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朝ドラ“八神先生”、「大奥」“秋本”…ネクストブレーク必至の中川大輔が正反対の役どころに挑戦中!2023/02/07

TVガイドWeb スペシャルインタビュー/中川大輔

 NHK連続テレビ小説「舞いあがれ!」、「大奥」(NHK総合)と話題作への出演が続く中川大輔。「舞いあがれ!」では、主人公・岩倉舞(福原遥)の幼なじみである望月久留美(山下美月)にプロポーズする医師・八神蓮太郎役、「大奥」の「5代 徳川綱吉×右衛門佐 編」では右衛門佐(山本耕史)の部屋子である秋本役と、いずれも物語のキーパーソンに扮(ふん)する。

 中川が「自分に近い」と語る八神、「想像しないと理解できなかった」と語る秋本…正反対のキャラクターで、役者として全力であらゆる表現に挑戦している彼に、二つの現場で感じたことなどを尋ねた。

TVガイドWeb スペシャルインタビュー/中川大輔

──八神はお医者さんでとてもモテそうな雰囲気ですね。最初に登場した時には、視聴者から「久留美ちゃん大丈夫? だまされていない?」なんて声もありました。

「なるほど、そういうふうに見られるんですね(笑)。八神は世間知らずで少し人の気持ちを推し量れないところはあるけど、基本的にはいい人だと思います」

──視聴者の想像をいい意味で裏切るというか。

「お坊ちゃんで恵まれて育っているから、すごく純粋で。ただ、それゆえに空回りしてしまうこともあるんですけど…」

──人物としては捉えやすかったですか?

「そうですね。ほんわかしているようなところは自分と似ていると思うし、等身大で演じられるのではないかと思いました。素をできるだけ出して演じました」

──久留美役の山下美月さんと一緒のシーンが多いと思いますが、印象はいかがでしたか?

「すごくパワフルな方だなと思いました。表情がコロコロ変わるし、目力がすごくて、対峙(たいじ)した時間は濃いものになりました。それから、山下さんと福原さん、赤楚(衛二)さんの幼なじみ3人組がすごく仲が良くて、ずっと楽しそうで。おかげで僕みたいな途中参加組もスッと入っていけました」

──朝ドラの現場ならではだと感じられたところはありますか?

「4~5台のカメラでいっぺんに長回しで撮るので、途中でカットがかかることもなくて、僕はすごくやりやすかったです。台本の何ページにもわたるシーンをそのまま流れでやるので、感情も乗りやすいし、自然にできました。たくさんの登場人物が一堂に会してやりとりするのを長回しで撮ったシーンもあって…」

TVガイドWeb スペシャルインタビュー/中川大輔

──お好み焼き店「うめづ」にメインキャストの皆さんが集まるシーンですね。

「そうです。放送時間の大半をそのシーンが占めているっていうような長い場面でした。周りにはベテランの方々もいらっしゃいましたが、その中でもプレッシャーを感じるというより、むしろ楽しんで臨むことができました。現場の和やかな空気のおかげもありますけど、緊張することなく楽しく朝ドラの現場でお芝居できたというのは、一つ自信になりましたね」

──そして、同じくNHKのドラマ「大奥」も現在放送中。中川さんは「5代 徳川綱吉×右衛門佐 編」に登場する秋本を演じられます。時代劇は今回が初めてですか?

「はい、初めてですね。時代劇は以前からやってみたかったのでうれしかったです。まだ撮影に入ったばかりなんですが(※取材は2022年12月中旬)、セットがすごいんですよ。部屋の奥に庭があって、そのさらに奥に部屋があるといった巨大なセットなんです。貴重な体験だなと思って、休憩中も控室に戻らないでセットの中を歩いていました。そうやって散策できるぐらい広いんですよ」

──衣装やかつら、そのあたりも初体験のことが多かったのではないですか?

