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森本慎太郎「食らいつくのに必死だった」、「探偵ロマンス」撮影で珍しくガチガチに。主演・濱田岳の芝居に圧倒され素に戻る瞬間も2023/01/20

 江戸川乱歩デビュー100年の節目に送る“知られざる江戸川乱歩誕生秘話”を描くドラマ「探偵ロマンス」が、1月21日よりNHK総合でスタート! 20世紀初頭の帝都(東京)を舞台に、後に江戸川乱歩となる平井太郎(濱田岳)が初老の名探偵・白井三郎(草刈正雄)と出会い、探偵稼業へと乗り出していく物語です。

 太郎は上海帰りの貿易商・住良木平吉(尾上菊之助)や、秘密倶楽部の女主人・平吉美摩子(松本若菜)、太郎を見下す新聞記者の梅澤潤二(森本慎太郎)、三郎を嫌う鬼警部・狭間勇(大友康平)など、癖のある人々に翻弄(ほんろう)され、難事件に巻き込まれていきます。

 今回は、太郎と反目し合う新聞記者・潤二を演じる森本慎太郎さんに、江戸川乱歩のイメージや潤二の人物像、太郎を演じる濱田岳さんとのエピソードを伺いました!

――江戸川乱歩デビュー100周年の節目に作られたドラマですが、乱歩のイメージを教えてください。

「江戸川乱歩を最初に知ったのは『名探偵コナン』(日本テレビ系)です。本を読まない人間でも知っている方で、すごい推理小説を書く人というイメージ。小学校の図書館や地区の図書館にたくさん本が並んでいるので、すごい人物なんだろうと思っていました」

――台本を読んだ時はどのように感じましたか?

「一通り読み終わった後にハテナが出てきたので、何回も読んで理解しました。難しい中にも面白さがあり、引き込まれるストーリー展開で、自分なりに考察をしながら楽しんで読みました。『江戸川乱歩の小説もこういう感じなのかな』と思ったし、引き込む力を持っていると感じましたね」

――新聞記者の潤二はどんな人物で、どのような役作りをしたのでしょうか?

「潤二は成り上がるために手段を選ばず、姑息(こそく)な手も使う人物です。真っすぐなんだけど、ちょっとねじ曲がっているところもあるので、声の出し方に気を付けて生意気な感じを心掛けました。台本から自分なりに解釈して本読みに臨みましたが、不安な部分があったので、終わった後に『大丈夫でした?』と制作陣に確認しましたね。また、潤二は太郎や三郎を知っていくことで、心境や考え方に変化が出てくる人物なので、そこもすごく意識しましたし、ちゃんと表現できたらいいなと思っていました。ほかにも、潤二の表情については、監督からのアドバイスに加えて、自分で足していきました。表情で思い出したんですが、(制作統括の)櫻井(賢)さんは、僕たちSixTONESのライブを見た時に『顔の濃いやつがいる』と知って、キャスティングしてくださったそうなんですよ。濃い顔がキャスティングにつながるのは初めてだったので、印象的でした(笑)」

――これまでもいろんな役を演じて、今回も新たな役にチャレンジされていますが、意識したことはありますか?

「一番は気持ち。メンタル面をすごく大事にしています。台本を読んでいて、潤二の真っすぐな部分や絶対に成り上がってやるという精神、太郎に対してふつふつと抱く思いなど、潤二の気持ちがセリフに分かりやすく出ているので、そのたびにどういう心境なのかを考えて演じました。また、潤二は酔っぱらうと方言が出てくるんですが、僕も気が緩んだ時に方言が出るという経験があるので、そういった自分と近しいところをひもとき、似たようなところを見つけて臨みました」

――逆に共感できない部分はありましたか。

「手段を選ばないのは共感できないです。うそでもそれが売れればいいという考えは『それはダメだろう』と思っちゃいます。僕は納得いかないことがあったら聞いて正したいのですが、潤二は結果が出ればなんでもいいでしょと。そこは自分と違いすぎるんです」

――演じていて楽しかったことはありましたか?

「楽しさはあまり感じられなかったです。というのも、豪華なキャストの方たちが参加されているので、皆さんに食らい付いて勉強するのに必死で。いろんな作品に出させていただいていますが、今作はたくさんの学びがありました。皆さんで作っていく楽しさはもちろんあるんですが、それよりも『こうやって岳さんは現場の雰囲気を作って、撮影を進めていくんだ』など、立ち振る舞いに対する学びが大きかったです」

――濱田さんはじめ豪華なキャストに囲まれていますが、現場ではどんなふうに過ごされていたのでしょうか?

「めっちゃ無口で緊張していましたね。普段は現場を楽しもうとするタイプですが、学びが強かったせいか、固まっていました。だから、岳さんもすごく気にかけてくれて、撮影の合間にしゃべりかけてくださったんですが、それでも雰囲気に圧倒されて、珍しくガチガチでした」

――ガチガチになった原因は何ですか?

