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町あかりの「ああ憧れの昭和歌謡TV」 <第6回 日本テレビ「カックラキン大放送!!」(1982年4月9日放送回)>2021/04/16

町あかりの「ああ憧れの昭和歌謡TV」 <第6回 日本テレビ「カックラキン大放送!!」(1982年4月9日放送回)>

 平成3年生まれのシンガー・ソングライターである私、町あかりは、昭和時代に放送されていた「音楽番組」に憧れています! 検索して調べてみると、かつては毎日のようにたくさんの音楽番組が放送されていたんですね。そして令和になった今見てもキラキラと輝いていて、私たちをワクワクさせてくれるのです。

 そんな珠玉の昭和の音楽番組について熱く語るこちらの連載企画、第6回は日本テレビの「カックラキン大放送!!」をピックアップ。CS放送・ホームドラマチャンネルで4月24日放送される、1982年4月9日の放送回を見てみました。

町あかりの「ああ憧れの昭和歌謡TV」 <第6回 日本テレビ「カックラキン大放送!!」(1982年4月9日放送回)>

 「カックラキン大放送!!」は75~86年に放送されていた音楽バラエティー番組。この日はメインキャストの野口五郎さん、郷ひろみさんに加えて西城秀樹さんも登場。なんと新御三家が並んでコントを披露するという超スペシャルな回です。

 こちらは公開収録だそうで、子どもたちの声がキャッキャと聞こえる中に、新御三家のファンたちの声援も混ざり、画面越しでも会場の熱気が伝わってきます。

 最初は、突拍子もなくラビット関根さん(関根勤さんの当時の芸名)が柏原芳恵さんのものまね(?)で登場。かと思えばすぐに次のコーナーへ。テンポが速すぎてまばたきしている暇もありません! でも刺激を求めている子どもたちや10代にはこれくらいの方が楽しいのかも?  TikTokみたいな…。

 続いて坂上二郎さん、研ナオコさん、高田みづえさんらが登場する「お笑いお茶の間劇場」というホームドラマ風のコント。会社員の五郎が昇格したという話で、そこにひろみとヒデキも登場。ダジャレやギャグの連発で会場も大盛り上がり。

 そして家のセットがものすごく豪華でビックリ! 壁のセットを思いっきり割って壊すシーンも迫力満点で、見ていて声を出さずにいられません(笑)。さらに、効果音もたくさん入っていて、見ていて楽しい! ただ、みんながズッコケるタイミングに合わせて効果音を鳴らすスタッフさんの緊張は計り知れませんね…。

 歌のコーナーをはさみ、ヒデキは新曲「南十字星」を披露。ドラマチックでロマンチックな名曲を、まるで王子様のようなデザインの真っ白な衣装で歌います。曲の良さはもちろん、ヒデキの歌声ってなんでこんなに魅了的なのでしょう…。「歌唱力」という一言では表せない、技術力と個性に圧倒されます。

 次に「ナオコおばあちゃんの縁側日記・五郎編」というコントがスタート。新御三家の3人がダンスパーティー会場で女の子を待つという設定です。白いタキシード姿の3人がカッコいい! 個人的には女の子役として、ザ・チェリーズ(キャンディーズ解散後にデビューした女性グループ)が登場したことにもテンション上がりました。そして、オチで研さんが五郎に思いっきりツッコむその勢いにビックリ! 皆さんシンガーにも関わらず、その体当たりなコントに感服です。

 その後も、新御三家3人のキャラクターの違いが明確でおもしろいんです。オチも務める器用な五郎、ちょっぴりキザなひろみ、まっすぐなヒデキ、みんな本当にチャーミング!

 また次の歌のコーナーでは、研さんが1979年リリースの名曲「ボサノバ」を披露。肩が出ているブルーのドレスを着て、憂いたっぷりな歌声にもウットリ。先ほどまでおばあちゃんのコスプレをしていたとは思えません! 研さんといえば最近では、疫病よけに効く妖怪・アマビエや、ディズニーの悪役・クルエラのコスプレ等でSNSでもバズっていますが、その鮮やかな七変化はこの時に培われたものなのでしょう。そのコスプレのクオリティーの高さに驚く若い世代も、「カックラキン」を見れば納得!

 この日は、最後に五郎が「ダイヤル177」を歌唱。この曲、最近知ってサブスクでずーっと繰り返し聴いているお気に入りのロッカバラード(ロックンロールとバラードとが融合して生まれたポピュラー音楽)なんです。恋人との別れ際に、天気予報サービスの番号である「177」に電話をかけて、ほかにもアテがあるように見せかけ強がる男性のお話。今では天気予報はインターネットでいつでも確認できちゃうので、この時代らしいテーマ設定にキュンとなるんです。聴けてうれしい!

 とにかく新御三家の3人がイチャイチャとやり合ってる様子がほほ笑ましく、まさに「神回」。私もリアルタイムで見ていたら、きっと次の日学校で友達と感想を言い合ってはしゃぐだろうなぁ。これは新学期の頃の放送なので、もしかするとこれで会話が弾んで新しい友達ができた…なんていう子もいたかもしれませんね。リアルタイムで経験していない世代でも、そんな想像をしながら見ると、さらに楽しいのです。ぜひ皆さんもご覧くださいね。

【番組情報】

<2ヶ月連続>西城秀樹セレクション
ホームドラマチャンネル 
「カックラキン大放送!!【西城秀樹・野口五郎出演回】#310」ほか、西城秀樹出演番組を一挙放送!

4月24日 
■午後6:30~ 
カックラキン大放送!!【西城秀樹・郷ひろみ出演回】#265(1981年OA) 
■午後7:00~ 
カックラキン大放送!!【西城秀樹・野口五郎出演回】#310(1982年OA) 
■午後7:30~ 
ビッグショー「西城秀樹~若さを誇らしく思う時に~」 
■午後8:30~ 
ふたりのビッグショー「西城秀樹・野口五郎」 
■午後9:30~ 
<第1話先行放送>「恋に恋して恋きぶん」※5月全話一挙放送! 
※5月にも西城秀樹出演ドラマ計6作品を放送!

特設サイト:https://www.homedrama-ch.com/special/saijohideki_selection

【ご意見・ご感想etc.を募集中!】

町あかりの「ああ憧れの昭和歌謡TV」に関するご意見・ご感想、ご要望は下記アドレスまで。抽選で、町あかりさんのアルバムを7名様にプレゼントいたします。
machi-honoji@tokyonews.co.jp

町あかり

シンガー・ソングライター。2010年から活動を始め、作詞・作曲、編曲、執筆、イラストや衣装制作まで自身で行う。19年には、ビクターエンタテインメントからメジャー5thアルバム「あかりおねえさんのニコニコ♡へんなうた」をリリース。20年10月に、日本コロムビアから初のカバーアルバム「それゆけ!電撃流行歌」を発売。ほか、アーティストへの楽曲提供も行う。映画「男はつらいよ」と昭和歌謡曲、そして文鳥を愛する。

★公式WEBサイト:https://mcakr.com  
★オフィシャルTwitter:https://twitter.com/mcakr



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