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小芝風花、心の傷に苦しみつつも前に進む等身大の女性を熱演! オール鹿児島ロケで描く幸せを探す物語2022/03/12

小芝風花、心の傷に苦しみつつも前に進む等身大の女性を熱演! オール鹿児島ロケで描く幸せを探す物語

 小芝風花さんが主演を務める鹿児島発地域ドラマ「この花咲くや」(NHK BSプレミアム)が3月16日に放送されます。これまで幾度となく深刻な被害をもたらしてきた鹿児島県のシンボル・桜島に向き合いながら、お互い素直に寄り添い合えない2組の男女が幸せを探す姿を温かく描き出します。

 勤務する不動産会社の仕事に悩み、恋人からのプロポーズの返事にも迷う日々を過ごす坂元知花(小芝)は、ある日、家を探しにやって来た津村幸次郎(吉岡秀隆)の対応をすることになります。知花は張り切って自分が今イチオシする桜島が見えるマンションを紹介するのですが、内見していた幸次郎が突然、「桜島が見えない家がいい」と口にし…。

小芝風花、心の傷に苦しみつつも前に進む等身大の女性を熱演! オール鹿児島ロケで描く幸せを探す物語
 

 放送に先駆け、主演の小芝風花さんに撮影でのエピソードや作品への思いを伺いました。

――最初に台本を読んだ時の感想を聞かせてください。

「知花がひそかに抱えている心の傷や登場人物の災害に対する向き合い方が、すごくリアルだなと思いました。特に知花の彼氏の森薗洋平(犬飼貴丈)が災害について深い関心を持つ一方で、知花は『大噴火は昔に起きたことでしょ?』と軽くとらえている節があって、桜島が身近にあっても、いつ起こるか分からない災害への対策をどこか人ごとにように考えているところなどは、本当にリアルだなと思いました」

――演じる上で難しかった点や工夫した点はありますか。

「知花の心の傷はすごく大きいのですが、その傷も年月がたち、常にその傷にとらわれているわけではないんです。でも、ふとした拍子に思い出して身動きが取れなくなってしまう…。そのリアルさを1時間という短い作品の中でどこまで出せるのか、心情の移り変わりを表現するのがすごく難しかったです。心に傷を負った人の接し方だったり、他人に深く関われない部分や踏み出せないところだったり、そんなもどかしさをうまく伝えるにはどうしたらいいかを考えながら演じていました」

――撮影中、桜島の噴火などを肌で感じたことはありましたか。

「撮影中、噴煙が上がっているのが2回くらいありましたが、桜島から離れたところで撮影していたので、降ってくる灰をかぶるようなことはありませんでした。私は『(噴火していると思い)噴火したけど灰は大丈夫なんですか?』と慌てましたが、鹿児島の方はどっしりと構えて噴煙や風向きを見て『大丈夫だよ』と教えてくださいました(笑)」

小芝風花、心の傷に苦しみつつも前に進む等身大の女性を熱演! オール鹿児島ロケで描く幸せを探す物語

――共演者の方とのエピソードで印象に残っていることはありますか。

「吉岡秀隆さんと永作博美さんが再会シーンのリハーサルの時に、しっかりと話し合っていたのが印象的でした。久しぶりに会った2人の関係性だったり、言葉のやりとり、物理的な距離だったりを本当に綿密に打ち合わせされていて、演じている吉岡さんと永作さんにしか分からない2人の心情を表現していたことに胸を打たれて。それを近くで拝見させていただいて、すごく勉強になりました」

――撮影中で心に残っているシーンがあったら教えてください。

「銭湯に行った帰り道に、川辺で吉岡さん演じる幸次郎さんと話すシーンです。災害につながる桜島の大噴火がいつ起きるかは誰も分からないですが、大きな被害を経験している人と経験していない人では、桜島への思いが全然違っていて。被害を受けた人の重みを聞いた知花が葛藤していくシーンは心に残っています」

――鹿児島で特に思い出の景色はありますか?

「宿泊したホテルのロビーから見えた桜島が忘れられません。すごく奇麗に見える時もあれば、ちょっと山の輪郭がぼやけて見える時もあったりとか、その日によって全然見え方が違うので、『今日の桜島はどんな感じだろう?』と見るのが撮影期間中の日課になっていました」

――あらためて鹿児島の魅力を教えてください。

「ヘアメークさんが鹿児島の方だったのですが、お話ししている中で、鹿児島の女性はすごくしっかりされていて、物腰は柔らかいけど心(しん)が強く、魅力的に感じました。撮影が忙しくて観光はできませんでしたが、食べ物がおいしかったし、次こそ鹿児島をもっと満喫するぞって思っています。家に帰ってから、母と鹿児島旅行の約束をしました」

――ありがとうございます。最後に視聴者の方へメッセージをお願いします。

「鹿児島ならではのものがたくさん詰め込まれているので、地元の方や鹿児島出身の方には『ここ知っている!』『ここ懐かしい』ってものがたくさん出てくると思いますし、鹿児島に縁がない方にも行ってみたいと思える魅力があふれていると思います。人は皆すぐには変われずもがいて生きていると思いますが、知花や幸次郎さんのように前を向きたいという気持ちを持った人を、視聴者の皆さんがどう思ってくださるのだろうという、期待と不安が入り交じった気持ちではあります。でも、この作品が前を向きたいと思ってくれる人の何かきっかけになれたらうれしいですし、ぜひたくさんの方に見ていただきたいです」

小芝風花、心の傷に苦しみつつも前に進む等身大の女性を熱演! オール鹿児島ロケで描く幸せを探す物語

【番組情報】

鹿児島発地域ドラマ「この花咲くや」 
NHK BSプレミアム
3月16日(水)午後10:00~10:59

NHK担当 S・A



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