「場所かな? 京都の歴史ある撮影所だったので、その雰囲気にのまれました。撮影が始まって、少したってからクランクインしたので、うまくなじめるかなという不安もあって。しかも年齢が皆さん上で、同年代の人はあまりいなかったんです」

――撮影所の雰囲気や空気感が今までの現場と全然違っていたと。

「多分、自分の中の勝手なイメージです。格式高い感じで、高級レストランに短パンにサンダルで行く感じというか(笑)。その後、リラックスできたのは岳さんのおかげ。岳さんが緊張をほどいてくださったんです」

――現場では緊張感があったようですが、お芝居で悩んだことはあったのでしょうか?

「とにかく全力でぶつかろうと。岳さんをはじめ共演した皆さんが、会話の流れでできるテンポや空気を作ってくださっていたので、そこにくっついていく感じでした。頑張って食らいつかなきゃという思いが強かったです。『ここはもうちょっとなんかできたんじゃないか』という反省がありましたが、監督がグーって丸を出してくれて安心した部分もありました」

――20世紀初頭を舞台にした物語ということもあり、歴史を感じる衣装や道具などが多いと思いますが、驚いたことはありましたか?

「潤二としては行かないんですが、白井三郎の隠れ家を見た時に『めっちゃ、格好いい!』と感動しました。レトロなものが好きだからということももちろんあるんですが、照明をはじめ、隅から隅まで美術さんのこだわりがあって。白井三郎の隠れ家だけではなく、太郎の部屋やバーなども、それぞれの色が出ていて、場所ごとにその空気があるんですよね。それはすごかったです。ほかにも、現代に全くない、当時の通行人の方々が着ている服やカメラなど、興味をそそられるものはたくさんありました」

――潤二が持っているカメラも当時のものですよね?

「最初は使い方が分かりませんでした。カメラも上からのぞきますし、シャッターの切り方も全然違うので、本当に撮れるのかと不思議でした。フラッシュをたく時も、助手とタイミングを合わせて撮るんですよね。昔は大変だったんだなと思うけど、その良さが映像を通して見るとよく出ていると思います」

――劇中では犬猿の仲ですが、太郎を演じる濱田さんとの共演はいかがでしたか。

「本番中に一緒に出ている岳さんの芝居を見て『すごい!』と思っちゃったんです。そこは潤二じゃなくて、森本慎太郎になってしまい、自分のセリフのタイミングで変な間が生まれてしまいました。本番中だから絶対にそんなこと思っちゃいけないのに…。『まずい!』と思って演技を続けましたが、それは初めての経験でした。素の自分に戻ってしまうくらいのすごい岳さんの演技を見ている自分は、いい体験しているなと感じました」

――それはどんなシーンだったのですか?

「岳さんと2人のクライマックスのシーンです。一緒に芝居をしている人間がめっちゃ引き込まれているんですから、僕はある意味、一番いい視聴者だったと思います(笑)」

――濱田さんのすごさは徐々に感じたのでしょうか?

「一発目から半端なかったです。岳さんがクランクアップのコメントで『この組は僕の力を120%引き出してくれる』と言われていましたが、そのポテンシャルの最大限より、さらに上の表現力を発揮している瞬間を常に一緒にいて感じていました。芝居に対する姿勢や人に対する言葉遣い、人との向き合い方など、岳さんは誰もがリスペクトする方です」

――具体的にはどんなところを見習いたいと思われましたか?

「周囲を見ている目です。岳さんって、視野がめっちゃ広いんですよ。スタッフさんたちとの関係だけでなく、僕やほかの演者さんがぽつんと立っていたら話しかけてくれるし、現場が慌ただしくなってくると、そこに笑いを入れてくれる。それは場を見ているからこそ、できる動きですよね。その視野の広さは、自分にないものだから憧れます」

――太郎のバディとなる探偵・白井を演じる草刈さんとの共演はいかがでしたか?

「草刈さんの声って落ち着くし、安心感があるんです。本読みでお会いした時に、草刈さんの台本が誰よりも読み込まれていて、セリフもすでに覚えていらしたんです。草刈さんのお芝居に対する姿勢を知れた時に、より草刈さんを好きになりました。岳さんと草刈さんお二人のおかげで、『探偵ロマンス』の現場は幸せにあふれたとてもいい現場でした。撮影で大変なこともありましたが、みんな笑顔で。今思い返すと、それは本読みの段階から始まっていたんだなと思います」

――ありがとうございました!

【番組情報】

土曜ドラマ「探偵ロマンス」
1月21日スタート
NHK総合 
土曜 午後10:00~10:49

NHK担当/K・H



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