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神木隆之介「皆さんの日常のすぐそばに溶け込んでほしい」。植物学者・槙野万太郎として明治の世を天真“らんまん”に駆け抜ける2023/04/01

神木隆之介「皆さんの日常のすぐそばに溶け込んでほしい」。植物学者・槙野万太郎として明治の世を天真“らんまん”に駆け抜ける

 神木隆之介さんが主演を務める連続テレビ小説「らんまん」(NHK総合ほか)が、4月3日から放送が開始されます。神木さん演じる槙野万太郎が幕末から明治、そして大正・昭和と激動の時代の中で好きなもののためにいちずに突き進む姿を描きます。

 高知で酒造業を営む商家の一人息子として生まれた万太郎(神木)は、明るい性格だが虚弱な子ども。なぜか植物のことが好きで、集中すると周りのことも目に入らなくなってしまうほど。そんな万太郎を大人たちは不思議な子どもだと思っていますが、母親のヒサ(広末涼子)は、万太郎に穏やかな愛情を注いでいました。しかし、万太郎が6歳の時、ヒサが病気で死去。父親も早くに亡くしてしまっていた万太郎は、祖母・タキ(松坂慶子)の手で育てられることに。タキは、名家の跡取りとして立派な男子に育てようと、万太郎を藩校に入れます。最初は学校生活になじめなかった万太郎でしたが、植物の名前と挿し絵の載った本を見つけ、「その本が読みたい」という思いから熱心に勉強するようになりますが…。

 今回、主人公・万太郎を演じる神木隆之介さんに、役に対する思いや撮影現場の様子を伺いました。

神木隆之介「皆さんの日常のすぐそばに溶け込んでほしい」。植物学者・槙野万太郎として明治の世を天真“らんまん”に駆け抜ける

――出演が決まった時の感想をお聞かせください。

「最初にお話をいただいた時は『僕がヒロイン!?』って感想でした。それに対し『いや、主演です』と返され『ヒロインじゃないんですか!?』と冗談交じりに会話していました(笑)。内心ではすごくうれしかったですし、それと同時にすごくプレッシャーを感じました。朝ドラは長期の撮影で、ヒロインを演じた方がすごく苦しんで大きな壁を乗り越えたとテレビで語っている方もいて、大変なイメージなので、一筋縄ではいかず、本当に忍耐と精神力がないと乗り切れないぐらい大変だろうなと。けど、朝ドラの主演をやらせていただく機会は一生に一度のことなので、ぜひこの機会にやらせていただきますとお受けしました。発表があった時は両親が一番喜んでくれましたし、友人や周りの役者の方にたくさんお祝いしていただきました」

――モデルの牧野富太郎さんの第一印象はどんな感じだったのでしょうか?

「第一印象はすてきな笑顔をされている方だなと感じました。もちろん実際にお会いしたわけじゃないですし、残された資料だけで牧野さんすべてが分かるわけじゃないんですけど、いろいろなところで使われている写真に、牧野さんの『くしゃ』と笑う天真らんまんなかわいい笑顔が強く印象に残っていて、万太郎を演じる際も、植物や大事な人に対して向ける牧野さんの笑顔を表現できたらと思っています」

――「らんまん」からはどんなメッセージを感じましたか?

「僕が演じる万太郎は酒屋『峰屋』の当主として生まれ、酒屋を継がなければいけない。それは家系や歴史的に決まっていることであり、現代でももしかしたら同じこともあると思います。じゃあ果たして『今までがそうだったから無条件でこうしなきゃいけないの?』ってことです。一個人としてやりたいこととか思いがいっぱいあるはずで、その思いがどこにいくのかということを万太郎の姿を通して伝えていけるんじゃないかと思います。でも、万太郎の思いだけではなく、今まで家を継いできた祖母のタキさんの思いも分かるよう描かれています。しきたりだからこうじゃなくて、言っている側にも確固たる理由があって、でもそれに対して『自分が好きなことに挑戦することがいけないことですか?』と問いています。両方の側に言い分があると理解してもらえるように描いているので、万太郎や万太郎の姉の綾(佐久間由衣)が挑戦していく姿を応援してもらえると思います」

