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「らんまん」制作統括が語る、今後の見どころと万太郎を取り巻くキャストの魅力とは?2023/05/12

「らんまん」制作統括が語る、今後の見どころと万太郎を取り巻くキャストの魅力とは?

 NHK総合ほかで放送中の連続テレビ小説「らんまん」。本作は植物学者・牧野富太郎をモデルに神木隆之介さん演じる槙野万太郎が、幕末から明治、大正、昭和と四つの激動の時代を植物学者としていちずに突き進んでいく、波瀾(はらん)万丈の人生を描いた物語です。

 万太郎(神木)は博物館で働く野田基善(田辺誠一)からの紹介状を手に憧れの東京大学植物学教室へ向かい、青長屋と呼ばれる校舎へ足を踏み入れる。そこで行われていた最先端の植物研究を目の当たりにして興奮する万太郎は、教授の田邊彰久(要潤)に「土佐植物目録」を見せ大学への出入りを懇願するが、小学校中退だと知った助教授の徳永政市(田中哲司)らに反対される。教室内に不穏な空気が流れる中、田邊と意気投合した万太郎は教室への立ち入りを許可される。翌日、教室への差し入れを買おうと立ち寄った白梅堂で、万太郎は西村寿恵子(浜辺美波)に好きな植物を尋ね「ボタン」だと告げられ…。

「らんまん」制作統括が語る、今後の見どころと万太郎を取り巻くキャストの魅力とは?

 東京編を前に行われた取材会で、制作統括の松川博敬さんが東京編の見どころやキャストの魅力について語ってくれました。

 収録が進み、あらためて感じた神木さんの魅力について「とても楽しそうに現場を盛り上げていて、彼の近くにいたら面白いことが起きそうと思わせてくれる印象があります。ハードな撮影スケジュールでも常に笑顔で、現場を和ませてくれる、それを見て皆頑張っています。人を引き付ける魅力が牧野富太郎さんと通じるところがあるんじゃないかと思っています」と絶賛。

 続けてヒロイン・寿恵子を演じる浜辺さんに関しては「年齢より大人っぽく、懐が深く底知れぬ魅力を感じます。年下の寿恵子として、神木さんのお芝居を受けて立てる女優は彼女以外考えられないと思っています。オタク気質な万太郎くんと同じように、文学にハマっている寿恵子さんの癖の強さとかわいらしさをうまく表現してくださっています」と語ってくれました。

「らんまん」制作統括が語る、今後の見どころと万太郎を取り巻くキャストの魅力とは?

 高知編までは万太郎の従者として、東京編では親友として万太郎を支える竹雄。「高知編では主従関係としては、万太郎に夢を諦めてもらわないと自分たちが生活できない。しかし、万太郎の友人としては夢を支援したいというジレンマに苦しんでいました。東京編では主従関係がなくなり相棒として万太郎を支えていくのですが、今度は自分がいないと生きていけない存在だと思っていた万太郎くんがたくましくなっていって、自分がいなくても生きていけるのではという寂しさを感じる。相変わらず悩みが尽きない青年です」と役柄を説明。

 その竹雄を演じる志尊淳さんについては「志尊さんはNHKで以前出演していた『半分、青い。』や『女子的生活』のイメージが強かったんですけど、『らんまん』では青年らしいたくましさを表現してくれています。以前、神木さんが志尊くんの存在がすごく支えになっていると答えていたんですが、志尊さんも30歳を迎える神木くんの大事な1年をサポートしたいという気持ちで作品に参加してくださっているので、リアルな友情がそのままドラマに投影されているなと感じています」と裏舞台でも神木さんを支える志尊さんの友情を目の当たりにしていると言います。

 また、高知編でのヒロインという万太郎の姉・槙野綾を演じるのは佐久間由衣さん。「佐久間さんは東京で暮らすヒロインの寿恵子さんとは対照的な、古いしきたりにとらわれながらも自分の道を進んでいく高知の娘を魅力的に演じてくださりました」と伝え、5週目の「『未来永劫(えいごう)、女はケガレちゅうと言われ続けるがか?』と言うシーンは見ていて本当に感動しました」とその表現を称賛します。

「らんまん」制作統括が語る、今後の見どころと万太郎を取り巻くキャストの魅力とは?

