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赤楚衛二、有村架純との思い出のシーンを明かす「あれはキラーショットでしたね」――「石子と羽男」インタビュー2022/09/02

赤楚衛二、有村架純との思い出のシーンを明かす「あれはキラーショットでしたね」――「石子と羽男」インタビュー

 TBS系で放送中のドラマ「石子と羽男―そんなコトで訴えます?―」。「カフェで充電していたら訴えられた!」「コンビニでお釣りを多く受け取ったら訴えられた!」 など、一見ささいに思えるが、どんな小さなトラブルでもその裏に存在する誰かの“大切な暮らし”。そんなトラブルに向き合うのは、4回司法試験に落ちた崖っぷち東大卒のパラリーガル・石田硝子、通称・石子(有村架純)と、司法試験に1回で合格した高卒の弁護士・羽根岡佳男、通称・羽男(中村倫也)。正反対のようでどこか似た者同士の2人が、さまざまなトラブルに挑む中で自らのコンプレックスに向き合い、成長していく姿をオリジナル脚本でコミカルに描きます。 

 今回は、石子と羽男が働く潮法律事務所でアルバイトとして働き、第6話からめでたく石子との交際がスタートした大庭蒼生を演じる赤楚衛二さんにインタビュー。大庭の役どころはもちろん、有村さんと中村さんから受けている刺激や、和気あいあいとした現場の様子などをたっぷり語っていただきました!  

赤楚衛二、有村架純との思い出のシーンを明かす「あれはキラーショットでしたね」――「石子と羽男」インタビュー

 ――現場の雰囲気や刺激を受けていることがあれば教えてください。 

「毎シーン刺激を受けています! 有村さんと中村さんの出す色での化学反応が起きていて、コミカルなシーンが台本から広がっていくような感じです。おいでやす小田さんもさだまさしさんもユニークで、台本に書いてあるセリフが自分の中から出てきたような言葉になるんですよね。一つ一つにリアリティーがあって、心にじわっと染み込んでくるみたいな。皆さんのお芝居からたくさん勉強させていただいています」 

――塚原あゆ子監督は、「赤楚さんならではの演技や“そう来るか!”って思わされる演技をするから、撮影していて楽しい」とおっしゃっていました。 

「もしかして、僕ズレてるんですかね?(笑)」 

――そんなことないです! 俳優としてすごくすてきだと絶賛されていました! 

「ありがとうございます(と照れ笑い)」 

――大庭の役づくりで意識したことはなんでしょうか? 

「大庭って、どちらかというと普通の男の子。多分、自分の素に近いんです。普段は演じる役の職業を勉強して撮影に入りますが、今回はそういう勉強はせず、大庭がどういう過去を歩んできたのかとか、石子先輩と学生時代はどういう距離感だったのかとか、そういう部分を膨らませていくようにしました」 

――素の自分に近いということは、演じやすいのでしょうか? 

「実はそんなこともなくて、自分に近すぎても難しいんだという気づきがありました。自分のことって意外と見えてないじゃないですか、 だから『オーバーリアクションで、ちょっとズレた感じがまんまだね!』とか言われると、僕こんな感じなんだ…って不思議な感覚になります。逆に素の自分と離れていた方がやりやすかったりするのかもしれないですね」 

――今回、新井順子プロデューサーも新しい赤楚さんを見せようとしていたと思うのですが、役に関して挑戦だと感じていることはありますか? 

「これまで大庭ほど硬派な男を演じたことがないので、そこは挑戦なのかなと思っています。今までの役どころが全部軟派というわけではないんですけどね」 

――実際に演じてみていかがですか。 

「今まで演じてこなかった役柄の広げ方は、難しいものなんだなと実感しました。逆にやってみたら、こういうところは自分も持ってる資質なのねっていう発見や、役との共通認識は増えている実感はあります」 

有村架純&中村倫也の芝居を受けて…

赤楚衛二、有村架純との思い出のシーンを明かす「あれはキラーショットでしたね」――「石子と羽男」インタビュー

――有村さんと中村さんとの芝居から常に刺激を受けているとのことでしたが、特にハッとさせられたことや、印象に残っているアドリブはありますか? 

