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仲里依紗、徳川家の宿命にとらわれる5代将軍・綱吉に!「最近は家でも『上様』と呼ばれています(笑)」──「大奥」インタビュー2023/02/14

仲里依紗、徳川家の宿命にとらわれる5代将軍・綱吉に!「最近は家でも『上様』と呼ばれています(笑)」──「大奥」インタビュー

 よしながふみさんによる同名漫画を原作に、3代将軍・徳川家光の時代から幕末・大政奉還に至るまで、男女が逆転した江戸パラレルワールドを描くドラマ「大奥」(NHK総合)。

 先週からついに「5代・徳川綱吉×右衛門佐編」に突入。3代・家光(堀田真由)の娘で、美貌と教養を兼ね備えた徳川幕府5代将軍・徳川綱吉を仲里依紗さん、綱吉の御台所(本多力)から呼ばれたことを機に大奥入りをする、京の貧しい公家出身の右衛門佐を山本耕史さんが演じます。

 女将軍として、また父親・桂昌院(竜雷太)の呪縛に苦しみ続ける綱吉を演じる仲さんに、役に対する思いや綱吉編の見どころ、そして少し変わった(?)収録中の楽しみ方などを語っていただきました!

──まず、徳川綱吉役のオファーを受けた時の心境をお聞かせください。

「私は時代劇の出演が今までなかったので、何も分からない状態の私にこんな大役ができるのかな…と収録をする当日までずっと不安でした。特に『大奥』はファンの方がたくさんいらっしゃるので、皆さんに受け入れていただけるのかが心配でした」

──“美貌と教養を兼ね備えた将軍”という役どころに関してはどう思われましたか?

「その役どころに関しても不安だったんです。私はこれまで、不倫されたり浮気されるような女性の役が多かったんですが、今回はたくさんの男性から『上様に恋をしているのでござりまする』なんて言っていただくので(笑)。綱吉から出る色気がうまく表現できればいいなと」

仲里依紗、徳川家の宿命にとらわれる5代将軍・綱吉に!「最近は家でも『上様』と呼ばれています(笑)」──「大奥」インタビュー

──家光、吉宗に比べると綱吉は一番派手で奔放なイメージですが、どんな人物として捉えて演じられていますか?

「綱吉は孤独な人だと思います。一見奔放で、自分の好きなように生きていそうな感じがするんですけど、全くそうではなくて。将軍として生まれてきた運命を背負っていますし、心の奥底に孤独を抱えているんですよね。強がっているけど実はすごく弱い人なんだと思いながら演じています」

──子作りを迫られることに対しての苦悩も描かれています。

「今の時代に『子どもはいつ作るの?』とか、『子どもはまだなの?』なんて聞くのはタブーじゃないですか。この時代は、自分の人生ではなく、次の人のための人生を生きているなと。世継ぎを産むために頑張るのはすごいことだけど、自分の人生を生きてほしいなと演じていて思いましたね」

──綱吉とご自身が重なる点はありますか?

「まさに強がってしまうところですね。強く言ってしまったり、自分を大きく見せようとしてしまうことは私もあると思います」

──逆に、正反対だと感じる部分はありますか?

「頭がいいところ!(笑)。漢詩がきっかけで右衛門佐さんとも関係が近づきますし、いろんなことを学ぶのが好きなんですよね。奔放そうに見えて頭の良さも兼ね備えている綱吉はすごいと思います。私には難しいです!(笑)」

──綱吉は政治にも意欲的ですよね。

「女性が政治を動かしたり物事を決めたりする姿は、現代を生きる方々に響くのではないでしょうか。強い女性が主となって動く作品は、皆さんにも楽しく見ていただけるのかなと思いました」

──初めての時代劇への出演で、戸惑ったことはありましたか?

「何もかも戸惑っています!(笑)。具体的に言うと、『畳の縁を踏んではいけない』『肩を動かさないで歩く』などの所作ですね。セリフのイントネーションも難しいですし、すべてが勉強から始まったので、体力の消耗がすごかったです」

──現代劇との違いに驚くこともあるのではないでしょうか?

「時代劇はそんなにメークもしないのかな?なんて思っていたんですが、現代劇とさほど変わらないことに驚きました。アイラインもするの!?って(笑)。あとは、扮装(ふんそう)替えに時間がかかりますね。白髪は1本1本描きますし、なんせ綱吉は一番派手で衣装もたくさんあるので大変です」

──綱吉の衣装はすごく華やかですよね!

「そうなんです。こんなにギラついたかわいい着物をたくさん着せていただけてうれしいです!(笑)。セットもすごいんですよ。超派手な壁紙に蝶とか花とか描いてあって、ギラギラな感じが最高なんです。床暖房を付けた、こんな家に住みたいですね(笑)」

仲里依紗、徳川家の宿命にとらわれる5代将軍・綱吉に!「最近は家でも『上様』と呼ばれています(笑)」──「大奥」インタビュー

──所作や言葉遣いで戸惑いも多い中、衣装やセットで楽しめているんですね!