 モデルについて謎が多い綾ですが、「参考にした方が2人いまして、まず1人目に坂本龍馬のお姉さんである乙女さん。そして富太郎さんのいとこの猶さんになります」と明かします。「猶さんは富太郎さんのいいなずけで、実際に婚姻関係にあった可能性があります。その存在をなきものにしたくないと、脚本の長田育恵さんのアイデアできょうだいとして育ってきた2人は実はいとこで、急に結婚しろと言われても心がついていかないというお話になりました。お話をいただいた際はすごいアイデアだと感じました」と制作の裏側を語ります。

 もう一つ、高知編では自由民権運動に参加する万太郎の姿も印象的。「自由民権運動に富太郎さんが参加していたというのも事実で、実際に逮捕されたということもあったようです。そこからヒントをいただいて、長田さんが『草木に雑草という草はない』という富太郎さんの有名な言葉をうまくリンクさせてくださりました」と工夫がちりばめられていた様子。

 そして気になるのが今後の万太郎と寿恵子の展開ですが、「今後、寿恵子さんを見初めたお金持ちで権力も持っている実業家のライバル・高藤雅修(伊礼彼方)が出てきます。一方、万太郎くんは寿恵子さんが好きなんだけど、一人前にならない限り彼女を迎えに行けないと、一生懸命に植物学者を目指して頑張っていきます」とヒントもちらり。

「らんまん」制作統括が語る、今後の見どころと万太郎を取り巻くキャストの魅力とは?

 怒濤(どとう)の勢いで高知編を駆け抜けた「らんまん」に、視聴者からは「序盤からこんなに頑張っていて息切れしないの?」という声があったそうで、「制作状況がよく分かってらっしゃるなと感心しました。『らんまん』では第5週まででしっかり視聴者の心をつかもうと勝負をかけていたので、やりたいことを全部やると気合を入れていました。そこがきちんと伝わってくれていたのはうれしいです」と感謝。

 今後の注目ポイントは「東京編ではいろいろな人たちと接することで、多くの経験をして一直線に植物学という夢に向かってまい進する青春物語と、寿恵子さんとの恋愛模様の二つが見どころです」という松川さん。「高知編では造り酒屋の御曹司として王子様のように守られてきた万太郎が、実家の家業を犠牲にして、植物学の道に進んでいいのか悩んでいました。東京編では浜辺さん演じる寿恵子が本格的に物語に関わってくるほか、万太郎の下宿先の長屋の面々など個性豊かな人たちが登場します。その中でも万太郎の大きな壁として立ちふさがる、要潤さんが演じる植物学教室の田邊教授との対決に注目してください」とアピール。

 最後に、今後のストーリーについて「富太郎さんの史実をトレースしながら面白いところをピックアップして物語を広げていっているんですけど、10週目の石版印刷工場で働き修業して、東大植物学教室の面々とともに植物学雑誌を作っていこうという話は藤子不二雄Aさんの『まんが道』や、以前に神木さんが出演した映画『バクマン。』のような雰囲気で青春時代の熱気を描いていこうと思っています」と熱く語って締めくくりました。

 高知を出て東京にやって来た万太郎と竹雄はどうなっていくのか。寿恵子との恋路や植物学教室で奮闘する万太郎の様子など気になる展開がめじろ押しの連続テレビ小説「らんまん」をぜひご覧ください。

第31話あらすじ

 寿恵子は叔母のみえ(宮澤エマ)から、鹿鳴館の開館に向けてダンスを習わないかと誘われる。反対する母・まつ(牧瀬里穂)をよそに、寿恵子はまだ見ぬ世界に憧れを抱く。一方、万太郎は東京大学に行く準備を進めていて…。

【番組情報】

連続テレビ小説「らんまん」
NHK総合
月曜~土曜 午前8:00~8:15ほか ※土曜は一週間の振り返り
NHK BSプレミアム・BS4K
月曜~金曜 午前7:30~7:45ほか

NHK担当 S・A



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