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宮野真守、朝ドラ初出演で主人公・万太郎を導く政治結社のリーダー・早川逸馬を熱演!「驚きと喜びが同時に湧き上がってきました」2023/04/25

宮野真守、朝ドラ初出演で主人公・万太郎を導く政治結社のリーダー・早川逸馬を熱演!「驚きと喜びが同時に湧き上がってきました」

 NHK総合ほかで放送中の連続テレビ小説「らんまん」。本作は植物学者・牧野富太郎をモデルに神木隆之介さん演じる槙野万太郎が、幕末から明治、大正、昭和と四つの激動の時代を植物学者としていちずに突き進んでいく、波瀾(はらん)万丈の人生を描いた物語です。

 東京から帰ってきた万太郎(神木)は植物学の道をきっぱり諦め、造り酒屋「峰屋」の当主として生きていくと宣言する。万太郎が本心を隠していることを察した祖母・タキ(松坂慶子)は万太郎を峰屋の家業に専念させるため、姉の綾(佐久間由衣)が実はきょうだいではないという秘密を語り、綾と夫婦になるように言い渡す。それに反発する綾は峰屋を飛び出してしまう。綾を追う万太郎はその先で自由民権運動の集会に参加することになり、政治結社のリーダー・早川逸馬(宮野真守)と意気投合。そして逸馬にジョン万次郎こと中濱万次郎(宇崎竜童)を紹介されるのだが…。

 今回、早川逸馬を演じた宮野真守さんに作品の見どころや出演の感想などをお聞きしました。

――「らんまん」への出演が決まった際の心境を教えてください。

「まさか自分が朝ドラに出演できる機会をいただけるとは思っていなかったので、オファーをいただいた時は非常に驚きました。『早川逸馬という役が、らんまんと万太郎にとってとても重要な存在になっていて、ぜひ宮野さんにその役を演じていただきたい』という熱いメッセージとともにオファーをいただけたのが何よりうれしくて、驚きと喜びが同時に湧き上がってきました」

――朝ドラ初出演の感想をお聞かせください。

「お話をいただいてから撮影当日まで緊張でずっとドキドキしていました。朝ドラ撮影の流れを初めて知り、独特な緊張感を覚えました。リハーサルだけの日が1日あるというのに驚いたり、リハーサルは全部セリフを覚えていかなきゃいけないんだろうかと考えたり、どう準備して撮影に臨めばいいのか分からず、まずは自分ができることをやろうと土佐弁を一生懸命、練習して当日を迎えました。そうして、緊張して撮影の現場へ向かうと、神木くんが『まーもさん!』と天使のような笑顔で走ってきて、すぐに緊張が解けました。とてもありがたかったです」

――主人公・槙野万太郎を演じている神木隆之介さんの印象を教えてください。

「天使です。『まもさん! まもさん!』と鼻息荒くしながら子犬のように慕ってくれていました(笑)。神木くんはこうやって現場の空気を明るくして、まさに天真らんまんに作品作りに向かっているんだろうなと感じています。それが共演している方やスタッフの皆さんに波及してどんどん広がっていくんだなと思うと、僕もその輪に入れてもらえて、とても幸せです」

――逸馬を演じる際の苦労はありましたか?

「最近、ドラマへ参加させていただける機会が増え、カメラに自分がどう写っているのか、どこを写して、今は誰がメインで写っているのか、経験が足りないながらも今までの仕事の経験が生かされてきたという思いがあって。舞台などでも自分が何を表現したいのか構築されてきている中、いただいたのが早川逸馬という役でした。特に逸馬は演説のシーンが多く描かれていて、ステージ上で聴衆にアピールするところでは自分のキャリアが生かせるキャラクターと出会えたなとうれしく思いました。僕の場合はライブや舞台の仕事ですけど、ステージへの上り方一つとっても、みんなへのアプローチの方法や目線の配り方など、自分がやってきたことを生かせる役に出会えるって本当に珍しいんだろうなって思うぐらい逸馬を演じていて自然に表現できました」

――ということは、逸馬は演じやすかったのでしょうか?

