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「パネルクイズ アタック25Next」はここが変わった! いち早く出場した記者の体験記2022/04/16

「パネルクイズ アタック25Next」はここが変わった! いち早く出場した記者の体験記

 ABCテレビ(朝日放送)にて46年間放送され、昨年9月で惜しまれつつ終了した「パネルクイズ アタック25」がこの春BS Japanextにて「パネルクイズ アタック25Next」として復活! そして仕事に関係なく個人的に予選を受けていた編集が、4月10日放送(再放送4月16日)の「20代-30代大会」に早速出場いたしました。

 復活早々のこんなタイミングでの出場なんていう貴重な経験はめったにできない…! ということで、出場者の目線で印象的だったことを「トーク」「問題」「アタックチャンス」の3点で紹介します。ちなみに再放送まで終えているので、結果を踏まえてのエピソードとなること、あらかじめご了承ください。

「トーク」の時間が倍増! “クイズに関するエピソード”が必須!?

 まず私の番組出場歴ですが、実はこれが初めてではなく、9年ぶり2回目となります。9年前の司会は浦川泰幸アナウンサー、問題読みは加藤明子アナ、収録場所は大阪の朝日放送本社でした。なので、前回出場時との違いを感じる部分は少なからずあったのですが、最も大きいのは、やはり「トーク」が長くなったことです。

 放送時間が30分から1時間に増えましたが、番組のフォーマット上、問題数は増えません。ということで、収録前の意気込みコメント、アタックチャンス前のひそひそトークが入り、収録中の谷原さんとのやりとりも多くなっています。正直に言うと、地上波放送が終わる前の頃のトークですら「(9年前の自分の出場時に比べて)今はトークも多くて大変だ」と思って見ていたくらいです。特に番組やクイズに対する思い入れが求められていたようでしたが、「小さい頃からクイズ番組を見るのが好き」以上のエピソードがない私にとっては、とても大きなハードルでした…! 

 そんな中で、「前回出場時の思い出」があったことにはとても助けられました。収録前の意気込みコメントでは「前回越えでトップ賞を狙う」、谷原さんとのやりとりでは「前回、アタックチャンスであけたパネルに入れなくて悔しかった」、アタックチャンス前のひそひそトークでは「前回も2回立ってしまったが、今回も2回立ってしまった」と、ずっと前回を引き合いに出してしのいでいました(苦笑)。

 そして、アタックチャンスの前の「ひそひそトーク」では「アタックチャンスの狙い目」も話しております。これは話す側としてもとても面白いです。「クイズ番組っぽいことをやっている♪」という感覚になります。クイズ番組を見ると、解答者がどういう考え方をしていたかという解説があると面白みが増すと感じるので、視聴者の方々にとっても面白いコーナーなのではないでしょうか。ましてや「パネルの戦略」をきちんと立てられるだけでなく、それを即座に自分の言葉で話す必要がある…ということで、求められる能力がもう一つ増えていることになるとは思いますが。

 もちろんトークはうまくできたとは全く思っておりません。ただ、谷原さんやスタッフの方々が不慣れな私たちが話しやすいように配慮してくださったので、皆さん楽しくお話されていたと思います。ちなみに、収録前の意気込みコメントですが……私はTAKE3までやりました(笑)。

3タイプの新クイズが登場! 順応性が問われる!!

 「~Next」になり、以下の3形式の問題が登場しました。

多答クイズ
・近似値クイズ
・ふるさとクイズ

 収録前に新クイズの説明があり、多答クイズは「全部で答えがいくつあるかは最初は教えない」「お手付きなし」、近似値クイズは「最も数値の近い人にパネルの選択権が与えられる」、ふるさとクイズは「VTRの後にクイズが出題される」…など、細かくルールを教えてもらってから臨みました。

 だからきちんと対応できる…と思っても実際はそうはいかないもので、それが顕著に現れたのが、近似値クイズです。今回出た問題は「東海道新幹線の東京-新大阪間の営業キロ数」というもので、私は答えを「990.5km」と書きました(答えは552.6km)。百の位までの3桁+小数点第1位を書くように四つ枠がありましたが、その枠を見て「4桁!?」と勘違いし、途中で最後の一つの枠が小数点第1位だと分かったものの、時間がなく慌ててこの数字を書くという、まさに“パニック”の果てでした(苦笑)。もっと言うと、この3形式の新クイズは一つも取れませんでした。順応性が足りなかったですね(苦笑)。

 ちなみにフリップに書く用のマジックペンは、太い方でしか書けないように細い方のふたがテープでしっかり止めてあります。「太い方で書いてください」という注意は事前に受けるのですが、私のように本番はパニックになってしまう者もいるので、ありがたい配慮です(笑)。

「アタックチャンス」はやっぱり勝負の鍵を握っていた!

