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井之脇海☆病院薬剤師の世界を描いた「アンサング・シンデレラ 病院薬剤師の処方箋」に出演!2020/05/03

 日本の連ドラ史上初となる、病院薬剤師の世界を舞台とした新たな医療ドラマ「アンサング・シンデレラ 病院薬剤師の処方箋」(フジテレビ系)。“アンサング”とは「褒められない」という意味。“縁の下の力持ち(=アンサングヒーロー)”として患者に寄り添い、奮闘する病院薬剤師たちの姿を描いた話題のヒューマンドラマで、井之脇海は薬剤師3年目の羽倉龍之介を演じている。

── これまでにない医療ドラマで病院薬剤師を演じるにあたり、事前にどのような準備をされましたか?

「キャストみんなで病院に研修に行かせていただき、調剤の見学をさせていただきました。それと、ハンコ(調剤印)と薬袋(やくたい)と薬という、調剤のセットをスタッフさんが用意してくださったので、家で練習したりもしましたね。病院薬剤師さんの仕事は“戦場のよう”とよく聞くので、戦場に見えるような忙しさと、それを手際よく作業していく動きがスムーズに見えるように、相当練習しました」

── その練習の成果が、実際の演技に生かされているわけですね。

「そうですね。現場のセットで立派な調剤室を作っていただいたので、その空間にも慣れてきましたし、手に取っていい薬と取っちゃいけない薬があるんですけど、どこに取っていい薬があるかも分かるようになってきました。調剤の作業自体はシステム的というか、機械的な作業になりますが、その薬を取りに行くまでに何を考えているのかとか、薬と薬をつなぐ空間のことを考えることに、今は集中できるようになってきたと思います」

── 演じる羽倉は薬剤師の中でムードメーカー的人物。初対面の人にも真っ先に話しかけるタイプですが、自分との共通点はありますか?

「普段の僕は集団を引っ張るタイプでもなければ、人との距離の縮め方も時間がかかる方なので、タイプとしては結構遠いと思います。実際、現場の撮影中はもちろん羽倉としてみんなと接してますけど、オフの時間は完全に僕はポカーンとして、もぬけの殻みたくなっちゃってるので…(笑)。それに女性が多い現場なのに、女性と何を話していいか分からないんです(笑)。ただ、現場の雰囲気はすごく和気あいあいとしています。特に石原(さとみ)さんが、真ん中にどっしり構えてくださってるので、待ち時間とかも、役の話や薬剤師の話などでポンポン会話が進むというか。まるで石原さんが“先生”みたいな感じで、本当に頼れるお姉ちゃんって感じです」

── 現場で一番よく話すのは?

「桜井(ユキ)さんとは事務所が同じで、面識もあったので、撮影の合間にちょこちょこお話してます。話す内容は役のことより世間話とか、おなかすいたねとか、今度ご飯行こうよとか、そんなことばかりですね。そういえばこの前、みんなでおなかすいたねって話してたら、石原さんがいきなりカツサンドの差し入れをしてくださって感激でした!」

── 新たな医療ドラマとして話題の「アンサング・シンデレラ~」ですが、井之脇さんご自身は、今までの医療ドラマで好きな作品はありますか?

「色々見てはいますが、特にハマった!ってなると…。でも『Dr.コトー診療所』(同系)は好きでした。あの作品も、小さな世界の話じゃないですか。そこで描かれる患者さんに対する思いとかに感動しました。ICUとか医療的に派手なシーンがあって『わぁ、すごい!』ってなるのとは、また違うところで感動させてくれたドラマというか。『アンサング・シンデレラ~』も、そういう作品な気がするんです。意外とICUとかは出てくるんですけど(笑)、やっぱり薬剤師さんの患者さんに対する思いとか、どう向き合っているのかってところがすごく魅力的だと思ってて。薬剤師さんが本当に患者さんの将来にまで寄り添って薬を出す姿とか、時には対お医者さんだったり、薬剤師さん同士だったり、そういう人と人との間の物語がすごく感動的で、繊細に描かれている脚本なので、そういう助け合いの精神みたいなところを見ていただきたいですし、薬剤師さんというお仕事を多くの方に知っていただけるドラマになると思います」

── ここからはプライベートについてもお聞かせください。現在の趣味は何ですか?