「もうびっくりしましたね。かつらを着けるのにあんなに時間がかかるとは知らなかったですし、出来上がりが本当にすごいんです。どこからがかつらなのか、地肌との境目が分からなくて。今、『鎌倉殿の13人』を見ているんですが、大きいテレビで見てもかつらだと分からないんです。(源頼家役の)金子大地さんが出家して丸坊主になるシーンがあって、本当に頭をそったのかと思ったら、メークさんたちが作ったものだと聞いて驚きました。今の4Kにも耐え得るものになっていて、積み重ねた技術のすごみみたいなものを感じましたね」

──史実とは男女が逆になっているという設定ですが、この物語自体についてはどういう印象を持たれましたか?

「台本も漫画も読みましたけど、すごくいろんな人に希望を与える作品になっていると思いました。結婚して子どもを作ることだけが恋愛じゃないっていうメッセージ性があって、僕自身もですけど、勇気づけられる人はたくさんいるだろうなと」

──いろんな生き方が描かれていますよね。演じられる秋本という役についてはどう捉えられましたか?

「最初は結構つかみづらかったです。原作では、平坦で無欲な感じでいる理由が描かれているんですけど、ドラマではどこまで描かれるか分からなかったので…。『舞いあがれ!』の八神は自分に近くてつかみやすかったんですけど、秋本は根本が自分と違うような感じがしたので、そこを想像するのが難しくて。僕はあんなに無欲ではないし、黙ってじっと座っているようなことができないので…どういう心持ちなんだろうと自分に置き換えて考えてみたりしました」

TVガイドWeb スペシャルインタビュー/中川大輔

──右衛門佐役・山本耕史さんとの共演はいかがですか?

「『仮面ライダーゼロワン』(テレビ朝日系)の現場でお会いしたことがあったので、そのお話をしたら『あ、迅くんだ!』って覚えていてくださって。それもあって、すんなり入っていけましたね。いろいろ話しかけてくださるので、変に緊張せずに演じられています。右衛門佐と秋本は主従関係で、よく話す間柄の役どころなので、物語と同時並行してさらに距離を縮められればいいなと思っています」

──右衛門佐に対しては、秋本は尊敬して付き従っているということなんでしょうか?

「それも難しいんですよね。右衛門佐が賢く立ち回っている分、何を考えているのか分からないところもあるんですよね。途中からは心から尊敬していくと思うんですけど、最初はどういう気持ちで右衛門佐と一緒にいるのか…。つかみどころがなくて一筋縄じゃいかないやつなので、悪戦苦闘しています」

──秋本は、中川さんがこれまで演じられたことがないようなタイプのキャラクターかもしれないですね。

「そうですね。こんなに想像を巡らせないと理解できないっていうキャラクターは初めてですけど、その分、やりがいを感じています。一つ考えているのは、物語全体で見ると1人だけ無欲で柔らかいやつなので、そこは大事にしたいなと」

──周りがアクの強いキャラクターばかりですもんね(笑)。

「そうなんです(笑)。なので、秋本ぐらいは柔らかい存在でいられたらいいなと思いますね。物語の中の“休憩所”的な、そんな存在だったら自分にできそうなので、そこを魅力として表現できたらいいなと思っています」

TVガイドWeb スペシャルインタビュー/中川大輔

【プロフィール】

中川大輔(なかがわ だいすけ)
1998年1月5日、東京都生まれ。やぎ座。B型。MEN’S NO-NO専属モデル。近年の主な出演作に、ドラマ「ボイスⅡ 110緊急指令室」(日本テレビ系)、「阿佐ヶ谷姉妹の のほほんふたり暮らし」(NHK総合)、「花嫁未満エスケープ」シリーズ(テレビ東京系)、映画「極主夫道 ザ・シネマ」(2022年)などがある。

【番組情報】

連続テレビ小説「舞いあがれ!」
NHK総合
月曜~金曜 午前8:00~8:15

「大奥」
NHK総合
火曜 午後10:00~10:45

取材・文/高瀬純 撮影/トヨダリョウ ヘア&メーク/Kohey スタイリング/深澤勇太



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