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中山翔貴、「役としてまた甲子園を目指すことができることはすごくうれしい」――「下剋上球児」インタビュー2023/11/24

中山翔貴、「役としてまた甲子園を目指すことができることはすごくうれしい」――「下剋上球児」インタビュー

 TBS系では連続ドラマ「下剋上球児」が放送中。鈴木亮平さんが「日曜劇場」枠で約2年ぶり2度目の主演を務め、高校野球を通して、現代社会の教育や地域、家族が抱える問題やさまざまな愛を描くドリームヒューマンエンターテインメントです。

 ここでは、第7話から登場する新1年生・阪大輔を演じる中山翔貴さんにインタビュー。出演にあたっての思いや役作りについてはもちろん、中山さんもアイデアを出したという野球シーンの作り上げ方についても語っていただきました。

中山翔貴、「役としてまた甲子園を目指すことができることはすごくうれしい」――「下剋上球児」インタビュー

――オーディションを経て出演が決まった際のお気持ちをお聞かせください。

「オーディションの書類を出す前から野球の作品ということを聞いていたので、もともと野球をやっていた身として“絶対に取らなきゃいけない!”と思って臨みました。オーディション期間が長かったこともあり、ホッとしたっていうのが最初の思いです」

――出演が決まってからの反響はいかがですか?

「放送を見て家族から面白いと言ってもらえていますし、学生時代の元野球部のメンバーが本当に盛り上がってくれています。今まで関わった先輩、後輩、同級生も見てくれているみたいで、それがとてもうれしくて。高校や大学時代の監督も見てくれているようなので、そういう意味でも恥ずかしいプレーはできないなと感じています」

――特に印象的だったメッセージはありますか?

「第1話でも映っている円陣シーンでめちゃくちゃ大きい声で返事をしているのですが、高校のチームメートから『声で一発で分かる。現役の時の返事と一緒じゃん!』と言われました」

――オーディション中で印象に残っているエピソードはありますか?

「野球の実技審査で140kmの投球をすることができて、“これはすごいぞ!”と自分でも驚き、さすがにこれは速さで一番になるだろうと思っていたら、次に投げた(根室知廣を演じる)兵頭功海くんが142kmを出したんです。『超えてくるんかい!』と驚いて、思わず大声を出しました(笑)」

――その際の兵頭さんの様子はいかがでしたか?

「実力をひけらかすわけでもなく、ひょうひょうとしながら『なんか出ちゃった!』と言っていました。以前にも共演経験もあって仲がいいのですが、まだ知らなかった彼の実力を知って驚きました」

――同世代の俳優の方々との共演で刺激を受けることはありますか?

「それこそ兵頭くんはピッチャー役で一緒にオーディションを受けていたので、すごいお芝居をしているなと思いながら放送を見ています。兵頭くんに限らず、先輩後輩と一緒にお芝居できること自体が刺激的で楽しいです。オーディションのおかげで本当のチームが出来上がっているので、部活時代に戻った感覚でいろいろ思い出しながら撮影しています」

中山翔貴、「役としてまた甲子園を目指すことができることはすごくうれしい」――「下剋上球児」インタビュー

――チームの中で一緒に過ごす時間が多いのはどなたですか?

「同じ1年生役で登場する、三鬼まさる役の青山俊雄くんです。同じシーン撮影が多いので必然的にずっと一緒にいますし、お芝居の話をすることも多いです」

――どんな会話をされるのでしょうか?

「小学校から一緒のチームでバッテリーを組んでいた仲がよい関係設定なので、2人のあうんの呼吸をうまく表現できたらいいねという話をしました。青山くんがたくさんしゃべるタイプなので、そこまで意識せずとも呼吸は合わせられていると思います。今ではプライベートでもご飯も一緒に食べに行くくらいです!」

――現場での鈴木さんはどんな印象ですか?

「鈴木さんはいい意味で距離感が近くて、球児たちがお芝居のことを質問しやすい空気感を作ってくださっています。逆に野球に関してはあまり詳しくないとのことで、鈴木さんから野球経験者のメンバーに『これはどう?』と聞いてくださって、コミュニケーションもたくさん取れています。本当に先生みたいな存在なので、南雲(脩司)先生なのか鈴木さんなのか分からなくなるくらいです」

――鈴木さんとはどのようなコミュニケーションがありましたか?

「ある日の撮影でアドリブを入れることになり、正解が分からず遠慮がちになっていたら、亮平さんが『それ使えるから、もっと大きい声でやっていいよ』と背中を押してくれました。鈴木さんにそう言われたことで、安心感を持ってお芝居することができました」

中山翔貴、「役としてまた甲子園を目指すことができることはすごくうれしい」――「下剋上球児」インタビュー

「球児たちの実体験を反映してくださるからこそ、リアルな野球シーンが描けていると思います」

中山翔貴、「役としてまた甲子園を目指すことができることはすごくうれしい」――「下剋上球児」インタビュー

――役柄との共通点はありますか?

「野球が好きということはもちろん一緒ですし、明るくて無邪気なところは似ていると思います」

――塚原あゆ子監督からはどんなリクエストがありましたか?