「僕は演じやすいと思ったキャラクターはある意味いないと思っているんです。自分のキャリアにフィットさせられるキャラクターだったとしても僕自身ではないので、素のままでやっちゃいけないなと。なので、今回で言うと、早川逸馬という人物がどう生きてきたかをしっかり考えて、監督と意見を出し合い、監督が表現したい逸馬の姿や性格、彼が自由民権運動を通して、何を示して生きているのかをおざなりにせず、しっかり意識して役に向かっています」

宮野真守、朝ドラ初出演で主人公・万太郎を導く政治結社のリーダー・早川逸馬を熱演!「驚きと喜びが同時に湧き上がってきました」

――逸馬を演じた際に印象深いシーンがありましたら教えてください。

「早川逸馬の登場シーンはすべてが印象的です。万太郎に対して、先見の明によって見いだす洞察力や感性のセンスがあり、万太郎が今悩んでいる自由というものにとって大切なものを与える存在なんだろうと。特に宇崎竜童さん演じる中濱万次郎(ジョン万次郎)さんとの会話は、きっと万太郎の中で大切な瞬間になっていくことは非常に面白いと思いました。中濱さんが万太郎に対して何かを感じ取って、自由への思いをぽろっとこぼす。万太郎はそれに同調して『自分にとっては植物』と語るシーンが非常に印象的で。そして、何よりあのシーンは宇崎さんと一緒だったのでめちゃくちゃ緊張しました。でも宇崎さんが収録前に神木くんと僕を引き留めて、円陣を組んで気合を入れてくれました。そこで気持ちが固まった部分もありまして、僕は非常に感動しています」

――宮野さんにとっての「自由」とは何でしょうか?

「自由って言葉はハッピーで、時には軽いものに見えてしまうかもしれないんですけど、逸馬たちが追い求めている自由とはそういうものではなくて、自分がどう生きていくかを示していくものだと思います。僕にとっての自由とは、エンタメに携わるものとして『いかに自分を自由自在に表現していくのか』という信念だと思っています。最近は声優や歌の仕事のほかにドラマやバラエティーの仕事をいただける機会も増えてきて、自分自身を自由自在にその仕事で表現できるようにというのを貫きたいと考えています」

――では、撮影の舞台裏で印象に残っているエピソードを教えてください。

「神木くんが、以前僕が演じたアニメ『DEATH NOTE』の夜神月の声をやってくださいと言っていて、メークへ向かう直前にやったら喜びながらメークに向かったのを覚えています(笑)。ほかにも神木くんがスタッフの方へ『僕の神なんです』と紹介してくれたり、そこにたまたま大河ドラマ収録中の山田裕貴くんがやって来て『僕の神なんです』と言いながら僕を神木くんに紹介していきました。僕はあの2人にとっての神だったみたいです(笑)」

――「らんまん」の物語について感想をお聞かせください。

「僕は幕末から明治にかけての時代がとても好きなんです。激動の時代のエネルギー感もあり、演技に熱が入りました。その激動の中で、植物をメインで見せていくのはとても美しいと感じますし、自分のこだわりを持って、信じたものに対して真っすぐ生きる万太郎の姿から勇気やかけがえのないものをもらえます。皆さんも人生で好きなものを追い求める方はたくさんいて、その裏ではそれぞれに困難はあるだろうと思います。困難に立ち向かう人の感情に寄り添ってくれる、見ている人が温かい気持ちになれる作品だと思います」

――視聴者に向けて一言お願いします。

「朝ドラに参加という貴重な機会をいただけて、自分の役者人生の中でとても大事な経験をもらったなと思っています。僕にとって『らんまん』はかけがえのない作品になっています。この作品をご覧になっていただけたら、自分の人生においても希望の種が芽吹くと思います。ぜひお楽しみください。よろしくお願いいたします」

第18話 あらすじ

 万太郎と竹雄(志尊淳)は、綾を探しに高知へと向かう。綾がいたのは、自由民権運動の結社「声明社」の集会場。集会では、リーダーの逸馬が観衆の楠野喜江(島崎和歌子)たちに、国民の自由と権利について訴えていた。ひょんなことから演台に上げられた万太郎は、草花の力強さについて話し始める。

【番組情報】

連続テレビ小説「らんまん」
NHK総合
月曜~土曜 午前8:00~8:15ほか ※土曜は一週間の振り返り
NHK BSプレミアム・BS4K
月曜~金曜 午前7:30~7:45ほか

NHK担当 S・A



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