「寝る、食べる、後は、いわゆる“趣味”って意味では登山です。寝るのは大好きで、僕どこでも寝られるんですよ。10分休憩あれば5分くらい寝ちゃう。だから『人生無駄にしてる』って言われることもあるんですけど(笑)、ちゃんと睡眠が取れてると仕事にもいいリズムが出るので、意識的に睡眠を取るように心がけてます。でも、逆に寝なくても大丈夫なんですよ。3日間くらい1日2~3時間睡眠が続いても、わりとケロッとしてます。それに寝起きもめちゃくちゃいいので、基本、遅刻とかしたことないです。今は1人暮らしですけど、実家にいた頃も、起きられなくて親に当たったりとかしたことないですね」

── 時間の不規則な俳優というお仕事に最適な体質ですね(笑)。趣味の登山は、最近はどこに登りましたか?

「今年の年越しは八ヶ岳界隈の山で過ごしました。なかなかまとめて時間を取れないので、やっぱり登るのは年末年始とかが多くなりますね。あとは連続作品の撮影がちょうど終わるタイミングとか。しばらくは『アンサング・シンデレラ~』の撮影が続きますが、終わったら行けたらいいなと思います。1人で山に行くことはあんまりなくて、だいたい父親が山に登るので父親と登るか、あとは雑誌の連載で山に登ったりするので、その界隈でできた友達と登ることが多いです」

── 登山が仕事の息抜きになっているのでしょうか。

「…と言っても結局、山を歩いてる時も仕事のことを考えてるんですけどね。ただ、都会の密閉される空間で仕事や役について考えるよりも、山に行って違う空気を吸いながら、広い心になって役のことを考えてみたり。そういう時間に使ってます」

── これまでそうそうたる方たちと共演されてきた井之脇さんですが、強いて今までの共演者の中で一番影響を受けた方を挙げるとすれば?

「やっぱり香川照之さんは大きかったですね。香川さんに出会ったのは『トウキョウソナタ』という映画なんですけど、当時12歳で将来のことを何も考えてなかった僕に色々教えてくださったので、それはもう人生のターニングポイントですね。作品で関わった期間は本当に成長できましたし、その時間がなければ今の僕はいない。香川さんとの出会いが自分の将来を決定づけたってことは、はっきりと言えると思います」

── 出演作の幅も広がった現在は、井之脇さんご自身が人に影響を与える俳優になっていると思いますが…。

「なってますかね?(笑)。まあ、なれていたらいいなとは思いますけど、難しいですね。本当は後輩を育てるまでは言わなくても、みんなでこれからの映画やドラマの世界をよくしていきたいとは思うんですけど、僕はまだまだ自分のことで精いっぱいです」

── ちなみに、ご自分の出演作は見返す方ですか?

「見られる限りは見ていますね。昔は苦手だったんです。今も得意ではないけど、自分の演技がどう映っているのか、勉強として見るというか。だから、なかなか楽しめないです(笑)。よく見ながら『ああああ~!!』ってなってますね(笑)」

── 最後に、今後やってみたい役や、なりたい役者像を教えてください。

「基本的には、やっぱり普通の人をちゃんと演じたいというか…。普通の人ってなんだ?って話になってくるんですけど。ちょっとトリッキーな役とかって、実は意外と取り組みやすかったりする。今回の薬剤師もそうですが、去年は銀行員の役をやったり、この1年くらい、職業ものの作品が続いているんです。そうやっていろんなお仕事を知って、それを発信できるのは、このお仕事ならではの魅力だと思うので、いろんな職業に就いている、普通に生活している人を演じていきたいです。演技ってうそはうそなんですけど、うそに見えないようなお芝居でちゃんと表現できるように、これからも頑張ります」

【プロフィール】

井之脇海(いのわき かい)

1995年11月24日神奈川県生まれ。いて座。B型。ドラマ「義母と娘のブルース」(TBS系)、大河ドラマ「いだてん~東京オリムピック噺(ばなし)~」(NHK)、「教場」(フジテレビ系)、「伝説のお母さん」(NHK総合)、映画「帝一の國」「あゝ、荒野」(ともに17年)、「ザ・ファブル」(19年)などに出演。映画「砕け散るところを見せてあげる」「サイレント・トーキョー」(ともに20年公開予定)など待機作多数。

【番組情報】

「アンサング・シンデレラ 病院薬剤師の処方箋」 
近日スタート 
フジテレビ系 
木曜 午後10:00~10:54

日本の連ドラ史上初となる、病院薬剤師を主人公にした新しい医療ドラマ。薬剤師の葵みどり(石原さとみ)は、救急センターで蜂にさされた患者の投薬をサポートしていた。そこに、新人の相原くるみ(西野七瀬)がやって来て…。

取材・文/齋藤春子 撮影/蓮尾美智子

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