「新しく入ってくる1年生なので、若々しさを表現してほしいと言われました。ほかにも、野球の経験は豊富だから、野球シーンで気になるところがあったら教えてほしいと言ってくださっていて、コミュニケーションを取りながら演じさせていただいています」

――野球のことでご自身が提案されたことがあれば教えてください。

「根室は最初サイドスローの選手なのですが、第6話では南雲先生のアドバイスを受けてオーバースローに挑戦します。実は僕も何度か投球スタイルを変えたことがあったので、どういうふうに声を掛けたらつじつまが合うかを聞かれました。その時は兵頭くんと、塚原さんと、新井順子プロデューサーと、脚本の奥寺佐渡子さんが集まって僕の経験を聞いてくださいました。そうやって球児たちの実体験を反映してくださるからこそ、リアルな野球シーンが描けているのだと思います」

――これまで撮影で特に楽しかった野球シーンはありますか?

「第1話の冒頭で出てくる決勝のシーンです。あの時は何千人というエキストラの皆さんや、ブラスバンド部にも来ていただきました。応援が鳴り響く中で野球をするのに憧れて高校野球をやっていたので、夢みたいな環境で野球をやらせていただけて本当にテンションが上がりました」

――今後の野球シーン撮影のために準備していることはありますか?

「これから投球シーンをたくさん撮っていくのですが、犬塚翔役の中沢元紀くんから『ストライクはしっかり取らないとやばいよ』と事前に教えてもらいました。阪はアンダースローのピッチャーで投球がかなり難しいので、感覚を取り戻すために弟にも付き合ってもらいながらたくさん練習しています」

――登場話で注目してほしいポイントはありますか?

「登場シーンから“やる気があるやつが入ってきたぞ!”と分かる発言がるあるので、そこでチームに新しい風が吹き出すのを表現できていたらいいなと思います。中学3年生のシーンの描写では、甲子園に行きたいという野球への熱い思いを持ったあどけなさが残る少年を演じています。阪がどのような経緯で入部するのか、ぜひ注目していただきたいです」

中山翔貴、「役としてまた甲子園を目指すことができることはすごくうれしい」――「下剋上球児」インタビュー

本来ならもう二度と味わえない青春を俳優としてもう一度…

中山翔貴、「役としてまた甲子園を目指すことができることはすごくうれしい」――「下剋上球児」インタビュー

――2022年に俳優デビューされてから約1年となりますが、これまでの活動を振り返ってみていかがですか?

「めちゃくちゃ楽しめています! 特に本作では、今では絶対にできないことを役としてできる幸せを感じています。僕は現役の時に甲子園に行くことができなかったので、役としてまた甲子園を目指すことができることはすごくうれしいです。本来ならもう二度とその青春は味わえませんから、こんなすてきな仕事はほかにないと思っています。自分の知らない感情を役を通して知ることができていますし、すべてが新鮮で刺激的で楽しい日々を送れています」

――お芝居の技術はどのように積み重ねている感覚がありますか?

「映画『沈黙の艦隊』で玉木宏さんや水川あさみさんと共演させていただいて、先輩方が自分のお芝居をすごく客観的に見ていることが分かりました。だからこそ出てくるアドリブが自然で、役としての言葉になるのだなと。台本を読み込む時も、セリフを覚えるだけではなく、シーンを少しでもよくするためにどうすればいいのかを考えているから、いろいろなアイデアも出てくるのだろうと思います。そういった先輩方の姿を現場で見させていただきながら少しずつ吸収しています」

中山翔貴、「役としてまた甲子園を目指すことができることはすごくうれしい」――「下剋上球児」インタビュー

――今後、俳優として出てみたい作品はありますか?

「一番やってみたいのはアクション作品です。実は昔から『クローズ』シリーズの小栗旬さんが大好きで、何回も見直しています。運動はできる方だと思うので、特技を生かすためにもいつか挑戦してみたいなと。もともと格闘技の試合を見るのが好きなので、ボクサー役などにも憧れています」

――今から練習されていることはありますか?

「ここ数年キックボクシングのジムに通っていて、少しずつ動けるように練習しています。近いうちにアクション教室にも通い始めたいなと思っています!」

――では、最後に今後の見どころをお願いいたします。

「部員が1人しかいなかった野球部がどんどん強くなっていく中で、監督をはじめとした周りの大人たちが成長していく人間ドラマが本作の一番の魅力だと思います。野球を通してのそれぞれの変化にぜひ注目してください。僕は新1年生として第7話から入部します。越山高校野球部に新しい風を吹かせられるように頑張るので、応援していただけたらうれしいです!」

【プロフィール】

中山翔貴、「役としてまた甲子園を目指すことができることはすごくうれしい」――「下剋上球児」インタビュー

中山翔貴(なかやま しょうき)
1999年3月18日生まれ。東京都出身。ドラマ「しろめし修行僧」(テレビ東京ほか)で俳優デビュー。主な出演作は、ドラマ「闇金ウシジマくん外伝闇金サイハラさん」(TBSほか)、「ケイジとケンジ、時々ハンジ。」(テレビ朝日系)。映画「沈黙の艦隊」(2023年)と、「うかうかと終焉」(2023年)が公開中。

【番組情報】

「下剋上球児」
TBS系
日曜 午後9:00〜9:54

文/TBS担当 松村有咲



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