「有村さんは、普通にしゃべっているだけで石子先輩が目の前にいるような不思議な感覚になります。何よりもセリフがない時にハッとさせられますね。今こういうことで悩んでるんだなとか、苦しんでるんだなっていうのが、 肌に直接伝わってくるような感覚。悩んでいるシーンとかは特にそうかも。第5話で言えば、一緒に行動している時のちょっとしたモヤモヤも感じることができていました」 

――中村さんはいかがですか? 

「中村さんは、緩急のつけ方、アプローチの多さがすごいです。例えば、大庭が羽男に『告白しました』って報告するシーンがあるんですけど、 その後に羽男が『うん 』って言うんです。そのワンテークだけでも、ふっと笑って『うん』だったりとか、もはや『うん』って言わないとか、『うん』の一言だけでもめちゃくちゃ表現の引き出しを持っているんです。固めずにさまざまなお芝居をされている姿は本当に学びになります」 

――そんなお二人の芝居を受けて、ご自身のプランが変わった場面もありましたか? 

「変わりっぱなしですね。本作の現場は、持っていったものだけじゃ成立できないというか、 考えて持っていったお芝居をやっても、現場に入ってみたらやっぱり違うなと感じる時もあったりします。だからこそ、僕もあまり固めずに行くようになりました」 

中村が演じる大庭のキャラに「 デフォルメしてると思いたいです(笑)」

赤楚衛二、有村架純との思い出のシーンを明かす「あれはキラーショットでしたね」――「石子と羽男」インタビュー

――空き時間はどのように過ごされていますか? 

「撮影以外の時間では、黙っている時間もあれば、みんなふざけてゲラゲラ笑っている時間もあって、オンオフが激しめな現場ですね。主に中村さんがボケてくれて、笑わせてくれます。この前は、撮影の合間の読み合わせで、中村さんが大庭の芝居をまねして演じてくれたんです。大庭ってこんなキャラだっけ?(笑)って思うくらい変えて面白くしてくれました」 

――中村さんなりに大庭をデフォルメされていたんですかね 

「デフォルメしてると思いたいです(笑)。『僕こんな感じでやってますか?』って聞くと、『うん、やってるよ』って言うんですけど、有村さんは『いやいや、デフォルメしてるよ』って味方してくれます。かなりぶっ飛んだ大庭を演じてくれるので、見せることがないのがもったいないくらい」 

――制作発表会見の時も、現場では赤楚さんがいじられ役で、愛される役まわりなのかなと思いました。その感じはずっと続いているんでしょうか? 

「そうですね。大庭と同じく、どうやら僕もちょっとズレた発言をしてしまっているようで、 割といじられてるかもしれないです。でも、いじられているだけじゃなくて真剣なお芝居の相談にも乗ってくれて、2人には気持ちの整理的な部分で助けられることが多いです。2人がヒントをくれなかったらずっとモヤモヤしていたなと思うところもあったので、救われました」 

――具体的にはどんなアドバイスをもらったのでしょうか 

「僕が言いづらいなと思っていたセリフに対して、『こういう気持ちじゃない?』とアドバイスをくれて、その方向性でやってみると、その言いづらかった言葉を違和感なく言えるようになったんです。2人とも主観と客観がすごいんですよね」 

石子と大庭の関係性「『あ、いいな…』っていう気持ちになった瞬間の一言でした」

赤楚衛二、有村架純との思い出のシーンを明かす「あれはキラーショットでしたね」――「石子と羽男」インタビュー

――第4話で石子が羽男を飲みに誘い、大庭が切なそうな表情をしているのが印象的でした。あの時、羽男に対して恋のライバル意識のようなものを持っていたのでしょうか? 

「第1話では大庭のことを助けてもらった恩人でもありますし、ちょっと変わっているところもあるけども、尊敬する先生という認識は変わっていないです。石子先輩が取られるんじゃないかとか嫉妬の感情は全くなくて、自分の力不足でちゃんと2人の仲間になれていない、自分は何もできていないというコンプレックスをすごい抱えていて出た表情なのではないかなと思います」 

――では、石子とのシーンで思い出に残っている場面はありますか? 