神木隆之介「皆さんの日常のすぐそばに溶け込んでほしい」。植物学者・槙野万太郎として明治の世を天真“らんまん”に駆け抜ける

――朝ドラの主演として心掛けていることを教えてください。

「遊び心です。撮影が長丁場になることが多いので、すべて真面目に過ごすのはきついと思っています。まず、僕がきついので、楽しく撮影を進めています。もちろん真面目なシーンではみんな気合を入れる感じになりますけど、リハーサルやテストでは変顔をしてみたり、アドリブを適当に入れたり、オチを付けて監督にOKをもらっています。ゲストに来てくださる方に『気楽な現場でよかったな』と思ってくれる撮影現場を作るのが主役だと思うので、雰囲気作りは意識しています。僕自身、逆の立場だったらうれしいなと思うので、現場ではふざけて盛り上げています」

――台本を読んで感じたことはありますでしょうか?

「このドラマは牧野博士をモデルとさせてもらっていますけど、あくまで牧野さんはモデルであってフィクションなので、坂本龍馬と万太郎が実は出会っていてもいいんじゃないか。それは僕らの願望ですが、すてきだと感じています。大きな時代を作った2人の偉人が重なる瞬間があるというのは、ロマンチックでフィクションならではだと感じました」

――ヒロイン・寿恵子を演じる浜辺美波さんと4年ぶりの共演で感じたことはありますか。

「4年前と変わっていないですね。そのままの感性できていて、強いて言えば鋭い感性に磨きがかかったかなと感じました。そこを寿恵子にどうやって取り入れていくのか内心楽しみにしています。以前、主人公とヒロインとして共演した映画『屍人荘の殺人』(2019年)では、コメディータッチで距離が近いようなシーンで照れることもなく面白おかしく演じていたのですが、今回の万太郎と寿恵子はかわいらしいところもあり、真面目に恋をして、信頼し合って結婚していく存在に。今回そういうシーンを初めてやっているので、以前の共演では見られなかった初々しさを楽しんでもらえると思っています」

――撮影中の出来事で印象に残っていることを教えてください。

「竹雄役の志尊淳との撮影が印象に残っています。テストをやった後、本番前に『これやってみる?』と思いついたことを話してやってみたり、台本にない部分でも、僕がリアクションを取ったらすぐに返してくれて、何も言わなくても僕がやりたいことを察してリアクションを取ってくれるので、普段から幼なじみのようにあうんの呼吸で撮影ができてうれしく感じています」

神木隆之介「皆さんの日常のすぐそばに溶け込んでほしい」。植物学者・槙野万太郎として明治の世を天真“らんまん”に駆け抜ける

――撮影中に好きになった花はありますか?

「やっぱり第1話で登場するバイカオウレンが好きになりました。僕は小さな白い花に引かれる傾向があるらしく、以前出演したドラマ『風のガーデン』(08年/フジテレビ系)でもスノードロップというポワンとしたかわいらしい小さな花が印象に残っていて、バイカオウレンも同じように小さくてかわいらしい白い花を付けるので引かれていきました」

――最後に一言お願いします。

「僕は今回、テレビの前で準備して見てくださいと言いたくなくて、何かしながら見ても、声を聞いているだけでもいいので気軽に見てほしいと思っています。時間的にも朝の準備をしている時も流れているドラマだと思っています。なので、準備をしながら『なんか楽しそうな声が聞こえているな』とちらちら見ていただいたり、皆さんの日常のすぐそばに溶け込んでほしいです。そして、笑顔になったり、楽しい気分になって皆さまの心に寄り添える作品になっていけたらいいなと思います」

神木隆之介「皆さんの日常のすぐそばに溶け込んでほしい」。植物学者・槙野万太郎として明治の世を天真“らんまん”に駆け抜ける

【番組情報】

連続テレビ小説「らんまん」
NHK総合
月曜~土曜 午前8:00~8:15ほか ※土曜は一週間の振り返り
NHK BSプレミアム・BS4K
月曜~金曜 午前7:30~7:45ほか

NHK担当 S・A



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