Feature 特集

初共演の小芝風花と笠松将、反目し合うバディを演じるも2日間で意気投合!?2022/07/31

 普段コント番組を制作している「LIFE!」チームが、8月1日から4夜連続でコメディードラマ「事件は、その周りで起きている」(NHK総合)に挑戦! 刑事ものなのに、事件を一切解決しない斬新なドラマです。

 ある地方の小さな警察署・新月署に勤務するのは、人に頼ることが苦手な若手刑事・真野一花(小芝風花)と効率重視のバディ・宇田川和人(笠松将)、謎多き元科捜研のエース・向田舞(倉科カナ)、白バイ隊員に憧れ、真野に片思い中の交通課警察官・徳大寺玲央(蛙亭・中野周平)、そして、真野と宇田川の上司・谷崎誠警部(北村有起哉)。彼らの周辺で毎回さまざまな“小事件”が勃発します。

 TVガイドwebでは、3日連続でリレーインタビューをお届け。ラストは相反する性格の真野&宇田川のバディが登場! 真野を演じる小芝さんと宇田川役の笠松さんに、印象的だった回や共演者とのエピソードを伺いました!(インタビュー1日目:https://www.tvguide.or.jp/feature/feature-1674684/、2日目:https://www.tvguide.or.jp/feature/feature-1676356/

 ――「LIFE!」チームが制作するドラマだと聞いて、どのように感じましたか?

小芝 「以前『LIFE!』に出演させていただいたことがあったので、どんなドラマになるんだろうとワクワクしていました。撮影は『LIFE!』そのもので本当にドラマなのかなと(笑)。全部一連で撮る撮影方法なので少し緊張感はありますが、『LIFE!』独特の世界観のまま撮影できていて楽しいです」

笠松 「僕は『LIFE!』に出たいです(笑)。見る人がちょっとクスッと笑える面白い作品に出ることがあまりなかったのでうれしかったのですが、あまり出たことがない分、難しいものを扱っている感覚があります」

――台本をご覧になった感想はいかがでしたか?

小芝 「登場人物が5人と少ないのですが、おのおののキャラが立っています。キャストも個性的な役者さんが多いので、現場に入るまでどうなるのか、全然想像できませんでした。笠松さんにもコメディーのイメージがなかったので、どんな宇田川になるんだろうというワクワク感がありました」

笠松 「会話がかみ合わない面白さを作品にしていて、とても面白かったです。日常生活で人ともめたり、仲良くなる理由もこういうことから始まるんだよなと感じましたし、自分の状況とも照らし合わせたりして、コメディーみたいに物事がうまくいって笑えればいいのになと思いながら読んでいました」

――そして、今作は1話15分の4夜連続ドラマです。見る側にとって1時間と15分では感覚が違うのですが、演じている方としてはいかがでしょうか?

小芝 「この作品に関しては一連で撮るので15分でよかったです。1シーンが長いので、これが1時間だったらセリフの量が大変なことになっていたので、『15分4回でよかったですね』と話をしていました(笑)。それに、物語のテンポが速いので、15分っていうコンパクトさが見やすいと思います」

笠松 「そうですね。15分という時間の難しさでいうと、僕らが背負うパートというよりは、波を作る時間、仕掛ける時間が少ないので演出と脚本が難しいと思うんですよね。小芝さんがおっしゃったようにテンポが速いし1シーンが長いから、シーンの変わるコントを見ている感じです。視聴者の方にも気軽に見ていただいて、また明日から頑張ろうと思ってもらえたらうれしいです」

――お二人は今回初共演ですが、共演前後のそれぞれのイメージを教えてください。

笠松 「爽やかで一生懸命でひたむきなイメージでした。今回演じた真野と一生懸命さがリンクしていて、キャラクターと小芝さんご本人の魅力が直結しているから、一緒にお芝居をしていて気持ちいいです」

小芝 「うれしい! ありがとうございます」

笠松 「頼みますよ!」

小芝 「えー、どうしよう(笑)。笠松さんは出演作品のイメージが強く、コメディーのイメージが全くないので、普段から寡黙であまりお話しされない方なのかなと想像していたんですが、たくさん話しかけてくださって」