「第4話で『僕、心配なんで行きます!』って話をした後に、石子から『(面接)いってらっしゃい!』って言われるシーンがあるんですけど、その場面は大庭として『あ、いいな…』っていう気持ちになった瞬間の一言でした。あれはすごいキラーショットでしたね」 

――ちょうど新井プロデューサーも同じところを印象に残っているシーンに挙げていました!  

「本当ですか! 大庭として石子先輩からの言葉を感じられた瞬間だったのかなっていうような気がして、やっぱりすごく印象に残っています」 

――第6話では告白のシーンもありました。どんな思いで撮影に臨まれたのでしょうか? 

「告白のシーンは、もうどうにでもなれみたいな気持ちでした。振られることが怖いとかは思っていなくて、『僕はちゃんと向き合ってるんで、あとは石子先輩の選択次第ですよ』みたいな思い」 

――石子と付き合った後、2人の距離感を視聴者に伝えるために工夫したことがあれば教えてください。 

「石子と大庭は付き合う前の関係性の延長線上が魅力だねって、有村さんと話したんです。カップルになったから距離を近づけるとかではなく、今のままでいようみたいな。ただ家に入ってきたりする時は、ちょっとガチガチで緊張気味になっていたりとか。そういうところで 2人のほほ笑ましさを見せられたらいいなって話しました」 

「視聴者の皆さんにとっても、法律や弁護士への距離感が近くなったらうれしいです」

赤楚衛二、有村架純との思い出のシーンを明かす「あれはキラーショットでしたね」――「石子と羽男」インタビュー

――ドラマでは身近な事件を扱う弁護士とパラリーガルの奮闘を描いていますが、法律に対しての距離が近づいた感覚はありますか? 

「あります! 以前、弁護士モノでパラリーガル役をやらせていただいたことがあるんです。その時は殺人事件や放火事件などの重めの話が多くて、法律は究極のピンチの時に助けてもらう武器みたいな印象でした。本作では法律への親近感が強くなったかなと思います」 

――作品を通して視聴者に伝わったらいいなと思うメッセージがあれば、教えていただきたいです。 

「今まで法律ってなるべく避けて通りたいものだと思っていたんですけど、大庭を演じていて、どちらかというと物事を円滑に進めるために、個人にも近いところにあるべきものなんだと思うようになりました。視聴者の皆さんにとっても、法律や弁護士への距離感が近くなったらうれしいですし、人生においての相談窓口になったらなと。それで少しでも生きやすい社会になったらいいなと思います」 

 リモートで行われた今回のインタビュー。終了後、最後に何かありますか?と振られると、「皆さん本日は本当にありがとうございました! 取材あっという間でした! 外も暑いので、 水分補給だけはしっかりとってください。何の話してんだろう(笑)。とにかくドラマよろしくお願いします!」と戸惑いながらもあいさつし、画面越しに笑顔で手を振ってくれました。忙しい撮影の合間にもかかわらず、終始爽やかな笑顔で受け答えしてくださった様子やスタッフさんとのやりとりから、現場でも愛されていることが伝わる和やかな時間となりました。 

赤楚衛二、有村架純との思い出のシーンを明かす「あれはキラーショットでしたね」――「石子と羽男」インタビュー

【プロフィール】 

赤楚衛二(あかそ えいじ)
1994年3月1日生まれ。愛知県出身。「30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい」(テレビ東京系)、「彼女はキレイだった」「SUPER RICH」(ともにフジテレビ系)。2022年秋には、NHK連続テレビ小説「舞いあがれ!」に梅津貴司役で出演。23年には主演を務めるNetflix映画「ゾン100~ゾンビになるまでにしたい100のこと~」が控えている。 

【番組情報】 

「石子と羽男ーそんなコトで訴えます?ー」 
TBS系 
金曜 午後10:00〜10:54 

取材・文/TBS担当 A・M



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