「とても楽しいです。あと、みんなが私のことを『上様』と呼んで、指示通りに動いてくれるのが最高です(笑)。最近、妹にも『初めての時代劇大丈夫?』と心配されたんですけど、『すごく楽しいよ。だって、私が命令したらみんなやるんだもん』って(笑)」

──(笑)。

「最近は、家でも『上様』と呼ばれているので、とてもいい気持ちになっております(笑)。あと、話し方が結構面白いので、私は江戸言葉がはやるんじゃないかなと思っていて」

──具体的にどんな言葉をはやらせたいですか?

「『良い面構えじゃ』とか(笑)。例えば、合コンに行った際に『今日は良い面構えじゃな!』のような感じで使ってほしいです(笑)」

──確かにはやりそうです(笑)。ほかに、印象的なセリフやエピソードがあればお聞かせください。

「私は右衛門佐の言葉がすごく好きですね。綱吉は(娘の)松姫を亡くしてからどんどん正気を失っていくんですけど、そんな時にも右衛門佐の言葉に救われるんですよね」

──特にどういった言葉が印象に残っていますか?

「綱吉は自分のことを、世継ぎは産めないし国民の信頼も得られていない、何もできない将軍だと思っているんですけど、そうではないと右衛門佐が気付かせてくれるんです。最後の方に言われる『生きなさい』という言葉も印象的です」

──右衛門佐と心を通わせていくシーンは見どころですね。

「右衛門佐とは白髪まみれになってから結ばれるんですけど、ずっと好きだったなら早く言ってよ!と思いました(笑)。一番近くにいたのに、『え、今!?』って(笑)」

仲里依紗、徳川家の宿命にとらわれる5代将軍・綱吉に!「最近は家でも『上様』と呼ばれています(笑)」──「大奥」インタビュー

──右衛門佐役の山本耕史さんとは共演されてみていかがでしたか?

「山本さんは時代劇のベテランですし、舞台もやっていらっしゃるので、立ち振る舞いやたたずまい、動きなど全部参考にさせていただきました。セリフの掛け合いもすごかったですね。『ベテランとはこういうことなんだ』と思わされました。山本さんのおかげで綱吉を演じることができたと思います」

──山本さんからは、何かアドバイスなどありましたか?

「『言葉とか難しいけど、そんなにいっぱい調べすぎない方がいいよ』と言われました。『俺もほぼ何言ってるか分かんないから』って(笑)。私が時代劇のド素人なので、リラックスできるような言葉をたくさん言っていただきました」

──柳沢吉保役の倉科カナさんとは、共演されてみていかがでしたか?

「とても色っぽくて、吉保そのものでした! 桂昌院さまがメロメロになる理由が分かりますね。綱吉に対する強すぎる思いが、目に見えないヘビのようにぐるぐると締め付けてくるんです。ずっと絡みつかれているような倉科さんの芝居が本当にすごかったですね」

仲里依紗、徳川家の宿命にとらわれる5代将軍・綱吉に!「最近は家でも『上様』と呼ばれています(笑)」──「大奥」インタビュー

──最後に、綱吉編の見どころをお願いします!

「美男が勢ぞろいしているところを私が次々に選んでいくシーンなどあって、派手に遊んでいるように見えるのですが、実は苦労があったり、いろいろな思いを抱えている綱吉の生きざまを楽しんでいただきたいです。あとは、家光編、吉宗編に比べると一番お色気が山盛りです!(笑)」

──ありがとうございました!

仲里依紗、徳川家の宿命にとらわれる5代将軍・綱吉に!「最近は家でも『上様』と呼ばれています(笑)」──「大奥」インタビュー

2月14日放送・第6回あらすじ

仲里依紗、徳川家の宿命にとらわれる5代将軍・綱吉に!「最近は家でも『上様』と呼ばれています(笑)」──「大奥」インタビュー

 綱吉は桂昌院の反対を押し切り、右衛門佐を側室候補にしようとする。しかし、右衛門佐は“おしとねすべり”の年齢であることを申し出、代わりに綱吉への忠義を示すことのできる役目を懇願する。一方、側用人・柳沢吉保と桂昌院は、綱吉が気にかける右衛門佐をなんとか失脚させようと、あらゆる手を尽くし…。そんな折、綱吉の一人娘・松姫を悲劇が襲い、綱吉の人生の歯車が狂い始めていく。

【番組情報】

ドラマ10「大奥」
NHK総合
火曜 午後10:00~10:45

NHK担当・M



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