笠松 「小芝さんもね!」

小芝 「私はおしゃべりが大好きなんですけど、お会いするまでは、話しかけてほしくない方なのかなと勝手にイメージしていたんですよ」

笠松 「へー」

小芝 「最初2人でクランクインして2日間一緒に撮影をして、1週間後、共演者の皆さんと撮影をした時に『2日でここまで仲良くなるの?』とびっくりされて(笑)。悩み相談もしてくれて、こんなにオープンで面白い人なんだって。お会いする前は、笠松さんから宇田川のイメージが全然湧かなかったのですが、お会いしたらすぐにイメージできました。コメディーやお笑いが好きということなので、この作品をきっかけにコメディードラマの出演がめちゃくちゃ増えるんだろうなと感じました」

笠松 「いやいや。うれしいけど、難しいから」

小芝 「あははは(笑)」

――それぞれの役でいうと、真野と宇田川はお二人のパブリックイメージと真逆な感じがしますが、それぞれのキャラクターについてどう思っていますか?

小芝 「このドラマはちゃんとした人が出てこないんですよ。真野が一番まともに見えますが、個性的で独特なところがありますし、ちょっとずれている人物なんです。真野は屁理屈やイラっとする理論的なことを言ってくる宇田川に対して、怒ったりツッコんだりする真面目な人間かと思いきや、お礼やごめんなさいが言えない意地っ張りなところもあります。そこをどうしたら面白くできるかを考えながら演じていました」

笠松 「宇田川は僕に近いです。僕も論理的で合理的なところがあるんです。宇田川はそれを誇張しているキャラクター。僕が演じている宇田川が一番まともな役です!」

小芝 「(頭を振って)いやいや」

笠松 「宇田川以外はまともな人がいないと思いながら演じていますから。現実世界での人間関係も、客観的に見るとこんな感じなのかなと思うので、ぶっ飛んだコメディーではなく、日常生活のボリュームを1個、2個上げたくらいの感覚で、普段と差異なくやれています。宇田川を理解できないとか共感できないということは全くなかったですね」

――では、見出しは「宇田川が一番まとも」ですかね?

小芝 「いやいや、それは違います(笑)。それはドラマを見た時に『あれっ?』てなる」

笠松 「結構、『真野さんヤバい』ってなると思いますよ」

小芝 「(手を大きく振って)いやいやいや」

――今作は刑事ドラマですが「LIFE!」チームならではの部分はありますか?

小芝 「事件を解決しないところです。刑事ドラマは犯人を追いかけて捕まえたり、推理をしたりしますが、そういうことが全くなく、日常に転がってるささいな口げんかみたいなものばかり(笑)。その舞台が警察なんです」

笠松 「刑事ドラマの部分よりも会話劇の面白さがメインで、そこを楽しくやらせてもらっています」

小芝 「私もとても楽しいです。ただ、撮影現場に警察指導の方が来てずっと待っていてくださいますが、警察っぽいことをしないんです。ミカンがどうしたなどという話しかしていないから、お世話になることがほとんどなく、ありがたいけど申し訳ない気持ちがあります」

笠松 「確かに!」

――普通のドラマとは向き合い方が違うということでしょうか?

小芝 「ドラマというより『LIFE!』に出演している感覚が強くて。以前『LIFE!』に出た時よりは緊張感が和らいでいるものの、ちょっとドキドキしながら撮影しています。また、ドラマは『本番、よーい、はい』で始まりますが、今作は『本番5秒前、4、3…』で始まるのでバラエティー番組と錯覚しそうになります。それに先ほども言いましたが、全部一連で撮影していて、台本で5ページくらいある長いシーンもカットがかからないので、相手の芝居をちゃんと受け取って演じないといけない。しかも、後悔しても撮り直せないので舞台に立っている感覚に近いです。その感覚を大事にしつつ、とっさに出るものが面白くなればいいなと思いながら演じています」

笠松 「コントのような面白いシーンも本番までに何度もやるので、何が正解か分からなくなってくるんです。監督と『これはふざけすぎなのか、逆にふざけていなさすぎなのか』『じわっとした笑いを狙ってますよと、斜に構えてスベらないけどウケはしない方を取りにいくのか、それともめちゃくちゃ点を取りにいって大スベりするけど、盛大に負ける方を取るか』ということをずっとしゃべっていて。手応えがなくて不安です。放送が一番怖い…」

