

【番組情報】

「下剋上球児」 
TBS系 
10月15日スタート 
日曜 午後9:00〜9:54(初回は午後9:00~10:19)

TBS担当/松村有咲



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