 そしてこの番組の醍醐味(だいごみ)といえば「アタックチャンス」です。この「アタックチャンス」が今回も勝敗を大きく左右することになりました。今回、「アタックチャンス」前の盤面は、一番枚数が多いのが7枚の緑で、青の私は《1》《6》《11》《16》の縦に4枚獲得して3番目でした。

「パネルクイズ アタック25Next」はここが変わった! いち早く出場した記者の体験記

 ですが、盤面的にはかなりチャンスがあると思っていました。私は「ひそひそトーク」では「《4》を取って、アタックチャンスの狙い目は《25》。《1》から《16》の縦のラインを生かして展開していきたい」と話しました。もし《25》に入れれば、《4》《5》《10》のあいている上側にも、《21》《22》のあいている下側にも面積を広げていけるということです。

 ここで重要なのが他の方の「アタックチャンス」の狙い目です。赤の方が《25》、緑の方が《25》、白の方が《1》でした。つまり《25》を狙うのが3人、《1》を狙うのが1人となり、4分の3の確率で自分のあけたいパネルをあけられることになります。その代わり《1》をあけられてしまわないこともとても重要でした。

 他の方の狙い目が肝要になるからこそ「ひそひそトーク」で1人ずつ狙いを話すのは面白いですよね。他の方のトークがどこまで聞こえていたかについての言及は避けますが(笑)、盤面を見ればあらかた予想はつくので、《25》狙いの方が多いことは分かっていました。そして再放送も終わっているので、この後の展開から結果まで言ってしまうと、緑の方が《10》をとって《25》をあけ、その後にタイミングよく私(青)が《25》に入れました。

「パネルクイズ アタック25Next」はここが変わった! いち早く出場した記者の体験記

 《25》に入る際、頭の中では《4》に入るというのも検討していましたが、やはり上記の理由で《25》の方が有利と判断しました。谷原さんはそれを瞬時に判断されていて、番号のコールまでを盛り上げてくださっていたので、何年もパネルの局面を見続けてきた方の頭の回転の速さはすごいなと、おそれ多くも舌を巻いておりました。

 この結果、誰がどうパネルを取るかに左右されず「自分が答えられる問題を辛抱強く待つ」という戦略をとることができたため、その後1問答えて、最終的にトップ賞を獲得できました。まさに「アタックチャンス」が鍵となった“これぞアタックという展開だったと思っています。

「クイズの勉強」や「パネルの戦略」以外の準備も実は大事!

 最後に余談です。実は前回から学んだことはクイズのこと以外でも多くあり、実はそれがメンタルに影響を及ぼしました。中でも今回気を付けたのが下記の三つです。

  1. 飲み物を持っていく
    前回は「水を持っていく」という発想がなく、喉がカラカラのままで挑み、全く声が出ませんでした。今回は水とジュースを500mlずつ計1L持っていって、ほぼ飲み終えるくらい、たくさん喉を潤しました。
  2. モニターに映った自分の顔を見て動揺をしないよう心構えをする
    自分が映っているのをモニターで見ると、全然印象が違い、とにかくびっくりします。前回はクイズのことで頭がいっぱいで、髪形やメークに頭が回っておらず、モニターを見てがく然としました。今回はできる限りのことをして臨んだ分、モニターに映った自分の顔を見ても「最善を尽くした結果だ」と諦めがつき、精神的ダメージは減りました。
  3. 収録前にほかの人と話す
    前回は水がなかったうえに、始まる前にほかの出場者の方と雑談をしなかったので、いざ収録が始まっても、とにかく口が動かず全く声が出ませんでした。なので今回は積極的に話し掛けるようにしました。もちろん腹の探り合いにならぬよう、話題は当たり障りのないものを選びましたが、ほかの人はもしかしたら「この人スゴくしゃべる…」と思っていたかもしれません(苦笑)。

最後に

 長くなってしまいましたが、ここで私の結果をあらためて紹介すると、パネル12枚を獲得しトップ賞を獲得しました。ちなみに正答8問、誤答2問で、いずれも今回出場の4人の中で一番大きな数字となります。ただ、この手数の多さが勝利につながった…ということでもありません。現に、9年前はパネル8枚で2位(正答10問、誤答2問)でした(正答数は私が一番多く、誤答数は全員2問)。ほぼ今回の結果と変わらない、というより今回の方が正答数が少なくほかの方の誤答も少なかったことから、戦況としては悪かったかもしれません。今回勝てたのは、先ほど説明したパネルの展開の妙に、この手数の多さがたまたまうまくかみ合ったというだけでしょうね。

 なお、番組内で「もともと取材予定だった」と発言しておりますが、そちらは当記事のことではなく、発売中の「デジタルTVガイド5月号」で掲載している司会の谷原章介さんのインタビュー記事です。私の出場については情報解禁前の発売なので言及していませんが、私が参加した収録の直後の取材会でのインタビューです。当記事を読んでいただいた方は、そちらもご覧いただけるとまた見方が変わるのではないかと思います。

【番組情報】

「パネルクイズ アタック25Next」
BSJapanext(ジャパネクスト)(263ch)
日曜 午後1:00〜2:00
司会:谷原章介 問題読み:沢木美佳子アナウンサー
出場者・問題をBSJapanext公式アプリで募集中

取材・文/H・T



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