小芝 「あははは(笑)」

――小芝さんは「LIFE!」の出演経験がありますが、あらためて「LIFE!」チームという笑いのプロと組んでみて感じたコメディーの難しさを教えてください。

小芝 「監督からリズム感がすごくいいと褒めていただいて、さらに、この作品はテンポが速くて会話がポンポン進んでいくから、リズムを崩して間を取ることができるようになると、もっといいかもというアドバイスをいただきました。今まで出演したコメディー作品では、基本的に周りの個性的な人に振り回される役で、その人たちにツッコんだりリアクションをしたりすることが多く、自分から間を取って仕掛けることがなかったんです。だから、監督にそういう言葉をいただいた時に、大きな課題だなと。笠松さんも共演者の皆さんも仕掛けてくる方ばかりなので、最初はツッコむことに精いっぱいでしたが、今は自分から仕掛けていく難しさを感じています」

――一方、笠松さんはコメディーのイメージがなかったのですが、挑戦して発見したことはありましたか?

笠松 「僕はお笑いがすごく好きなんです。人を笑わせるって一番難しいことだと思います。コメディーと銘打って笑わせるのは、ホームラン宣言をしてホームランを打つようなことじゃないですか」

小芝 「確かに(笑)」

笠松 「それってすごく難しいことだし、いろんなものを問われるなと。それに演じるってことに少し慣れてしまっている部分もあったので、初心に返るという意味も込めてリセットする気持ちでやっているので、僕にとっては大切な作品です。まだ出来上がっていないんですけど(笑)」

――では、全4話の中で一番印象深かった回はどの回ですか?

笠松 「僕は第4話が特に好きです。各話が独立した物語だけど、関係性はつながっていて1、2、3話で人間関係が大体分かってきた上で、4話を見ていただけると、最後の真野がすごくかわいいんですよ。まだ撮っていないんですけど(笑)」

小芝 「撮ってないから、すごいプレッシャーになっています(笑)」

笠松 「真野が人としてかわいくて。それを真っすぐな小芝さんが演じることで、もっと説得力があるシーンになるだろうし、そこがすごく楽しみで、早くお芝居をしたいし、出来上がった作品を見たいです」

小芝 「私も第4話はすごく好きなんですけど、第1話の最初からぶっ飛ばしている感じも好きで。1話っておのおののキャラクターの紹介でもあると思うのですが、宇田川のちょっと面倒くさい感じや常にイライラしている真野など、それぞれのキャラクターが立っていて、台本を読み進めるとワクワクが増して2、3、4 話がさらに気になったんです」

――先ほど、クランクインしてから2日で仲良くなったとおっしゃっていましたが、最初のシーンはどんな場面だったのでしょうか。

小芝 「第1話の、真野が雨に降られて刑事課に帰ってくるシーンでしたっけ?」

笠松 「うーん。とにかく真野と宇田川の2人のシーンですね」

小芝 「やっぱり台本の5ページ分を一連で撮るんだ! 途中で分けないんだ!と思った記憶があります(笑)」

――そのシーンを撮影されていかがでしたか?

小芝 「撮影の前の本読みからテンポがとても速かったんです。それぞれのセリフがパンパンと続いていく会話劇なのですが、とてもやりやすく、心地いいタイミングで会話ができて。台本を読んで自分の中で想像していたものを実際にみんなと合わせてみると、また違って。『楽しい!』と思ったのは覚えています」

笠松 「僕は『真野ちゃん、セリフ飛ばないな。緊張するわ』と思いながらやっていましたね」

小芝 「あははは(笑)」

笠松 「誰かが何回か飛んでくれれば…。もちろん飛んでくれていいんですよ。別に悪いことじゃないし。だけど、飛ばないからもう…」

小芝 「確かに」

笠松 「ピリピリしてくるんですよ。どんどんエンジンがかかって…」

小芝 「先にセリフが飛ぶのは嫌ですよね」

笠松 「そう。先に飛ぶのが本当に嫌で。失礼ながらも『一生懸命覚えてきてる』と。自分ももちろんセリフを覚えてきているのに(笑)。小芝さんは隙があるように見えるけど、プロフェッショナルとしての隙はないんですよ」

小芝 「やった! うれしい」

――ちなみに、どちらが先に?

笠松 「(手を挙げて)はい」

小芝 「あははは(笑)」

笠松 「何で飛ばしたっけな? 変なところで飛んだんですよね」

小芝 「それに引っ張られて私がミスするという(笑)」

笠松 「それに引っ張られたかは自分の精神論の問題ですからね!」

小芝 「引き出されました(笑)」

――(笑)。そして、真野と宇田川以外にも新月署には個性的なキャラクターが勤務しています。新月署員を演じる北村さん、倉科さん、中野さん、それぞれの印象をお願いします。

小芝 「有起哉さんは想像通り、最初に撮影に入られた時にめちゃくちゃ面白くて。有起哉さんが監督に『うまく操縦してください。ブレーキや右左を動かしてうまく乗りこなしてください』とおっしゃっていて『有起哉さんを乗りこなせる人いるのかな?』と思っていました。倉科さんが演じる向田はかわいい役で、自分の世界に入る役で笑っちゃうんですよ。キリッと見つめられて『向田舞よ!』と言われるので、『狙い撃ちされた!』と。全然目をそらしてくれないし、自分の世界に浸っている向田の話を笑わずに真剣に聞いてなきゃいけない役なので、笑いをこらえるのが大変でした」

笠松 「確かに」

小芝 「だから、なるべくテストで向田に慣れる努力をしています。中野さんは初めてお会いしたのですが、本読みの時に『こういう感じか!』と一番驚いたのは中野さんかも。ご一緒したことがなくて知らない分、斜め後ろからドンってたたかれた感じで、衝撃度は一番高かったかもしれません」

――イメージされていた徳大寺とそんなに違っていたんですか?

小芝 「自分が想像していた徳大寺の役柄やセリフとは全く違っていたので、芸人さんのキャラ作りのすごさに驚きました。役者とは違っていて、芸人さんで、しかもコントをされている方のキャラ作りはやはり素晴らしいなと感心しました。自分が徳大寺という役をもらっても絶対思い付かないキャラなんですよ」

笠松 「小芝さんがおっしゃっていた空間に僕は全部いたので『本当にそうだな』と思いながら聞いていました(笑)。中野さんが演じたキャラクターは、本当に斜め後ろからバンってたたかれたような衝撃を受けました。でも現場でやっているうちにちょっとずつ慣れてきて、今は普通になってきましたね」

小芝 「あははは(笑)」

笠松 「北村さんとは中野さんのことで『あのお芝居、ずるいよね!』と盛り上がったり、倉科さんもいろんなお話をしてくださって。そういうキャストの方に囲まれて、皆さんの胸を借りながらやらせてもらってるので、学ぶことも多く楽しくやっています」

――先ほど、北村さんが仕掛けてくるというお話をされていましたが、現場でそういう仕掛けがあったのでしょうか?

笠松 「僕はこれから谷崎と宇田川が関わるシーンを撮影するので、どうなるんだろう?」

小芝 「笠松さん、そういうの好きですよね。仕掛けたり、いろいろ違うことされますよね」

笠松 「分からなくなるから、いろんなことをやるんですよ」

小芝 「だから仕掛ける側ですよ」

――なるほど! では今後、笠松さんと北村さんの仕掛け合い合戦が始まるということですね?

笠松 「どうなるかは本当に分からないですよ。でも撮影はとても楽しみです。いい案配で落としどころを見つけて面白くなるように頑張ります」

――最後に一言ずつ視聴者に向けてメッセージをお願いします。

小芝 「15分の間にいろんなものが詰め込まれているので、一瞬たりとも見逃さずに最初から最後まで楽しんでいただければと思います」

笠松 「こんな世の中だけど頑張ろう! 僕らも頑張って作品を作るから一緒に頑張ろう! これしかないです」

――ありがとうございました! 

 ドラマの真野と宇田川は事あるごとに言い合いをしていますが、小芝さんと笠松さんは2日間で仲良くなっただけあって、息がぴったり! 時にはツッコミ合いながら楽しいトークを展開してくださいました。そして、写真撮影では真野と宇田川らしいポーズに加え、ドラマには出てこないクールな真野と宇田川、張り込み中の2人(?)というシチュエーションにも挑戦していただきました。格好いいシーンを撮っていても、その仲の良さから思わず笑ってしまう姿も。お二人ならでは掛け合いを番組でもぜひ、ご堪能ください!

【番組情報】

コメディードラマ「事件は、その周りで起きている」
NHK総合
8月1日~4日 月曜~木曜 午後10:45~11:00

取材・文/K・H 撮影/蓮尾美智子



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